
- doggyhonzawaさん
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:155mL・68,090円発売日:2026/5/20
2026/5/22 22:56:17
「エリゼ宮殿の庭」。そのボトルを開けた瞬間、肌の上で、五月の光に満ちた帝政フランスの記憶が目を覚ます。
2026年5月、伊勢丹新宿店のゲランレゾーポップアップイベント。創業200周年を2年後に控えたゲランが用意した特別な空間で、その記念碑的な香りとの邂逅が果たされた。その名は「ジャルダンドゥレリゼ(エリゼ宮の庭)」。
かつてナポレオン三世の妃、ユージェニー皇后に香水を献上したことで、皇室御用達の栄誉を賜ったゲラン。ナポレオン家の象徴である「蜂」を意匠に組み込んだ伝説的なビーボトルは、ゲランと帝政フランスの間に結ばれた、永遠の絆の証明だ。歴史の舞台となったのはエリゼ宮殿。そこは、ゲランの調香という芸術と、フランス国家の最高峰の格式が美しく交錯した至高の場所となった。
「エリゼ宮殿の庭」をモチーフにした香水と聞けば、重厚で威厳に満ちたクラシカルな香りを想像するかもしれない。しかし、このジャルダンドゥレリゼは、そんな先入観を心地よく裏切ってみせる。そこに宿っているのは、驚くほどに光に満ちあふれた、どこまでも優しく、透明なフルーティーフローラルの調べ。
香りの幕開けは、朝の庭園に差し込む淡い金色の陽射しそのもの。まるで五月の爽やかな風が通り抜けたかのような、透明感に満ちたベルガモット。どこかメロンのようなライトグリーンなフルーティー。朝の冷涼な空気を胸いっぱいに吸い込むようなみずみずしいトップノートから、やがてジャスミンとマグノリア、そしてその奥からやわらかなローズが、静かに、しかし確かな意志を持って花開いていく。
この香りの真の魅力は、個々の素材を主張させるのではなく「庭園全体の空気感」をひとつの美しい風景画のように描き出している点にあると思う。ローズは甘くジャミー。ジャスミンはどこまでも優美。それらをマグノリアの少しクリーミーな柔らかさが包み込み、終始気高く、上品に咲き誇る。ゲランらしいクラシックな格式の骨格を確かに宿しながらも、古めかしさは一切ない。むしろ、美しく仕立てられた白いブラウスやリネンのワンピース、春風に揺れるカーテンのような、穏やかで明るい現代的な美しさが息づいている。
時間が経つにつれ、香りはさらに詩的な表情を見せる。ラストノートに向けて、少しドライでスモーキーなティーの香りが静かに立ち上り、庭園の花々を優しく凪がせていく。この、甘さだけで終わらせない「お茶」の引き締め方こそが、ゲランの血統たる所以だろう。華やかなのに静寂があり、クラシカルなのにどこまでも透明。オーデパルファムとしての体感時間は約8時間ほどと、その繊細な印象からは想像もつかないほど、つけた肌の上にゆったりと寄り添い続ける。
もしかすると、強いグルマン系や濃厚なアンバー系が好きな方からは「少し繊細で平凡では?」という声が上がるかもしれない。SNSでは「アムールセレステに似ている」という声もよく見かける。だが、果実のフレッシュな甘さを前面に出したフルーティーなセレステに比べ、こちらはどこまでも「花の持つ優しい甘さ」そのものを、絶妙なバランスで再現している感がある。強い自己主張で周囲を圧倒するのではなく、近づいた者にだけそっと気品を分かち合う。これほど穏やかなのに、決して退屈させない洗練された美が、この香りにはあると思う。
ジャルダンドゥレリゼは、単なる香水を超えている。鮮やかなトリコロールのタイは、フランスという国家そのものを現すシンボル。かつて帝政時代、エリゼ宮に存在した美しい庭園の記憶を、そのまま肌に甦らせるようなロマンティックな体験が、この香水の真骨頂だ。
エリゼ宮殿という言葉から連想される歴史や権力的な豪華さではない。そこにあるのは、花々が整然と美しく咲き乱れ、遠くから噴水のせせらぎが心地よく響く、静かな午後の光景。その広大な庭を、ただ一人、心満たされて歩く春のひととき。
ありし日のユージェニー皇后が浮かべた、慈愛に満ちた微笑み。その隣で、満足そうに彼女を見つめるナポレオン三世。皇后の白い手元には、ゲランから献上された美しいコロン。春の穏やかな陽射しが優しく降り注ぐ、幸福なエリゼ宮の庭園で。
この気品溢れる香りを身に纏う時、日常は、五月の光に満ちた宮廷の記憶とともに、どこまでもロマンティックに塗り替えられていく。声高に主張する必要などない。近づいた者だけがその真の優雅さに目眩を覚えるだろう。
それは、光差すエリゼ宮の庭園の香り。ジャルダンドゥレリゼ。
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[日焼け止め・UVケア(顔用)・日焼け止め・UVケア(ボディ用)・化粧下地]
税込価格:- (生産終了)発売日:-
2026/5/10 19:36:19
<追記A>
返品返金のアナウンスがあったものの、今回の一連の対応(みなさんからのインスタでのコメントなどの情報から製造元のリリースまで)を眺めていて、”悪いのは自分たちではない”を貫くファチュイテに対していい印象は持てなかったです・・・↓のクチコミで書きましたが、販売前のベスコス受賞に大いなる違和感を覚えた時点で、自分は買うべきではなかったなーと思って反省。
ベスコスに限らず、youtubeやSNSで取り上げられるというのは、メディア媒体との広告費や交友関係などもかなり影響していると思っているので、あくまで参考程度にするのが一番と思ってます。(今回だけじゃなく私もいろいろ失敗してます)
結局は、肌質も色も好みも千差万別それぞれ違うので、自分がいいものを選ぶしかない。失敗しながらも自分を信じて選んでいくうちに、良さそうと思えるものが分かる嗅覚がついてくる気がします。失敗も経験知になるはずなんで。今回のことはよい勉強になりました。
<追記 2026.5.10>☆1→0
目の周りを避けて使うと宣言しながら、あの目の痛みが怖すぎてやっぱり顔には使えず、体用にしたのですが、塗ったところが赤く日焼けしたように・・・
Xで成分に詳しいその筋の方が「オクトクリレンは目が痛くなったり、皮膚が赤くなったりというアレルギーに似た症状が出る場合がある」とこのファチュイテ騒動の後にコメントしていたのを読みました。
私のも「目が痛くなった→体も赤くなる」というオクトクリレンのアレルギー症状みたいなものなのかもなと思いました。なので、赤くなった方は日焼け止め効果がなくて日に焼けたわけではなく、おそらくオクトクリレンによる症状と思われるので、使用をやめた方がいいです。
そういうコスメに精通した裏方の話を読んだりすると、成分といってもピンキリで、成分表見ただけでは分からないことだらけみたいですね。つまり「牛肉」と書いてあっても「アメリカ産牛肉」か「飛騨産の黒毛和牛A5ランク」か分からないですよね。成分も同じことで、作った国、企業、グレードとか分かれてるみたいです。
なのでオクトクリレンでも資生堂とファチュイテの使っているものは違うと思われるので、その成分の質の差が、今回一定の人に割と大きい症状を出しているのかなと。ただ、製品として販売する前の段階で、企業として実際に人で試験をどれくらいしていたのかが疑問ですね。
2026.5.1
私はドライアイ持ちで、割と目に沁みがちなのですが、特に日焼け止めに入っているオクトクリレンとメトキシケイヒ酸エチルヘキシルが入っているものが怪しいといろいろ試して昨年辺りから自分なりの仮説の答え合わせをしてきたんですよ。
で、こちらは買う前にチェックしなかったのが悪いんですが、なんか界面活性剤不使用という情報がなぜか頭の中で紫外線吸収剤不使用と誤認(オバなんで)、成分表ノーチェックで買ってからオクトクリレンが上位に入っていることに気づいたわけです・・・
でも話題になっている日焼け止めだし、使ってみないことには分からない。あと、自分の仮説が本当に正しいか身をもって改めて実験してみようじゃあないの!という訳の分からない知的好奇心が勝り、目周りもがっちり塗ってみた結果、
めちゃくちゃ目に沁みました・・・
沁みるというのもいろいろレベルがあって、シパシパする、頭が痛くなる、など諸症状あるわけですが、これは涙が止まらない。塗ってすぐからシパシパし出して、1,2時間くらいがピークの涙でした。涙は止まってもひどいシパシパはずっと続いている。(沁みレベル最上位)
界面活性剤不使用ってすごいことなんですよね。それで塗り直ししなくていい密着耐水シールドってどいうこと?とめちゃくちゃ興味津々だったので、残念な結果となりました。
質感は、界面活性剤不使用というのが納得の、クリームでもジェルでもないような、フルーチェみたいな質感。伸びはよく、完全透明。塗り心地は軽く、かなり好きです。私はモロモロは出ませんでした。
完全透明な日焼け止めで、塗り直さなくていいというのは、たぶんメイク好きな皆さんなら誰もが望んでいる世界なので、オクトクリレン大丈夫という方にはおすすめ。
目周りだけ目に沁みないアリィーと併用して使います。
あ、あともう一つ言いたいことが。
発売前から商品ページに美容雑誌のMAQUIAとVoCEのUV部門でベスコス受賞のマークがついていて「え、発売前なのに」と興ざめ。関係者には発売前から商品が配られるだろうけどさ。前から思ってたことですけど、ベスコスは所詮、出来レースなんだなと。あらためて、そういうものに惑わされず、私は自分に合ったコスメを探すだけです。
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50mL・37,180円 / 100mL・52,800円発売日:2025/9/1
2025/10/10 17:33:13
サロパにてお試し、ムエットのみの感想です。
生い茂る草、時間が経つとマンゴーがやっと顔を出す、けど最後まで草の存在感が絶大。
メンズラインに何故しなかった?ってくらいキリッとしてる。
最近のゲランは(アクアアレゴリアですが)フローラブルームを長く推してるし、草系とかキュウリ系がお好き?
個人的に草薫る系は苦手なのでそっと離れました…
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- doggyhonzawaさん
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2024/12/21 04:04:31
ガチに伝説的なウードの香りが、あなたを心の深淵へと誘う。
時をこえて作られた木々の香り、ニコライのウードサブライム・エリクシールは、本物ウード香水の究極を味わえる逸品だ。
この香水は、2020年にフランスの調香師パトリシア・ド・ニコライによって創作された。彼女は、香水業界での豊富な経験を活かし、中東の文化からインスパイアを受けてこの作品を生み出した。ウードサブライムはアンバーウッディ系の香水で、貴重なカンボジア産のウードをこれでもかと投入した深い香りが特徴的だ。ではいったい、どんな香りなのか?
ウードサブライム・エリクシールをつける。最初の一吹きで感じるのは、まるで大地から湧き上がるような力強い香りだ。最初はスパイス&ハーブの清涼感、そしてすぐに続くのは、ムワッとするほどのアニマリックな香り。さながら動物の厚い毛皮の中に鼻を突っ込んだようなくぐもった匂いがしてくる。そして同時に、木の樹脂をこげ茶色まで煮詰めたような強いスモーキーな香り、それがスッキリした酸味を伴って追いかけてくる。
なんと複雑で濃密なトップだろう。この最初の一撃が凄まじい。全ての香料が「発酵」「熟成」した年季を感じさせる。ダメな人はこのトップを嗅いだ瞬間「うわっ、パス!」となるはずだ。
このトップノートには、コリアンダーやアルテミジア、アンブレット、そしてダバナがクレジットされているが、印象としてはまさにウードが一気に炸裂している雰囲気だ。しかもそのへんのウードではない。本当に濃厚で希少なタイプ。もし「ウードってどんな香り?」と思ったら、まずこのサブライムを嗅いでみることをお勧めしたい。さすがゲラン一族出身のニコライ女史、本当にすごみのあるウード系香料を使っている。好きかどうかは別にして。
時間が経つにつれ、香りは次第に乾いた感じに変化していく。トップノートが落ち着くと、ミドルのカンボジア産ウードは、軽やかで酸味のある美しい木の油といった表情になる。この乾いてきたあたりの香ばしいウード香は最高に心地よい。ヒノキとシダーのような「温かみ」と「冷たさ」の対比、そこに少し辛味と酸味のある樹脂香が混じったような、えも言われぬ香りになる。まるで古代の寺院で焚かれるお香のように神秘的で深い。さらにパチョリのノートも加わり、土系のスパイシーな力強さも感じられる。このミドルのウードは、さながら深い森の奥で何百年も佇んできた高貴な木々と発酵した大地の匂いだ。
ラストは、インセンスやスチラックスがお香っぽさをにじませ、寺院の雰囲気が感じられてきて終息する。ウード香はより穏やかになりつつも、その存在感は決して薄れない。空が次第に赤く燃え上がってゆく夕映えのように、静謐な煙のドライダウンを迎える。
持続時間は時と場合によるし、つける量でも異なるが、終始2〜4時間くらい。この香水は、トップが一番強烈にウードの複雑なファセットを感じることができるように思う。清涼感、スモーキー、酸味、樹脂感、苦み、そして辛味。それらが複雑に変化しながら次第に乾いていき、透明な煙のように立ち上っていく展開を見せる。まさにエリクサー。秘薬のごとき神秘的な香り。
この香水を肌にのせていると、知らず知らず心は、中東の古都の雑踏へ誘われる。夕暮れ時、黄金色に染まった空の下、人々が色とりどりの衣装をまとい行き交う。黒いアバーヤを身にまとった女性たち。白いディシュダーシャを着た男たち。市場ではスパイスや果物の甘い香りが漂い、賑やかな声が響いている。柔らかな日差しと共に心地よい風が吹き抜ける。色とりどりの布地や陶器が並ぶ露店、その合間から見える青空と夕日のコントラスト。エキゾティックな人々の笑顔に共鳴する乾いた音楽。人々が行き交う通りに、それぞれ衣服に焚きしめたウードが、香りの引き波を幾重にも交差させる。
ウードサブライム・エリクシールは、奇跡的に生成される世にも奇妙なウード香を可能な限り投入して作られた特別な香水だ。値段は調べなくていい。そうそう買える金額ではない。もしもこの香水にどこかで出会えたら、それじたいがとてもラッキーなことだ。幸運にもこの香りを纏えたら、きっとあなたは自身の存在価値とこれまで過ごしてきた「時間」に思いをはせるだろう。希少なウードが作られるための奇跡の時間はあまりに長く、私たちの人生はあまりに短いのだから。
香水の深淵をのぞいてみたいなら、ときにこんな特別なウードを探してみるのも一つの手だ。ウードサブライム・エリクシール。その一滴は、あなたの心の深い泥の中で、今なおゆっくり発酵し続けている豊穣な魂の香りだ。
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2025/8/30 15:31:47
太陽がくれた「神のオイル」、タヒチアンティアレとココナッツヴァニラの濃密な香り。
キリアン パリの「サンキッスド ゴッデス」は、2024年に限定発売された香水だ。ブランド創業者キリアン・ヘネシーが、ポリネシアの伝統的な万能オイル「モノイ」に着想を得て創り上げたこのフレグランスは、太陽に焦がれた肌を鮮やかに彩る優美な香りに満ちている。
モノイはティアレフラワーをココナツオイルに浸した神秘の香りであり、タヒチ島の女性達が日常的に保湿・美容、神聖な儀式に用いる「神の贈り物」として愛されている。
サンキッスドゴッデスは、モノイのエモーションを調香師カリス・ベッカーが現代の感性で再解釈したもので、キリアン自身の夏の思い出と五感を体現した一遍のロマンティックな詩のような香水だ。
美しいゴールドキャップを外し、サンキッスドゴッデスをスプレーする。
その瞬間、可憐なティアレの花と香ばしいココナッツの香りが、一気に真夏の楽園へといざなう。太陽に祝福された肌が、波音に誘われてきらめく。南太平洋のまばゆい白い砂浜、どこまでも透きとおるエメラルドブルーの海が眼前に迫るトップ。
目を静かに閉じてさらに香りを味わう。
ティアレの低音部を影のように寄り添う、熟れたバナナのようなフルーティーが感じられる。それは黄色いイランイラン。白く小さなティアレの花が、ココヤシの木陰で海風に花弁を揺らし、妙なる香りを放っている。密林の奥からは誘いこむようなイランイランの香りが、時折風に乗って運ばれてくる。その情景がありありと眼前に浮かぶ。
遥かなる楽園。くつろぎのひととき。強い陽射しと同じくらいに濃い、熱帯植物が砂浜に落とす陰影。生き物の匂い、強い潮風、熱帯の密林が放つ濃厚な緑の吐息。
その中に咲きほこるエキゾティックな花々。したたる蜜の匂い。
ティアレフラワーの純白とイランイランの蠱惑の共鳴。白い花びらが眩しい太陽の光を浴びて輝く影で、細くうねった黄色い花弁のイランイランが妖しく揺れる。その対比の妙、バランス。
肌にまとわる熱い潮風と、太陽の光に溶ける花の香の甘さ、その二重唱。それらを包みこんでゆく甘く切ないココナッツオイルのクリーミーとヴァニラの狂おしいヴェールに心がほどける。
それぞれの香りのアコードが、ビーチチェアに身体を預ける女性の褐色に灼けた肌をやさしく包みこむ。いつまでもここにいたい。時間とこの身をこんがり灼いて溶けてしまいたい。そう思わせる歓喜と官能の香り。
日が傾くほどに、香りは深く温かみに満ちていく。ウッディとシスタスラブダナムのわずかなスパイシーが、鼻腔の奥に忘れ得ぬ夏の甘苦い余韻を灯す。
南の島の夕暮れ。昼と夜の狭間。黄金色に染まりゆくビーチ。波の破片が金色にきらめき、指先から肌へと太陽のぬくもりが火照りを与えてゆく時間。遠く水平線に溶けてゆく夕陽に頬が赤く染められる。刻々と変わりゆく夕闇のグラデーション。オレンジに萌える空の上で南太平洋の星々が巡り始める。その永劫の営みの中、身体が潮風と花の香りに包まれている。バルコニーでグラスを傾けて、夜の始まりのしじまを感じるひととき。白く柔らかなティアレの花が心に咲いている。
キリアンのブランドにふさわしいラグジュアリーな持続力と品格にあふれ、それでいて押しつけがましくない香水の1つ。ひと吹きで長時間、肌にそっと寄り添いながらも過度に主張しない。自分偏愛のローリングインラブのように、すっと肌に寄り添い、自分の匂いに同化してゆく。キリアンはこの「肌と香りのすり合わせ」を何よりも大切にしている印象がある。香り自体の構築美と余韻は格段に秀逸、それでいて香りをつけた人の肌感覚がどうなるかを徹底的に突き詰めている。どこまでもロマンティックに、自分の肌から立ち上る香りで夢を見続けられるのか。洗練するということは何を引き算するかということ。それをキリアンはいつも大切にしている。そう思う。
やがて夜の海。ぬるびた風が止まり、銀の月が波頭を揺らし、島のかがり火が夜の入口を告げる。サンキッスドゴッデスのラスト、ココナッツヴァニラの優雅な香りが、静かに、けれどこまでもエキゾティックに心と身体を楽園の迷宮に導いていく。どこまでも深く。
漆黒の海。その頭上。満点の星空に幾億もの星々がまたたいている。海風に長い髪が巻き上げられ、ティアレの白い花弁がふわりと宙に舞う。
ゆっくりと瞳を閉じる。黒髪の背中が波音に重なる。消えゆくラストに、交わした言葉の記憶が紡がれてゆく。
それは真夏の抱擁。太陽が恋した夏の女神への柔らかなキス。
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