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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2025/12/27 20:14:26
昨年の京都サロパでレーヌドゥサバというブランドが一時期話題になった。価格は100mlで税込49,500円という高価格帯かつ、アルベルト・モリヤス等の有名調香師に依頼して作らせており、postフレデリックマルの立場をほしいままにするのではないか、とまで言われていた(ちなみにアフォリズムバイドミニクロピオンと同資本とのこと)。このディヴァインタンタシオンはミラーハリスで多くの香水を手がけているマチュー・ナルダン作。
金属製の豪華な蓋を取って付けてみる。蓋と言っても、あまり蓋の機能は果たしていないけれど。この装飾はブランド名にもあるサバ(シヴァの女王)の髪飾りをモチーフにしているとかなんとか。トップから鼻に抜けていくスパイスと共に展開してくるのは芳醇な酒香。とても甘美でセクシーな雰囲気だ。なにしろシヴァの女王だからな(?)。他ブランドで言うとキリアンのエンジェルズシェアに近い印象。でもなにかがキリアンとは違うな…
甘い酒香の中を注意深く探ってみると、違和感の正体に気付く。パチュリだ。キリアンのエンジェルズシェアはオークウッドの乾いたウッディが肌に残る感じがするが、こっちは暗く苦いパチュリの存在がはっきりわかる。
違うと思って嗅いでみるとけっこう違うな。キリアンは酒香にアップルやレーズンを思わせるようなフルーティーなニュアンスが合わせられているが、レーヌドゥサバの方はラム+レジン系統の甘さがメインの骨格だ。
トップからドライダウンまでゴージャスな甘さを漂わせつつ、ややパチュリのニュアンスが強くなってきたらドライダウンだが、かなりロングラスティング。半日くらいは余裕で香っている。ドンピシャの季節はもちろん冬、こういった系統の甘い香りが好きな方にはたまらない香水だろう。
ところでこのレーヌドゥサバだが、日本市場では前評判ほどの評価はなかった。なぜか?個人的な考察だが、
・他にニッチブランドがたくさん日本に上陸していた
・フレデリックマルの後釜という事前評価が高すぎた(シヴァの女王着想という縛りがあるので、やっていることはシャネルのレゼクスクルジフに近い)
・ブランド全体的に綺麗にまとまったファッションフレグランス寄りの香りが多いため、ニッチ香水好きには刺さりにくい
あたりかなと。だとしても質が悪いということはないし(スプレーの出方はちょっと微妙だけど)、ボトルのビジュアルもなかなかよい。日本では京都の香水専門店ルシヤージュで試香&購入ができるので興味がある方はぜひ。
トップ:ラム、フィグ、クローブ
ミドル:シナモン、ガイアックウッド、ペルーバルサム
ベース:マダガスカル産バニラ、アンバー、パチュリ
調香師は、マチュー・ナルダン。
(fragranticaより)
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2025/11/14 22:56:19
「ルパルファム」以降なんとなく避けていたイヴサンローランのリブレシリーズであったが、今年のホリデー限定の「ヴァニラクチュール」は思わず買ってしまった。なんといってもボトルがキレイだ。ホリデーらしいゴージャスな金色のボトル、香水自体も気持ちゴールドっぽい。やっぱりデパコスはこうでないと、簡素なボトルに同じ中身が入っていてもなにか違う。
とりあえずワンプッシュ。トップで拡散するのは曖昧なフルーツキャンディ香。これはリブレシリーズ共通の出だしだな。
すぐに鼻に抜けてくるのはこれまたリブレシリーズ共通のラベンダー。フローラル感強めでフェミニンなタイプ。そこに合わせられているのは甘さの強いオレンジフラワーを中心としたホワイトフローラルで、ファッションフレグランスのメインストリームといったところ。ラベンダーといえば、フゼアをはじめとしたメンズ香水によく使われるものだったが、リブレシリーズはこれにホワイトフローラルをミックスすることで「女性も使えるラベンダー香水」として一世を風靡したジェンダーレスフレグランス。アジアではその「ジェンダーレス」が違う風に解釈されているきらいがあるが、それもまた一興。
ミドルまでの展開は他のリブレシリーズとそう変わらないが、ヴァニラクチュールはここからひと味違う。ドライダウンではかなりバニラが主張してくる。通常のリブレにもバニラはクレジットされているのだがヴァニラクチュールは段違い、しっかり焦げ感があってヴェスティエールのベビーキャットにも似たバニラの存在を感じる。そのバニラにほんのりラム酒のようなアクセントが効かせてあるのもいい。このドライダウンはかなり残香性が高いようで、8時間位は余裕で香る。
リブレシリーズの欠点であったドライダウンの弱さ(尻すぼみにモヤモヤとした曖昧で潮気のあるムスクの残香に着地する)を濃厚なスモーキーバニラでカバーすることでホリデーシーズンらしいリッチな香りに仕立てられている。リブレシリーズの中なら間違いなく珠玉の出来だと思う。
トップ:マンダリン, ネロリ, ラベンダーハート, ブラックカラント
ミドル:オレンジブロッサム, ジャスミンサンバック, ディーバラベンダー, シナモン
ラスト:パチョリ, バニラブルボン, ラムアブソリュート, アンバーグリスアコード
(公式サイトより)
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2025/11/2 00:38:00
チュベローズをテーマにした香水の最上位はHJのダンテルオクールだと思っていたが、それに勝るとも劣らない新たな作品が世に放たれた。それはアフォリズムのイノセントチュベローズ。アフォリズムはホワイトフローラルの帝王(※個人的に思っているだけ)、ドミニク・ロピオンのプライベートブランド。日本では京都のニッチフレグランス専門店ルシヤージュの店頭・オンラインで購入できる。
まずはタイトルの違和感。「イノセント」な「チュベローズ」?一般的な認識だとチュベローズは、肉欲をかき立てるような、甘く官能的でリッチな厚みのあるホワイトフローラルとされている。イノセントという単語とはあまりに対極的、純真無垢な花といえばローズやバイオレット、ホワイトフローラルにしてもスズランあたりでチュベローズとはあまりに縁遠い言葉なのでは?
期待に胸を膨らませながら付けてみる。ボトルがとてつもなく重い。容量50mlなのに本体もキャップもめちゃくちゃ重い。香水界の鈍器と呼ばれている(?)エレクティムスよりも重いかもしれない。
トップから度肝を抜かれる。私はそれなりに高価格帯の香水を試してきた。「ま、こんなもんだろう」とある程度の想像をしていた。しかしそんな想像など無駄だった。イノセントチュベローズはホワイトフローラル愛好家が文字通りひっくり返る香水だ。鼻先に抜けていくグリーンとかすかにスパイシーなファセット、朝露のようなきらめきを添えるシトラスに連れられて花開くチュベローズはイノセント、チュベローズだけどイノセントなのだ。でも肉厚なホワイトフローラルを感じる。淫靡的で抗いがたい狂おしい甘さはありつつも、そこから受ける印象はあまりにも純真無垢。まさにイノセントチュベローズ。
かつて、ドミニク・ロピオンはフレデリックマルで一年半かけてカーナルフラワーを調香した。カーナルフラワーもトップにグリーンを効かせた極上のホワイトフローラルだったが、このイノセントチュベローズは全然違う。カーナルフラワーは名前の通り官能的という一般認識に沿った香水であったが、イノセントチュベローズはチュベローズだけどこの上なく無垢。何故なんだ、頭も鼻も混乱してきた。
少し頭を冷やしてfragranticaを確認してみると、
トップ: マンダリン、グレープフルーツ、ベルガモット、オレンジブロッサム、ジンジャー、カルダモン、ピンクペッパー、ブラックカラントバッド(蕾)
ミドル: スズランアコード、チュベローズ、イランイラン、ジャスミンサンバック、フローラルラクトンアコード
ベース: カシュメラン、シプリオルハート、ベチバー、グレイアンバーアコード、ムスク
(※見やすいように表記は変えた)
ふむふむ。トップの心地よい抜け感はカルダモンやピンクペッパー由来だろう。ミドルはチュベローズとイランイランを中心に、脇をスッキリしたスズランやジャスミンサンバックで固めることで濃厚ながらもピュアな路線も欲張っていると(偉そう)。最上級の素材をじゃぶじゃぶ使用しているだけでなく、数多のブランドからの依頼をこなしてきたロピオンの持てる全てが込められているのだろう。構成だけ見て他ブランドが真似できるものとは到底思えない。
ドライダウンになるとアンバーグリスのような潮気のあるムスクが下層に漂ってくるが、上層はいまだチュベローズの狂おしいホワイトフローラルが香っている。持続は8、9時間ほど。期待を裏切らない、いや、期待をあまりにも越えてしまった。これはこの系統の最上級という他ない。難しいことなんかなにもかも忘れてこの香りにただただ溺れたい。
ホワイトフローラルの帝王が、調香師人生の集大成とも言える自身のブランドで手がけるチュベローズ香水はなぜこんなにも溌剌としてピュアなのか?どうやらフレデリックマルでマルと作り上げたカーナルフラワーは、かなりマルの意向が入っていたらしい。調香師が自由にクリエイションできるとされているFMですらそうなのだ、他ブランドならさもありなん。やれ予算はどうだ、方向性はどうだ…この香水は、ドミニク・ロピオンが真に作りたかったチュベローズなのかもしれない。調香師人生全てを注ぎ込んで作ったピュアな白い花。それがイノセントチュベローズ。
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2025/10/15 22:12:43
シャリマー100周年を祝うのはミレジムベルガモットか?ミレジムローズか?と思っていたらまさかのミレジムシリーズはスキップ、満を持して発売されたのはシャリマーレソンス。お馴染みのボトルにトレードマークはアールデコ調のロゴ、なんでも前評判だと「ミレジムヴァニラとドゥーブルヴァニーユのミックスみたい」らしい。ミレジムヴァニラはシリーズの始まりで即完売した幻のミレジム、ドゥーブルヴァニーユはラールエラマティエールの大ベストセラー、そんなふたつが合わさったような香りとはどんなものなのか?
てっきり限定品だと思っていたが、なんとこのレソンスはしばらくレギュラー品らしい。シャリマーのドジョウが定番入りとか、ひょっとしてコローニュ以来?そんなことを考えながら付けてみる。トップはシャリマーなのでやっぱりベルガモット。でも通常EDPのようなオイルっぽい感じはないな。スッキリ爽やかでキレイめ。スパイシーなファセットもない。オリジナルと比べるとかなり抑えめでまるみのある印象のトップ。この時点で隠しきれない芳醇なバニラの芳香の気配がする。
ベルガモットの酸味がやわらぐと、とろりと濃厚なバニラが存在感を増してくる。ゲランのバニラは間違いなく至高のバニラ香のひとつ、とろけるように甘いだけでなく、ウッディのようなファセット、ほんの少しのフルーティーさも感じられて、それだけでひとつの香水として成立してもおかしくない。レソンスのミドルは、そんなゲランのバニラを思う存分楽しめる。年々微妙に値上げされているが、それでもこの価格でこのクオリティを提供してくれるのはさすがとしか言いようがない。
ドライダウンになると、インセンス的なスモーキーさ、微量のレザー感が出てくるがあくまで控えめ。肌に残るのはどこまでも滑らかなバニラ。それをホワイトムスクがまとめあげてフィニッシュ。新配合されたホワイトムスクがいったいどのようなものなのかは不明だが、過度にパウダリーだったりボリューミーだったりはせずしっとりと肌馴染みのいいもののようだ。
全体像を通常EDPと比べると、
・オーバードーズされていたベルガモットを控えめに
・スパイシーなファセットも抑えめに
・アニマリックなレザーやアンバー、インセンスも出力ダウンさせ
・エチルバニリン(元のシャリマーのバニラは人造バニラ)だけでなく香り豊かな天然バニラをふんだんに使い
・肌馴染みのいいホワイトムスクでドライダウンを整え
今の時代にマッチした新しいシャリマーに仕立てられている、まさに令和版シャリマー。そもそも通常EDPもPの尖った部分を丸めたものなのだが、レソンスはそれをさらに今風にした感じだ。
とても優等生な香りではあるが、オリジナルシャリマーへの愛が深い方にはややおとなしすぎるかもしれない。「あのクセがいいんだよ」というなら通常版、とくにPをどうぞ。別にレソンスがオリジナルと置き換わったわけじゃない、こういう解釈もありますよ、というだけの話。
2025年、100周年を迎えたシャリマーは新しい愛の形を手に入れた。芳醇なバニラを主軸に据えた神殿。それがシャリマーレソンス。
ノート:ブルボンバニラ、エチルバニリン、バニラ、アイリス、ベルガモット、ローズ
調香師は、デルフィーヌ・ジェルク。
(parfumoより)
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2025/9/25 21:30:21
もし、とろけるように甘いホワイトフローラルの香りに溺れたくなったときに、試してほしい香水がある。それはザマーチャントオブヴェニスのラフェニーチェプールフェム、価格は税込23,100円/50ml、税込36,300円/100ml。
ボトルの上部へ向かい金色?水色のグラデーションになっているボトルからスプレーしてみる(タイトルにもなっているフェニーチェ劇場の内装と同じ配色だそうだ)。マーチャントのボトルは本当に美しく、小さいボトルでもそのデザインが簡略化されていないのがなんともにくい。付けたてから拡がるのは甘美なホワイトフローラル。ああ甘い、本当にとろけるように甘い。fragranticaを見てみると、
トップ:ホーソン、マンダリンオレンジ
ミドル:アーモンドブロッサム、チュベローズ、ヘリオトロープ
ベース:バニラ、トンカビーン、シダー
となっている。おそらくチュベローズやヘリオトロープの甘さなんだろうけど、どちらかと言えば概念寄りのホワイトフラワー、ミルキーでほんのりパウダリー、どこか懐かしい甘さで、牛乳と砂糖を煮込んで作る素朴なミルクジャムのようだ。
ドライダウンはややトンカビーンのパウダリーな印象が強くなるが、ほぼ付けたてと変わらずに優しい甘さを漂わせ静かにフェードアウト。持続は5時間程。
通常のホワイトフラワー香は、ここまで甘いとブドウ味のフーセンガムのようなキッチュな香り立ちになりがち。だがフェニーチェプールフェムは違う。高級系ホワイトフローラルによくあるグリーンさもえぐみないのにとても品よくまとまっている。いわゆる「リアルな花っぽい」要素が苦手な方にはうってつけ。
ザマーチャントオブヴェニスの香水は、日本だと南青山にあるプロフメリアというセレクトショップで試香できる。やっぱり東京かよ、と思ったがかなり地方巡業にも積極的なようで東京開催以外のフレグランス関連イベントでもちょくちょく名前を見かける。香水好きなら一瞥する価値アリだ。
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50mL


