2026/3/15 13:36:26
珍しくラプティットローブノワールの限定品が日本でも発売されてる。昔あれだけ推されてたのに、ゲラン入門編としての役割はまずはモンゲランに、その後すっかりアクアアレゴリアに奪われてるもんな、まぁコレクターズ精神で買っとくか…
ラプティットローブノワールシリーズの始まりは2009年、バレンタイン限定品として発売された。歴史をざっとまとめると、
2009年 初代
2011年 モデル2※後のマドモアゼルゲラン
2012年 EDT、EDP、EXT
2014年 クチュール
2015年 オーフレッシュ
2016年 インテンス
2017年 ブラックパーフェクトEDP
2018年 レジェール、ブラックパーフェクトEDT
2019年 プリッセ、ヴェロア
2021年 ネクター
2022年 ローズローズローズ、ローズチェリー
2023年 アプソリュ、ローズノワール
2024年 ローローズ
2025年 EDT(リニューアル)、ハニーローズ、パルファン
こんな風になる。この間にヘアミストやラメパウダー、限定ボトルもかなり発売されているので実際の展開としてはもっと多い。ヴェロア〜ローローズは日本では未発売だったため、新香調の発売は日本では6年ぶり。この間にモンゲランのラインがだいぶ縮小されたことを考えると、長年愛されているシリーズではある。
逆さハートのキャップを外して付ける。ラプティの代名詞である甘酸っぱいサワーチェリー、濃いめピンクのボトルカラーとぴったりの、張り切った出力の高い感じ。アーモンドの風味も手伝ってチェリーマカロンのようなお転婆なスタート。
チェリーの奥からしっとり香り立つ甘いローズの表情がわかるようになると、「あ、これはやっぱりゲランなんだな」と感じる。はしゃいでいたけど隠しきれない淑女の片鱗、そこにとろりと控えめなハニーがさらに甘さを添える。ただ、ハニーローズというほどハニーに寄っている印象はない。
ドライダウンでは、リトルブラックドレスを象徴するかのように暗いパチュリの苦味が香り全体をトーンダウンさせていく。アレゴリアと同じく使用されているアルコールがビーツ由来エタノールに置き換わっているせいか、従来のラプティより気持ちマイルドな香り立ちになっているように感じる(※多分気のせい)。香調としては、通常EDPや2021年のネクターをもとにタバコハニーあたりで使ったハニーノートを少し加えて調整したような印象だ。せっかくの限定品なのにあまり変わり映えしないのは残念だが、通常EDPがお好きな方には違和感なく使えるのでは。
6年のブランクを経て日本に再上陸したラプティットローブノワール、ライバルは他ブランドよりも同ブランドの別シリーズだが復権なるか?モンゲランが下火の今が大チャンス?
トップ:アーモンド、ベルガモット
ミドル:ハニー、メイローズ
ベース:トンカビーン、バニラ、パチュリ
調香師は、デルフィーヌ・ジェルク。
(fragranticaより)
- 使用した商品
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- 購入品
2026/3/12 14:53:16
ゲランの「オーデカシミア」はその名の通り、柔らかいカシミアニットを思わせる香りだ。元々はオーデリチュアルというホームフレグランスシリーズ(肌ではなく布製品、空間用)から2014年に発売され、現在はレマティエールコンフィダンシェルのひとつとして発売されている。価格は100mlで税込24,200円(今春コレクション再編で値上げされる)。
この香りをひと言で表現するなら、「角が一切ないまあるい香り」だ。fragranticaによるとコンポジットは、
トップ:ベルガモット、マンダリンオレンジ、ピンクペッパー
ミドル:アイリス、ラベンダー、シダー
ベース:ヘリオトロープ、ホワイトムスク、べチバー
となっているが、この中でオーデカシミアを構成するのに重要なのは
・アイリス
・ヘリオトロープ
・ホワイトムスク
の3つ。スプレーすると、まずきめ細かいアイリスの柔らかいパウダリーが香り立つ。この時点で粉モノスキーなら悶絶級だろう。ましてゲランのアイリスだ、その品質は折り紙つき。
続いて押し寄せてくるのは滑らかなホワイトムスク。ヘリオトロープの薄紫色したほの甘いパウダリーなファセットも加わって、どこまでもふんわりと柔らかい。ああ、この香りにずっと包まれていたい…トップ、ミドル、ラストとはっきり分かれずにひとつのただ「いい香り」としてそこについて存在するだけ。
一応一般的な香水のように肌に付けることも可能だが、個人的にはやはり布製品につけた方が理想的な香り方をするように感じる(肌への引っかかりが悪くよさがわかりにくい)。マフラー、ストール、アウターの裾等にシュッと。「なんか香水じゃないけどいい香りする人」の出来上がり。まぁ香水なんだけどね。
みんなそういうの好きでしょ?
- 使用した商品
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- 購入品
-
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2026/3/11 19:59:13
珍しい香りの組み合わせとか、極端にアーティスティックなブランドとか、SNSマーケティングバリバリのブランドに疲れたらLes Eaux Primordialesの香りを試してほしい。
Les Eaux Primordialesは調香師アルノー・プーランが2015年に立ち上げたブランド。日本では金沢に本店を構えるフェートンフレグランスで取り扱いがある。ブランド名はジュール・ヴェルヌ原作の「海底二万里」のThe Primordial Waters(原始の水)というフレーズを拝借したものらしい。この「ミモザスーパークリティック」は、「スーパークリティック」というシリーズ(香料の抽出に特殊な技術を使っているそうだ)の中の「ミモザ」という香水だ。
ブラックのキャップを取って付けてみる。ボトル自体は特段珍しいギミックがあるものではない。一瞬、キンとメタリックなニュアンス。アルデヒドかな?若干のベルガモットも感じる。柑橘の酸味よりもグリーンが強い。
3分後、すぐに主役のミモザの出番。ほの甘いウォータリーグリーン、少し花粉ぽい感じもある。その脇を固めるのがホワイトフラワーの多重奏。クレジットを見ると、オレンジブロッサム、チュベローズ、ジャスミンらしいが、それらが個々に存在を主張しているのではなく、ミモザを軸としてその背景に溶け込んでいる。アーモンドドラジェみたいだなと思っていたらそれも納得、晩冬の地中海でのウェディングがイメージらしい。
ドライダウンになるとミネラル感あるムスクの存在が強くなってくる。アンブロクサンはけっこう入っているのだろう。ムエットよりも肌にのせた方がこの潮気は強く感じる。香りの展開自体は40分〜1時間程度でひと通り終え、ドライダウンで4〜5時間ほどの持続感。
このブランドは全体的にひとつテーマとなる香料を軸にして、生真面目に一本一本作り上げているという印象が強いブランドだと思う。地に足つけた実直で職人気質な香りがお好きな方は一考の価値あり。
トップ:アルデヒド、シクラメン、ベルガモット、ネロリ
ミドル:チュベローズ、ジャスミン、オレンジブロッサム
ベース:ミモザ、ホワイトムスク、アンブロクサン
調香師は、アルノー・プーラン。
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- 購入品
2026/2/6 09:33:18
シンプルだけれども、とびきりよいメンズフレグランスを手に入れたい。シーンを選ばず使えて、そつがなくて、特別感もあって…というわがままな願いを叶えたいなら、ぜひアンリジャックのムスクオイルロワサンゼキパージュを試してほしい。
元々ロワサンゼキパージュという製品があり、ムスクオイル?はそれを日本向けにアレンジしたもの。当然日本でしか買えず、非希釈タイプ(レ・エッセンス)のみであったが、のちにスプレータイプ(レ・ブルーム)も展開された。
スプレーすると、かすかに鼻に抜けていくペッパーとともにほの甘いクラリセージのアロマティックなニュアンスが香り立つ。この甘さがベルガモットの酸味、苦味を引き立たせているが、奥から柔らかく香るクリーミーなムスクがその角を目立たせない。
クラリセージのハーバルなファセットはタバコリーフの香りと結合し、ややメンズフレグランスらしい展開になっていく。ただし、過剰な雄雄しさはなくどこまでもしとやか。付けていてちょっと気後れしてしまうかも?アンリジャックお得意の滑らかなホワイトフラワーの雰囲気もそれに一役買っているように感じられる。
ドライダウンになると、トップから香っていたクリーミーなホワイトムスクにほんの少しサンダルウッドも加わってきたようだ。ハーバルアロマティックも、タバコリーフも、ホワイトフローラルもまるっとシームレスに包みこんで収束していく。
全体的な骨格はクラシカルなメンズフレグランスによくあるフゼア調だが、随所に仕掛けられた香料がそれらを上手くいなして柔らかい印象にまとめ、かといってチープに感じさせないように仕上げられている。オリジナルのロワサンゼキパージュはかなりレザーやウッディが主張しており、日本市場で販売することを考えるとしっかり的を射たアレンジだ。
香りそのものは100点満点なのだが、いかんせん高い。ものすごく高い。エッセンスは155,100円/15ml、249,700円/30ml、ブルームは155,100円/75ml(全て税込)。高価な香水をさして家賃香水とイジったりするが、もはや家賃どころの騒ぎではない。
本当によいものを
少しだけ
そういった考えができる方にはオススメだ。高いけどね。
トップ:ベルガモット、クラリセージ、ペッパー
ミドル:ジャスミン、タバコ、パチュリ
ベース:ムスク、アンバー、レザー
(parfumoより)
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
-
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2026/1/27 21:12:19
2025年9月に10種類の香水を引っ提げてオートパフューマリー事業に参入したバレンシアガ。この「ル ディス パルファム」は、1947年発売の同名フレグランスの再解釈バージョンだそうだ(私はオリジナルのルディスを知らないため、あくまで現行品のレビューとなる)。
丸いキャップを外してスプレーする。一見フラコンかと思ったがしっかりスプレータイプ、箱やラベルはエイジング加工がしてあってなかなか凝ったデザイン。ガラスはエッジが薄めで少しシャネルっぽい。
まずはアルデヒドの軽いリフト感、それに次いで香り立つのはほんのりスミレ色のニュアンスがあるアイリス。スミレではなくヴァイオレットリーフアブソリュートだそうだが、この部分はやや花っぽい印象に寄っていると思う。
アルデヒドの消失とともに、どんどんとアイリスが全開になっていく。ここまでくると、スミレっぽさは抜けてひたすらにパウダリー。本当に粉。マジで粉。粉粉粉パウダリー。コナスキーにとっては悶絶級だ(?)。個人的には、こういったパウダリー香水にはノスタルジックでメランコリックで内向的な陰を感じる。だが陰気臭くはない。カラッと乾いて清々しい。寂しげだけど芯がしっかりしていてブレがない。
アイリスの粉感を上層に保ちつつ、インセンスのお香っぽさも目立ってきたらドライダウン。全体的に大きな起伏はない香りで、ベースに使われる香料が多いせいか持続はかなり長く6、7時間ほど。カジュアルなファッションにもかっちりしたスタイルにも上手くハマりそうだ。和装にもかなり合うと思う(私には着る機会はない)。
この香水の主役はとにかくアイリス。前述通りにパサパサパフパフパウダリーな香水が好きな方にはたまらんだろう。最初試したときに、「このアイリスの感じはシャネルのラパウザやディオールのボアダルジャンと似てるかな?」と思ったが、違いとしては、
・シャネルのラパウザと比べると、突き放した感じがせずフレンドリー
・ディオールのボアダルジャンと比べると、もう少しクールでスカした感じ
といったところ。
意味わからんとか言わないで。
本当にそう思ったから。
どうせ昨今のフレグランスブームにのってまた香水事業を始めただけだと思っていたが、なかなかどうしてかなりの粒揃い。バレンシアガ、かなりいけるか?
トップ:アイリス、アルデヒド、ヴァイオレットリーフ
ミドル:アイリス、オリス
ベース:インセンス、フランキンセンス
(fragranticaより)
- 使用した商品
- 現品
- 購入品



