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ゲラン / パリジェンヌモンプレシューネクター

ゲランゲランからのお知らせがあります

パリジェンヌモンプレシューネクター

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

6購入品

2022/9/23 05:53:40

ゲランの香水、モンプレシゥネクター。それは一言で言うなら「お花から蜜を吸ったらその甘苦い切なさに思わずよろめいてしまった香り」だ。

思い出す。子どもの頃、女の子たちがなんかそのへんのお花を摘んで、花弁の根元をラッパみたいにチューチュー吸ってた。で「何してんの?」とか聞くと「ミツ吸ってる。甘いよ。」とか仏のような陶酔した顔で答えるのでさらに驚愕して「なんと!女の子の遊びって花のミツを吸うことだったのか」と思って試しに自分も吸ったら、なんか甘いけど苦くて少し青臭くて思わず「んー…」と微妙な感じになったな。以来、その女子を見かける度に「あの女は花のミツを吸って生きている…」というワードが脳内グルグル再生するようになってつい彼女とは距離を置いてしまったが、あのとき吸った蜜の甘くてちょっとえぐい味は今も忘れられない。

モンプレシゥネクターは、それだ。香りを嗅いだ瞬間「あ…」と言ったっきり、脳が揺さぶられて機能停止してしまうような香り。だから言葉がうまく出ない。(←語彙力?)

そんなモンプレシゥネクターの香りのいいところを2つ挙げると

・ゲラン最高級の「幻の香り」といっていいほどの作品なので、これを知ってるだけで自身の戦闘力&防御力が500アップする。だから、ふだん思わず躊躇してしまうデパコスカウンターにも堂々とイキって入れるようになる。「大丈夫。私はモンプレシゥネクターをまとっているんですもの」感は強い。「いい香りですね、何を?」「ええ、ゲランのモンプレシゥネクターを少々…」たいていこれで勝てる。相手はスライムのような顔で汗をたらし「?」顔になること間違いなし!なにせ伝説の最高級の香りだからそれはもう、レベル1の勇者見習いがたまたま拾った宝箱に入ってた伝説の鎧を着てドヤ顔で歩いているような無敵の強さを得ることができる。

・今のゲランの香りの主流をなす「ビターアーモンド」とホワイトフラワーブーケのバランスが秀逸で、なおかつシャリマーにも通ずるオリエンタル性も感じられる優れた調香であること。モンプレシゥネクターは、元々ゲランパリ本店で販売された1Lボトル100万円越えの超稀少限定作品の廉価版のような仕様(他レビュー参照)。そのため、非常になめらかかつ丁寧にアコードが組み立てられている。以前レゴブロックで組み立てた原寸大のドラえもんを見たとき「なぜこんな四角いブロックでこんなに丸い奴をこんなになめらかに!?」と驚愕して顔がスネ夫になったことがあるが、それぐらいなめらかだ。

とはいえ、そんな強力な伝説の香りにも弱点はある。それは何かと言うと。

めったに売ってない。ネットでも見かけない。それなりにお高い。三拍子そろっている。まるでPS5だ。いつになったら普通に売ってくれるんだ。何だそんなほぼ入手できない香りなんか紹介すんじゃねーよ。そういう声もあるだろう。確かにそうだ。だがあえて言いたい。

だからこそ萌えるんじゃないか?

そしてそんな斜に構えた野郎どもの萌え燃え欲求を凌駕して余るほど人を惹きつけるパワーがこの香りにあると思う。だから紹介するんだ。どこかで出会えたら幸運と思え。そう。見習い勇者がたまたま拾った宝箱の中に伝説の鎧を見つけたように。

モンプレシゥネクターの香りは字数がないのではしょる。

つける。なんかの花のミツを吸ったときの甘くて苦くて青い香りがしてクラクラする。以上。言葉にできない。しかし小田さんはすごいな。あのお歳でまだ声が割れないんだから。喉にはハチミツがいいという。そうか!もしかしたら彼も

花のミツを吸って生きている?(←やめなさい)

展開で見ると、やはりトップのビターアーモンドのキリッとした苦み、これだな。杏仁豆腐とかディオールのヒプノが好きな方はビビッとくるはず。きて。そこにプチグレンの青くささがアクセントになってジャスミンやオレンジフラワーの甘くて芳醇なフローラルを引きたててる。あれだ。スイカにかける塩。甘さ引き立て役。持続時間は長め。7〜8時間程度。

とろり花のミツ。せつなくて。甘くて苦くて。ああ子どもの頃を思い出す。今ほどおいしい物がなかったから「浅田飴みずあめ」を買ってもらったとき、むさぼるようにスプーンですくってはなめ、ねぶりなめ、5分で完食してしまい、こっぴどく叱られたっけな。ニッキの効いた甘い味。あの味を思い出すモンプレシゥネクター。似てるわけじゃないけど、あのミツ感。やめられないとまらないお花のみつ。

あなたもどこかで出会えるかな。モンプレシゥネクター。最後に1つ。この香水の一番好きなとこは

モンプレシゥの「シゥ」のとこ

私の大好きな花みつ。

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ロジェ・ガレ / ジャンマリファリナパフューム オーデコロン

ロジェ・ガレ

ジャンマリファリナパフューム オーデコロン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:100ml・6,820円発売日:-

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5購入品

2022/9/17 08:56:55

ロジェ・ガレのジャン・マリ・ファリナは、世界最古の香水「ケルンの水」の門外不出レシピを受け継いだ「伝説のオーデコロン」だ。100mlで6820円。

◎どんな方、どんなときにおすすめか?
・歴史と伝統に培われた本物にこだわりたい方
・よい香りは好きだけど、昨今のケミカル香水や柔軟剤の香りに辛い思いをしている方
・薬効を考えた天然香料の穏やかな香りに癒されたい方
・TPOを問わず、一瞬でリフレッシュしたいときに
・自然なフルーツやハーブの香りを「一瞬だけ」楽しみたいときに

◎この香水のよさを3つあげると?
・目の覚めるようなシトラスから始まり、ハーブ→フローラル→ウッディへと、軽やかな天然香料のやさしい香りが短時間にあっという間に変化していく伝統的なピラミッド構造をもっていること。それは、果実→葉→花→木と、植物全体の命の香りをめぐる自然な変化の道すじ。
・香水の始祖としての歴史を守り続けていること。1693年にジョバンニ・パオロ・フェミニスが、18の薬草をブレンドして創った万能薬「アクア・ミラビリス(驚異の水)」。この薬効を受け継ぎつつ、甥であるジャンマリファリナが世界初の香水として誕生させたのがこのオーデコロン(ケルンの水)だ。以来、幾多の模倣品が続出するも、決してたどりつけなかった「ケルンの水」の極秘レシピ。この最大の秘密を唯一受け継いだのがロジェ&ガレであったこと。
・安くて賦香率が低いため、バシャバシャ浴びるように体中につけられる点。賦香率が低いので周囲に迷惑もかけない。香水は「安くていい香りで気分があがる」のが絶対テンプレ。特に初期オーデコロンはアロマテラピー由来であり、「薬」としての概念を受け継いでいるため、心と体にもやさしく作用する。

▲逆にここは「うーん」と感じる点
・すぐ消える。もって30分。跡形もなく。これはオーデコロンの宿命。だからこそこの「ケルンの水」の発明以来、世界中の調香師はあらゆる方法で「長持ちする香水」や「最初のシトラスが長続きする香水」を求めて、香料抽出方法の進化や人工香料の発明にいそしんできた。この「すぐに消える」点をどうとらえるかはもちろんその人の価値観次第。自分は世界中にあふれている「オーデパルファム表記なのに1時間で消えるし、そのくせ3万円以上する香水」は万死に値すると思っているが、安くていい香りがするオーデコロンがそれなりに短く消えてしまうのは当たり前だと思っているのでむしろ好感度は高い。

○香りの詳細(つけてからの展開)
・つけた瞬間、広がるのはレモン、ベルガモットのシトラスシャワー。鼻を通して脳髄の奥まで染み渡るフレッシュな酸味に気持ちが高鳴る開幕。すぐにマンダリンのジューシーな甘さ、レモングラスの酸味と草感などが出てきて、スッと鼻を抜けていくトップ。
・ミドルはつけた瞬間から香り出していたラベンダーの清涼感が、タイムのドライ感、ローズマリーの香ばしい香りを引き出してくる。そこにプチグレンの葉の香り、オレンジフラワーの甘い花の香りが少しずつ混じり、ローズやゼラニウム系のフローラルがかすかに奥にある気配。ベルガモットの酸味とコクの下で、アロマティックとフローラルがバランスよく鳴り響くアコードが感じられてくる。
・つけて10分もするとシトラスは完全に消え、フローラルも見当たらなくなる。ドライ&スパイシーなハーブミックスの下からベチバーっぽい土感やサンダルウッド様の木の香りがしてきてドライダウンに向かう。この点、ネロリでスッと消えてゆく軽やかな4711よりもウッディで低い終わり方をする分だけ、若干持続時間は伸びる。といっても20〜30分でほぼ消失。


世界で初めて香水を創った人物、ジャンマリファリナ。彼はイタリア出身でありながらドイツに渡り、香水製造で貢献したことが認められ、当時入植者に厳しかったドイツで市民権を得られたという。彼はその感謝をこめて、自身が香水店を出したケルンという土地の名を冠し「オーデコロン(ケルンの水)」と名付けた。当時、フランス語が主流であったヨーロッパ社会にこの名はとどろき、以後ナポレオン一世がことのほかこの香りを気に入って愛用したとされるいわくつきの香水。ロジェ・ガレは創業以来160年、この伝統的な処方を守り続け、今なおジャンマリファリナの名を世界に知らしめている。


雨上がりの庭園を歩くジャンマリファリナを思う。木々の葉からしずくがこぼれるたび、青い匂いがする。花から水がしたたるたび、花粉と蜜の匂いが広がる。どこからかみずみずしい果実の匂いがしている。彼は知っている。美しい香りが水から生まれることを。

彼は今日もケルンの水を作り続けている。

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Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン) / ムーンリット カモミール コロン

Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)からのお知らせがあります

ムーンリット カモミール コロン

[香水・フレグランス(その他)]

税込価格:100ml・18,260円発売日:2022/7/8

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5購入品

2022/9/10 00:45:43

ムーンリットカモミールコロン(月明かりのカモミール)。この詩的でミステリアスな月光を連想させるオーデコロンは、2022年7月にリリースされるやいなや、各地で売り切れが続出した。ジョー・マローン会心の一撃。価格は100mlボトルで税込19030円。

◎どんなときにおすすめ?使いたくなる?
・夜。月の光が煌々とあたりを青白く照らす夜。
・一人静かに月明かりに酔いたい夜、ここではないどこかへ行きたくなる夜、同じ月を見ている誰かに会いたくなる夜。

◎この香水のよさを3つあげるとしたら?
・なんといっても銀の満月を思わせる玉キャップを冠したナイトブルーの美しいボトル。個人的には今年度のベスト香水ボトルデザイン賞を授与したい。「月」に魅せられし者のルナティックな性癖を激しく刺激してやまないデザイン。
・わりに珍しいカモミールを主役にした香り。しかもグッチのメモワール・デュヌ・オドゥールのようにカモミールの花の香りをフィーチャーした作品でなく、イングリッシュカモミールのかなりスパイシーな葉の香りをメインにすえたグリーン感の強い点。これはかなり「好き」「苦手」が分かれると思う。そこをあえて出してきた点にブランドの「あくなき挑戦」を感じる。
・夕方から夜にかけて咲く花、ヨルガオ。別名ムーンフラワー。そのほんのり粉っぽい瓜系の甘い香りをカモミールの葉の苦味と取り合わせ、涼やかでしかも冴えた香りを引き出している点。それがなぜか夜空で冷たく銀色に光る月の光の風情と絶妙にマッチしているように感じられる。特に秋のフルムーンには似合うように思う。

▲逆に自分的に「ここはちょっと」と感じる点
・強いて言えば「価格」と量と賦効率のバランス。JMなのでオーデコロン展開はわかるけれど、やはり2時間程度でさらりと消えてしまう淡さはここでも変わらず。そのため100mlボトルでリリースしているけれど、あちらもこちらも値上げ続きの昨今、うーん2万円かー、シャリマーの新型亜種はEDPだし、そちらにしようかなと少し躊躇したりしなかったり。そして何気に100mlバシャバシャ使いたい香りか?という点もややある。

○背景 (ブランド シリーズ)
JMのコロンといえば、一世を風靡したコンバイニング(コロンの重ね付け)の発祥。そのため、1つ1つのコロンは香料の数も抑えてシンプルに仕上げれらている。これまでは「でか玉キャップ&シリンダーボトル」は限定品扱いで使用されていたが、今回は同時発売のラベンダー&ムーンフラワーと合わせた「ナイトコレクション」として通常販売。ラベンダーの方はコロンがなく、サラウンドディフューザーとキャンドルで展開し、使用シーンの住み分けを図っている。どちらもヨルガオの甘い香りが共通しており、ピローミストは2つとも香りがそろっている。ナイトブルーで統一されたこれらのシリーズは全てそろえて全部同時に香らせたくなって危険。

○展開
ムーンリットカモミールを肌にのせると、はじめに感じられるのは、ひんやりした夜の空気を思わせるアロマティックなカモミールの葉の香りだ。ミントのような清涼感はキクの葉の香りにも似て、涼やかでかぐわしい。同時に、ヨルガオの甘くやや粉っぽい香りも感じられる。フローラルというより、小麦粉っぽい自然な甘さ。もともとヨルガオはサツマイモ科のつる植物なので、やや青臭い瓜系やでんぷん系の甘さなのだろう。さらにカモミールの葉の清涼感の奥には、マリン系っぽいベースも感じられる。このカモミールのクールなグリーン、ムーンフラワーの粉感、マリン系ベースのミックス香が、少し肌寒い秋の夜の気配を表しているようで面白い。

このミックスが大きく変化せず2時間くらい続いて消える。香り立ちはコロンそのもので淡く穏やか。ときにキクの葉やヨモギの葉っぽさが強く出るように感じることもあるが、全体的に静謐でクールなグリーン香になっている。ラストのムスク系はややウッディに傾いてドライダウン。どこからか虫の声が重奏で聞こえてきそうな月明かりの夜を思わせるナルコティック&メランコリックな香りだ。


雲の間から月が顔をのぞかせると、薄墨を流したような雲の稜線が巨大な銀色のクジラのように光りはじめた。やがて月が丸い顔を全てあらわにすると、家々の屋根もビルの壁も、ぼうっと青白く浮かび上がった。庭でかすかに夜風に揺れていたムーンフラワーが、その白い花弁を月明かりで青く染めた。世界は、月光が届いた深海のようにブルーのベールに包まれた。

ムーンリット。今夜は月明かり。

あたりには月の匂いが満ちあふれた。それはさやかに、ひそやかに、心の海も青い蒼いネオン色に染めた。

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カルティエ / デクラレーション オードトワレ

カルティエ

デクラレーション オードトワレ

[香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

4購入品

2022/8/13 09:02:15

告白する。私はあの人が好きだ。好きで好きでどうしようもない。

仕事中、いつもデスクトップのモニターの向こうに彼の横顔をちらちら眺めている。私の仕事がはかどらないのはそのせいだ。だからオフィスで、彼が私の視界にいることは地獄以外の何ものでもない。よく「好きな人をいつも眺められるのは至福」なんて子がいるけど、鼻で笑ってしまう。どこが!むしろ「あの人は自分になんか絶対振り向いてくれない」という現実を日々思い知らされるようで最悪だ。上司である彼の指示にいつも冷たく「はい」としか言わないのも、そのせいだ。「これ頼むよ。」と優しく声をかけられるたびに「もっと好きになるからやめてよ!」と思って表情が硬くなる。マスクの中で唇がとがる。目は般若のようにきつくなる。だから目も合わせられない。そしてどんどん嫌われる。知ってる。でも

じゃあ どうしたらいいのよ

告白する。私は毎日あの人のことばかり考えている。

先日、あの人は新しい時計を買った。あざといA美が「わあ、部長、その時計すてきですね!」と腰をくねらせながら持ち上げてたのを見た時はぶちキレたけど、確かにすごい時計だった。銀の丸型。リューズに青い石。あれカルティエだ。即ググった。カルティエのパシャ。2020年最新型。最低でも72万円。さすが世界の宝石商、カルティエの時計だ。自分じゃとても買えない。きっとボーナス待ってたね。相変わらず時計マニア。ただ、その時計を見て以来、私の中で不意に新しい時間が動き出した。

…あの時計に似合う物をプレゼントしたら 喜ぶかな…

そのとき、頭の中でパッ!とひらめくものがあった。

そうだ。あの人にカルティエの香水をプレゼントしよう。デクララシオン・オードトワレ。あれならバッチリ似合うと思う。デクラレーションと呼ぶ人もいるけど、実際は仏語表記なのでデクララシオン。香水はちょっと詳しい。あの人が何か香りをつけてたことはない。私があの腕時計に合わせて香水をプレゼントする…。そんな夢のようなアイディアに心が燃えたった。

告白する。それから5分以内にネットでボトルを注文したのは言うまでもない。

デクララシオンは、今や調香師のドンファンと呼ばれるジャン=クロード・エレナが1998年に作ったカルティエの男性用香水だ。エレナはこの作品で名を挙げ、後にエルメス専属調香師の道を開いたとされる。香りはエレガントで知的なスパイシーアロマティック。価格は50mlボトルで税込9570円。カルティエのジュエリーや腕時計は夢のまた夢だけど、香水に関してはクラシカルな価格のままで良心的だ。とはいえ、デクララシオンの香りじたいはなかなか秀逸。洗練されていて、さりげなくセクシーな香水。

トップは透明感あるスパイスムーブで始まる。温かみのあるクミン&コリアンダーと涼感のあるカルダモンの相反する要素が、オレンジの苦味の上で主張し合う。熱い情熱を内側に秘め、それでいて冷静な判断力でスマートに仕事をし続けるあの人の横顔に重なる。ぴったり。ほんのりカレー粉を思わせるスパイスミックスだけれど、後年エレナがエルメスでリリースしたモンスーンの庭のように透明感あるスパイスチャイな風合いが絶妙なトップ。

5分ほどしてスパイスがやわらいでくると、ジャスミンのふんわりした柔らかさが出てきてジェンダーレスなミドルになる。ペッパーのピリ感、シナモンのツンとした風合いをアイリスのパウダリーとジャスミンの香りがくるんで、鋭いのに丸く、硬いのに柔らかいという新たなコントラストを展開してくる。それは男性性と女性性どちらも融合させたバランスだ。カルティエの腕時計で言うなら、メンズ用のカッチリスクエアなタンクと、女性用の丸みを帯びた角型パンテールのどちらでもない、誰もが使える丸型のパシャのようなミドル。

ラストは、冷たい鉛筆の香りがするシダーと、乾いた草や温かい土の匂いがするベチバーのウッドコントラストでドライダウン。エレナはこのデクララシオンで、温と冷、硬と柔、鋭と丸などの相反する要素にこだわって香りの中和点を見出そうとして作ったことがわかる。そして、私ははたと気付く。

これ、むしろ私に似てる こんなに好きなのに 憎らしすぎて嫌い

数時間、静かに泣いた。とめどなくこぼれた涙は、冷たくて、あたたかかった。あの人に贈ろうと買ったデクララシオンの箱をあけた。ボトルを眺めていたら、ふっと気付いて笑みがこぼれた。腕時計のリューズ型プッシュボタンの下、斜めにカットされたガラスがきれいなハートの形をしていた。やっぱプレゼントしなくてよかった そう思った。そのとき、私の心の時計が静かに時をとめた。


告白する。私はあの人のことが ほんとにほんとに 好きだった。

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リキッドイマジネ / ファンタズマ

リキッドイマジネ

ファンタズマ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2022/8/6 00:16:19

リキッドイマジネのファンタズマは、深くてスモーキーなブラックティーの香りを軸にすえた香水だ。調香師は新進気鋭フレア・パリのアメリ・ブルジョア&アン・ソフィー・ベヘゲル。100mlボトルで税込27500円。

◎どんなときにおすすめ?使いたくなる?
・苦味の効いたブラックティーとドライインセンスの香りでスッキリしたいとき。
・気分的に堕ちたり迷走したりしていて、心穏やかに瞑想したいとき。
・黒い服を着るのが好きな方に。なんとなく人と群れるのが嫌いな方に。

◎この香水のよさを3つあげるとしたら?
・碧くて深い薬品瓶色をしたブルーのボトルがそそること。
・誰の心にもあるダークサイドに寄り添ってくれそうな、黒くて深い香りがすること。
・ファンタズマ(幻、幽霊)という名前。香りにも、どこか厭世的でお香を焚いたような幽玄な風情があること。

▲逆に自分的に「うーん」と思う点
・ブランドの商品紹介文が哲学的で難解なこと。「唇の宝石」とか「視覚幻覚や魂のファンタジー」とか「想像力と現実の感覚が反目し合う液体」とか、ルタンスの香水紹介ぐらい訳わかりません。誰か解説して。

○この香水の背景(ブランド、シリーズ)
リキッド・イマジネは、もともと哲学的かつ神学的な背景を作品に落とし込むことで他と一線を画してきた香水ブランドだ。同ブランドの作品群は、ある1つのテーマを3つの香水で表現する「トリロジー」という括りを大事に作られている。このファンタズマは「ラ・トリロジー・デ・ジュメー」という古代インドやギリシャで提唱されていた「四体液説」にインスパイアされて作られたシリーズ、いわば「体液3部作」のうちの1つ。「四体液説」とは、「血液・粘液・黄胆汁・黒胆汁」を人間の基礎体液とし、それらがバランスよく調和することで心身の健康を増進するという考え。同シリーズ3作品は、ラクリマ→目の水(涙)、メランコリア→心の水(黒胆汁)、そしてファンタズマ→唇の水(唾液)をシンボライズしており、まんま「四体液説」ではないが、それら3つの体液を浄化し、調和に導くといったような意図を受け取ることができる。体液そのものの香りといったイメージではなく。

○香りの展開
つけた瞬間、まず香るのは「キン!」としたフレッシュな酸味と独特の黄色い苦味、ユズ系の香料だ。そして同時に出てくるのがスッとミントっぽい清涼感と独特のエグミのある透明な香り、これはジンの香り付けにも使われるジュニパーだと思う。この2つが爽やかな風となって通り抜けるトップ。

5分後、かなり黒くてスモーキーな香りが下からグングン張り出してくるとミドル。これはブラックティー系の香りだ。ブラックティーといっても、紅茶っぽいかぐわしい紅い香りではない。かなり燻した黒ウーロン茶やラプサンスーチョンティー系の煙たくて苦味の強いお茶。これが全開でやってくる。

上の方で金色のユズが金属的な酸味、そこにジュニパーの透明な清涼感、その下で真っ黒に焦げた茶の香りが流れるというインパクトあるトップ〜ミドル。特にユズの金色とブラックティーの黒の二重唱が面白い。まるで金色の天使と黒い悪魔が戦っているようで、明るさの影に底知れぬ闇を内包しているかのよう。爽やかな笑顔の裏に、いつもどす黒い心の闇を抱えている。そんな現代人のマスクの裏側まで表現したかのような表裏一体を感じるミドル。

そして次第に黒茶のいぶした深いティー系の苦味は強くなり、さらにジンジャーの辛みが出てきて、全体は黒く浸食され温かみも増してくる。ラストはサンダルウッドというよりも乾いたインセンス香が強くなってきて、ティーはさらにキンとした鋭さを増してドライダウン。持続時間は4〜6時間ほど。

この香りにどこか懐かしさを覚えるのは、夏の夕暮れどき、不意に蚊取り線香の残り香が鼻をかすめたような煙感があること。あるいは電子蚊取り機の薬品マットのような匂いもほのかにする点だ。全体的に見ると変化の仕方はリニアで、トップのユズ&ジュニパーがうすらいでくると、あとはひたすら黒くて苦いティーの香りとドライなインセンス香が持続する香水だ。

こんなふうに、ファンタズマという香水は、金色に香る水と黒く香る水が拮抗し合って1つの香りになっている。それは人の心と似ている。

人の魂には善と悪が常に共存している。だからどんな人でも、その口は2つの種類の言葉を吐くものだ。それは人を幸福にする言葉と、自身に災いを呼ぶ言葉。あなたの唇は、金の水、黒の水、どちらの色に潤っているのだろう。

ファンタズマは、2つの色の水がめを秤にぶら下げて、いつもあなたの口元で静かに微笑んでいる。

さあ、思うまま欲望のままに伝えなさい、と。

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プロフィール
  • 年齢・・・56歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・柔らかい
  • 髪量・・・普通
  • 星座・・・山羊座
  • 血液型・・・O型
趣味
  • 映画鑑賞
  • ブログ
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  • 音楽鑑賞
  • 読書

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自己紹介

いつもご覧いただき、ありがとうございます。週一ペースで香水について細々とレビューしています。 最近はTwitterでも時折つぶやいています。香水… 続きをみる

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