2020/1/5 11:34:01
正しくは「モンプレシゥネクター」らしいです。プレシューじゃダメなのか。
コレは2009年に限定販売された「フォンテーヌアンペリアル(ランダ・ハマイ&シルベーヌ・ドゥラクルト調香)」の復刻。現在日本では帝国ブティックと新宿伊勢丹ゲランパフュマー、阪急百貨店うめだ本店でのみ購入可能。
その「フォンテーヌアンペリアル」のお値段はなんと109万2000円!!もちろん、香り以外の価値も含まれての価格(容量980ml、特別製クリスタルボトル、全世界で個数限定)。
パトリモワンヌのラインは基本的にオーデパルファンなんですが、コレだけパルファン濃度なのにお値段は他と変わらず。中々のお得感。
蜂蜜のようなジュースを身につけると、香り立つのはビターアーモンド。少しウッディかつ、柑橘の風味があるのはプチグレンのせい。とてもアロマティックで繊細な出だし。
続いてワッサーお得意のオレンジブロッサム。ジャスミンも伴って華やかでフェミニンなミドル。
ドライダウンはクリーミーなサンダルウッドとスモーキーなガイヤックウッド。クレジットにある他の香りはあまり感じません。ウッディですがメンズっぽい香りではないですね。
甘い香りの部類だとは思いますが、べったり甘くなりすぎたりせず透明感すら感じさせる香り。さすが元100万オーバーなだけあります。
香りのイメージは液体の色と同じ黄色い花の蜜。パルファム濃度なだけあって、肌に近いところで穏やかに長く香り続けます。持続は八時間程度。このラインの中ではかなりオススメ(何しろパルファム濃度だし、元々の香りの希少価値も合わせて)。
難点はやはり買えるところが限られているところ。一部店舗限定ラインは取り寄せも不可。帝国ブティックはちょっと入りにくいし、せめてもの救いは伊勢丹やうめ阪でも取扱いがある点かな。
トップ:プチグレイン、ビターアーモンド
ハート:オレンジブロッサム、ジャスミン
ベース:サンダルウッド、ガイヤックウッド、バニラ、ホワイトムスク、フランキンセンス
(公式サイトより)
調香師はティエリー・ワッサー。
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2023/7/25 08:42:05
近年アクアアレゴリアの中でも猛プッシュされているのがローザロッサ。昨年のフォルテバージョンに引き続き、ハーベストバージョンも発売された。調香師は近頃のゲラン作品の多くを担当しているNo.2パフューマーであるデルフィーヌ・ジェルクだ。
ハーベストのボトルは、日本で通常販売されているアクアアレゴリアより大きいサイズなだけでなく、ボトルネックにチャームが付いていて少しおめかしされている。通常版より濃いピンク色の中身(着色)を付けてみると、うん、みずみずしいライチのジューシーな感じはオリジナルそのまんま。違いはやはりローズの部分だな。このローザロッサハーベストは、香水に含まれる水の一部がローズウォーターに置き換えられている。同ブランドのラールエラマティエール「ローズシェリー」やディオールの「ミスディオールローズエッセンス」と同じ手法だ。オリジナルより明らかにローズのリッチさや甘さが強くなっている。さすがのゲランなのでローズの品質はお墨付き、思わず笑顔になってしまう。
オリジナルは付けたてのライチ×ローズの香りは色褪せるのが早くてすぐに淡いサンダルウッドとムスクの当たり障りないドライダウンになってしまうが、ハーベスト版はローズの部分がかなりしっかりしていて長持ち。サンダルウッドも強調されていてよりファインフレグランスらしい香りになっている。持続は4、5時間程度。ムエットで比べてもわかるくらいには違いがある。
昨年発売されたローザロッサフォルテは、ローザロッサの名を冠していながらも香りとしては別物だったが、このローザロッサハーベストはオリジナルを踏襲しつつも香水としてより完成度を高めた作品。ハーベストの流通は今年いっぱいのため、今買うなら間違いなくハーベストバージョンがオススメだ。
ノート:ブラックカラント、ブルガリアンローズ、ターキッシュローズ、ライチ、フレンチローズウォーター
調香師は、デルフィーヌ・ジェルク。
(parfumoより)
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ビーボトル クリスマス エディション〈イマジン ゲラン オーデパルファン〉
税込価格:125ml+20ml・99,000円 (生産終了)発売日:2022/12/1
2022/12/23 12:39:48
ゆらゆら揺れるキラキラゴールドの飾り、ゲランのシンボルの蜂を模した装飾もゴールド、そしてクリスタルが埋め込まれている。このフレグランスの名は「イマジン ゲラン」。今年のクリスマスシーズン限定品として発売された。ボトルもスペシャルだが、値段ももちろんスペシャルだ。
香りを確かめる前にひとつだけ注意。ゲランには元々「イマジン」という名前の香水があるが、「イマジン ゲラン」とは全くの別物。2019年発売の「イマジン」は「ヴォワイヤージュコレクション ロンドン」の復刻で、この「イマジン ゲラン」は、2018年にブランド創業190周年を記念して作られた「190アニヴェルセル オーデパルファン」の復刻。なんだかややこしいが、これしきの言葉遊びで怯んでいてはゲランの香水なんか買ってられない。
キラキラゴージャスな装飾がされたボトルにはミュゲやチェリーブロッサムと同じように20mLのドロップ(パーススプレー)が付属する中々嬉しい仕様だ。さっそくプッシュ。果汁感溢れるオレンジが弾ける。酸味よりも甘さが勝っている濃縮還元200%のような濃いオレンジの香りでマンゴーのような南国系フルーツにも感じられる。
トップのオレンジのフルーティな甘さをキープしつつ、オレンジフラワーのホワイトフローラルとイランイランの甘重さが展開していく。少しローズの華やかさも効いているようだ。オレンジフラワーというと今風の軽やかな印象だが、ここのフローラル部分はむしろ肉厚でクラシカル。同じEDPのラールエラマティエールのフローラル系統よりも骨太な印象だ。奥からはしっかりしたサンダルウッドとレジンノートがフローラルを支えていることがわかる。
フローラルブーケの下から滑らかなベンゾインと暗いサンダルウッドが全面に出てくればドライダウン。バニラの甘さやパチュリやベチバーの土っぽさを加えつつフィニッシュ。持続は8、9時間程度。ドライダウンはウッディ要素がかなり立つのでメンズ寄りに感じる方も多いと思う。
香りの構成だけ見ると今のゲランによくありそうなものの組み合わせに思えるが、香り方が思いの外クラシカルで濃厚。復刻というとなにかと「薄められた」「安い原料に置き換えられたのに値上げ」と言われがちだが、香りは薄くはないし、ボトルの装飾の凝り具合やパーススプレーが付属することを考慮に入れれば(190アニヴェルセルEDPにはドロップは付属しなかった。付属したのはP版)法外な値付けではないだろう。それでも高いけど。
現専属調香師ティエリー・ワッサーがゲラン五代目に就任したのは2008年だが真に五代目と認められたのは2018年で、190アニヴェルセルはまさにワッサーにとって節目となる香り。本当の意味でバトンを受け継いだのだ。イマジンゲラン=ゲランを想う、五代目としてゲランを担っていくワッサーの決意と祝福の香り。
ノート:オレンジ、オレンジブロッサム、アーモンド、ベンゾイン、サンダルウッド、イランイラン
調香師は、ティエリー・ワッサー。
(parfumoより、構成は190アニヴェルセルEDPのもの)
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2022/10/27 14:00:50
昨今のウードブームに乗ってゲランのラールエラマティエールからもウードメインのフレグランスが3種、本格展開を開始した。その内のひとつが、この「ウードヌード」。着想元は、20世紀を代表する彫刻家であるコンスタンティン・ブランクーシの彫刻だそうだ。
ウード系だから香水の色は濃いめかな、と思っていたが意外と淡い。この色がヌード感を表しているのか?とどうでもいいことを考えながら付けてみる。はっきりと存在を感じるのはツンとビターでアロマティックなアーモンドの香りだ。同時に、ジリジリと人間の体臭を思わせるようなスパイシーさも感じる。これはクミンだな。以前、スパイスカレーに凝って香辛料をあれこれ使っていたときに知ったのだが、クミンは体臭、もっと具体的な言い方をするとワキガのような香りがする。もちろん香水なので、ウードヌードのクミンの香りは不快感を覚えるほどではない。
人肌系スパイシーな香りが馴染んでくるとバニラのとろっとした甘さが出てくる。ウードヌードには昨年の限定シャリマー「シャリマーミレジムヴァニラプラニフォリア」や今年発売の「アクアアレゴリアフォルテ マンダリンバジリック」にも使用されているバニラチンキが入っているらしい。このバニラチンキは、単なるバニラの甘さだけでなく、ウッディでスモーキーな味わいもある非常に素晴らしい香りがする。ワッサーもジェルクもこのバニラにすっかりハマってしまったんだな。バニラの奥からはローズの蜜っぽい甘さもあってとても華やか。ときおりトップのアーモンドの余韻がベリーのようなニュアンスに感じられる場合もあってそれもまたいい。
ドライダウンになると、バニラチンキのどっしりした甘さを中心にシダーウッドの軽やかで明るいウッディ、そしてウードの重暗い香りがようやく出てくる。これに使われているアッサム産ウードは、確かにダークな印象はあるものの比較的軽め、いわゆる獣臭さはかなり抑えられていて上品な雰囲気。そして、最後に残るのはうっとりするようなバニラの芳醇な香り。持続は10時間以上。
ウード自体が軽やかな分、ウード好きには物足りないだろうが、その分日本でも使いやすく仕上がっている印象だ。なにより、ラストの甘美なバニラの香りには抗い難い。ドゥーブルヴァニーユやアンジェリークノワールがお好きな方には特にオススメだ。
ノート:ウード、ブルボンバニラ、アーモンド、アトラスシダー、サンダルウッド、ローズ、ラズベリー
調香師は、デルフィーヌ・ジェルク。
(parfumoより)
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2022/8/12 22:17:37
暑い夏に付ける香りといえば爽やかなシトラス主体のものももちろんいいのだが、ティアレフラワーやイランイランをメインにしたクリーミー系フローラルも中々のもの。ゲランのラールエラマティエールシリーズの「アンブランディラン(イランイランの波飛沫)」はイランイランをメインに据えたフレグランス。
トップはキンと固いミネラルノートから始まる。波飛沫と言うくらいだから、潮風が吹く海岸のイメージなのだろう。そのソルティな香りの後ろから香るのはジャスミンのホワイトフローラル。スパイシーなニュアンスとインドールがやや強く感じられるタイプのジャスミンだ。
5分ほどで潮風+ホワイトフラワーのフローラル部分がこの香水の主役であるイランイランのイエローフローラルに置き換わる。バナナのように滑らかでクリーミー、いかにも南国のビーチの雰囲気があるこのイランイランの香りは甘く濃厚だが、ミネラルノートのしょっぱさのおかげでその甘さに香りが沈んでいかず、とても陽気で軽快な雰囲気がある。
ドライダウンはバニラの白い甘さが加わってイランイランの鮮やかなイエローを薄黄色に染め上げる。パチュリが効いているせいか、やや拡散する感じもある。持ちはだいたい6、7時間ほど。
ゲランでこういった南国フローラルのフレグランスは、「テラコッタルパルファン」や「マホラ/マヨット」があるがどちらも今はラインナップにないため、ブランド内でのキャラクターは立っているように思える。比較的濃いめの香り立ちだが、寒い秋冬よりも夏に汗をかきつつイランイランの甘さを楽しむ使い方が個人的には好きだ。
トップ:塩、ベルガモット
ミドル:イランイラン、ジャスミンサンバック、クローブ
ベース:バニラ、パチュリ、アイリス
調香師は、ティエリー・ワッサー。
(fragranticaより)
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