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[フェイスクリーム・日焼け止め・UVケア(顔用)・化粧下地]
容量・税込価格:40ml・6,600円発売日:2016/9/15
2020/2/29 08:20:57
本品が今のような大ブーム?(なのでしょうか?よく分かってない私ですが)になる前、昨年春〜12月下旬(つまり2か月前)にかけて使いましたが、私にはいたって普通そのものでした。
購入のきっかけは、
・KANEBOのスキンケアをどれか使ってみたかった。
・期間限定のキットでKANEBOの他のアイテムのトライアルが付いていて多少お得だった。
・下地不要の薄付ファンデをメイン使用の為、デイクリームに若干のサンスクリーン成分が入っていた方がいいのか?と考えた事。
以上3点の理由でしたが、数か月使った感触では特段、突出した良点もなく、悪くもないですがとにかく印象に残らない製品でした。
保湿力は普通。香りも特に癒されるほどでもなく。デイクリームには、ファンデーションのツキ載りをよくする下地的役割も期待するのですがそれも特に感じず。
KANEBOはメイクアイテムも何品か買ってますが、クチコミしていないものも含めていつもこんな感じの感想です。どれもが可もなく不可も無くで、インターナショナルブランドにしてはあまりにも特色が無くおとなしすぎる感じ。
突出した使用感を求めるのであれば、同ブランドの中でももっと上位ラインか、SENSAIブランドまで行かないと無理という事でしょうか。
KANEBOは対象年齢は特に区切らないエイジレス製品とは思いますが、ブレイクのきっかけとなったらしき著名人の方の年齢位ならとてもいいのかもしれませんね。
メイクラインの方はリニュしたようなのでまた何か試してみたいとは思います。
このクリームに関してはリピは無いです。
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- doggyhonzawaさん
認証済 -
- 56歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿473件
2022/12/10 13:41:09
あなたをたった5秒で強く颯爽とした女性に変える。それは簡単なことだ。シャネルN°19のパルファムを1滴指にとり、耳たぶの裏につける。それだけでいい。
「また何言ってるんだ、大げさな」そう思うなら試してみるといい。香りが好きかどうかは別。N°19パルファムは、強き女性の代名詞として君臨し続けるココ・シャネルが「世界一売れたN°5を超える香りを!」と「自分のためだけに」作らせた最強のシグネイチャー香水だ。
ただしEDPやEDTでは効果は薄い。N°19の破壊力を実感するためにはパルファム一択だ。15mlで31350円。高い?そうだろうか。「なんでこんな香料でこんなに高いの?」と首を傾げるようなそのへんのニッチ香水に比べたら、100倍良心的な価格だと思う。まず歴史とブランド信用力と品質が別格だ。さらに、スプレーでなく指で1滴ずつつけるフラコンなので、本当に減らない。そして超至近距離でだけ高濃度香料がなめらかにずっと香る。実は香害に一番なりにくいのがこのパルファム濃度だ。これぞ本物の香水。香水に詳しくない方なら、なおさら「本物の凄み」というやつをまず体験すべきだろう。
ココ・シャネルはこのN°19を創るために、調香師アンリ・ロベールに何度も試作品を用意させ、香りを纏ってパリの街を歩いたという。そして人々が香りについてどんなふうに声を掛けてくるか確かめた。全く声を掛けられなかったときは、怒号と共に調香師を責めたという話もある。当時ココは86才。ある日、長年住んでいたリッツホテルから出てきた際、若いアメリカ人男性2人に引き留められ「その香水の名前をぜひ教えてください!」と迫られたことが決定打となってこの香りは生まれたという。
ではそんなN°19パルファム、いったいどんな香りなのか?世界的に「グリーンフレグランスの最高峰」と言われる香りの展開を追ってみる。
N°19パルファムを肌にのせる。するとまずはじめに立ち上るのは、ギリリと青臭いグリーンノート、そして粉っぽいアイリスの白い香りだ。そこにまろやかなネロリの甘さが加わり、キレのいいスッキリとした緑と白の香りが広がるトップ。
3分後、ジャスミンのふくよかさとグリーン香が相まって、スズラン様のフローラルが広がってくる。同時に下の方から冷たく青いヒヤシンスの香りも感じられる。ガルバナムのシャープなキレのある香りを軸としながら、ソリッドで青緑なフローラルが感じられてくるミドルになる。
このミドルは知的でスタイリッシュ。キリっとして本当にかっこいい。全くフェミニンじゃない。若々しく、怜悧で、背筋がスッと立っているイメージ。全てに妥協を許さず、自分のめざすベクトルを見定め、どこまでも一直線で闊歩してゆくような、潔さと強さを感じさせる草原と大地の香りだ。
リラックスというなら、それは大自然の中に放り出されたような心地よさがこの香りにはある。けれどそこには同時に、厳しい自然界の現実に対峙する強さもまた要求される。そんな苛酷さを感じさせる香りでもある。ミドルは、大草原に吹く風がオークモスのビター、ベチバーの土の匂いを運びながら3〜4時間続いていく。
ラストはとてつもなく優しい。土深く眠り続け、長年かけて香りを熟成させたアイリスパリダのパウダリーが優しく心と体を包みこむ。ほのかに甘いムスクとともに、小麦粉のようにきめ細かな白い香りを呈してドライダウン。ここまで5〜6時間。たった1滴で。
N°19はココ・シャネルの誕生日である8月19日から命名されたナンバーフレグランスだ。人は一人で生まれ、空と大地の狭間で必死に生きて、その短い生を全うする。「香水をつけない女に未来はない」と言い切ったココが、人生の最後に自分のためだけに徹底的にブラッシュアップして作り上げた香り、N°19。そこに込められたのは、世界中の女性が男性の下に屈することなく、自分自身を強く美しく保ち続け、欲しいものを欲しいと言い、自分の力で未来を貪欲につかみとれ、というメッセージのように思える。
一面の大地。草原が風に揺れている。湿ったベチバーの土っぽい香りがしている。濡れた苔類のビターな匂いが森から運ばれてくる。自然はどこまでも広く、容赦なく、そして気高い香りに満ちている。服が風をはらむ。草原と森の匂いが髪を洗う。
青いガルバナム。苦みばしったオークモス、乾草のベチバー、白いアイリスパリダ。それらが織りなす、今にも発火しそうな残虐なグリーンノート。クールで、スタイリッシュで、挑戦的。常に現代で戦い続けるハンサムウーマンの香り、実装完了。
最終戦闘に備えよ。
大地を疾走するパルファム「ナンバーナインティーン」発動。
5秒だ。5秒で未来にカタをつけろ。
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- Cookieyukiさん
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- 51歳
- 乾燥肌
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2020/6/12 12:21:57
青空を翔るブルーインパルス。長い間暗闇の中で過ごしていたような私たちの心に希望の灯がともった。
そういえば夜間飛行を暫くつけていなかったな。
久しぶりにつけた夜間飛行はガルバナムの険しく苦い香りで始まる。当時としてはバランスが崩れるほど、どうしてこんなに入れたの?と思われる大胆な処方だったとか。それは漆黒の夜と金属でできた飛行機の機体をイメージさせるかのように無機質、硬質で冷たい。それと同時にベルガモット、レモン、オレンジなどの柑橘系のハイトーンな酸味。どことなく昭和の典型的な男性用トニックのようでもある。夜間飛行は1933年に発売されているから、当然トニックの方が真似したんだけど。
暫くして現れた蒼く清らかなナルキッサスの香りを嗅ぐとほっとする。暗闇で灯火をみつけたかのように。世界初の大西洋単独無着陸飛行を成功させたリンドバーグが「翼よ、あれがパリの灯だ」という本を書いているが、その心安らぐ気持ちがなんとなくわかる。空高く飛ぶ孤独な飛行機から見下ろす針の先ほどの小さな灯り。抱きしめたくなるような人の生活の温もりがそこにある。子供の頃過ごした懐かしい庭で、背の高い草木に紛れて咲いている水仙を見つけようとするように、誰もいない場所で愛しい人を探すかのように、冷え冷えとした暗いメタリックな香りの中にあるその花の香りを夢中で追いかける。
ミドルはアイリスを筆頭とした、ほっとできるパウダリーな香り。飛行機は離陸の3分間と着陸の8分間が一番緊張するというが、無事に飛行機が高度をあげて安定圏に入ったかのよう。ふんわりした綿菓子のような雲を見下ろしながら飛んでいく。この辺のノートがなかなか面白い。ローズ、ジャスミン、スミレなどの花の名前がたくさんクレジットされているが、突然花の香りがモコモコのアイリスの雲の中から、手品のびっくり箱から花が飛び出してくるかのごとく出てくることも。それがなんとも色っぽくてドキッとすることが多々あり。時々、花ではなく動物性香料を思わせる官能的な香りが感じられる時もあって飽きずに楽しめる。
ラストノートはサンダルウッド、オークモスが目立つ樹木調。そこにバニラが加わり、とてもリラックスできる。最初の険しさからは全く想像できない安らぎと癒しの閉幕。行ったことないけど天国の雲ってこんなかな、なんて想像してしまう。オードトワレなのでここまで行き着くのに体温低め、脈拍平静時55くらいの超低燃費の私で4、5時間ほど。体温高めの人だったら2、3 時間くらいかも。短すぎて残念。もうちょっと長持ちしてくれたら最高なのに。
夜間飛行が発売された頃、女性の社会進出が盛んだった。この香水は当時の女性飛行士、エレーヌ ブーシェに捧げたものでもあったらしい。お馴染みのサンデグジュペリの同名の小説をモデルにしたのは言うまでもないが。それは女性らしさを失わず、男性中心の世界で自分の志と自由を求める女性に捧げられた香り。因みにブーシェ氏は当時男女を含めての世界最高速を更新したばかりだった。
キャサリン ヘプバーン、ミッシェル ファイファーなど自立したカッコいい女性が愛用し続けた夜間飛行は、つけるだけでドラマチックな気分になる。特に自分を励ましたい時に最高。そうかといって不思議とアドレナリン爆発な気分にはならず、静かに覚悟を決めて集中するのにいい。座禅なんか組んで精神鍛錬した、戦に出る前の女武士にでもなったようだ。
私には行きたい場所がある。したいことも沢山ある。真っ暗闇の中を飛んでいく。道標も明かりも何も無く。頼りになるのは星と羅針盤と自分だけ。何となく自分の人生をそのストーリーに重ねてしまう。それは私だけでなく世界中の全ての人が思うことなのかもしれない。そんな万国共通、古今東西共通の心理もあって夜間飛行は愛され続けているのだろう。
動物は鳥を見ても、ああ、自分もあんな風に飛びたいとは決して思わない。飛べない自分が悲しいなんて思うのは人間の性。飛びたいという夢さえ持たなければ、不安はないのかもしれないと苦笑い。
先行きの見えない人生は、心を乱れさせる。でも今まであっただろうか?先行きが見えたことなんて。本当に未来が見たいかというと皮肉なことにそれも疑問だ。落ち込むだけ落ち込んで覚悟を決めると、また飛ぶ勇気が出てくる。
飛んで行きたい。暗闇が青い空に変わるまで。分厚い黒雲の割れ目から一筋の明るい光が差し込むのが見える場所まで。長い夜の帳が朝焼けの明るいオレンジと水彩絵の具のように交わるところを目指して。夜間飛行の登場人物のように。
終わらない夜はないから。
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- Cookieyukiさん
-
- 52歳
- 乾燥肌
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2022/3/18 00:17:58
エルメスが誇りをもって創作しただけある。時間の経過と共に様々な表情が楽しめてとても素敵なんだけど、ライフスタイルを選ぶ香りというのが第一印象。ヨーロッパで作られた香りだけあって欧米風のライフスタイルにはよく合う。
でも残念ながら合わないんだな。畳の生活、日本の食材、特にお味噌汁、煮魚、梅干し、ご飯、緑茶には。
私はアメリカ在住で自分で作らない限りは日本食を食べることはほとんどない。パン、スープ、パスタ、サラダが主流だ。でも最近日本食が恋しくなって作りだし、煮物を食べている時にヴァンキャトルフォーブルがミスマッチなことに気づいた。
まるで明治時代の初めにお香を焚いた部屋で着物着て、畳の上に正座してフランス料理をお箸で食べている気分。ミスマッチ感が凄すぎて勿体無い。
エルメスの革製品は職人がひとつひとつ手作業で丁寧に作るだけあってクオリティがとても高い。一生使い続けられるし、うまくいけば孫の代でも使えるんじゃないかと思うほど長持ちする。持ってないけど。ヴァンキャトルフォーブルも然り。香水は劣化するので自分が使っているものを孫の代まで使い続けるということはできないが、年月が経ってもいい香りとして不滅だと思う。年齢や時代を選ばないクラシックな香りだ。
トップからとても円やか。香水あるあるだが初め化学薬品臭やアルコール臭が目立って暫く待つといい匂いに変化するものは多い。上質なお酒はアルコール臭があまりないのと同じでこれにはアルコール臭が殆どない。ノートの中ではヒヤシンスが際立つ。手首に付けたところではあまり感じられないが、胸の間 (谷間と言いたいところだが山がないところに谷はできない) に付けたほうはシャネル19に似たグリーンな香りがする。シャネルよりは我が強くないというか押しが強くない。蕗のとうのほろ苦い味を連想させるグリーンな香りだ。
グリーンさが無くなる頃ミドルノートの花の香りが全開になる。白い肉厚な花びらの質感さえ感じさせるクリーミーさ。芳醇なジャスミンに爽やかなオレンジフラワーと可憐なブラックエルダーフラワー。ツンツン尖ったところのない完璧なフローラル。
上流階級になると身なり、振る舞い、言葉遣いが洗練されてくるが香水もそうなるようだ。これをつけている時は背筋がピシッと伸びてレディらしい振る舞いをしなくてはと焦る。本物のお嬢様なら意識しなくても当たり前のように優雅な立ち居振る舞いができるんだろうな。
香水は食事に合わないとよく言われるが、近くに寄ってようやくわかる程度のほのかな香らせ方ならむしろ合う。但しバターやクリームを多用した欧米の食事に限る。食前酒、オードブル、メインディッシュのコースをワインを楽しみながらゆっくり味わって、最後にコーヒーか紅茶を楽しみながらリッチなデザートでシメるというのに向いている。食べている場所がアンティークの家具と古い絵に囲まれていたら尚更ピッタリ。
俗な言い方をすれば要するにバタ臭いのだ。洋食でもガチダイエッターが好みそうな脂肪分を含まないスープと全粒粉パンには似合わない。自分で食べててそう思う。
ラストは高級なお香から煙を抜いたような香り。パチュリが入っているそうだが、寧ろベチバーの香りがする。オレンジフラワー、ガーデニアなどの花々の軽やかな香りが飛んだ後、ジャスミンの肉感的な香りとアイリスなパウダリーさがしっかり残っている。
お風呂に入った時つけているところを嗅ぐと手作り石鹸のような匂いがする。石鹸は油脂をアルカリで加工してベースを作っているのが納得できる少し脂っ気の混ざったまったりとした香りだ。アルデハイドとは異なり人工的ではない。それは大規模な工場で作られた石鹸からは感じられないニュアンス。ムスクもクレジットにはないがこっそり少しだけ入っているのではと思う。
今日は朝から晩まで三食とも和食だったので香水との違和感がすごかった。明日もう一度出直すことにする。朝ご飯はクロワッサンにカフェオレ、昼食はハムとチーズのサンドイッチにサラダ、夕食はグラタンにワインで。当然カクテル付き、デザートは生クリームの入ったものに決めた。お嬢様ではないので全部自分でつくるんだけどね。
トップノート: ヒヤシンス、オレンジ、イランイラン、ピーチ、ベルガモット
ミドルノート: オレンジブラッサム、ガーデニア、ジャスミン、ブラックエルダー、アイリス
ラストノート: アンバー、サンダルウッド、パチュリ、バニラ
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- Cookieyukiさん
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- 53歳
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:-
2022/10/22 03:49:45
普通。
そう、とても普通。
褒め言葉で言ってる。しかもメチャクチャ褒めてる。「普通」という言葉はよく使われるが、実は凄いということでもある。
結婚相談所の人が言っていた。どんなお相手がお好みですか?という問いに対して「普通の人でいいんです」と答える人は一番相手を見つけづらいと。「普通」、要するに高望みはしないけど全てにおいて合格点の人がいいってことか。
全てに合格点をスコアで100%中の50%とするとどうなるか。例えば項目がイケメン度、優しさと思いやり、収入、仕事への情熱、育児への参加、家事の分担、清潔度、学歴なんて具合に八項目あったとする。50%を0.5にして掛け算すると0.5の8条だから四捨五入して0.004。パーセンテージに直すとたったの0.4%。全男性のたったの0.4%しかいない普通の人ってむしろ超いい男なのでは?常識的に考えてそんな希少品が結婚相談所の顧客リストに売れ残ってる訳がない。
ナイルの庭にもそんなところがある。好感度の高い普段使いできる洗練された香り。夏の間はずっとこればかりつけていた。私は特殊な仕事をしていて多数の様々な年齢、性別の人と「お前は彼女かっ?」というレベルの至近距離に接近する。しかも不快感を抱かせると次の契約に繋がらないので殆どの人に好かれる香りを纏うことが要求される。それを基準に香水探しても見つけるのが難しい。
トップは爽やかなグレープフルーツ。リアルだがツンとした酸味はなくフルーティでまろやかだ。お歳暮か何かのギフトとして貰ったら嬉しいレベルの大粒のグレープフルーツの美味しそうな香り。
汗をほとんどかかない、普段の心拍数50台、かなり激しい運動しても100以下の特殊体質の私がつけると、グレープフルーツ味のハイチュウを大人向けにお上品にした甘さと酸っぱさの混ざった香りに変化する。一粒千円くらいの価値はありそうな。
同時に薄らとトロピカルフルーツの香りも。木の上で糖分を蓄えて甘くなっている最中といった感じ。これがグリーンマンゴーか。これが完熟マンゴーだったらもっとお子様向きの香りになっているだろう。それに加わる微かなグリーン。家庭菜園で育てたかのようなトマトとキャロットの優しくて新鮮な香り。グリーン感を出す時によく使われるガルバナムなんかだったらもっと棘のあるお高くとまった香りになる。グレープフルーツとグリーンマンゴーと相まって風に乗って漂ってくるような透明感がよく出ている。流石、ジャン・クロード・エレナ氏。上手い。
ミドルでは瑞々しい花々の香り。これもお花屋さんで売っているのではなくて、よく手入れされた庭に育つ花のホッとできる香り。ロータス、ヒヤシンス、ピオニーだ。ヒヤシンスとピオニーの香りはすぐ想像できるけど、ロータスってどんな香りだったか思い浮かばない。まあロータスって普通の人の庭にはあまり生えてないので当たり前か。
小学校理科の時間で水栽培したことのあるヒヤシンスは大人になって嗅いでからとてもいい香りであることにようやく気づいた。ヒヤシンスはどこか洋梨やりんごのようなフルーティさと初夏の草のようなグリーンさを併せ持つ。これがトップのフルーツとミドルの花を全く切れ目を感じさせずに繋げている。そこにビターオレンジの皮のピリッとした僅かにスパイシーな辛さが加わり完全に大人向けの仕上がりにしている。
ミドルノートの中核を占めるのがシカモアウッドだ。カントリー調の家具やフローリングに使われる高級感のあるクリーム色から薄い狐色の木材で、香料としてはあまり使われないが、わずかに甘さのあるウッディな香り。音楽好きなら知っているであろうバイオリンの名器ストラビバリウスもシカモアウッド製だ。
ラストはもう香水として認識してない。私の身体ってなんていい匂いなんでしょと完璧に錯覚している。敢えて言えば透明感のあるムスクとアイリスと柔らかいウッディノート。エレナ氏の香水はよく水彩画に例えられるがこれも然り。タイトルどおり池か川のある大きな庭を寛ぎながら散歩している気分になれる。
少し残念なのは寒い季節にはあまり合わないこと。最近少し寒くなってきたのでナイルの庭の出番も減ってきた。来年また使うことを楽しみにしている。
とびっきり素敵な普通の香りを。
トップノート: グレープフルーツ、グリーンマンゴー、トマト、キャロット
ミドルノート: ロータス、バーラッシュ、オレンジ、ヒヤシンス、ピオニー、シカモアウッド
ラストノート: ムスク、アイリス、インセンス、ラブダナム、シナモン
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