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★キャプテンD★さん
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トム フォード ビューティ / ボー デ ジュール

トム フォード ビューティ

ボー デ ジュール

[香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

6購入品

2021/2/15 21:28:21


近年、フレグランス界を牽引しているのはトムフォードだと思う。

ロストチェリー、ビターピーチなど強烈なキャラクターの香り(名前も)をヒットさせている一方で、このボー デ ジュール(BEAU DE JOUR、2020年、日本未発売)のようなクラシカルなメンズフゼアの香りを現代的にアレンジした良作も手がけている。
過去、クラシカルなシトラスコロンをアレンジしたネロリ ポルトフィーノ(2011年)のような作品もヒットさせており、トムフォードが発表するフレグランスから目が離せず、新作が出ると必ずチェックしてしまう(なかなか買えませんが、、、)。

そんな天才トムフォードが創り出したラベンダーフゼアのテーマは、コントラストだと感じている。

トップはラベンダー。ハーバル感の強いキリッとしたラベンダーと、柔らかくフワッとしたクラシカルなラベンダー。この2種類のラベンダーがはっきり区別できるほど、コントラストを効かせたオープニング。

ミドルはアロマティック・フゼア。
柔らかいラベンダーは定石通り、ゼラニウムやオークモスと重なることでクラシカルなアロマティックフゼアの香りにまとまっていく。一方で、ハーバルなラベンダーはローズマリーと重なることで、少し辛さのある硬いアロマティックな香りに仕上がっている。そこにミントやバジルの爽やかさを添えることで、若々しくフレッシュな印象を与えている。クラシカルなのに若々しい。その対比がベースに向かって近づいていく。

ベースはフゼア・ウッディ。
クラシカルなフゼアは、クマリンの甘さを加えることで、ソープや洗濯糊のような清潔な印象から、パチョリの深みのあるシプレウッディな香りに包まれていく。一方で、フレッシュなアロマティックは、ミントの苦みやバジルの焦げ感がドライアンバーの男らしいキリッとした雰囲気を持たせつつも、パチョリに融合されていく。最後はクラシカルなフゼア優勢、そこにパチョリのラグジュアリー感を与えながらドライダウン。

ミドルまでは2時間程度、全体的には4時間程度持続する。

まるでテキストのようなクラシカルなフゼアを骨格に、その対比としてハーバルなラベンダーとローズマリー、爽やかなミントやバジルを置くことで若々しさを演出し、さらにパチョリでトムフォードらしいラグジュアリー感も忘れていない、オールマイティーなフレグランスだと思う。
ベースがクラシカルなフゼアのカチッとした香りのため、30代以降のビジネスシーン、特にスーツスタイルに似合う香りだと思う。

こういうクラシカルな香りを経験することで、フゼアはもちろん、シプレ、ウッディ、さらにはグルマンなど、香りの許容範囲がどんどん広がっていくのではないだろうか。

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宮部みゆき大好きさん
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シャネル / ル リオン ドゥ シャネル オードゥ パルファム

シャネル

ル リオン ドゥ シャネル オードゥ パルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:75ml・33,000円 / 200ml・57,200円発売日:2021/1/8

評価しない購入品

2021/1/8 00:00:43

昨年の12月に、以前@コスメのブログに書かせて頂いたLPTさんの個人向けストアで来年(2021年の事)1月に発売になる、シャネルの新しいゼクスの香りとあったので、1.5ミリのサンプルを購入しました。現品購入ではないので、評価は無しとします。

…好き嫌いがハッキリとしそうな香り。
個人的には、ラルチザンのアンバーエクストリームに似ている気がします。ただ、ラルチザンの方がバニラやラブダナムで甘さは上回ると思います。アンバーエクストリームの甘さが、苦手な方には、こちらの方が良いのかもしれません。

フルーティーフローラルが主流の日本では、ベージュ等の既存のゼクスの中では、異なる中東向けなフレグランスかなと感じます。

特に、湿気の強い真夏には……
これは、このル リオンに限った事では無く、ウード系やアンバー系を楽しめる季節が日本には、非常に短いためです。毎年毎年、温暖化が進むという事は、フレグランスの香りを楽しむ、味わうという事に於いても、マイナスでしかないのだと感じています。

アンバーの甘さを伴った香りは嫌いではありません。が、75ミリで25000円なら、アンバーエクストリームの50ミリを買うかなぁ…というのが本音。

けれど、コロナ禍の中 時々、私の嗅覚は大丈夫だろうか?と不安になって手持ちのフレグランスの香りを確認する事が しばしば…

香りを楽しめる事に、改めて感謝しています。

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Cookieyukiさん
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イヴ・サンローラン / リブゴーシュ オーデトワレ ナチュラルスプレー

イヴ・サンローラン

リブゴーシュ オーデトワレ ナチュラルスプレー

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:- (生産終了)発売日:2003/10/1

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6購入品

2021/1/10 13:34:49

「夢は夜見るものだ」

それが父の口癖だった。私が将来の夢を熱く語る度にそれを繰り返していた。そんな超現実主義の父が母に贈った香水。結構ロマンチックじゃん。でも超実用主義の母はそれをつけなかった。

そんなわけで引き出しの中にリブゴーシュを始め、父が母にプレゼントしたらしき香水の瓶が幾つも眠っていた。どういう訳だか幼稚園児だった私がそれを見つけて、匂いを嗅いで楽しみだした。その液体をどう使うのか全く知らず、いい匂いの水と呼んでいた。

トップはガツンとくるアルデハイド。少女戦士が出てくる漫画かアニメで、いきなり必殺技を喰らったかのような衝撃が走る。悪役が悪いことする前に先制攻撃しちゃいました、お仕置きよ、うふっ、みたいな。確かに攻撃は最大の防衛とも言うしね。シャネルN5のアルデハイドと同レベルの強烈さ。ここでかなりの人が苦手と思うこと間違いなし。

アルデハイドの中からグリーン、フルーティ、フローラルの要素が入り混じった華やかで若々しい香りが広がる。グリーンは何が入っているかわからないが意外と癖が無く爽やか。フルーティさはピーチのはず。でもそれらしくない。レモンとベルガモットはやや控えめ。フローラルは私の肌の上だと入っていないはずのフリージアが一番強く出る。本当はハニーサックルらしい。

そういった色々なノートが集まって、私の中で何故かペアーとして脳内再生される。日本の梨じゃなくて西洋梨、ペアーね。販売されている洋梨味のお菓子や飲み物は大体香料でそれらしく誇張されているが、飾り気のない生のペアーだ。ちょっぴり青さのある表皮の匂い、滑らかでクリーミーな果実、日本の梨の石細胞ほどではないが、ざらっとした種の近くの質感が蘇る。

ミドルでは花の香りが強くなる。一番強く感じるのはローズ。これが色々な表情を見せてくれて面白い。ローズのハンドクリームかと思いきや、ドライフラワーの薔薇の香りになったり、いきなりローズのベビーパウダーのようになったり。時によっては金属質に感じられたり。たまに生花っぽくなってびっくりすることも。

ラストはかなり複雑で近くで嗅ぎたくなる香り。いわゆるスキンセントと呼んでもいいほど肌にしっとりと馴染む。何が入っているか説明を見るまでさっぱりわからないがとても魅力的。「KGBの女スパイが007を誘惑するのにつける香り」という評があるのが納得できる。007が抱き寄せて嗅いでみたくなってもおかしくはない。

リブゴーシュは70年代を代表する香りとして大ヒットした。イヴ・サンローランが60年代に発表したパンタロン、タキシードなど男女の垣根を取り去ったセンセーショナルなファッションは70年代には一般に受け入れられていた。そうした服装によく似合う香り。CMやポスターを見ていると活発、知的、都会的で健康的な女性が多用されている。みんな気が強そう。下手に肩に手を回したら速攻でビンタが飛んできそうなスリルがたまらない。映画の中で女スパイが鏡の前で化粧をするシーンの小道具として使われていたことも。

実際リブゴーシュは自由奔放で自立した女性をイメージして作られた。リブゴーシュという名前自体はパリを流れるセーヌ川の左岸のことを指している。保守的なブルジョワが多い右岸と比べて、革新的で芸術家、作家、ボヘミアン、学生、LGBTが左岸に好んで住んでいたらしい。それを踏まえるとリブゴーシュはいかにもイヴ・サンローランが作りそうな香りと言える。

何故父はこの香りを母のために選んだのか不思議に思う。父は右岸を代表するような保守的な人物だったし、母も然り。もしかしてリブゴーシュの意味を全く知らなくて、青と黒が好きだったからパッケージの色に惹かれて選んだのかもしれない。

私が将来の夢を語るたびにそれは昼に見る夢物語で実現なんて不可能だと言い続けた父。母もそれに同意し続け、それが原因でよく私と喧嘩した。

大人になるにつれて私は昼に見る夢の遠さを知った。それでも自己責任で自分の歩みたい道を行くことにした。今、私は昼に見た夢を仕事にしている。

リブゴーシュは仕事の時に纏う。それは陽気で自由奔放で少し切なくなる香り。

トップノート: アルデハイド、グリーンノート、ハニーサックル、ベルガモット、レモンピーチ
ミドルノート: ローズ、アイリス、ゼラニウム、イランイラン、鈴蘭、ジャスミン、マグノリア、ガーデニア
ラストノート: オークモス、ベチバー、ムスク、サンダルウッド、アンバー、トンカビーン


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イヴ・サンローラン / リブレ オーデパルファム

イヴ・サンローラン

リブレ オーデパルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:10ml・4,510円 / 30ml・12,100円 / 50ml・17,600円 / 50mL・18,370円発売日:2019/11/1 (2023/11/8追加発売)

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6購入品

2020/12/1 23:11:41

近年、10年前では考えられなかったくらい、高額のフレグランスが溢れかえっている。
我が道を行くニッチブランドに引きずられてか、ファッションフレグランスでも高級ラインへの注力が顕著になっているように見える。フレグランスのイベントにおいても、なかなか手を出せないような価格のフレグランスが多いなあと感じている。

素晴らしい香りのフレグランスが増えていくことはとても嬉しいけれど、このような状況をみて、疑問がわく。
発表される高級ラインが、価格に見合った素晴らしい香りというよりも、比較される通常ラインのパフォーマンスが落ちているのではないかと。
というのも通常ラインの新作は派生品が多く、どこかで嗅いだような、キャラの立っていない、もっと言ってしまえばオリジナルを少しアレンジした、置きにような香りが多いのではと感じてしまう。

イヴ・サンローランのリブレ(2019年)は、そんな通常ラインの停滞に対して一石を投じる、オリジナリティ溢れる、とても野心的な作品だと思う。

カサンドラのロゴが横向きに鋲打ちされたボトルをスプレーすると、
トップはハーバル・シトラス。
タンジェリンの苦みの強いシトラスと、刺すような鋭いラベンダー、そしてほんのりとカシスのようなみずみずしさ。この特徴的なラベンダーが非常に男性的なため、もしかすると多くの女性はNGと感じてしまうくらいのオープニング。

ミドルはホワイトフローラル。上の方はカチッとしたラベンダーを残しながら、そこからタンジェリンの甘さやネロリの明るさが前に出てくると同時に、華やかなオレンジフラワーと、妖艶なジャスミンの蜜のようなコクが一気に香ってくる。奥からうっすら香るバニラが、ホワイトフローラルの生々しさを引き立たせている。本来、ここまで官能的なジャスミンは、下品に映ってしまうかもしれない。でも、ラベンダーの潔癖なくらいの硬さ、さらにタンジェリンの果皮感が、この官能的なバニラとジャスミンを白いベールで包み、さらにネロリが明るさを添えている。まるでタイトな白いドレスの奥の方から、真っ赤な下着が透けてみえるようなイメージ。

ベースはフローラル・スイート。
オレンジフラワーのフローラルな甘さと酸味を、バニラやライトウッディが目立たないように柔らかく仕上げていく。

最初、ラベンダーの素晴らしい香りに魅せられ、これなら男性でも使えるのでは!と感じたが、実際に肌に合わせてみるととんでもない、これは100%女性のための香りだと痛感する。
マスキュリンなラベンダーと、フェミニンなオレンジブロッサムの2つの衝突。
表層をラベンダーで着飾ることで、内なる女性らしさを解放させたような、セクシーでクールなフローラルラベンダーの香り。ラベンダーは引き立て役に過ぎない。

ところが、やはりこのリブレからもアンタンスという派生品が出てきた。まだ嗅いでないけれど、どうなんだろうか。

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ゲラン / ルール ブルー オーデトワレ

ゲランゲランからのお知らせがあります

ルール ブルー オーデトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

7購入品

2021/1/8 21:49:05

昨年11月のサロンドパルファムで、ラール エ ラ マティエールの新作 イリス トレフィエ(2020年)を初めてかいだとき、その香りに浸るよりも先に、ルール ブルー(1912年)をかぎたい衝動に駆られた。

そして、ラール エ ラ マティエールをもってしても、やはりルール ブルーを超えるアイリスの香りは成しえなかったと感じた。
(ラール エ ラ マティエールでは、アイリス パリダの精油という最も高価で稀少な香料を使用しているとのこと)

ルール ブルーは太陽が地平線の向こうに沈み、空にベルベットの夕闇が舞い降り、星が瞬く直前のシーンを見事に切り取った、優美なフレグランス。
天才ジャック・ゲランが創り出した、ゲランのなかでもっとも芸術性の高い香りだと思う。


トップはスパイシー・アロマティック。
アニスの薬を思わせるようなツーンとした硬さと、アロマティックなベルガモットの静かな甘さ。秋の夕暮れ、肌を刺すような空気の冷たさに、ピンと背筋を伸ばしてしまうようなイメージ。

ミドルはフローラル・パウダリー。
アニスに引きずられるように、フレッシュで硬質なカーネーションが花開く。カーネーションとベルガモットと組み合わせがとてもクラシカルで、ゲランらしい香りだと思う。
少しずつネロリやチュベローズ、さらにはローズの輪郭がはっきりしてくるが、これらフローラルは、奥から存在感を増していく、このフレグランスの主役アイリスをエスコートしているような役割にも映る。このフローラル主体のアイリスが特に素晴らしいと感じる。

ベースはパウダリー・バルサミック。
カーネーションやネロリ、ローズなどのフローラルの明るさを上層にしっかり残しながら、アイリスのふくよかなパウダリー感が強くなっていく。さらにはバイオレットが硬さを、ベンゾインが深みを加えていくことで、レザーのようなアイリスに香りに。
そこから上層のフローラルが淡くなっていくものの、バニラやトンカビーンの仄かな甘さが、アイリスやイオノンを明るく柔らかく仕上げていくことで、香り全体のイメージを大きく損なうことなく、次第にドライダウンしていく。

夕日と夕闇の狭間にアイリスを置くことで、ジャック・ゲランが見た、夜、星の瞬きを目にする前の束の間のシーンを見事にとらえていると思う。

太陽(ここではカーネーションやネロリの明るさ)にアイリスを溶け込ますことで夕日に仕立て、さらにバイオレットで引き締めながら、最後はバニラで淡い白さを滲ませることで、夕闇の一歩手前、星が瞬く直前で止めている。

まるで絵画を見ているような香りであり、個人的にはアイリスの存在感が際立った作品だと思う。
新作イリス トレフィエのトップのアイリス精油ならではの複雑な香り立ちも素晴らしかったが、ミドル以降は香り方がやや単調になるため、全体的な完成度で比較してしまうと、残念ながらルール ブルーには遠く及ばない。

日本の店頭では、パルファム(香水)とこのオードトワレのみが販売されている。
パルファムのフローラルの華やかさも素晴らしいが、個人的にはミドルからベースにかけてのアイリスの香りが大好きなので、その香りが早く訪れるオードトワレの方で満足している。

冬の仕事の帰り道、東京の夜空を見上げると、藍色の空に淡い雲がはっきりと見える。そういう夜空を眺めると、決まってルール ブルーを思い出す。
ルール ブルー、まさに青の時間だ。

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