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Cookieyukiさん
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エスティ ローダー / プレジャーズ オーデ パフューム スプレィ

エスティ ローダー

プレジャーズ オーデ パフューム スプレィ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:15ml・7,150円 / 50ml・14,300円発売日:-

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4購入品

2021/9/19 03:19:13

アメリカ人にとってのザ・花嫁の香りのひとつ。

実際、ウェディング雑誌の香水紹介でよく名前が上がる。ケルクフルール、ホワイトリネンなんかと一緒に。私の住んでいるアメリカでは香水はつけて当たり前なので、みんなウェディングドレスを着た時はテンション爆上がりでガンガンつけちゃう。

そういえば最近白いドレスの花嫁さんを見ていないな。

2年前までは私の住んでいる町の大きな公園で週末のたびに結婚式を挙げているカップルが沢山いた。樹齢何百年の大きな木、綺麗に手入れされた芝生、爽やかな風にベールを靡かせた花嫁さんが新郎にエスコートされてゆっくりと歩いていく。お祝いの席に相応しくお洒落な服を着た彼らの家族、友人たちが見守る中を。

太陽に照らされた眩いばかりの真っ白なウェディングドレス。キラキラと輝くクリスタルのようなイメージのプレジャーズはそれを彩るのにふさわしい。

トップは雨上がりの庭のフリージアとそれを取り巻く青々とした葉を思わせる。澄み切った空気さえ感じられて清々しい。グリーンノートが何からできているか分からないがバイオレットリーフと相まって春先から初夏にかけての芽吹いたばかりの木の芽を思い起こさせる。

どことなく高級な石鹸の匂いのようでもある。自分用には絶対買わないけど、他人にプレゼントとしてもらうと大喜びで使うクオリティのものだ。ピンクペッパーが入っているので背筋がピリッとのびてオフィスでもつけられそうなキッチリ感もある。

ここで不思議なのは微かにフルーティな香りもすること。レッドベリーらしいがフリージアと混ざると洋梨のような香りになる。もともとフリージアには青い酸味があるのでそう錯覚するのだろう。

ミドルでは清楚な鈴蘭、西洋芍薬、ライラック、百合の香りが強く香る。他には薔薇、ジャスミンなどウェディングブーケに相応しい花のオンパレードだ。ミドルノートは私の肌の上だと延々と5時間も香り続ける。拡散力はそこまで高くないが持続力はなかなかなものだ。

ラストノートは肌馴染みのいいサンダルウッド、ムスク、シダーウッドの組み合わせ。パチュリも認識できるかできないかのスレスレの量が隠し味的に入っている。結婚式を終えてウェディングドレスを脱いでいる時にこの香りを嗅ぐとホッとするだろうな。

日本じゃあり得ない話だけど、婚姻届に来た市役所の前で簡潔な結婚式を済ます人も結構いる。ウェディングドレスにタキシードの人たちもいるが、略式で白い服にジャケットだけの場合も。市役所の前を通るたびに家族、親しい友人などの数少ない関係者に囲まれた幸せそうなカップルを見かける。新婦からはかなりの割合でプレジャーズに似た清潔感マックスの香水の匂いがする。

殆んどの場合は本気の結婚だが「君たち、絶対愛し合ってないだろ。グリーンカード目当ての偽装結婚だよね、それ」と傍目にも明らかにわかる方々も。記念写真を撮る時がやたらとぎこちない。キスするのイヤイヤだろ。それでも市役所の職員に怪しまれては元も子もないので頑張って夫婦らしく振舞おうとしている。

ま、大人の事情ってヤツですね。

そういえばプレジャーズが発売された90年代にグリーンカードという映画があった。結婚しているカップルしか住めないグリーンハウス付きマンションに住みたいアメリカ人園芸家女性と、グリーンカードが欲しくて仕方がないフランス人作曲家男性が偽装結婚する話。

貧しい地域の緑化運動をする健康志向で真面目な女性と、義務教育終了を待たずして家出をし現在は作曲家をしているものの過去に逮捕歴あり、ヘビースモーカーで粗野な男性。正反対と言ってもいい2人だが、なぜか彼女の友人家族は彼に好感を持つ。ところが移民局に偽装結婚を疑われて、仕方なく一緒に住み夫婦のふりをするがウソがバレてしまう。その後で自分にはないものを持っている相手にどうしようもなく惹かれあっていたことがわかるという皮肉な結末のラブコメディだ。

今日も婚姻届を出す為に市役所の前の偽装結婚らしきカップルたち。その中からこの映画みたいに本当の愛を見つける人たちも出てきたらいいなとプレジャーズをつけるたびに思う。

トップノート: グリーンノート、フリージア、ピンクペッパー、バイオレット、バイオレットリーフ、チュベローズ 、レッドベリー
ミドルノート: 鈴蘭、西洋芍薬、ライラック、百合、ローズ、ジャスミン、ゼラニウム、カロカロンデ
ラストノート: サンダルウッド、ムスク、シダーウッド、パチュリ

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ランコム / トレゾァ オー ドゥ パルファン

ランコム

トレゾァ オー ドゥ パルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:30ml・10,230円 / 50ml・15,510円発売日:-

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4購入品

2022/6/1 23:51:16

懐かしい香り。90年代に大ヒットして色々なところで嗅いだし、イザベラロッセリーニにがモデルに起用されていたのが印象に残っている。なんでも調香師ソフィアグロスマンが広告塔がイザベラロッセリーニだと聞いて、自信作を情熱的に売り込んだとか。

トップはピーチとアプリコットブロッサム。桃を木からもぎ取る時に焦って枝まで折ってしまったかのようなグリーンな匂いが混ざっている。ポキっとあっけなく折れたのではなく、弾力があってなかなか折れないのをやっと折った茎のよう。それが未熟なピーチの果実とアプリコットの花の香りなのかも。少しだけアクとエグみを感じる。

そしてフローラルが加わる。薔薇、ジャスミン、鈴蘭、ライラック。ライラックと鈴蘭はグリーンさとフルーティさの両方を持ち、フルーツと花を上手に繋げている。甘味でありながら爽やかで初々しい。パウダリーさはアイリスか。

ラストは柔らかで女性らしい香り。女性性を謳歌しているイメージ。確かに熟したピーチとアプリコットの香りはするが、アンバーが加わることによって洋酒感のある大人の香りになっている。フルーツ系の香りは10代が好きな香りだが、それよりもぐっと大人びた香り。可愛らしい少女のような雰囲気が残る人なら何歳でもつけられそう。面白いことに実際に可愛らしい少女達には似合わない。言ってみれば成熟した女性が遠くから自分が若くて無邪気だった時期を眺めているみたいなところがある。

私がつけるとなぜか青臭さが目立つことが多いのだが、苦笑いしてしまう高校時代の思い出と繋がるので時々つけてみる。発売が1990年なので私の高校時代よりも後であり、本人がつけていなかったのにもかかわらず、ある人物を思い出す。

それは色づきだした桃みたいなほっぺのC子先輩。トレゾァの桃の香りを擬人化したら彼女なるだろうと思わせる。

高校2年生の時かなりの確率で私の席は窓際だった。毎週2回クラスメートの男の子が席を変わってくれという。嫌だ。H先生の理科の授業はお日様の程よく入る窓際で昼寝と決めている。

「あのさ、ただとは言わないぜ。ほら、これ」

彼が鞄からゴソゴソ取り出したものは…

「母ちゃんの特性唐揚げだ。お前に全部やるから席替われよ。」

彼の母ちゃんの唐揚げは夢のように美味しい。食欲が睡眠欲に打ち勝った。音速で。

唐揚げで買収された私はH先生の真前に座り質問攻めの餌食に。まあいいか。唐揚げ手に入れたし。気づくと毎週2回の理科の授業のときに何人もの男子たちに席を変わってくれと頼まれるようになった。当然お弁当のおかずと引き換えに。でもなんでうちのクラスの男子たちは理科の時間に窓際に座りたいんだろう?

せしめたお弁当のオカズを教科書で隠してつまみ食い。当然バレて叱られる。その時「ファイトー!」と外で黄色い声。体操服にブルマ姿の女子高生たちが集団で走っている。そこにはボンキュッボンで有名なC子先輩の姿が。私は女なので彼女の身体はどうでもいいのだが、思わず触ってみたくなるような熟しかけた桃のようなほっぺは羨ましいと思っていた。

ふと気付くと窓際の席は全部男子たちで占領されている。当然誰も授業は聞いていない。

「あーあ、彼女と付き合えないかなあ」

うちのクラスの男子たちは独り言がやたらとデカい。

C子先輩は卒業するまで我がクラスの男子たちのの夢を膨らませ続けた。そしてお弁当のオカズで買収され続けた私のお腹も膨らみ続けた。

ところで若い女性特有の匂いとして桃の香りと成分が同じものがあるらしい。

待てよ?それなら私がトレゾァつけても匂いだけなら若い女性になれるんじゃ?年齢を重ねた女性は若い女性がさらに大人になったものだし。確かに表面は干からびかけてはいるが、まだ芯のところは若いのでは?

私は後ろ姿だけが美人だ。決してスタイルがいいわけではない。やたらと若々しい髪の毛のせいだ。脳に行くはずの栄養が全部髪の毛に投入されるため未だに髪だけ真っ黒で艶々。他は全部いい感じに枯れている。一瞬のすれ違いざまなら魅力的な若い女性と勘違いしてくれるかもしれない。でも前に回られて「チッ、ババアか」とか言われたら悔しいな。

あっそうか。

サッと通り過ぎた後、絶対に追い抜かれないように早く走ればいいんだよ。

というわけで逃げ足が異常に早くなった今日この頃。

トップノート: ピーチ、アプリコットフラワー、ライラック、ローズ、鈴蘭、ベルガモット、パイナップル
ミドルノート: ローズ、 アイリス、ヘリオトロープ、ジャスミン
ラストノート:ピーチ、アプリコット、サンダルウッド、バニラ、ムスク、アンバー

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フレデリック マル / オー ドゥ マグノリア

フレデリック マル

オー ドゥ マグノリア

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:10ml・6,600円 / 30ml・18,150円 / 50ml・23,100円 / 100ml・33,000円発売日:- (2018年11月追加発売)

4購入品

2021/2/21 00:12:50

美しくしなやかでありながら強靭なフローラル。

男性にもよく似合うマグノリア。男性でフローラルが好きな人には積極的につけてほしい。フローラルに躊躇する男性は多いが。

偏見であることは分かっている。私も今までフローラルは儚く脆いものだと思っていた。事実、華奢なことが魅力になる女性用香水にフローラルが多い。だが本来香りそのものには性別はない。売る側が勝手にこれは女性の方が似合う人が多そうだから女性用、なんて具合に決めている。当然文化、時代背景によっても香りの性別は異なってくる。

いい例がイヴ・サンローラン のリブレ。日本ではユニセックス扱いだがアメリカでは女性用のディスプレイに陳列されている。厳つい欧米人男性に比べて日本人男性は線の細い人が多い。ムキムキな筋肉、胸毛、髭を男らしさの象徴をセックスアピールとして誇らしげに見せびらかす欧米男性にリブレは似合わないが、体毛が薄めであまりマッチョでない日本人男性にはしっくりきそうだ。奇しくもリブレもオードゥマグノリアもカルロスベナイム氏の作品。(リブレはアンフィリッポ氏との合作)

トップは鮮烈なレモン。絞ったときに水飛沫を飛び散らせながら広がるあのジューシーな香り。少し遅れてベルガモットの華麗さが追いかけてくる。クレジットにはないグレープフルーツと何らかのグリーンノートも感じる。柑橘類のトップは多くありきたりになりがちだが、ここまで印象的なトップは少ない。

マグノリアの香りに柑橘類のニュアンスがあることは知っている。けれどもこのままフローラル路線を無視して柑橘系コロン路線をゴールまで爆走するのではないかとビビるくらい思いっきったシトラスノート。花を期待していたんだけどまあ、いいか、洗練された超絶いい匂いだし。

1時間ほどして木の幹、枝、茎をも思わせるウッディノートが出現。その肉厚の葉をちぎった時のほんのりとした酸味と苦さをかんじる。土や草らしさはベチバーとパチュリだろう。二つの内ではベチバーが圧倒的に強い。

ほんのりとしたマグノリアの香りが顔を出す。まだ蕾がほんの少し開いたくらいで、鼻を近づけて初めてわかる爽やかで薄い香り。それがだんだん濃厚になってくる。辺りに香りを放出しながら花びらが一枚ずつ開いていくところを早送りで見ているよう。気がつくと沢山の大輪のマグノリアの花に囲まれていた。

ラストノートでオークモス、シダー、アンバーがマグノリアの軽やかさを支える。ナショナルジ◯グラフィックか何かの番組で今までマグノリアだけにフォーカスしていたが、周りにある自然もカメラアングルに入ってきたイメージ。

全体としてマグノリアを蕾から開花し散ってしまうまで描ききったような作品。常緑のしっかりした硬い葉、肉厚の白い花びらのニュアンスが油絵具で細かいところまで繊細に描かれている。これがジャンクロードエレナ氏だと水彩画のようなマグノリアになるところだが、このマグノリアは透明感のある油絵のようだ。

カルロスベナイム氏にはラルフローレンの作品が多い。そのせいかスーツに合いそうなクラシックで端正な作品の多いイメージの調香師だ。マグノリアはその甘く魅力的な芳香のために香水によく使われるが、彼が作るとデリケートでありながらも華やかさ、気品、力強さが前面に出る。その香りは初夏の蒸し暑さを一瞬で清麗な空気に変える鮮烈さを併せ持つ。

ラストではアンバーとオークモスがベース。フローラルのラストノートで使われる場合、他のアコードと混ざりきってぼやけた使い方をされることが多いアンバー。多分高品質のものを使っているのだろう、香りがかなり明確だ。この辺りが力強さの元になっている。

マグノリアの香りは薄れはするもののしっかりと最後まで残っている。咲き誇った花が一枚づつ花びらを落としていき、最後の一枚が散った。姿は見えずとも香りだけが花の形に残っているようだ。微風がその輪郭を少しずつほどき、香りが辺りにゆっくりと拡散していく。

オフでもオンでもユニセックスでつけられて、癒しと同時に良い意味での緊張感を与えてくれる魅惑のマグノリア。フローラルをビジネスシーンでつけようと思う男性は少ないかもしれない。でもここまで気品、繊細さ、力強さかねそろえたマグノリアだったらビジネススーツにもよく似合いそうだ。この手の香りを纏った欧米人ビジネスマンは意外にいる。日本人男性ビジネスマンの方々、是非お試しあれ。

トップノート: ベルガモット
ミドルノート: マグノリア、ベチバー、パチュリ
ラストノート: アンバー、オークモス、シダー


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ディオール / プアゾン オードゥトワレ

ディオール

プアゾン オードゥトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・14,520円 / 100ml・21,670円発売日:-

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4購入品

2021/1/15 04:47:13

プワゾン →ワンレン、ボディコン→ディスコ→ジュリアナ東京お立ち台

バブルの終わり頃の世代にあたる私がプワゾンから連想するもの。

10代のころワンレンボディコンに憧れてやってみた。まずワンレン。あーら不思議、一瞬でタイムトリップ。鏡を覗くと平安時代の女性がこちらを見ている。自他共に認める平安美人のワタクシ。(死語: 二次元の面長下ぶくれで眉毛と目が果てしなく離れている歴史の教科書でお馴染みの風貌) ボディコンの方も中学生っぽい身体つきなので似合わない。萌えーな女子中学生じゃなくて男子中学生ね。申し訳程度についた胸の膨らみしかなく、逆三角形でウエストがくびれておらず筋肉質のため、部活でちょっと筋肉がつき始めた男子中学生が風呂上がりにタオル巻いているようにしか見えない。

ど田舎の出身の私。近所の道は全部あぜ道。高校生の頃あぜ道を歩いていると畑を耕しているおばあちゃんが、「大人になってもボデコン着てデスコなんて行っちゃいかんよ」と私によく言っていた。ボディコンじゃなくボデコン、ディスコじゃなくてデスコというところがすごい。ボデコンの綺麗なお姉さんは都会に出ないと拝めない。あぜ道はハイヒールで歩けないんだよ。そしてそのデスコとやらはバスと電車を乗り継いで1時間半程のところにショボいのがある。

その頃の私には香水をつけるという発想がなかった。でもプワゾンを知っていてつけていたとしたら、私の惨めなワンレンボディコンの魅力を底上げしてくれたかもしれない。素敵な男性が沢山群がってきたかもしれない。そんな妄想を抱かせるプワゾンの香りとは...

トップは派手で妖艶な香り。プラムとワイルドベリーの甘さにピリッとしたコリアンダー、清涼感があるアニスが効いている。スパイスの催淫作用全開。夜の蝶がキラキラ光る鱗粉を振りまいて誘惑しているよう。ディスコで踊るワンレン、ボディコン、羽根つき扇子のお姉さん達にピッタリ。ローズウッドは少し酸味のあるウッディで、下品になりがちな官能性をうまくコントロールしている。

ミドルも派手で妖艶な香り。チュベローズを筆頭とする花々に、蜂蜜の甘さ、シナモンのスパイシーさ、オポポナックスの深みが加わる。この辺りは成熟した女性性を見事に描いていると思う。受精の準備ができた夜だけ咲く花が、短い命を燃やして全力で虫や鳥を香りで誘き寄せている感じ。

ラストも派手で妖艶な香り。かなり動物的なムスクと深い闇に沈んでいくようなアンバー。ムスクは合成のはずなのに野生的な動物感が奥底に潜んでいる。ジャスミンに含まれているインドールが手伝っているのかも。そこにミドルから続く蜂蜜とオポポナックスのじっとりと湿った甘さが溶け込んでいく。

消えていく前の残り香は派手ではないが妖艶。微かなバニラの甘さ、サンダルウッドとシダーの落ち着きがムスクとアンバーに加わった。ここで時々自分以外の肌を感じさせる匂いがしてドキッとさせられる。何がどうなっているのかさっぱりわからないが、触れそうなほどの筋肉、皮膚、体温のニュアンスがある。この奇妙な質感が最初から根底にあるから色っぽいのか。無意識にこの匂いを嗅ぎ続けているからサブリミナル効果でセクシーに感じるのだろう。

一度嗅ぐと忘れられない個性的な香りで、80年代のディオール を代表する香水とも言えると思う。「香りは心の毒である」というところからきたネーミングセンスもとても素敵。毒林檎みたいなボトルも好き。今まで持っていなかったタイプで、たまにつけたい。難しいが上手に香らせるとしっとりと甘く優雅。下手をすると「今日の夜のお相手待ってまーす。誰か私をお持ち帰りして」な下品な香りになる。

仕事との相性は最悪、好き嫌いがハッキリと分かれそうなので迂闊につけられない。オードトワレなのに何故か朝つけて夜まで長持ち。つけるとしたら自分1人でいる時だけのお楽しみ用。人をかなり選ぶ香水で、ザ・平安美人な私のイメージとは当然釣り合わない。

でも人前でつけたい。あわよくばモテたい。確か平安時代は短歌が咄嗟に上手に読めるような教養がモテる条件のひとつだったな。現代でも知性の魅力は通用するのかも。光源氏みたいな殿方が寄ってこないかしら。

それでは私も諦めずに一句。

ぷわぞんの かほり纏ひし 平安の
美女が舞うらむ じゅりあなの夜

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TOCCA(トッカ) / オードパルファム フローレンスの香り

TOCCA(トッカ)

オードパルファム フローレンスの香り

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:15ml・3,080円 / 50ml・10,450円発売日:- (2012/2/6追加発売)

4購入品

2020/7/4 09:33:56

「誰に会うかによって香水を変えるといいよ」

香水をつけ始めたばかりの時、バレエ教室の先生をしている友人がアドバイスしてくれた。私は特殊な仕事に就いていて、特定の年代からなるグループを相手にすることがよくある。幼児と母親だったり、ティーンエイジャーだったり、時には初老の女性だったり、毎回様々だ。

友人は女優のようなルックス。彼女のあまりのセクシーさに、子供のバレエ教室の授業参観に来たお父さん方の熱い視線を浴びまくり、それに気付いたお母さん方がヤキモキ。結局、誰も自分の子供を見ていないという事態が発生。後でオーナーに呼ばれて「授業参観に来たお父さん達をムラムラさせない、お母さん達に嫉妬されないような格好を工夫するように」と強く求められたというトンデモないエピソードの持ち主だ。

遺伝子の違いで、同じデザインのレオタードでも彼女が着るとセクシーダイナマイトという武器になる。そこで色々工夫しているうちに、選ぶ香水でも清楚で控えめなイメージは演出できるということに気付いたらしい。そんな時にホワイトフローラルとフルーツが組み合わさった若向きの香りが特にいいとか。

そんな彼女のアドバイスでつけ始めたToccaのフローレンス。私の住んでいるアメリカで人気。仕事で18歳以下、特に6歳以下の沢山の子供を相手にする時に重宝している。年齢によって好む香りは変化するもので、子供は柑橘系、ティーンエイジャーはフルーツが大好きと何かの記事で読んだのは本当だった。さらに子供の同伴で来る保護者にも好評。サンドイッチを食べるとパン屑が胸の間に挟まって困る友人とは違い、パン屑は何にも触れることなく加速度をつけて落下し、膝に敷いたナプキンを直撃する中性的なルックスの私だが、評判がいいのに越したことはない。

トップのベルガモット、グレープフルーツリーフ、洋梨、リンゴの組み合わせが華やかで瑞々しい。酸味は抑えられて円やかだ。ちょっと凝ったドレッシングを作る時、酸っぱくなりすぎないように色々工夫するが、香りの世界でそれを行なったような控えめさ。洋梨とリンゴは新鮮さを残したままお菓子にしたようなイメージ。高級フルーツゼリー、いや大人の為のハ◯チューがあったらそんな香りがしそう。

ミドルではガーデニア、ジャスミンがはっきり香る。と言うかトップからアンダートーンとしてしっかりと存在し続ける。西洋のガーデニアというより日本の梔子に近い。少しコッテリしているのはアイリスとチュベローズが隠し味になっているからか。際立った個性はないもののフルーツとのブレンドが巧み。

Toccaの服のデザインはシャネルスーツのようにパッと見て分かる特徴はないが、着る人の魅力を最高に引き立ててくれるセンスの良さだ。ノスタルジックで現代的、カントリー調で都会的。ヨーロッパとアジアのテイストがうまく融合した、洗練されたファッションがフローレンスという香水で上手に表現されている。

ムスクとホワイトウッドを主体としたラストには清潔な色気がある。しかもそれが値段の割に安っぽくない、清らかな乙女のドライダウンだ。私はニッチ香水が大好きで、一癖も二癖もあり捻りを入れまくった香りに目がないが、こんなド直球な香りもたまにはいいと思う。一見若い子だけに向けた商品だと思いきや、シチュエーションによって、年齢を重ねた人がさり気なくつけても茶目っ気が出てかえってお洒落かも。

香りが素直すぎて少し物足りなく思える時は、アトマイザーに移してマンダリンオレンジやグレープフルーツの精油を加えてつける。もし精油を持っている人がいたら柑橘系のものを足すのと楽しいと思う。シトラスの香りが飛ぶ頃にフルーツと花のミックスが出てきて、トップとのギャップが大きくなって面白い。

久しぶりに例のバレエ教室のセクシー先生とショーを見に行くことになった。仕事帰りの彼女はオーナーの言いつけ通り、清楚に見せるためにホワイトフローラルとフルーツの香水をつけている。

間に合うかどうか心配だったのでタクシーを拾うことに。歩道の端っこで彼女が手を上げてタクシーを止めようとした途端、どこからともなく三台のタクシーが競うように出現し彼女に突進。「ギュギュギュギュッ!」との音と共に、サーキットか?と思うほどのスピードで、一番遠くにいたはずのタクシーが目の前にワープ。

どうやらホワイトフローラルとフルーツの香水も、ニューヨークのタクシー運転手の燃える血潮の前には無効らしい。

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Cookieyukiさん
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プロフィール
  • 年齢・・・55歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・硬い
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・牡牛座
  • 血液型・・・B型
趣味
  • 音楽鑑賞
  • お酒
  • エクササイズ
  • ヨガ
  • 料理

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自己紹介

アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる

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