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アムアージュ(Amouage) / JUBILATION XXV

アムアージュ(Amouage)

JUBILATION XXV

[香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2021/9/11 09:30:58

本当にすごい香りなのに、つけると周りから煙たがられるタイプの香水がある。特に日本では。そのタイプの香水をつけていると、周囲から「お香の匂いがする」「お寺の匂いかな?」「こげくさい」などと言われるシリーズ。もっとひどいときには「くさっ!何燃やした?」とか、「う」と言って鼻をつまんで走ってロングディスタンスを取られたり。←いろんな経験してますね

全く失礼だな。

そんなとき本当は追いかけていって

あのね!君は「くさっ!」って言って逃げたけどね、これ世界最高の香水、アムアージュのジュビレイションXXVなんですよ!!いいですか?今からこの香水がどれだけすごいかその頭にたたきこんであげるから耳かっぽじってよく聞きなさい!

と激しく語ってあげたいところだが、死ぬほどウザがられるだろうから毎回地団駄を踏みつつ自重している。←正しい

ということで「本当はすごい香水なのに付けると結構な確率で周囲からディスられて地団駄踏んでしまう香水コンテスト」で確実に上位に入ると思われるジュビレイションXXV。これがどんな香水かと言うと。←結局語りたいんだな

まず

「世界で最も高価な香水」と言われたオマーンの香水ブランド、アムアージュの作品であること。これはオマーン王直々の命令で、かつて金と同価値とされた特産品の乳香(オリバナム)のすばらしさをアピールすべく作られた国家プロジェクト的香水群。今でこそ中身はたいしたことないのに価格だけ異常に高い香水はあふれているが(←言ってしまったね)アムアージュの香水に関しては「金に糸目はつけん!世界最高の素材をガンガン使って本当に最高の香水を創るんだ!ただし乳香は絶対使え!!」と言ったかどうかは知らないがそんな感じ。だからとにかく使われている香料がものすごい高価で稀少な物ばかり。これがすごい。

そして

そんなアラビアンナイトな豪華香水群にあって、この作品は周年記念作であるということ。2008年、アムアージュ25周年を記念して作られた特別な作品、それがジュビレイション。「歓喜」という名のこの作品はメンズ用に「XXV」、レディース用に「25」の2つが用意された。ここで紹介しているのはメンズ作品のXXV。調香に携わったのはアヴァンギャルド・ロッカー、ベルトラン・ドゥショフール。まさに「ブランド25周年の喜び」にふさわしい人選。

では、その香りとは?

金の王冠キャップを外してジュビレイションXXVをスプレーする。瞬間、まず鼻に抜ける透明でスパイシーな香りがある。コリアンダーだ。その10秒後、ムワッと温かみのあるくぐもったアニマリックな気配、同時にそれを中和しようとするかのようなスッキリした樹脂の酸味が広がる。思いきりアラビアン。頭にターバン、長いあごひげ、湯水のようにお金を使う中東の大富豪の姿が脳裏をよぎる。乳香(オリバナム)とミルラの爽やかな酸味とグリーン、ラブダナムのスモーキー&アニマリック。よくも悪くもこのトップだ。この樹脂&バルサムてんこもりMIXが好きか嫌いか、それがこの香水のあなた評価になる。

3分後、煙たいロースティーな香りがじわじわと下からせりあがってくると香りはミドルになる。ものすごい香料の重層。超ミルフィーユ状態。複雑で多層的な香料のせめぎあいを感じる。それでも主旋律は、爽やかな酸味と香ばしさが特徴の乳香の香り、アムアージュの代名詞ともいうべき「オマーンの乳香」だ。そこにわずかなローズ、大量のインセンスの煙と重厚なウッディがベース音を奏でて共鳴し、荘厳なシンフォニーのように感じられてくるミドル。なんというバランスのよさ。超ドライ、そしてスモーキー。

…ああ、お母さん。砂漠の蜃気楼が見えるよ。のどが乾いたな。何か木が焦げているよ…

は! いかんいかん。思わず香りで変なトリップをするところだった。気を取り直して。

ミドルは本当に複雑で、時間がたつにつれてインセンスの乾いたスパイシーな香りが強くなってくる。その下からミルラの酸味、ウードの黒いウッディ、パチュリの苦味、ベチバーの干し草感などが、これでもかこれでもかとフワフワ片鱗を見せながらドライダウン。つけて3〜5時間程度。海外では「こんなにすごい香りなのにサイレージが短い」という意見も多いようだ。ただ香料は本当多い。どんだけ天然香料を入れたんだと思う展開。確かにこれはそのへんの庶民がカジュアルにつけこなせる香りではない。温かく、包容力があって、複雑なのにシャープでスッキリ。まさにこれは「王の香り」だ。

ジュビレイションXXVをつける。複雑で、パワフルで、スモーキーな薫香に酔う。ぜひ機会があったら肌にのせてみてほしい。これは本当にすごい香りだ。ほら。


なんで逃げる!!

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ゲラン / シャリマー フィルトル ドゥ パルファン

ゲランゲランからのお知らせがあります

シャリマー フィルトル ドゥ パルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:50ml・13,860円 (生産終了)発売日:2020/12/1

6購入品

2020/12/4 09:03:34

シャリマーは本当にフランカーが多い。マチルド・ローラン作のレジェールに始まり、オーデアラヴァニーユ、パルファンイニシアル、そして近年のスフルドゥパルファン…今年12月に限定販売されたのはこの「フィルトルドゥパルファン」。香りの媚薬という、中々の強気ネーミングだ。


シャリマーらしく、フィルトルドゥパルファンはベルガモットの香りから始まる。苦味は控えめ、アールグレイティーを思わせる。オリジナルのシャリマーはベルガモット一辺倒だが、これにはジューシーなレモンと柔らかなラベンダー(モンゲランで使われているような硬くシャープでメンズ的なラベンダーではない)が足されていてとても優しい。ベルガモットの苦味や酸味を丸くまとめているようだ。

シトラスとラベンダーの下から、じわじわっとバニラとバルサムの甘さが拡がってくる。構成にあるジャスミンやローズは、あまり目立たない。たまにふわりと香りが立ち上がってくる程度だ。イメージとしては、アンバー+バニラの泉にフローラルが溶け込んでいるよう。覗きこむと一瞬ローズやジャスミンが映りこんだ気がするけど、再び覗いても何も映っていない、そんなイメージ。

肌に最後にメインで残るのは、アイリスとバニラ。バニラはややインセンスっぽいスモーキーなニュアンスがあるが、汚れているほどではない。少しザラザラして、パウダリーな質感のある甘さ。上の方では柔らかなラベンダーが香っていて、バニラの甘さが沈みすぎないように持ち上げている。持続は5時間程度。


元々のシャリマーの香りをなぞりつつ、ベルガモットの苦味をレモンとラベンダーで整え、レザーっぽいスモーキーさをある程度抑えたバニラで仕立てたこの「フィルトルドゥパルファン」は、シャリマーらしさをしっかりと残しつつより使いやすくアレンジした名フランカーだと思う。やればできるじゃん、ワサ夫!

久々にシャリマーのアレンジを気に入ったのでしばらく付けていたら、「ひょっとしてジッキーに近くないか?」という疑問がわいたので付け比べてみた。
たしかに付けたてはよく似ている。シャリマーがそもそもジッキーのアレンジなので当たり前かもしれないが、ラベンダーが加わることでよりいっそう近いように感じる。
違いは、ジッキーはだんだんと汚れた香り(個人的にはワキガ系の香りに感じる)が出てくるが、フィルトルドゥパルファンはスモーキーさは立ってくるものの、比較的キレイに制御されている。「キツイ」「お香みたい」と言われがちなシャリマーを、シャリマーらしさをなくし若向けにライトな香りにして(名前だけ借りて)アプローチしたのが近年のスフルドゥパルファンなら、今年のフィルトルドゥパルファンのテーマは原点回帰。迷ったときは初心に帰る、大成功だ。


トップ:レモン、ベルガモット、ラベンダー
ミドル:アイリス、ジャスミン、ローズ
ベース:バニラ、トルーバルサム、パチュリ
調香師は、ティエリー・ワッサー。
(フレグランティカより)

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ナプラ / N. ポリッシュオイル

ナプラ

N. ポリッシュオイル

[フェイスオイル・バームアウトバストリートメントその他ヘアスタイリングボディクリーム・オイル]

容量・税込価格:30ml・1,320円 / 150ml・3,740円発売日:2017/4/25

7購入品リピート

2019/7/31 22:53:54

このNのポリッシュオイル、大大大のお気に入りで、発売当初に知ってからなんどもリピートしてます。

行きつけのヘアサロンのイケメンオーナー美容師が仕上げにこれを使ってくれたのがきっかけでしたが、
なにこれ、すごい良いじゃん!

香りといい、仕上がりといい、テクスチャーといい、もう全部が私好みで久しぶりにどハマりしたオイルです。

で、即決で買った後に知ったのですが、これは一切シリコン系入ってなくて、髪以外にも全身や爪にも使えることを知り、お値段するけど買って良かったと改めて思った。

私の髪質は元々直毛で、それがコンプレックスです。それとは逆の人もいますけど。
人って無いものねだりなんですよ。
外国人のような、うねった束感のある癖っ毛に憧れる私は、定期的に大きめのスパイラルパーマをかけにヘアサロンに行くのですが、カールキープ用のムースの前にこのオイルを使うと、ウルウルっとしたカッコいい束感&濡れ髪カールが出来上がるんですよね。分量多く使ってもべたつかないし重たくならないし、ほんと、サイコー。
今の時期だとふわっと盛った感じのエフォートレスなアップヘアも様になります。

まず、香りから癒されます。高品質なマンダリンやベルガモットの精油そのものの香りはまるで、アロマテラピー。ラグジュアリーなヘッドスパに行った帰りのような気分になります。

アーティフィシャルなものは一切使ってない証拠ですね。
もちろん、フェイスオイルとしても使えますよ。

何より、全身に使えるのが嬉しい。
私は、スタイリング後、手に残ったオイルを手の甲やネイルにも擦り込んで深呼吸しながら
香りも楽しんでます。

オーナーの話では、ほぼ天然成分で作られてて酸化しやすいので、できることなら150mlを半年くらいで使い切っちゃってください。とのことでした。
確かに、、酸化臭は出やすいかもしれない。
古くなったベルガモットのエッセンシャルオイルと似た香りになるかも。

余談ですが、

ある日、このオイルを髪に多めになじませて資生堂のカウンターを訪れた時、
美容部員さんに、「癒されるいい香り〜 どの香水をお使いなんですか?」と
本気で知りたい、興味津々な顔で聞かれたことがあったな。

「これサロン専売のナチュラルオイルなんですよ。この濡れ髪もこれで簡単に作れます」って教えてあげたら、
鼻息荒くして、絶対買います!って興奮してた(笑)


とにかく、このオイルはオールラウンドに使えるので絶対おすすめしちゃう!

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ディオール / コローニュ ロワイヤル

ディオールディオールからのお知らせがあります

コローニュ ロワイヤル

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

6購入品

2018/5/12 16:54:15

心身がボロボロに疲れているときは、香りなんて心底うっとうしく感じるものだ。

入院していたとき、白い部屋の窓辺には、ただ空がぽっかり浮かんでいた。そこには仕事も時間もなかった。街の喧騒や車の渋滞もない代わりに、酸素や点滴、ドレーンのチューブらがベッドの周りで奇怪に混み合っていた。

日常から切り落とされた。毎日空を眺めながらそう感じていた。夜は、廊下で看護師が足早に歩く音、ストレッッチャーが慌ただしく移動する音を闇の中で聞いていた。大病院はめまぐるしく密やかに動いていて、検温と食事だけが規則的にやってきた。食べ物にも飲物にも味はなかった。そして決定的に匂いがなかった。それは手術の痛みで体を動かせない自分の嗅覚が麻痺していたせいかもしれない。病院生活には匂いがなかった。

ディオールのコローニュ・ロワイヤルの香りを初めてかいだとき、不覚にも涙が出そうになった。後にも先にも香りをかいで涙がこぼれたのは、ラルチザンのラペルトワだけだ。だから、なぜこのコロンでそんなに感情が揺れたのか考えてみた。そして思い出した。それは前述のとおり、自分の本当にきつかった頃を香りが呼び起こしたからだ。

ディオールのコローニュ・ロワイヤルをそっと手首につける。立ち上る香気にふれる。レモンの高い酸味、マンダリンのわずかな甘さ、そしてベルガモットのコクのある豊かなボディ、それらのミックスが柔らかく鼻を刺激する。ありきたりなシトラスミックスなはずなのに、本当に心地よく心に広がる。美しくピュアなシトラスオイルを使っているのだろう。雑味やエグみが一切なく透明な風が吹いている。そんなトップ。

3分後、透明感あるシトラスの微風が過ぎ去り、下から出てくるのはネロリの甘くふくよかな香り。ビターオレンジの花の、心をうっとりさせるような香りがふんわり立ち上ってくる。わずかにミントが効いているのか、オレンジミントのようなテイストも少し出ていて、全体にとても穏やかでつつましい香りだ。気持ちがブルーになると人の呼吸は知らず知らず浅くなる。それでも、そんな気持ちに寄り添って静かに微笑んでいてくれるような香りだ。そんなミドルが、淡くゆるやかに30分〜1時間ほど続く。

ラストは、ほんのりとあたたかい木の香りで終息する。サンダルウッドと書いているが、香ばしいあたたかみとわずかなオレンジの果実の残香がする。気が付くと、そんな温もりを残して消え入るエンディング。全体でも2時間で消失する淡い香り立ちのコロンだ。

人は、元気でパワーのあるときには出力の強い匂いに対しても平気でいられる。けれど、いったん心身のバランスを崩したとき、とたんに強い匂いや香りを受け付けなくなってしまう。ディオールのコローニュ・ロワイヤルは、そんなときに心をフラットにしてくれる、やさしく柔らかなオーデコロンだ。

古典的な「王妃の水」のレシピを基にしつつ、本当にいいシトラスを厳選し、ミントとサンダルウッドで絶妙に調合した逸品。現在メゾン・クリスチャンディオールとして22本の香りがラインナップされているうちの1本。ディオール・パフューム&ブティック表参道店の方のお話では、またこの中から廃盤が出るそうだが、名前までは教えてくれなかった。それでも、このコローニュ・ロワイヤルはぜひ残してほしいと思う1本。何しろディオール専属調香師、フランソワ・ドゥマシー自身が愛用している香りでもあるそうだ。

値段は新しく出た40mlで11500円。賦香率が低いコロンにしては値段が高いと感じる方もいるだろう。そのへんはこの香りが好みかどうかで評価の分かれるところ。

この香りに出会って、久々にあの頃のことを思い出した。梶井基次郎が小説「檸檬」で、病んだ心を冷たく爽やかに癒したレモンを描いたように、自分の病んだ心身も、柑橘の香りを吸って少し軽くなったのを覚えている。

退院の日、表に出ると、太陽はまぶしくてじりじりと熱かった。木々の葉擦れの音がさやさやと鳴り続けていた。そして、シトラスのコロンを鼻に近づけ、ゆっくりとその香気を吸い込んだ。その瞬間、柑橘の甘酸っぱいシャワーとともに、全ての感覚がよみがえった。世界は再び再生ボタンが押されて動き始めた。

振り返って仰ぎ見た病院の小さな窓。そこにいた自分に本当に別れを告げられたのか。不安はありながらも、あの日自分はそっと窓の縁に置いてきたのだろう。梶井のように黄色い檸檬の爆弾を。木っ端みじんにされたのは、丸善ではなく自分の憂鬱だった。

その檸檬の冷たい香りは、たとえようもなくよかった。

日の当たる白い部屋の窓辺、檸檬が一個、黄金色に輝いている。

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chance1992さん
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ディオール / ミス ディオール オードゥ パルファン(旧)

ディオールディオールからのお知らせがあります

ミス ディオール オードゥ パルファン(旧)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:2017/9/1

2購入品

2018/1/25 20:55:54

最近のディオール香水、特に昨年発売されたプワゾンガールやアブソリュートリーブルーミング以降何か迷走していますね…
今回発売されたオードパルファム、ミドル以降の香りはアブソリュートリーの香り立ちと、かなり被っていませんか?

アブソリュートリーもトップから押しの強いベリーの香りが広がり、しかも人工甘味料だらけの海外のグミのような香りでした。それが勢いよく香り立ち、その後胃もたれしそうなもわもわした甘ったるい香りが永遠と香ります。ミドル以降のくどい甘さは、ベリーグミが溶けて蒸発して周囲に立ち込めているよう。そして持続力は流石のもの。朝のワンプッシュで夜までしっかり香り、入浴しても残ります。持続力に関しては、メゾンの本格香水と言えます。

この新しいオードパルファムも、トップはバラの砂糖漬けみたいな、独特の甘い香りがするけど、ミドル以降はアブソリュートリーと同じ香り。時間が経つにつれて、徐々に当初よりずっと甘さが増し、もわもわ鼻に残留します。ただ砂糖のように甘いだけではなく、独特な青臭いエグミがあって、ラストに向けて甘さとエグミが共鳴してどんどん強くなります。胃もたれしそうです。

最近のミスディオールシリーズの甘さって、バニラやムスク、アンバーのような人肌に馴染む甘さではなくて、とても人工的な甘さです。立体的な香りの展開はなく、平面的な香りの主張の一本調子です。とにかく終始甘過ぎる。無機質な香りがいつまでも甘くて、くどくてうんざりします。私はバニラやプラリネの香りも大好きで、甘い甘い香りもたくさん愛用していて、甘い香りには結構免疫あるはずなんですけどね。

私がこの香りを嗅いで眼に浮かぶのは、花や果実そのもののや色味、質感ではなくて、ベリーや花の香りのついた、無機的な粉末です。展開のドラマ性、花や果実の香りの立体感に乏しい。キャンメイクのコロンや、マジョマジョのジェルパフューム、エンジェルハートと同等のレベルのべたべたした香りかと思います。最近はブームもあって、香りつき柔軟剤の進化が凄いですよね。このような平面的な香りなら、わざわざ香水の形を取らなくとも、柔軟剤で充分かなと。

それに、最近発売される香水って、誰がつけても全く同じ香りになります。特にこちらはそれが顕著。街の中ですれ違った時、電車やデパートですれ違った時、すぐにこの香水だと分かります。CHANELのココマドやチャンスのつけたての香りもすぐに分かりますけど、あちらは時間が経つとちゃんと馴染んで、バニラやアンバーの香りと人肌の香りが合わさって、やわらかくてほのかな体臭のように香りますよね。けれどこちらは人肌の香りに馴染まず、最後までパーソナルな香りになることはありません。彫りの深い欧米人ならともかく、日本人で、こんなに強い香りをつけても自分自身のオーラや印象が香りに負けない人っているのかな。

不思議なのは、この香水が軒並み高評価であることです。香りは好き嫌いが分かれるので、どんな歴史的名香でも、受け取る感性によって賛否分かれるもの。爽やかでアクのない、淡い香りのブルーミングブーケが日本で多くの方に受け入れられたのは理解出来ますが、この濃厚な香り、日本では苦手とする方も多いのでは?DIORのブランド力、ボトルのビジュアルを抜きに、香りだけでこちらを選んで自ら購入する方は少ない気がします。広告ビジュアルや外観に評価の重きをおいた口コミが増えている。最近このサイトでもサンプルのバラ撒きや疑わしい投稿も増えており、外観では判別出来ない中身の使用感を消費者が正直に伝える手段、「口コミ」の存在意義と信憑性が問われますね。

それにしてもどうしたんだろう、最近のフランス香水。CHANELといい、ゲランのラプティットといい、サンローランのモンパリといい、ベリー系の香りが流行なのでしょうか?ちょっと食傷気味です。近年、老舗各社が歴史的名香を次々に廃し、甘ったるいばかりの香りを立て続けに発表しています。長年のブランドイメージや威信、老舗ならではの香りの格式高さは最早崩れかかり、瀕死の状態。大衆に迎合した安っぽい香りを大量生産する現状は、実に芸術的な数々の香りを産み出した、老舗ブランドの威光と香水の時代の終焉を示しているのでしょうか…また選りすぐりの調香師によって綿密に調香されたはずの香りが本領発揮出来ないのは、日本の気候の影響もあるのでしょうか?カラッと乾いた空気で香るとまた大きく違うのかも。

ただやはりデザイナーのディオール、ボトルのフォルムや底面の千鳥格子、バランスの良いリボンの愛らしさ、香水の色の素敵さは相変わらず抜群ですね。様々な香水ボトルを持っていますが、ミスディオールのボトルの愛らしさは突出して素敵です。

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イズーさん
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プロフィール
  • 年齢・・・44歳
  • 肌質・・・混合肌
  • 髪質・・・硬い
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・天秤座
  • 血液型・・・AB型
趣味
  • 読書
  • ヨガ
  • 映画鑑賞
  • ショッピング
  • 食べ歩き

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自己紹介

はじめまして。 いつも参考にさせていただいてます。 子供のころ、一番最初に興味を持った化粧品が香水でした。以来、色々な香水を試してきましたが、本当… 続きをみる

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