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aurora1201さん
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ペンハリガン / クランデスティン クララ オードパルファム

ペンハリガン

クランデスティン クララ オードパルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:75ml・38,940円発売日:2017年4月

7購入品

2024/12/6 10:04:33

香り立ちや香り構成については他の方々が詳らかにクチコミされてるので、動物学的見地からスタート。

ペンハリガン氏はクララのボトルデザインに「クジャク」を選択しました。
これには単に尾羽が華やかという単純な理由ではないな、と思ったもので。

中国〜南アジアにかけて生息するクジャクは、雑食性。
木の実や観光客が気まぐれに放り投げるポップコーンだけでなく、
ネズミやヘビまで食べてしまいます。
猛毒のコブラまで食べてしまう姿が、困難を除去する象徴になり、
インド神話ではマハーマーユーリ女神、密教では孔雀明王として信仰対象となりました。

飾り羽を入れたオスの体長は180 - 250センチメートル、
体重は4 - 6キログラムという巨躰にそぐわず飛行能力もあり、
夜は高い枝に止まって休みます。
そして足には鋭い蹴爪があり、攻撃されれば猛獣や人間ですら大怪我は免れません。

所変わって西洋。
旧約聖書では、ヘビは嫉妬や悪意を表します。
ジョージ卿の愛人であるクララが、その立場や美しさ・聡明さゆえに
どれだけの嫉妬や悪意を浴びてきたことか。

その嫉妬や悪意=ヘビさえ糧にしてしまう強かさ。
同じ生息地を共にするヒョウが(ポートレートの誰とは言いませんが)
前足で一撃を加えても、スイっと飛び躱せる飛行能力。

クララにクジャク以外、どんな生き物がふさわしいでしょう。


当時のイギリスの貴族社会は、いくら魅力的で美しくても、
社交界に顔を出せるレベルで公的に愛人となるには、確りとした教養が求められました。
言葉遣いや会話、必要な知識、階級ごとの振る舞いなどが家庭で教えられたので、
それなりの家柄じゃないと社交界には入るのは相当難しかったかと。


      ーもしかしてクララは、没落した貴族の娘だったのでしょうかー              


ラム酒で酔っても、(当時の女性的ではないですが)車を運転しても、
いくら葉巻を吸おうが決して失われない気品。

グルメで贅沢なものに囲まれて、目も舌も肥えて。
異国を旅して仲間がいて、母親でもあり、豊富すぎる人生経験。
一捻りも二捻りもある香りです。

独りで咲けない温室の花や、食卓に並べられるのを待つ果物じゃなく、

・心体を温め強くしてくれるスパイス。
・楽しい気持ちを思い出させてくれるバニラ
・自分の足で楽しいこと・ワクワクする事を探しにいこう!という前向きな気持ちをくれるアンバー

自立心や自信が欲しかった私には最高のアロマテラピーでした

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★キャプテンD★さん
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ペンハリガン / ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ オードパルファム

ペンハリガン

ザ トラジェディ オブ ロード ジョージ オードパルファム

[香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:75ml・45,100円発売日:2016年11月

5購入品

2022/2/25 19:47:43

ペンハリガンのポートレートコレクション。その中心にいる人物はこのジョージ卿に他ならない。コレクションの登場人物の相関図を見るとジョージ卿を中心に、その周囲の人々の人間模様が描かれている。

2016年に第1弾として発売されたのは「ジョージ卿」、その妻「ブランシュ夫人」、夫妻の娘「ローズ公爵夫人」とその夫「ネルソン公爵」であり、そこからどんどん広がっていった。

ザ トラジェディ オブ ロード ジョージは、伝統を重んじるイギリス紳士ジョージ卿を描いた香り。キャラクターは鹿で、威厳という意味を持たせている。


トップはスパイシー。
スプレーすると、クローブを思わせるアーシーなスパイス感が鼻を刺す。奥から渋めのソープ調ウッディがフワッと香り、なるほど確かにクラシカルなシェービングソープのような佇まいだと思う。

ミドルはウッディ・ソーピー。
そんなスパイシーを立たせたクリーミーソープと、埃っぽいセダーのウッディの香り。そこに仄かにブランデーのアロマティックや甘さを添えることで少し華が出るものの、紳士然としたダンディーな香りが続く。

ベースはウッディ・フゼア。
クリーミーなソープウッディの余韻に、ブランデーの甘さや、樽を思わせるセダーの籠ったウッディ感や、ドライアンバーの硬さが男らしい深みを与えていく。
と同時にトンカビーンの甘さやオークモスが、マイルドなフゼアウッディとして整えながら、そのままドライダウンしていく。


ムエットでかぐと、華やかさを抑えた静かなウッディフゼアの香り。ところが肌にのせると、シェービングソープ調ウッディを2時間くらい上品に香らせながら、ベースのどフゼアは4〜5時間持続する。

色彩を抑えた、液色のような渋いウッディとフゼアの香りで、秋冬に似合うと思う。

そんなフワッと香るクリーミーなソープと、古めかしいフゼアの組み合わせ。前半部分をクラシカルなラベンダーではなく、シェービングソープにした点がユニークだと思う。そこにジョージ卿の「幸せな結婚生活に重要なのは、自分の考えを悟らせない振る舞いだ」という哲学を感じ取れる。

つまり自分がどういう香りを楽しみたいかではなく、相手がどういう印象を持つかに重きを置いた香り。ベースは安心感溢れるクラシカルなフゼアウッディ、でも相手に与える印象は若々しいシトラスや、ギラッとしたアロマティックではなく、身だしなみを整えたような清潔なシェービングクリーム。

「どうぞお入りください、以前に会ったことがありますよね」と、あたたかく迎え入れてくれるかのように友好的で、信頼のおける豊かさや力強さを感じさせます。また、有能で落ち着きがあり、周囲に安心感を与えながらもユーモアを忘れない富裕な紳士のイメージ。困った時に頼りになり、名声を残すような男性のためのフレグランス(公式HPより)」

個人的にはこの香りがもっとも似合うのは40〜50代ではなく、30代半ばのオンタイム時ではと思う。
40〜50代が使うと小綺麗ではあるが、その落ち着いた雰囲気がピタリとはまりすぎてしまい、地味一辺倒になるのでは。
逆に30代半ばの男性が使うと、外見以上に落ち着いた雰囲気、安っぽくない清潔感、浮わついていない安心感、相手に対しての配慮、それらが合わさった有能感が備わるような気がするけれど、どうだろうか。

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doggyhonzawaさん
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ペンハリガン / ローイング・ラドクリフ(ポートレート)

ペンハリガン

ローイング・ラドクリフ(ポートレート)

[香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2021/1/16 13:07:38

「ちょっとマシュー。大変なことになったわよ!」フローラが言う。
「何?今度は一体何だい?」双子のマシューがうんざりして返す。
「ラドクリフが、遂にいなくなったわ。」
「え?ラドクリフさんが??」
「そうよ。いつかこうなるんじゃないかって思ってたあたし。しかもドロシア叔母様とボーレガードも、どこかに行ったっきり戻ってないわ!」

双子の妹のドヤ顔を見ながら、全く楽しそうだなフローラは、と思いつつ、それでもマシューは、ラドクリフの失踪を聞いて動揺していた。何があったんだろう?…あの人はいつもお酒の匂いがしてた。たばこをふかして笑っていた。それでも時々さみしそうな顔をしてた…。

英国の老舗香水ブランド、ペンハリガン。「享楽的なラドクリフ」は、英国貴族の肖像と架空の物語を下敷きに展開する高級香水コレクション、ポートレートシリーズの中の1本だ。ジョージ卿と愛人クララの間に生まれたラドクリフ。彼の肖像トロフィーはライオン。イメ―ジは自由と強さ。だがつい最近、ラドクリフを含むポートレート3作品の廃番が決まった。

今回廃番となるのは、ラドクリフとドロシア伯爵夫人とボーレガードの3人。この3つの香水は、現在店頭に並んでいる在庫がなくなり次第、終了だという。

このニュースが愛香家の間に広がるやいなや、鬼のようなスピードで店頭からこの3作品が売れており「駆け込みラドクリフ」「ラス1ドロシア」などの言葉がネットに飛び交うこととなった。では、どんな香りかと言うと。

ラドクリフの肖像であるライオン。その重たい真鍮キャップを外す。この冷たさと重厚感がたまらない。暗青色のジュースをスプレーする。

トップ。つけてすぐ広がるのは、透明なジンの香りを思わせるジュニパーベリー。すぐに、ダークラムの豊かな香りが広がってくる。ほんのりビターで冷たい洋酒系のトップ。それはパーティーの始まり。グラスの触れ合う音。挨拶と笑い声。そして誰かのひそひそ話。

5分後、かなり焦げ茶色の香りになってくる。紙タバコの葉の部分を嗅いだ時の、深くコクのある香りがしてくる。甘いハニーの香り、シナモンやクローブなどのスパイス、それらのフレーバーがタバコに混じり合い、深みのある大人の匂いになってくる。同時に温かみのある辛みが増してくる。ジンジャーだ。英国のパーティーにつきものの辛いジンジャービスケット。その香ばしい辛みが、酒とたばこの香りをじんわり温めてゆく。伯爵家のパーティールーム、乱反射する金シャンデリアの光の下、タバコとジンジャーの香りが広がってゆく。このミドルが4〜6時間ほど続く。

ラストは大きく変わらず、温かみを増したジンジャーの辛みとタバコの匂いで終息する。付けて30分くらいのミドルはトム・フォードのタバコヴァニラにかなり似ている。タバコとスパイス香の強さはタバコヴァニラが上。ただ、香り立ちが穏やかで、女性でもつけやすいのはラドクリフの方だと思う。自由に生きる人の酔狂な香り、それがラドクリフだ。

「ラドクリフはね、きっと消されたのよ。」

不意にフローラの声が聞こえてマシューは我に返る。双子の妹は犬小屋の前に置かれたエサをわざと小屋から遠ざけていじわるをしている。犬がのどの奥で彼女に唸っている。それが彼女の本性だ。マシューだけが知っている。

「ブランシュ夫人が遂に復讐したんだわ。だって、夫のジョージ卿をクララみたいな女に寝取られたんですものね!」

それが屋敷で「天使」と可愛がられてる子の言うことか?とマシューは思う。でも言わない。

「でしょ?絶対そうよ!あんたはどう思う?」
「ぼく?ぼくは…。」

突然消えた3人。彼らに何があったんだろう?マシューは門に続くぬかるんだ長い道を見ながら思った。たくさんの足跡、馬車の轍の跡がついた道は穴だらけで、まさに今の屋敷内そのものだと思った。泥だらけで、ぐちゃぐちゃで。彼はぼんやり考えた。

失踪?それとも…。だとしたら誰が?…無理だな。この屋敷の人はみんな怪しい。だってここではみんな仮面をかぶって生活してるから。コンスタンスさん以外は、みんなフローラと同じ。人前ではいい子を演じて、陰では悪いことを普通にしてる人たちばかりだ。

それから広大な庭園を眺めて思った。

この屋敷には本当にたくさんの動物が住んでる。そしてその誰もが、いつか誰かをかみ殺してやろうと、いつも目を光らせてるんだ…。

不意に一陣の風が吹いた。マシューの鼻にふっと甘辛いタバコの匂いがかすめたような気がした。ラドクリフのライオンのような笑い声を思い出して、ちょっと悲しくなった。

見上げた空はくすんだ色をしていた。それでもどこまでも青く広がっていた。

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ゲラン / ナエマ オーデパルファン

ゲラン

ナエマ オーデパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:75mL・21,010円発売日:1979年

7購入品

2017/3/5 23:05:23

もしも誰かに「薔薇の香りでおすすめはありますか?」と尋ねられたら、全力で「ゲランのナエマのパルファム」と即答したい。気に入ろうが、気に入らなかろうが、関係ない。それを基準にしてほしいという願いのようなものだ。けれどもう、その至高のローズを入手できる確率はかなり低い。惜しまれながらも2016年にこの世を去ったからだ。だから実際は、「ナエマのオードパルファム(EDP)」と答えるだろう。それは香水には及ばないにしても、これまで出会ったバラをモチーフにした香りの中で、最高の逸品だと思うからだ。

ナエマEDPは、ゲランの数ある名香の中でも、特に秀でて素晴らしい香りの一つだと思う。にも関わらず、知名度は圧倒的に低い。ジッキー、ルールブルー、ミツコ、シャリマー、ボルドニュイ(夜間飛行)。これら歴史的な名香のネームバリューに比べれば、本当に知る人ぞ知る香りだ。それでも、これらに比して全くひけをとらない、ゴージャスで洗練された美しい香り。個人的には、4代目調香師ジャン・ポールの最高傑作だと思っている。

映画「めざめ」(1968)でカトリーヌ・ドヌーヴに惚れこんだジャン・ポール・ゲランが、彼女のイメージをもとに架空の美しい姫の姿を作品に投影し、彼女に捧げた香り。それがナエマの出自だ。リリースは1979年。ただ、当時香水需要が高まっていたアメリカ向けに巨額の広告宣伝費を投じたにも関わらず、商業的には振るわなかったといういわくつきだ。

さらに、「千夜一夜物語」ふうの双子の姉妹のストーリーもよく語られるが、かの膨大な伝承の中にはそのような物語は見当たらないようだ。「千夜一夜物語」じたい、何がオリジナルかも不明なほど、各地でさまざま物語が作られ、付け足されていった経緯があるので、実際は口頭伝承のみで筆記されなかった逸話かも知れないし、ゲランによるオリジナルイメージストーリーなのかも知れない。

そんなナエマEDP の香りはというと。

オープニングは、名香シャネルN°5を彷彿させるアルデハイドのキラキラしたワックス香から始まる。ややクラシカルな出だしだ。そしてすぐにグリーンノートが広がる。シャープで青い薔薇の茎やとげ、細かいギザのついた葉を思わせるようなトップ。

3分もせずに下から、甘い蜜の存在を花弁の奥に感じさせるスッキリした薔薇の香りが広がってくる。ライトなピンクの薔薇を思わせるようなフルーティーな香りは、パッションフルーツの酸味、ピーチアルデヒドによる桃のふくよかさに彩られている。ところが。

驚くべきことに、次第に薔薇の香りが濃厚になってくる。ヒヤシンスのグリーンの消失と共に、一枚、また一枚と花弁が増えていくようなイメージ。それは、爆弾の弾頭を思わせる薔薇のつぼみが開くにつれ、こんなにも多層の花弁がどこに隠されていたのだろうと驚く瞬間にも似ている。コクのあるジャスミンの花弁、妖しく誘うイランイランの花弁、可憐なスズランの花弁。そして、わずかにバルサミックな香りの花弁。それらは遂に、フルボディの極上のワインとなって、複雑かつ多層的に香り出す。これぞダマセノンを用いた秘伝のローズ香料の成せる業。至福は6〜8時間程度。

ラストは、柔らかく穏やかに薔薇の余韻を残しつつ、ヴァニラのクリーミーさとピーチのほの甘さを絡ませながら消えていく。ときにサンダルウッドの温かみをも伴いながら。不思議なことに、香りを鼻から早く吸い込むと、グリーンでシャープなローズの主張が感じられるし、ゆっくり深く吸い込むと、イランイラン様のダーク&甘い口紅のような残り香が感じられる。ナエマは最後まで本当にたくさんの香料がせめぎあっている。

拡散力はあるものの、かなりプライヴェートな距離に近づいた時に感じられるタイプ。いわば、香りのA.T.フィールドのようなイメージ。多層な花弁の奥に隠された秘密は、誰もがおいそれとのぞき見ていいものではない。ナエマには薔薇のもつ密やかなたたずまいさえ表現されているように思う。

自分には高貴すぎるとか、早すぎるとか、窮屈な型にはめてしまうのはもったいない。好きな時に好きなだけ、好きなようにつけるのがナエマには似合うだろう。

一人の天才調香師が、それでも4年もの歳月をかけて500回以上の試行錯誤を経て創り出した香り、それがナエマだ。「千夜一夜物語」ふうになぞらえたのは、ジャン・ポール自身が、シェヘラザードの語り紡ぐ伽話に夢中になったスルタンのように、千の夜を越えてやっとこの香りに出会えたからに相違ない。

短い人生でこの香りに出会えてよかった。そう思う。ナエマを越える薔薇を探すなら、覚悟した方がいい。それは幾千幾百もの夜を越え、幻の薔薇のナマエを探す壮大な旅になるかも知れないのだから。

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kumiccyanさん
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セルジュ・ルタンス / ラフィーユドゥベルラン (La fille de Berlin)

セルジュ・ルタンス

ラフィーユドゥベルラン (La fille de Berlin)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・14,300円 / 100ml・22,000円発売日:-

5購入品

2013/10/23 12:23:50

他の人には教えたくないですー
(いってみただけです。スミマセン 汗)
以下、前に書いたブログからの要約を書きます。

ルタンスの新作
「 La Fille de Berlin(ベルリンの少女)」

香調はフロリエンタル。
購入の前にサンプルを実際に肌にのせて試しましたが、
香り立ちからスパイスが効いています。
バラはバラでもナエマやレッドローズやティーローズ等の、
甘かったり青々しかったりキラキラしていたり
ゴージャスだったりする様な感じではなく、
刺すような辛さがあり、重くて乾いているが透明感はある。
マゼンタ色のイメージにぴったり。実は男女兼用だったりする。
紹介ページにはこんな言葉が。

「新作の中に東洋のアクセントを発見−ベルリンへのこの旅行は
マラケシュ経由。香りはバラの色がベース。
ムスクと琥珀の青々としたドライダウンを明らかにするために、
黒コショウと赤いバラのトップノートがゆっくり溶ける」
※蜜のように甘いが甘ったるくないナエマは大好きです。

ルタンスは1942年生まれ。
自分の幼少時代の困難とオーバーラップするかのように
同時代の「A Woman in Berlin」からインスパイアされました。

ベルリン市街戦は1945年4月23日〜1945年5月2日まで行われ、
小競り合いが引き続き起こっています。
日本でのこの香りの店頭発売開始日が4月21日。
時期を合わせたのは単なる偶然でしょうか。

ノンフィクション「A Woman in Berlin」は
戦時下のベルリン女性の壮絶な体験記。
「征服された都市の8週間」というサブタイトルがついています。
本は映画にもなっているのでご覧になってみて頂ければ、
ルタンスの伝えたかった世界が分かって来るんじゃないか
と思います。私は3年くらい前に観ました。
アントニー・ビーヴァーが伝えた1945年のベルリンも読みました。
ドイツ人の友達のおじいさんや歴史家の友人からも
当時の話を聞きました。

ソ連と不可侵条約を結んだドイツが奇襲攻撃として
バルバロッサ作戦を始めてから独ソ戦に突入、
その報復として美しかった都市ベルリンは生き地獄と化しました。

巻き込まれたのは武器を持たない女性や子供。
ゲッベルスがスポルトパラストで総力戦を演説、
兵士たちは前線で戦っていて人手が足りないため、子供、
女性、国民突撃兵が駆り出されました。
敵は容赦のない攻撃をベルリン市民にも向けました。

ウェザー・リポートのリーダー、ジョー・ザヴィヌル
(ウィーン出身。ウィーン攻勢もちょうどこの時期)は
子供の目線から同時期の体験を語っています。

「女の子たちはロシア人に襲われないよう不細工に化粧した。
生き残る為に軍人とも仲良くした。
彼等は家に無線機をつけてくれたけど信用できなかった。
酔っ払いでガソリンを飲んでいる奴もいたんだ」

生き残る為に軍人とも仲良くした―ベルリンの女性たちもそうでした。
ノンフィクションは匿名で出版され、ふしだらだの不謹慎だの
言われましたが、生きるためにそうするしか道はなかったら? 
強くなるしかない、強くなければならなかった。
フランス人であるルタンスが当時で言えば敵国であった
ドイツの女性の境遇に共感するというのはなかなかできないこと。

「ベルリンの女は見ている。
香水の赤みがかったピンクと主人公の赤いコートが
オーバーラップした」(ルタンス)

厳しい中で強くあらねばならない香りという、
ルタンスのコンセプトにスパイシーなローズは
ぴったりだと思いました。



歴史好きなのでついアツくなりました(笑)

  • 2013-10-23 12:33:48
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三太夫さん
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プロフィール
  • 年齢・・・44歳
  • 肌質・・・混合肌
  • 髪質・・・柔らかい
  • 髪量・・・少ない
  • 星座・・・山羊座
  • 血液型・・・AB型
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  • ファッション
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  • インターネット
  • 料理
  • ショッピング

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自己紹介

ブルベ夏(セカンド冬) スパイシーウッディ系香水にハマり中。 ル クヴォン メゾン ドゥ パルファムのエリアカ、ルラボのローズ31を好んで付けてい… 続きをみる

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