しべたんさん
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アクア ディ パルマ / プロフーモ

アクア ディ パルマ

プロフーモ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

7購入品

2019/3/23 20:46:54

-----再追記(最新)-----
いやぁ・・買っちゃいました。つくづく良い香りです。評価も付けました、フレグランスに滅多に付けない星7。日本での展開は50mlのみ。50ml 税抜29000円、税込31320円ですが、価値はありますね。

購入に踏み切った動機ですが、
●梅田阪急が新(現)フレグランス売場になってから1年以上見かけなくなっていた本「プロフーモ」が、先日、売場に復活。
●久しぶりに本国公式サイトを覗いてみたらサイトの構成やラインナップが全体に様変わりしており、50・100mlがあったはずのプロフーモが150mlのみになっている(!)。
●以前は無かった他の高級ライン(日本だと3〜6万円)が出来ている。
→もしかすると、ラインナップの中でも異質なクラシックラインのプロフーモは、大容量化によるむしろ販売縮小の方向なのか?店頭に再度出たのは売り切り(現容量が・または日本では終売)の方向性なのかも、と推測で焦りました(笑)。
なお、その点売場で尋ねましたが「何も聞いておらず不明」の意の回答のみ。なので重ねて書きますが私の推測にすぎないです(しかし、展開国によっては小容量を存続という事は考え難い)。買い逃したら後悔するであろうレベルの香りに中々出会わない昨今ですから決断しました。


なお、アクアディパルマが川辺取扱で日本での本格展開を始めて1年以上経つのに、
日本でのラインナップ、取扱店舗などを一覧できる公式サイトはありません。
川辺はル・ガリオンの時もそうでしたが、情報をもう少し素早く公開してもらえないものだろうかと思います。

-----以下2017/12/3追記-----

本品含む、アクアディパルマ、梅田阪急で常時販売となりました(^▽^)嬉しいです。って、まだ購入の目処はたってないけれど。で、もう一度試香しましたけどやはりいいです。
やさしさと温かみと、高貴さと気品が薫るフレグランス。
高級感のあるローズジャスミンアコードというものも製品によって方向性は無限にありますが、本フレグランスは「ゴージャス」ではなく「シック」。
星、6.5位かな(^^)。

本品に限りませんがベースノートのベチバーは服に移ると取れにくいので、
頻繁に洗えない秋冬のコート・獣毛衣料など気をつけた方がいいですが。
この香りにピタリと嵌るファッションとシチュエーションで付けこなせたら本当に素敵だと思います。
フレグランティカを見てみたら、オリジナルは1930年発売のようで、現行品はその再構築版のようです。やはりという感じですね。


-----以下2017/11/11のクチコミ-----

手首で試香2回のみの備忘録ですけれど。ミツコのクチコミ内でも少し触れましたが、印象に残るとても素晴らしい香りだったので商品登録しました。印象は星6相当。

非常に気品があるクラシックシプレです。EDPですが、Pに相当する品格あり。
ハートノートはローズ・ジャスミンに、ベチバー等のアーシー要素が前面に絡まる王道・正統派シプレフローラル。トップからラスト迄、抑えが適度に効いていて、雑味えぐみが全く無く芳醇な香り立ち、厚みはあるのに軽やかさもありで、本当によかった。

基本的な香調・骨格は近代以前香(第二次世界大戦前迄の香水)のそれで、まったく今風ではありません。但し、軽やかさのあるところは現代的要素が加味されているのかなと思います。
コンサバかつクラシックで外しや遊び要素は殆どないけれど、40代〜、身に着けるものは上質感と落ち着きのあるものを選ばざるを得ない年齢にいよいよ到達した世代向きです。
先般クチコミしたミツコ同様、5年ほど前までなら個人的にニガテなNG香の部類だったと思いますけど、こういうクラシックシプレがとても良い香りに感じるようになってきたのは、年齢いくのも悪くはないな〜って本当に思います(^▽^)。

梅田阪急のイタリアフェアで出店されていて試香したのですが、残念ながら常設取扱ではなし。EDP50ml税込3万超なので、さっと決断できる価格ではなく見送りましたがあやうく(^^;)買ってしまいそうなほどでした。会期最終日終了時間ぎりぎりまで迷いましたよ(笑)。
アクアディパルマのラインナップの中ではこの「プロフーモ」が最高価格なのかな?高いだけある香りです。ボトルデザインも良かった。
日本語サイトはないけど、アクアディパルマの公式サイトで閲覧できます(カテゴリ「フェミニンフレグランス」の製品群の一番後ろの方にあり)。
今後の購入候補です。伊勢丹通販もこのプロフーモは現時点取扱がないみたいで実店舗の売場にしかないのかな。こちらの方面でも取扱開始してほしいです。

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イヴ・サンローラン / フェイスパレット シマー ラッシュ

イヴ・サンローラン

フェイスパレット シマー ラッシュ

[プレストパウダー]

税込価格:9,130円発売日:2019/1/4

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7購入品

2019/1/5 21:26:03

文句なしの星7。これは…本当に綺麗です、マットですが顔の生気を奪うことなく、多幸感のあるフェミニンで温かみのある肌感に仕上げてくれるパウダー。かなりのピンク粉ですが赤ら顔になってしまう事もありません。価格がちょっと高いかなと思いましたが価値はありました。まだ1月5日なのに、今年のマイベストコスメはこれじゃないかなぁという予感。

【質】
建前上はあくまで全顔用フェイスパウダーとの事ですが、私の実感ではチークにも使えます。お粉としての性質は昔クチコミしたラディアントコンパクトパウダーとほぼ似通っており、マットでフォギー。かつ、粉粉したローテク感とは無縁で、顔全体をキュっと引き締め、するんと見せる統一感が出る高精細で高度な仕上がりです。
実は小粒のラメは入っており、間近で見ると星くずのように煌めいているのですけどね。
パっと見た限りでは、ラメは全くといっていいほど目立ちません。

なお、チークとしての性質ですが。YSLの現行チーク:ブラッシュクチュールは購入しておらず手の甲にテストしてみただけですが、性質的にはまったく違う、正反対ともいえる性質だと思います。
ブラッシュクチュールは粉感はやはりほぼないですが、高透明度かつ高発色で、透けて光を通すリキッドチークのような性質。
本シマーラッシュは不透明、肌の上に一枚マットなベールをかけたふわっとした仕上がりです。

【色】
3色の微妙に異なったピンクと、アイボリー(ややピンクみを帯びてるかなぁ)の4色粉。
発売情報の画像を見た瞬間、かつて大好きだったジバンシイの旧ル・プリズムブラッシュ21番に似ていると感じましたが、実際使用してみてもやはり質・色とも似ています。
中央のピンク部分だけを重点的にブラシに取って塗布したら十分ピンクに発色します。
周囲のアイボリーを意識して多めに取れば全顔用フェイスパウダーになり、余分な赤みなどは出ないです。

【モチ】
全顔・チークとしての両方、ともによいと感じます。
まだ、昨日引き取って本日1日過ごしてみた印象ですけれど。
綺麗な仕上がりがロングラスティングで、ほんと完璧に近いですね。

【パケ】
ちょっと分厚いパケですが、軽くて持ち運びにはよいと思います。
ブラシやパフの添付は無し。ベロアケースは付いてます。
メタリックラベンダーが偏光するフタ表面ですが、ビニール素材のような柔らかさと粘着感がある不思議な感触です。私はいつもはベロアケースの類はすぐ処分してしまうのですが、本品は傷つき防止の為にベロアケースに入れて持ち運んだ方がいいかもしれない。

【他】
◆ジバンシイの旧ブラッシュ21番と似ている記憶に引きずられて買うのは…
それを使っていたのがもう7〜8年前、大好きだったとはいえ似合うものは年々変わっていきますので加齢を考えて安易に飛びつくのはどうかと思いましたが、今回の場合は大丈夫だったのでほっとしました。
どころか、エイジング対応メイクにとても優れたアイテムだと思います。
これが限定なのはとても惜しいです、定番化してほしい製品です。

◆今回、パウダーと併せてポリッシングブラシN(MACのスティプリングブラシに似たものです)を購入し、それで付けたのですが、相性◎でした。
繊細な繊維がキメや毛穴にそって、パウダーを密着させてくれるブラシなのですが、
これまたこの年齢になるとあまりキメにパウダーを押し込むのは逆効果になるかな…と思ったのですが、いやもう全顔もチークも非常に綺麗に仕上がります。
ブラシにもまたおいおいクチコミしたいと思います。画像左の左上段に写っているブラシです。

◆店舗へ予約しに行った時は、チークとしてのつもりだったのですが、BAさんに「これはチークとしては使えないです、フェイスパウダーです」と言われた為、どうしようかなと思ったんですが、購入して正解でした。
当然といおうか、タール色素は入っている為、紫外線の強い時季には全顔使用は少し注意して使おうと思います。使用期限は24Mとなっている為余裕はありそう。
容量は9g、プレストパウダーとしても十分な容量ですね。

【画像】
右が、ポリッシュブラシNに、中央ピンクを重点的に取った時の色。
白の毛がこれだけピンクになるので、十分発色する粉である事がわかると思います。

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シャネル / サブリマージュ ラ クレーム N

シャネル

サブリマージュ ラ クレーム N

[フェイスクリーム]

税込価格:- (生産終了)発売日:2016/1/8

3購入品

2019/1/13 01:35:38

昨年12月の頭にスケジュールが、年末に向け公私共にハードになる事が見越せたので、スキンケアを底上げしたい!と思いコチラとゲランのオーキデを購入しました。アイメイクの色物もファンデも全ては、お肌の綺麗さあってこそ!と考えた故。スキンケアでの効果は一朝一夕では表れません。

 年齢、肌質、ブランドへの信頼(好き嫌いも含め)個人差があるのは当たり前ですが、私のケミカル山盛り&高額クリーム対決の軍配は、ゲランのオーキデに上がりました。コチラも悪くはありませんでした。テクスチャーも滑らかで、クリーム嫌いに方も極寒の冷え込みの夜でもなければ、お風呂上がりの手入れの後(化粧水→美容液→アイクリーム→コレ)から就寝時までに乾いてしまい寝る時に もう1度クリームを塗るという事もなくても大丈夫でした。でも3〜4年程前に、オーキデのセロムを購入し使用した時の様な感動は無し。私の肌には、目に見えて即効性があったのはオーキデだったという事です。

冬場なら朝のファンデの前に、少量を乳液代わりに使っても、ファンデ(リキッド)がよれる事なく乾燥も防げました。でもやはり毎週末の忘年会、日々の寝不足の中、4万円という金額に見合ったエイジングケア商品としては物足りませんでした。
30代後半〜40代の方向けでしょうか。

 未だ残っているのでニールズヤードのビューティーバーム→化粧水で拭き取り→コレというオーガニックにケミカル品という本末転倒な使用も時にしますが、ケンカをする事もなく肌をフカフカにしてくれる所は◎ですが、今年の年末が昨年末の様にハードでもリピは無いと思います。



 

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プラダ ビューティ / インフュージョン ドゥ プラダ マンダリン オーデパルファム

プラダ ビューティプラダ ビューティからのお知らせがあります

インフュージョン ドゥ プラダ マンダリン オーデパルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:100ml・16,500円 (生産終了)発売日:2018/7/27

4購入品

2019/1/4 20:52:52

芥川龍之介の小説で最も好きなのは「蜜柑(みかん)」という短編だ。何をやってもイラついて、誰に対しても反発していた青い頃にこの小説を読んだとき、すさんだ心がほんのわずか救われたような気がしたのを昨日のことのように思い出す。

大正の頃の話だ。曇天の冬の日暮れに列車に乗りこんだ男は、鉛色の空と同じくらい鬱々した気分と苛立ちを抱えていて自分でももてあましていた。と、そんな彼の前に田舎育ちとおぼしき13才くらいの娘があたふたと乗りこんでくる。男はそのみすぼらしい姿や遠慮のない振る舞いに嫌悪を募らせ、さらに苛立ってゆく。しまいに蒸気機関車の黒煙やすすが車内に入りこむのも構わずトンネル内で窓を開ける少女に堪忍袋の緒が切れそうになったそのとき、トンネルを抜け出た光の世界で男は一瞬の光景に目を奪われる…。そういうストーリーだ。(←引っぱったら最後まで語れよ)

そんな「蜜柑」の情景を思い出したのは、ここずっとインフュージョン・ドゥ・プラダ・マンダリンの香りをつけていたからだ。プラダの香水にはさまざまなシリーズがあるが、インフュージョン系は天然香料のよさを前面に出した淡く柔らかい香りのラインという印象がある。キャンディなどの濃厚グルマン系とは対照的で、ジョー・マローンを意識したようにも感じる流れだ。その中でマンダリンは2018年夏、シリーズ9本目の香りとして登場して話題となった。

ではプラダのマンダリン、どんな香りかというと。

トップ、スプレーした瞬間、緑色のみかんの果皮の香りがシュワッと広がる。みかんの果皮を手でむいたときに飛散するリモネンの飛沫。あの爽やかでグリーンな苦みが心地よく再現されている。とてもナチュラルなみかんの果皮の香りだ。バレンシアオレンジでもなくビターオレンジでもない。緑色のみかん。

3分もせずにグリーンな苦味はうすれ、柔らかくほんのりとした甘さが広がってくる。とてもうっすらとしたオレンジ系の透明感&ジューシー。酸味の角がとれたつぶつぶみかんのみずみずしい香りが広がるミドル。

そしてこのプラダのマンダリンはここまでが最高だ。つけて15分まで。天然の精油をブレンドして、果皮を指で開いたときにスプラッシュするあの芳香を再現することにこだわったような香り。ややグリーンな爽やかさ&苦みからみかんの果肉の透明感あるジューシーへのすばやい変化。ハーブなどをブレンドせず、ひたすらみかんの果実が放つ香りに迫ろうとしているように思える。ミドル終了まで15分だ。そこまでの香りの変化が心地よいフレグランス。

15分もするとみかん系の香りは薄らいで、わずかに樹脂の温かみが感じられるラストに向かう。アンバーかなと思って確かめたらオポポナクスのようだ。温かみ、スパイシー、酸味、甘みを伴ったバルサミックな香料。とてもうっすらとしていて30分もするとかなり鼻を近づけないとわからない。やはりとても持続時間が短いEDPだ。それがデメリットかメリットかは人によるだろう。

みかんの香りと言えば、アトリエコロンのオレンジサングインがすぐに思い浮かぶが、2つをつけ比べしてみると、オレンジサングインのみかん香はこちらより人工的に感じてしまう反面、香りがかなり長く続くという特徴をもつ。プラダのマンダリンは時間こそ短いけれど、最初から最後まで柔らかく自然なみかんの香りがする。これも好きずきかと。

プラダのマンダリンは、調香師ダニエラ・アンドリエがもぎたてみかんの果皮を手で割ったときの爽快感をモチーフにしたとされている。つまりその一瞬のきらめく香りに心奪われて創った作品ということだろう。さながら芥川の「蜜柑」で、主人公の男が一瞬の蜜柑の情景に心奪われたように。

汽車がトンネルを抜けた。突然開けたまばゆい世界に男が目を細めた瞬間、窓から半身を乗り出した向かいの少女が窓の外に向かって何かを放り投げた。その先には踏切に並んだみすぼらしい身なりの幼な子たちがいた。その頭上に乱れ落ちるいくつものオレンジ色の球体が男の目に飛び込んだ。

それは蜜柑だった。

灰色の空、手を上げて蜜柑に歓声を上げる幼な子たち。少女が虚空に放ったのは先ほどからずっと大事に抱えていた風呂敷包みから取り出した蜜柑だった。その瞬間、男は悟った。一家の食い扶持を減らすために奉公に出された娘が、もう二度と会えない弟たちへ最後の贈り物を空から届けたことを。その切ない夕暮れの光景は男の心に焼き付いた。そのとき男は初めて、自身の疲労と倦怠、そして言いようのない退屈な人生をわずかに忘れたのだった…。

プラダのマンダリン。それは明るくて溌剌とした刹那のみかんスプラッシュ。鬱々とした心さえいっとき中和して爽やかな風を吹かせる、芥川的「蜜柑」の香りだ。

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ザ・ディファレント・カンパニー / ニュイ マグネティック オードパルファン

ザ・ディファレント・カンパニー

ニュイ マグネティック オードパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:90ml・20,900円発売日:2014年

7購入品

2018/12/15 11:07:43

すばらしい香り。比類なきオリジナル。「磁石のように引き寄せられる魅惑の夜」の名にふさわしく、洗練され徹底的に作りこまれた調香師入魂のオードパルファム。その名はニュイマグネティック。

ニュイマグネティックがなぜすごいのか。そこには2つの理由が挙げられる。

1つ目は、現在世界最高の調香師TOP6に名を連ねるクリスティーヌ・ナジェルの繊細かつフェミニンな調香の実力に依るもの。ちなみにナジェルは仏語読み。(ナゲルは独語読み。)彼女の作品の特徴は女性らしい柔らかなフローラル使いとムスクを基調とした独特の透明感だと感じる。初期の名作はナルシソ・ロドリゲスのフォーハー、ディオールのミスディオールシェリー。2010年以降はジョー・マローン作品を数多く手掛け、現在はエルメスの専属パフューマ―として活躍している。このニュイマグネティックは、彼女がエルメス専属になる直前、同マスターであったジャン・クロード・エレナのために捧げた極めてプライヴェートなフレグランスだ。

2つ目の理由は、このニュイマグネティックがエレナに捧げた香りであるが故に、彼女のあふれんばかりの気持ちと調香力の全てがこめられたギフトだからだ。スイスで生まれたクリスティーヌは、グラース派閥でもなく専門的な調香を学んだわけでもなく、シングルマザーとして苦労しながらさまざまな香料会社で働き、その中で一流調香師たちに認められ育てられてきた異色の実力派だ。そんな現場たたき上げの彼女にとって、エレナの後継者としてエルメス専属調香師に選ばれたということは栄冠以外の何物でもなかったろう。その道を開いてくれたエレナへの感謝と尊敬、愛情の全てを注ぎ込んだ渾身の一作だからだ。

誰のためでもない。エレナへの思いの全てをこめて作った香り。ではどんな香りかというと。

ディファレント・カンパニー独特のピラミッドキャップをとってスプレーする。その瞬間、かぐわしいプラムワインのような香りが立ちこめる。ありそうでなかなかないトップ。だが知っている。これはセルジュ・ルタンスのフェミニテドゥボワを思わせるイントロだ。調べてみて納得。彼女が最も好きな香水の1つにフェミニテドゥボワが挙げられている。クリスティーヌはかつてこの名作を創った一人、ピエール・ブルドンの後継者として同じ香料会社に勤務していたことがあった。

ニュイマグネティックのトップは、そんなプラムのフルーティーな香りにもう少しコクのある葡萄のような香りが混じってくる。それはブルーベリーの甘さだ。下ではややこんもりとした薬っぽいアンバーも香っている。彼女がフェミニテ同様偏愛しているというアンブルスルタンを彷彿させるオリエンタルさも見え隠れするトップ。ふわりふわりとさまざまな香料が複雑に香り、ベルガモットのさっぱりとした酸味も感じられ、濃厚なのに心地よい。特に秋冬などに似合う甘くせつない感じのオープニング。これはたまらない。

10分ほどして香りはホットなジンジャーの辛みとジャスミン系〜ガーデニア系を思わせるホワイトフローラルが明確になってくる。ローズの清涼感、ジャスミンのふくよかさにクリーミーなベールがかかってとても柔らかくて穏やか、それでいて温かい。この調合も絶妙だ。一つの香料が突出するわけでなく、フルーツの残香がフローラルと重なり、フルーツリキュール香のようにセンシュアルなミドルとなっている。このへんはクリスティーヌに調香師の道を開いた師匠、フィルメニッヒ社で出会ったアルベルト・モリヤスから学んだフローラル合わせ技の極意ではないかと推察する。しっとりしていて気持ちもとろけそうになる。

やがて4〜5時間するとフルーティーなホワイトフローラルは終息し、後にはややドライなシプレ調のジンジャーが残る。この頃には香りも薄らぎ、透明感のあるムスクがソーピーで清潔な印象を保ちながらジンジャーをたなびかせて消えていくイメージ。香りこそ違うものの、彼女がクエスト社にいた際、フランシス・クルジャンと共作したフォーハーのムスク使いを思わせるラスト。最後まで全体の香調イメージをくずさずムスキーにフェイドアウト。

してみると、やはり愛だ。この香水に一番多くこめられた香料は愛情だろう。そう思う。

この香りに包まれた愛しい人を自分の全てで抱きしめられたら。そしてそれが互いに思い焦がれて抱き合えたのだとしたら。もう2人は引き離せない。磁石に鉄がついたのでなく、磁石どうしが互いに引き合ってしまったのだから。

琥珀色のベッドランプ。温かいブランケットにくるまれて密着し合う2人。窓の外は満天の星空。ニュイマグネティックの香りが2人の体温と共にシンフォニーを奏で始める。

離れられない2人。all night long.

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