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Cookieyukiさん
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Maison Margiela Fragrances(メゾン マルジェラ フレグランス) / レプリカ オードトワレ ジャズ クラブ

Maison Margiela Fragrances(メゾン マルジェラ フレグランス)

レプリカ オードトワレ ジャズ クラブ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:10ml・4,840円 / 30ml・9,900円 / 100ml・19,800円発売日:- (2020/11/18追加発売)

6購入品

2021/4/11 02:02:18

1990年代前半のニューヨークのジャズクラブは本当にこんな匂いがした。今では全席禁煙になってしまって煙草の匂いは薄れたが、当時は禁煙席と喫煙席が分かれていた記憶がある。

歴史のある古いジャズクラブは煙草の煙で薄くモヤがかかったよう。何十年も使い込んだテーブルにはお酒と煙草の匂いが染み込んでいる。普通の煙草を吸っている人もいたけど葉巻を燻らせる人が多かった。そのお供にカクテルやウィスキー、ブランデー、ラムなどの強いお酒をロックで楽しむ。私はカクテルをよく頼んでいた。

その頃アメリカ人の中では結構名の知れた芸術系の学校に通っていた。自分は音楽選考ではないものの隣の校舎ということで音楽科によく遊びにいった。だんだん学生達と仲良くなり、ジャズ選考の学生がセッションによんでくれるように。

ジャズのことはあまりよく分からないが大好き。特にソロで楽器のパーツごとにインプロ(即興)するところが楽しい。その部分でジャズミュージシャンの卵たちはお互いの曲を即興でいじりあってあって遊んでいた。例えば「A列車で行こう」のソロの部分で、客席にいる友達の作曲した曲のサビをちょっと入れて驚いた顔を見て喜んだり。

恵まれたことに現役のジャズミュージシャンが時々講師として教えに来ていた。夜になると学校のコンサートホールで常任の教授ら(当然ジャズミュージシャン)と熱いセッションを繰り広げるなんてことがよくあった。学生とは桁違いの実力。それに魅せられて私のジャズクラブ通いが始まった。ニューヨーク郊外から電車を乗り継いでマンハッタンまで、劇場でパートタイムで働いて得たお小遣いを握りしめて。

だいたいどこのクラブでも一晩で二、三回セッションがあるが、私は終電の関係で一番早いものにしか行けないことが多かった。古いドアを開け中に入ると使い込んだ木製のテーブルと椅子が見える。まばらに座っているお客さんたちは飲み物とスナックを楽しんでいる。喫煙席では煙草をゆっくり味わう人々。私は煙草は吸えないけれど火をつける前の香りが好き。メゾンマルジェラのジャズクラブはこうした場面をを切り取った香り。

トップはピンクペッパーのスパイシーさが効いた軽やかなネロリ。抑えたレモンのマイルドな酸味が心地よい。仕事帰りのビジネスパーソンがスーツ姿のまま立ち寄っているような上品さのある香りだ。ジャズそのものに知的なイメージがあるせいか、色気と艶はあるものの洗練された印象だ。この辺りの香りはジャズのパーツで言えばピアノかなんて考えるのも楽しい。

やがて花の香りの奥からラム酒の香りが浮き出てくる。パッと意識を持っていかれる鮮やかでいてまろやかな中高音。この辺は多分サックスやギターの音の表現か?サックスやギターの音色って色気があるしね。ナッツに似た香ばしい風味とフローラルさを合わせ持つクラリセージのせいか多少の油分を感じる。

遅い時間になるにつれ普段着の人が増え出す。「ちょっとジャズでも聴きに行こう」なんてお気楽な感じでTシャツGパンにジャケットを引っ掛けただけの人も多数。当然お洒落にキメた人たちも。このあたりになるとみんな結構飲んでいる。アメリカ人は酒が強い人が多いので私が一杯飲むあいだにカクテル三、四杯なんて軽くいっちゃう人も多い。

ラストノートのベチバーの土っぽいウッディさは何十年も使われているであろうテーブルと椅子を思わせる。それらは有名プレイヤーたちの熱い演奏をずっと見守り続けてきた。一つセッションが終わるとミュージシャンたちがテーブルで軽く一杯飲みながら煙草を楽しんでいる光景を見ることもある。このラストの香りは楽器に例えると絶対ベースとドラムだ。

煙草ノートが消える頃にバニラとベンゾインの甘い香りが立ち上ってくる。酒と煙草とジャズの効果でいい雰囲気になっているカップル多数。男性の肩にもたれかかる女性、女性の髪を愛おしげに撫でる男性などはまだ可愛い。アメリカ人は人前でもあり得ないほど遠慮なくイチャイチャする。

ごゆっくりどうぞ。こちらは終電つかまえるんで、と急いで店を出る。

演奏が終わっても高鳴り続ける心を押さえて最終列車に乗り込む。ガラガラのシートに倒れ込む様にして座る。それが私の学生時代の思い出。

そうだ、もう一度ジャズを聴きに行こう。全てが落ち着いたら。昔と変わらぬ光景が私を迎えてくれるだろうか。

トップノート: ピンクペッパー、ネロリ、レモン
ミドルノート: ラム、クラリセージ 、ジャワベチバー
ラストノート: 煙草、バニラ、ベンゾイン

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ゲラン / ルール ブルー

ゲランゲランからのお知らせがあります

ルール ブルー

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:75mL・19,360円発売日:-

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6購入品

2021/9/5 02:36:59

フランスではないけれど、ルールブルーがよく似合う街で過ごしている。ボヘミアンな雰囲気がある街で。

タトゥーショップ、古着屋、カフェが沢山あって昔は倉庫街だった場所。夕暮れにはどこからか恋人たちが繰り出してくる。私もずっと憧れていた男性とアンティーク調の古びたテーブルでお酒を嗜みながらたわいもない話を楽しんでいる。誰かのくだらない噂話ではなくて、お互いの私事をポツリポツリと語りながら変わりゆく空の色をずっと眺めている。茜色の空は遠い昔に祖父におねだりして取ってもらったよく熟れた柿の実みたいだなんて思いながら。

ルールブルーのトップノートはまるで20世紀初めにトリップしたかのようなレトロな香り。ゲランのクラシックな香水によくあるスタートだ。ベルガモット、アニス、ネロリ、レモン、ベルガモットの組み合わせはパリッとしたビジネス用のジャケットみたい。思わず背筋がのびる。

トップからミドルに移り変わるころ私の肌の上だとアニスが強く香る。アニスシードで香り付けした少し癖のある洋酒アニゼットみたいだ。このアニスシードはイタリアのビスコッティにもよく使われている。この街には大きなガラス瓶に入れた計り売りの小さなクッキーを置いている店があって人気だ。ヨーロッパの田舎町の駄菓子屋を再現したかのような雰囲気がホッとさせてくれる。アニスの残り香が香り出したばかりのラストノートのバニラと相まってビスコッティを買いたい欲がやたらと刺激される。でもそれは消費者の購買欲を掻き立てるためにバニラの香料をガンガン入れたものではなくて、イタリアのお母さんが家族で食べるために焼いたビスコッティみたいに素朴な香り。

この頃になるとトップの少しかしこまった雰囲気も段々と和らいでいく。まるでジャケットを脱いで首までしっかり留めていたボタンを2つばかり外したように。さっきまでの真っ赤な夕焼けも上の方から少しずつ夜の色に変わってきている。

彼が子供のころのエピソードをポツリポツリと語りだす。

今までずっと思っていたけどデートで子供の頃の思い出話をする男性は多い。恋愛心理学なんてものによると、どうやら幼少期の話というものにはお互いの距離を縮める効果があるらしい。彼の話を聞いているうちに母の白粉の匂いを思い出した。

ヘリオトロープの香りの魔法の粉。大人の女性が使うその白い粉に幼い私は憧れを持っていた。髪を整えて仕事用のカッチリした服を着て化粧をして家を出て行く母。ドアが閉まった音を確認してからその白粉にこわごわ触ってみた。サラサラした質感、ほんのりとしたいい香りは今も心に焼き付いている。大人になったらこんな匂いのする人になりたいと思った。

ミドルノートには花の香料が何種類も入っているにも関わらずヘリオトロープとバイオレットの印象が強い。少しスパイシーなクローブも入っているのもわかる。もう少し寒い季節になったら香り方も変わるのかもしれない。

誰かがドアを開けるたびに少し冷たくなった夜風が入ってくる。さっきまで茜色だった空はあっという間に深い青に変化した。家路に着く人々が地下鉄の駅から出てくるのが見える。

帰る場所か。

遠い昔、小学生のころ私が作文で書いた文章に先生が度肝を抜かれていたっけ。

「私が帰る場所はどこか遠くにあるような気がする」

10才の子供が書く文章ではない。どういうわけかそんな言葉が浮かんだからそのまま詩に書いただけなんだけど。

それから何十年も経って私はそれを書いた時脳裏にあった街に居着いた。

ラストノートはどうしようもなく懐かしい香り。かなりの量のバニラが入っていることは確かだが、ベチバーも入っているせいかお菓子感はない。アイリス、バニラ、ベンゾイン、ムスク、サンダルウッドの割とよくある調香で、この組み合わせはリネンウォーターを使ってシーツと枕カバーにアイロンがけをしたフカフカのベッドを思い起こさせることが多い。

妄想と言われてもしかたないが、何故かベッドそのものというより私の隣で安らかに寝ている誰かの肌の匂いも同時に連想させるのだ。燃えるような感情は抱かないけれど、安心して帰っていく場所で待っていてくれていそうな人。

多分、彼と恋に落ちる。

この街で。

この青い時間に。

トップノート: アニス、コリアンダー、ベルガモット、レモン、ネロリ
ミドルノート: ヘリオトロープ、クローブ、カーネーション、バイオレット、ジャスミン、ブルガリアンローズ、イランイラン、蘭、ネロリ
ラストノート: アイリス、バニラ、ベンゾイン、ムスク、サンダルウッド、トンカビーン、 ベチバー

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ゲラン / アプレロンデ オーデトワレ

ゲランゲランからのお知らせがあります

アプレロンデ オーデトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:100ml・16,060円 (生産終了)発売日:-

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6購入品

2021/3/28 03:22:48

ベルベットイースター
小雨の朝 光る雫 窓にいっぱい

アプレロンデをつけるとこの歌をいつも口ずさんでしまう。驟雨の後というタイトルと小雨の朝のフレーズが被るのだろう。昔からユーミンファンで私が日本を離れるまでに発売された彼女のアルバムはほぼ全部、ピアノの弾き語り楽譜も持っていたくらい好きだった。

この香水の持つ淡い薄青紫がかったグレーの低い空はイースターが近づくころによく見られる。私が住んでいるアメリカ北海岸でもその頃は三寒四温という言葉通りの天気で雨も多い。ザーザー降りというより水蒸気くらい細かい雨粒の霧雨が見られる。

この頃の雨上がりの匂いはとてもフレッシュ。明らかに他の季節のものとは違うような気がする。木の芽、生えてきたばかりの草、花の蕾などの生命の息吹が混ざっているのかもしれない。科学的に言うと雨上がりの匂いは水滴が地面に打ち付けられる時に地面や草木の持つ匂いが立ち上ることで発生したもの。だから季節によって異なった匂いになるのだろう。

全体の印象は錬金術で春の香料を原型がわからないほどよく混ぜて作った感じ。サラダみたいに色々材料を入れてドレッシングでよく和えてもレタス、トマトなどの個々ははっきり認知できるのとは対照的。決して香水としてどちらが優れているかではなくタイプの話。

トップはミントほどではないが多少の清涼感がある。清涼感のあるアニス、このスパイスは面白い。西洋では焼き菓子によく使われていて、焼いたときよりそのまま噛んだほうがグッとスーッとした冷たさを感じる。カシスの葉、ベルガモット、レモンの新芽を連想させる酸味のあるグリーン感が春の微風のようで心地よい。

ミドルのスミレとオリスルートは気に入っているゲランのメテオリットの香りに通ずるものがある。ちょっとだけおめかしをした気分に。イースターの日にみんな着飾って花をあしらった大きなツバの帽子を被る習慣があるが服装から香ってきそう。イースターボンネットといってかなり奇抜でファッショネブルなものも多くお祝い気分満載だ。この風習は何百年も続いているようで、これを目の当たりにするとタイムトリップしたように気分になる。

ラストではヘリオトロープのアーモンドに通ずる少しコッテリしたパウダリーな香りが強い。でもベビーパウダーや白粉ではなく透明感たっぷりのパウダー。雲間から顔を覗かせた柔らかな太陽の光に照らされキラキラする霧雨を香りにしたみたい。

新しい生命のはじまり。この季節にはヒヨコ、子ウサギを模したマシュマロをよく見る。店頭に並び出した豊富な種類の鉢植えや切り花、新芽と開く寸前の花の蕾。心が弾む要素が満載なのに何故かメランコリーな時期。別に落ち込んでいるわけでもないけれど、みんなと騒ぐよりひとりで物思いに耽っていたい。そんな内省的な気分の時に優しく寄り添ってくれる香り。

アプレロンデをつけて霧雨の中を歩く。低い空は薄く青紫がかったグレー。雨上がりが近い。時々遠くの雲の隙間からさす光が天国からの梯子に見える。あれを登っていく人と降りてくる人がいるんだなとぼんやり考える。彼らが途中で会ったら挨拶するのかな、なんて。

今日も空がとても低い

天使が降りてきそうなほど


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Maison Margiela Fragrances(メゾン マルジェラ フレグランス) / レプリカ オードトワレ ウィスパー イン ザ ライブラリー

Maison Margiela Fragrances(メゾン マルジェラ フレグランス)

レプリカ オードトワレ ウィスパー イン ザ ライブラリー

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:30ml・9,900円 / 100ml・19,800円発売日:2019年6月 (2020/11/18追加発売)

6

2020/5/23 08:26:28

これをつけると1997年のオックスフォード図書館が海を越え時を超えて、私のために出張してきてくれるらしい。だってボトルにしっかり書いてある。Oxford 1997って。

オックスフォード図書館は威厳のある古い建物。中にびっしり並んだ本棚は年季が入った深いマホガニー色で、50年以上前に出版された古い本も並んでいるとか。

さあオックスフォード図書館さんいらっしゃい。タイムマシーンに乗って私の元にやって来て。

シュッ!とひと吹き。

期待を裏切らない本棚の香り。古いけどよく手入れされて黒光りしているマホガニー、チェリーなどの高級木材で作ったアンティークの本棚。色々な香水を嗅いできて、木の香りにはそれぞれ個性があって一括りにできないなとつくづく思う。

何種類もの木の香りがブレンドされているみたい。それもそのはず、古い図書館は木の香りで溢れている。本棚、机、椅子、本だって元々は木だ。木々が奏でる香りのオーケストラはとてもノスタルジック。

それに混ざって僅かな刺激が。切ったばかりの木は独特の刺激がある匂いがするが、それとは違う。調べてみるとブラックペッパーが木の香りの奥でピリッとアクセントを効かせているようだ。

木とブラックペッパーとほとんど同時に乾いたバニラの香りが漂う。香水に可愛らしさを求める女の子が大好きな、明らかにグルマン系の甘ったるいものではなく、食べられるバニラと食べられないバニラの境界線上にあるバニラだ。

シングルノートなので最後まであまり香りの変化はないが、木とブラックペッパーがだんだん薄らぎ、食べられそうなバニラのほんのりとした自然な甘さだけ最後まで残る。

古本の匂いとバニラは何故か相性がいい。調べたら理由がわかった。古本にはバニラに含まれる化学化合物が含まれているようだ。しかもナッツに含まれている化合物も入っているとのこと。20年ものの自前の古本で検証。ページのフチが薄茶色に変色している立派な古本を開く。

確かに薄いドライなバニラ臭が。ナッツの可食部というよりはアーモンドの硬い殻の匂いもする。面白いことにノリを使っている背とページは違う匂いがする。本によっては和三盆に似た匂いのものもあった。

そういえば図書館にはよく通った。本が好きだし、課題を書くために調べ物をしたり、単に勉強をするために。ずっと通っていると大抵同じ場所に座ることになり、近くに座っている人と仲良くなることも。まわりを見てみるとかなりの確率で同じ曜日の同じ時間に同じ人がやってくる。

いつも近くに座って勉強している男の子が周りに聞こえないか気にしながらひそひそ話しかけてきた。同じ高校の隣のクラスの彼は私のクラスの女の子に一目惚れしたらしい。

「彼女は僕の太陽だ」

「ぶっ!」と思わず吹き出したら、「シーッ!声がでかい!」と咎められた。

彼女が付き合っている人がいるかどうか私に調べてきて欲しいと頼む。面倒くさいし、人の恋路に首を突っ込むのも好きではないので断ろうと思うと、彼がバッグの中からゴソゴソと何かを取り出してニッと笑った。

クッキーだ!しかも高級ブランドのラングドシャだ。

賄賂だ。私を餌付けする気だ。高校生にして私は汚職に手を染めるのか。いや、汚食?

誘惑に負けて要件を飲み、二人で個別包装のラングドシャを静かに開け、周りから見えないように本でバリケードを作ってほうばる。図書館でラングドシャを音を立てずに食べるのは至難の技だ。サクッと砕ける音を立てるのを避けるために、口に含んで溶けるのをひたすら待つ。美味しい。飴舐めてるみたいだけど。禁断のバニラエッセンスの香りが鼻をくすぐる。

翌日、私は諜報任務を遂行した。彼女には付き合っている人はいないと彼に伝えると、成功報酬としてクッキーを2個くれた。

ところがそのまた次の日、彼が彼女に気があることが学年中どころか先生まで知るところとなった。

当然私の犯行が疑われた。しかし彼の友人達が、誰からも聞いてないけど、彼女に話しかける時の彼の仕草は怪しい鳥の求愛行為にしか見えない、顔に大好きだって書いてあると証言してくれたので、私の無実は証明された。

ウィスパー インザ ライブラリーをつけるたびに図書館とクッキーの思い出が蘇る。彼の好意バレバレのトマトと張り合うほどの真っ赤な顔、どもる声、顔をつたう汗、「鳩か?」と思うくらい彼女の周りをグルグル回ったあげくの、もじもじした挙動不審な仕草とともに。

シングルノート: バニラ、ブラックペッパー、シダー、プレシャスウッド

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  • モニター・プレゼント  (提供元:Sephora (米国))
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プリスクリプティブ(海外) / CALYX(ケーレックス)

プリスクリプティブ(海外)

CALYX(ケーレックス)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

6購入品

2020/5/20 05:08:42

去年ついに自分の誕生日に購入。それにしてもネーミングセンスが凄い。ケーレックスとはガクのこと。花の下の方に付いているアレ。人は花びらは見るけどガクなんて見てないし、ガクのほうが花びらより興味があるなんて人には未だ出会わない。

トップノートの、明日はもう食べられない完熟トロピカルフルーツの香りがたまらない。グアバ、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴーのミックスだ。美味しそうという意味での、パパイヤ、マンゴー独特の感知できるかできないかギリギリの硫黄っぼさがリアル。そこにパキッと折ったばかりの植物の茎のグリーンな匂いとグレープフルーツの爽やかさが加わる。残念ながら2時間ほどしかフルーツ&グリーンは香らないので、私はこのトップが長持ちするように、わざと下着にもつける。

ミドルではちょっとレトロな雰囲気の花々の香り。強いのはマリーゴールドの菊科であることを納得させるハーブ香と、フリージア、鈴蘭の清らかで清潔感溢れるグリーンフローラル。他の花は存在するのはわかるけど完全にミックスされていて嗅ぎ分けできない。

どこかで嗅いだ匂いだと思ったら、80年代に世界的に大流行したボタニカルシャンプー、ティモ◯のよう。現在も販売されているが、香りが昔と同じかどうかはよくわからない。サラサラの液体であるはずの香水が、シャンプーのねっとりした質感を出すのが不思議。シャンプーのような香りの香水は日本で人気のようだけど、多分それはシャンプーの残り香のことだと思う。近くで嗅ぐとケーレックスのシャンプーっぽさは原液の香り。そういうわけで日本でつけるなら鼻から遠いところに1プッシュが最適。

ラストノートは落ち着いたオリスルート、ベチバーとオークモス。サンダルウッドもクレジットされているがとても微か。バニラやムスクのラストは暑い夏には避けたいが、これならむさ苦しくならずにすむ。麻の服に似合いそうな終わり方だ。浴衣ならなおさらいいかも。

朝昼、春夏、オンオフは問わずつけられる。甘すぎないので案外男性でもいけると思う。大好きだけど残念ながら寝香水には決してならない。何度か試してみたが、つけて寝ると妙な焦りが快眠の邪魔をする。

大きな庭のどこかでトロピカルフルーツが果汁を滴らせている。今探して食べなきゃ落下して腐っちゃう!もったいない!と私の心の中に1980年代から住み続けている「もったいないおばけ(死語)」が目を覚ます。テトリス トロピカルフルーツバージョンで次々と容赦なく落下してくる果物相手にもったいないおばけが奮闘。安眠なんて絶対無理。

半袖で外出できるようになるとケーレックスをよくつける。香りそのものも気に入っているけど、友だちの名言を思い出すから。彼女の言葉は私の男性観に限りない影響を与えた。

まだ学生だった頃、仲のいい友人とマンゴーを食べた時の話。

彼女が露天で完熟トロトロのものを誇らしげに買ってきた。タイや台湾に住んでいたことがあるのでトロピカルフルーツの選び方がとても上手。玄関を入って来た瞬間に香りがパァッと広がる。入っていた袋を開けると部屋ごと熱帯のマンゴー畑にトリップしたようだ。

熟しすぎていて皮がうまく剥けないし、包丁で切ろうとすると崩れてしまう。仕方ないので手に持ってかぶりつくことに。ジュースが垂れてもいいように古いTシャツに着替えるほどの念の入れよう。

美味しい!会話することさえ忘れて無我夢中で食べる。気づくと顔も手も果肉と果汁でベチャベチャ。当然Tシャツにも果汁が滴り落ちて黄色い染みになっている。まるで自分で食事ができるようになったばかりの幼児だ。情けない。

私「こんなのオトコに見られたら嫌われるかな?」

友人「バカねえ、これを一緒にやってくれるオトコとくっつくのよ」

そう言い放った彼女は、それを一緒にやってくれそうな男性と結婚した。送られてきた結婚式の写真がツッコミどころ満載。普通、この手の写真は見かけを気にして50%くらいのおすまし笑顔で撮らないか?100%のはちきれそうな全力の笑顔って、まるで完熟フルーツじゃん。

トップノート: グリーンノート、グレープフルーツ、グアバ、パパイヤ、パッションフルーツ、マンゴー、マンダリン
ミドルノート: リリー オブ ザ バレー、リリー、ジャスミン、ネロリ、マリーゴールド、ローズ、フリージア
ラストノート: ベチバー、サンダルウッド、オリスルート、オークモス

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Cookieyukiさん
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プロフィール
  • 年齢・・・55歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・硬い
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・牡牛座
  • 血液型・・・B型
趣味
  • ヨガ
  • エクササイズ
  • お酒
  • 料理
  • 音楽鑑賞

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自己紹介

アロマセラピーの勉強をしているうちに香水の魅力にはまりました。皆さんの口コミをいつも楽しみにしています。外国在住のため日本で手に入りにくい香水の口コミ… 続きをみる

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