
































[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・2,200円発売日:1792/10/8
2014/12/23 13:35:11
初夏の朝。吸い込まれそうな青空。こんもりとした森の上から顔をのぞかせている、綿菓子のような入道雲。木漏れ日。葉擦れの音。目にまばゆい芝の緑。回り始めたスプリンクラー。水の飛沫に揺れるスペクトラム。朝露が蒸発し始めるとともに、森の奥から立ちこめる木々の葉の香り。ガーデンテラスの白いベンチチェア。ラタンのかごに盛られたオレンジやシトラスフルーツ。キッチンから運ばれてくる焼けたパンとハーヴの香り。それは、永遠に終わらない夏の日のイメージ。
4711の六角形ボトルを手に取る。ターコイズブルーの大きなラベルに金色の美しい模様がデザインされたモラニス瓶。それは大きな水晶のようで、そして小さなトロフィーのようで、手にすることの喜びを感じさせる。金のキャップを開け、穴が開いただけのボトル口から、手の平に液を滴らせる。
この透明なかぐわしい水。手のひらにたまったそれをすばやく両手にとり、首筋や体にたたくとき。一瞬にしてエバーグリーンな夏の朝の風景にトリップする。
トップ。はじけるようなシトラス・シャワー。けれどとてもライトだ。レモンやベルガモットの果汁そのものじゃなく、爽やかでクリアーな「シトラスの水」という感じ。そして、このトップこそが、このクラシックなオーデコロンの命だと思う。なぜなら、ドライダウンまで20分ともたない、はかない香りだから。はじめにすっとアルコールがとんできて、レモン、ベルガモットの爽快感、間髪いれずにオレンジオイルの甘さが、ふわりと香りのキレを包み込む感じ。そしてすぐ。
ミドル。シトラスの周りにほんのり香るのがフローラルとハーヴのテイスト。公式では、ローズマリーやラベンダーなど明らかにしているが、わりと複雑なミックスを感じる。あまりに淡くて、そして消え入りそうなミドルなので何とも言えないが、品のいいローズ、ジャスミン系も混ぜてると思う。そしてすぐ。
ラスト。ここまで5分(笑)。ベチバーやパチュリのような、湿った土や木の根のような泥っぽい香りが、ベースにかすかに感じられる気がする。朝露がおりて、まだ湿っている暗い夏の朝の森を思わせる、静かな香りのベース。このあたりは、ゲランのアビ・ルージュのミドルからラストにも似ているかな。あちらはむろん、もっと濃く印象的に陰影を残すけれど。
4711の公式には、ラストノートにネロリを挙げているが、これはほんとかなと思えるくらい感じない。大体トップノート系のネロリをラストに書いてることじたい「???」だし、本当にネロリの香りが強く出てくるならもっと、「もわっとしたふくよかさ」が必要だ。希少なネロリの精油を知り合いから何度か試させてもらったが、本当に低くて重くて、それでいてさっぱりとした甘さがあって、何だか腰がとろけそうになる。かいだあと「はあ〜」とか言いそうになるし。←いい年して言うなよ。
そういう意味では、トム・フォードのネロリ・ポルトフィーノ(チャン・グンソクのバッグに入ってて有名になったアレね)や、シャネルのレ・ゼクスクルジフ・シリーズのオーデ・コローニュの方が、ちゃんとネロリが香るオーデ・コロンかなと勝手に思っている。←高いしな。異常にな。
調べるとヨーロッパでは、なぜかクリスマスプレゼントにこの4711を親しい家族や知人に贈ることがあるようだ。世界最古のオーデ・コロンと言われる、サンタ・マリア・ノヴェッラの「王妃の水」。そのレシピが広がり、作られたといわれる「ケルンの水」。美しい香りの芸術は、200年前に人から人へプレゼントされ、たくさんの笑顔と歓喜と幸福を広げてきたのだろう。まさに、クリスマスの贈り物にもふさわしい。←トム・フォードは買えないから
仕事を終えて一息つきたいとき、リフレッシュしたいとき、このコロンは、大切なリフレッシュアイテムだ。4711に関しては、自分はあえてスプレーではなく、スプラッシュ・ボトルを使う。手に取って、首筋や髪、手首や体にたたいたときに漂う香りが、本当に好きだからだ。200年以上も前に、人々がやった使い方で、この「香りの水」を楽しむのが好きだ。
香りが漂う時間は10分あるかないか。だが、持続するだけが香水のよさではないと思う。ときにその瞬間的な幸福のために、後を残さない潔さも認めて使う香りがあっていい。
厳しい真冬の季節でも、この香りはさまざまな華やいだ風景を見せてくれる。俺にとってこの香りは、永遠の夏の風景を呼び起こすマストアイテム。香水というより、ほんのり香りをつけた美しい水、4711は一瞬だけど、いつもつけるたび、素敵な夢を見せてくれる。
俺が街角に立つなら、これをたくさんカゴに入れて「香水いりませんか?」と売って歩くよ。きっと、マッチよりいい夢見れると思うから。
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・2,200円発売日:1792/10/8
2015/4/23 11:28:26
旅商人ジョヴァンニ・パオロ・フェメニスがサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の
修道尼に処方を伝えられ、1792年にケルンで製造販売したのがこの4711オーデコロン。
ちなみにサンタ・マリア・ノヴェッラでは同じ処方を祖とするものを「王妃の水」として
販売しています。
オーデコロンの原型。始祖。トップはオレンジ。ミドルはラベンダー、ローズマリー。
ラストはネロリ。非常にハーバルでフレッシュな香り。
肌に乗せると爽やかなシトラスの香り!それは5分もするとラベンダーやローズマリーの
ハーバルな香りに移り、最後はネロリの落ち着きで終わります。肌の上では30分も
保たず(鼻を近づければ微かに嗅ぎ取れる程度だから)他の香りの邪魔をしないので、
朝の起きがけ、日中の気分転換、シャワー後、寝る前にぴったり。
もともとこれは香水としての目的販売ではなく、どちらかと言えば薬としての使用を
目的に作られてきました。ナポレオンは闘争心を鼓舞するために、ゲーテは創作時の
気分転換として使う等。他にも気付け薬や安静剤として200年以上愛されてきました。
私は400mlを購入し、サントリーウイスキーの角の180mlの空き瓶に移して
使用しています。容量も手頃で4711の100mlボトルよりも使いやすく、旅行にも
持っていきやす。お薦めです。
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・2,200円発売日:1792/10/8
2017/9/22 14:59:01
ヨーロッパに旅行に行った際に、たまたま電車の乗り継ぎでケルンで一時間の待たなければならなかったので、駅から出てみようと思ったら目の前に巨大な、いかにもゴシック様式の大聖堂が現れてビックリしてしまいました。ドイツにはあまり文化的な古い歴史がないと見くびっていました... 後で調べると世界最大のゴシック建築だそうですね。
時間が一時間しかなかったために大聖堂は外から眺めるだけにして、駅に入ってるセフォラ的なお店で化粧品でも見て時間を潰そうとしたら、そのセフォラ的なお店の入ってすぐのところにこちらの「4711」が山積みになって大々的に宣伝されていました。私はこちらの商品に関してなんの前知識もなく、最近のドイツのブランドか何か、かと思っていました。試しに香りを嗅いでみると、お値段の割に上品で爽やかな素敵な香りだと思い、自分用とお土産用に一番小さいサイズを購入しました。どういうブランドだろう、と後から調べてみると、このコロンが”オー・デ・コロン”という言葉の元になったものだそうで驚きました。オーデコロンとはフランス語で「ケルンの水」という意味です。オーデコロンってケルン発祥だったのか...と驚いたのですが、確かにケルンはビールも有名だしアルコールに関する技術が昔から発達していたのかもしれません。(ちなみにキルシュ・ワッサーは違うようです。ワッサーとはドイツ語で水の意。) もうちょっと調べてみようとサンタ・マリア・ノヴェッラのオフィシャルサイトを見てみると、サンタ・マリア・ノヴェッラが最古の薬局でその処方がケルンに伝わりオーデコロンとしてヨーロッパに広まった、とありました。やはりサンタ・マリア・ノヴェッラの王妃の水がフレグランスとしては最初なんですね。この4711の後にフランスではゲランがオー・インペリアルを作ったようです。
香りはとても軽く持続力もありません。一時間もしないうちに消えていきます。夏にバシャバシャ使いたい香りです。最初にベルガモットの香りが強くきて、それが徐々に消えていく感じで香りの変化もあまりありません。ただやはり香り自体は上品なため、老若男女使えそうで、この香りを嫌いな方はいないように思います。
無くなったら大きいサイズを購入したいと考えています。王妃の水やオーインペリアルなんかと香りの系統は一緒ですが、どちらも持ってはいないため比較することはできませんが、いつか夏にこれらのコロンをつけ比べて香りの違いを楽しみたいですね。贅沢な遊びだ。笑
写真はアイフォンに写りきらなかったケルンの大聖堂。ケルンという街に興味を持ちました。
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・2,200円発売日:1792/10/8
2020/12/30 11:28:31
付けた直後しか香らないので、香水としてではなく香り付きのアルコールとして使用しています。
これをコットンに含ませて耳を拭いたり、綿棒に付けておヘソの掃除をしたりすると気分もスッキリします。
蒸しタオルに垂らして閉じた目の上に乗せるのもオススメ。
使い切る前になんでも試したくなるタイプです! 続きをみる