2024/11/6 16:25:15
発売当初、本国およびヨーロッパで空前のヒットを飛ばした『ラヴィエベル』ですが、現在に至ってもその人気は衰え知らずのようで海外のレビューサイトでも悲喜交々、様々な楽しいレビューが投稿されています。
付けたては梨の香りも相まって、お茶系のようなフルーティで爽やかな甘さから始まります。
ミュグレー のエンジェルの40倍とも言われるエチルマルトールが投入されているそうですが、あの鼻に突き抜けるような、冷たいキーンとするような甘さはありません。
しばらく経つとアイリスのパウダリーとパチュリの渋みが現れて、この辺りはココ マドモアゼルを彷彿させます。
ラストはキャラメルやバニラ、蜂蜜のような甘さをパチュリが通奏低音のように支える形になり、グルマン系の名に恥じない美味しそうな香りが続きます。
近年の作品ではラストノートを手を抜いたものが多い中、ラヴィエベルは心地よい余韻を保っています。
大変良い香りで、十分に美しい香り。
でもこの時代の寵児というか、逆に言うとこの時代が過ぎ去れば途端に時代錯誤と捉えられるかもしれない危険な香り。
美食派始祖のエンジェルが再処方されたとは言え、個性的でユニークな香りで未だ新鮮な驚きを与えて時代を超越している様子とは違う。
ルカ・トゥリンをはじめとする批評家が指摘しているのはそういう部分だと思う。
でもこの美しい香りを非難するのは酷というもの。
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2023/6/15 05:39:03
これほど新鮮で瑞々しく、心沸き立つ
出だしは近年稀だ。
ジンジャーとシトラスの美しい高揚感。
徐々に現れるチュベローズの謙虚で
清潔な佇まい、それまでのチュベローズの
イメージを覆す素晴らしい技法には
目も眩むばかり。
だがその驚嘆も開始から二三時間でやって来る、
ラストの嫌味ったらしいくニヤけた
サンダルウッドの登場で終わりを告げる。
肌に残る不快な香りには我慢がならない。
クリスティーヌ・ナジェルはジンジャーと
チュベローズに心血を注ぎ、だいぶ苦心した
ようだが、ラストはおざなりとしか言いようがない。
例えるならワーグナーのトリスタンとイゾルデを
第三幕だけアンドリュー・ロイド・ウェーバーが
作曲したようだ。
ミドルノートまでなら傑作なのに、非常に惜しい。
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2023/6/13 10:08:54
初めてルルを嗅いだ時、思わず
頬が緩んでしまった。
何故ならそれまで見てきたレビューには
匂い付き消しゴムだの、粘土だのと
書かれていて、それがどんな香りなのか
今ひとつ想像出来なかったのに、
実際に嗅いでみるとそう表現するのが
至極真っ当で、その通りの香りがしたからだ。
甘いプラムに濃厚なホワイトフローラルが
重なると、確かにディオールのプアゾンを
彷彿させる。
でもそれだけではない。ルルには無意識的に、
無邪気に悪徳に踏み込むきらいがある。
本人は何でもないのに、周辺の人間が
どんどん狂っていく。
ヴェーデキントの戯曲、ベルクのオペラ、
パープストの映画に描かれた主人公ルル
そのもののように。
残香と拡散は中程度。以前のルルはもっと
強かったらしく、近年の処方では改められ、
それを嘆く声は海外でも多いが、
幸いなことに私は以前の香りを知らないし、
今の香りでも十分可愛らしくコケットリーだ。
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2023/6/2 17:27:29
キャシャレルというのは一体どういう
ブランドなのだろうか。
シャネルやディオールのような高級服飾店では
ないし、ゲランやキャロンのような
グラン・パルファンでもない。
ましてや昨今無知な馬鹿どもが有り難がる
ようなニッチ・ブランドでもない。
それなのにアナイス・アナイスを始めとして、
ルルやこのエデンを世に送り出した
不思議なブランド。
エデンはあきらかに私たちが知っている
楽園ではない。旧約聖書に書かれた
楽園追放の楽園でもない。
これは別の惑星の熱帯雨林の香りだ。
見たこともない果物が生い茂り、
極才色の花が咲き乱れ、巨大な緑樹は
天も覆うほど。
しかも常に雨が降っており、しとどに濡れている。
どこかで鳥が叫んでいるようだが、それも
私たちが知っている鳥ではないだろう。
これほどの香りになると、いちいち
トップノートは何々の香りから、
ミドルは何々、ラストは何々に至る…
などというつまらない説明は不要になる。
あらゆる香料が渾然一体となって
未知なる密林へと嗅ぐものを運ぶ。
強い香りだから下半身に付け、
立ち昇ってくる香気を嗅ぐのが
最上の楽しみ方だろうと思う。
間違っても露出した場所に付けるべからず。
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2015/7/13 23:03:38
まずまずのいい匂い。
でもこれを買う理由はある?答えはNO!
これを愛用する理由はある?答えはNO!
香水はまず、良い香りではなくてはならない。
そういう意味ではこの
『ランスタン ド ゲラン プールオム』は合格。
そしてもう一つ、香水には絶対的な個性が欲しい。
この時点でランスタン オムは完全に失格。
ただのいい匂いの水では価値がない。
このランスタン オム、最初の新鮮な柑橘は
シャリマーを思い起こさせる意外なトップ。
でもミドル以降は何だろう?
どこにでもありそうな男性用のウッディ調。
チョコレートやパチョリが使われているそうだが、
なんとも貧相なウッディの香り。
しみったれてどこでもありそうな匂い。
ゲランの公式サイトの紹介文では
「男性がイニシアチブを取り、すべてが変わる
特別な一瞬を表現しています」とあるが
笑止千万。
ボトルも自慢するほど美しくはない。
ただの瓶。
『アビルージュ』『ベチバー』にある揺るぎない個性。
そういうものはこの香水にはないけど、
悪い匂いでは無いから貰い物なら使ってもいい。
自分では決して買わないけど。
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- モニター・プレゼント (提供元:知人)


30ml

