新真昼さんのゲラン / ランスタン マジー オーデパルファンへのクチコミ |
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2023/12/29 19:58:14
誰しも気分が落ちるときがある。そういうときはこのランスタンマジーの香りを試してみてほしい。発売は2007年、ちょうどゲランが専属調香師不在だった時代だ。当時ゲランのフレグランスディレクターを務めていたシルヴェーヌ・ドゥラクルトの下、シムライズ社のランダ・ハマイによって世に生み出された。現在の価格だと75mlで税込18,590円。公式サイトからなぜか外されてしまっているが、ラインナップにはしっかりある。
淡いパウダリーピンクの香水をスプレーしてみる。スッと鼻に抜ける冷たいアニスとツンとしたビターアーモンドが香る。それからすぐに香りはふんわりボリューミーなホワイトムスクに支配される。ランスタンマジーのホワイトムスクはゲランで「ムスキナーデ」と呼ばれている配合で、他のゲランの香水で言えばクルーエルガーデニアにも採用されている。パウダリーではあるが過度な粉っぽさやソーピーな印象はなく、肌にしっとり馴染む甘さが特徴的だ。
そんな柔らかく甘いホワイトムスクの雲に、ときおりピンク色のローズや黄色いフリージア花粉ぽい香りが顔を覗かせる。フリージアのニュアンスが少し強めかな、香水の色のイメージとぴったりだ。ここのふんわりしたフローラルムスクの香りがたまらなくいい。特に、心が弱っているときにより一層心地よく感じる。なぜだろう?パウダリーな香り=白粉、ベビーパウダーというイメージからか。まだ赤ん坊だった頃、母親と触れ合った思い出を無意識のうちに思いおこさせるからなのだろうか。
優しく包み込むようなホワイトムスクに、これまたパウダリーでほの甘いトンカビーンと、少々のシダーウッドが加わってドライダウン。ムスク主体のためか持続はかなりよく7、8時間といったところ。肌近くで長く香り続ける。
どこまでもムスキー・フローラル・ウッディの香りが優しく続いてくれるランスタンマジーは、個人的には寝る前に付けたくなる香水の筆頭だ。
「今日は嫌なことがあったなぁ」と感じたら、思う存分ランスタンマジーを浴びてから寝るといい。パウダリーなホワイトムスクの香りがあなたを癒してくれること請け合いだ。起きる頃にはきっと笑顔だ。
あなたに元気を取り戻してくれる魔法、ランスタンマジー。
トップ:ベルガモット
ミドル:ホワイトムスク、ローズ
ベース:アーモンドツリー、トンカビーン、サンダルウッド、シダー
調香師は、ランダ・ハマイとシルヴェーヌ・ドゥラクルト。
(fragranticaより)
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