新真昼さんのゲラン / アクア アレゴリア マンダリン バジリックへのクチコミ |
---|
2022/5/6 18:48:04
2007年の発売以来、一度もアクアアレゴリアのラインナップから外れたことのないマンダリンバジリック。シリーズのNo.1としての立場はペラグラニータに譲ってしまったようだが、その人気はいまだ顕在で、今年のリニューアルの波も当然のように乗り越えた。外観の違いやリフィラブルになっただけでなく、シリーズ全てがビーツ由来のアルコール使用になったそうだが、果たしてリニューアル以前のものと香りは同じなのだろうか?
シュッとひと吹きすると、甘酸っぱくてみずみずしいマンダリンオレンジの香りが拡がる。そうそうこれこれ、これがマンダリンバジリックだ。頬張ったら果汁が滴り落ちてしまいそうなほどジューシー、とても嗜好性が高い。奥から少しだけ香るバジルとアイヴィーのスパイシーグリーンが、よりナチュラル感を添える。
トップが続くのは5分ほど、みずみずしいマンダリンの香りは酸味がややトーンダウンして丸くなっていく。ネロリのフローラル感が出てきたせいか。原色のオレンジに、少しホワイトが混ざってまろやかなペールオレンジの色に変わるイメージ。ここの香りが2時間ほど続く。
ドライダウンになると、色褪せたオレンジの残香に、粗いサンダルウッドとアンバーが加わって半ば強引に香りをまとめていく。このあたりは香調が崩れていく印象が強いが、アクアアレゴリアはゲランとしては安価なライン、多くを求めてはいけないだろう。ドライダウンは1時間ほどであまりしつこく残らないため、付け直しをしても邪魔にはならない。甘酸っぱいシトラスを主役にしたフレグランスは、日本人なら嫌いになる人は少ないと思う。
今回リニューアル品のレビューをするにあたって旧品と比較してみたが、旧品はリニューアル品よりバジルやアイヴィーのグリーン感が強めに出ているように感じ、マンダリンのみずみずしさはリニューアル品の方がダイレクトに感じやすくなった。リニューアル品は「マンダリンバジリック」というより「マンダリンマンダリン」。このあたりは大衆の好みに迎合した結果かな。ただ、トップのオレンジの嗜好性が高い分、ドライダウンの粗さは気になる。
値上げというわかりやすい変更にばかりフォーカスされがちだが、新旧香りをよく比べてみると面白いかも。
トップ:クレメンタイン、ビターオレンジ、オレンジブロッサム、グリーンティー、アイヴィー
ミドル:マンダリンオレンジ、バジル、カモミール、ピオニー
ベース:サンダルウッド、アンバー
調香師は、マリー・サラマーニュ。
(fragranticaより)
- 使用した商品
- 現品
- 購入品