しべたんさんの資生堂 / シャワーコロンへのクチコミ |
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:- (生産終了)発売日:-
2019/7/5 08:47:21
「私たち世代を、大人の入り口に誘った香り」
香り好きの人たちの間で時折話題になる、「自分自身の最期に、棺桶に入れてほしい香水。」
私はこれかな。資生堂シャワーコロン。とはいっても、極めて残念ですが、もうボトルすら残っていないです。
使っていたのは15歳〜18歳位?(1980年代前半)
町の化粧品専門店で買ってた記憶があるなぁ。
本製品はおそらくリニュしたのち廃番になったのですが、おそらく私世代の多くの方の記憶に残っているのは、昭和50年代に販売されていた、本体が楕円で中央に刻みがあり、フタ部分に象嵌調の意匠が施されているボトルではないかと思います。
フタの意匠は、資生堂シフォネットシリーズともちょっと共通するイメージがありました。
ネット上では今も沢山の画像がヒットします。
そのボトルはその頃の私たちにもちょっと古めかしく(70年代調?)、しかもどちらかというと渋くてメンズアイテム的な辛口デザインで。でもそれだけに何か物凄く「大人のアイテム」という感じでドキドキしたのを覚えています。
私が使っていたのは「フレッシュライムの香り」だったかな。いい香りでした。
シトラスのシングルノートに近く、本当にシンプルの極みですが、だからといって自分自身で精油(果皮油)のアルコール希釈・熟成等で再現できるかといえばきっとできないような気がする。あの、何ともいえない香り、記憶に残り続けて消えない香り(←なんだかミツコのキャッチコピーみたいですね)、あれは本当に不思議な・・・日本ローカルとはいえ時代を象徴するひとつの代表的な香りでした。
高校時代、クラスの殆どが使っていたのではないかなぁ。
アトマイザーに移して付け直してたけど、持続力は0に近かったですけどね(笑)
トップノートだけで構成されているようなもので、今考えると単なるリフレッシュアイテム、フレグランスとしての体もなしていないようなあの香りがこんなに忘れがたいとは、原体験的なものは強烈であるとともに、香り自体もやはりシンプルでありながら素晴らしかったのだと思う。
なお、自分から能動的に香りを纏うようになるというのは、もう実質すっかり大人の証です。理由は説明する迄もないけど。高校生ともなれば本当、99%大人ですよね。
子供時代のイタズラとかを除いて、「この香りを纏ってもっと魅力的な自分になりたい」と自発的かつ自覚的に初めてフレグランスを付けた日が、私は、実質の「成人式」だと今では思っているのですが、その自分史のなかでも極めて重要な瞬間を、正確にはいつだったのかは全く覚えていなく残念です。でも、15歳頃には間違いない。
たしか精神科医の斎藤学さんが「人は15歳で成人」説を唱えていたと思うけど振り返ればこの事例ひとつとっても正にその通りだと感じます。
実家には、ティーン用デザイン(当時の)に変にリニュしてしまったボトルはひとつ残っています。「すずらんの香り」だったかな。でもあれは全く愛着がわかない・・・皮肉なものです。
(でもその後また旧ボトルに戻ったという情報もありますね)
今でも復刻再販の希望が後をたたない本製品。本当に、限定商品でもいいから、そしてできればボトルの意匠も出来うる限り忠実に復刻して発売してくれたらなぁと思いますね。
年数を考えると資生堂内部も世代交代して、当時の資料が仮に残されていようとも難しい話でしょうけれども。
さて、シャワーコロン卒業後の数年の後には、外資の・あるいは資生堂香であっても海外調香師の手による芸術的かつ華麗あるいは豪奢な香りに魅了され(いくつかは思い出クチコミもしています)、遍歴を重ね、すっかり「すれっからし」になっていくわけですが、「人生最初のパートナー」たる本製品の存在感は、それらをある意味遥かに凌駕しています。この、シンプル極まるワンノートの香りが。
星をつけるとしたら、7?
いや、「無限大∞」かもしれないですね。
資生堂の香粧品史のなかでも白眉の名品。
思い入れが深すぎて中々書けなかったクチコミを、やっと書けました。
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