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doggyhonzawaさん
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セルジュ・ルタンス / フェミニテデュボワ (Feminite du bois)

セルジュ・ルタンス

フェミニテデュボワ (Feminite du bois)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・14,300円 / 100ml・22,000円発売日:-

7購入品

2014/1/24 00:42:07

「自分が本当にうっとりとするような香りは、どこを探してもないんじゃないか?」
「たとえ見付けたとしても、それが周りからよいと思われることはないんじゃないか?」
「ならば、自分は何のために狂ったように香りを探し続けているのだろうか?」

二律背反である。二つの相反する推論が、等しい合理性・妥当性をもっている。そしてそれゆえに自己矛盾に陥っている。堂々巡りである。ドグラ・マグラだ。

そんなとき、この「フェミニテ・デュ・ボワ」に出会った。一瞬、息が止まった。

これまで味わったことのない香り。冷たく、清々しく、たおやかで静謐な、とても美しいウッディの香り。

プロデュースは、資生堂で1980年から20年間イメージクリエイターをつとめたセルジュ・ルタンス。調香は、ルタンス自身の右腕とも言うべきパフューマーのクリストファー・シェルドレイクと、ダビドフの「クール・ウォーター」やディオールの「ドルチェ・ヴィータ」などを手がけたピエール・ブールドンによる合作。

「フェミニテ・デュ・ボワ」。その意は「木のフェミニティ」。言いかえれば、「木のもつ女性らしさ」。その名のとおり、女性用フレグランスでは珍しいウッディノート。

初めての出会い。何の前知識もないまま。

トップ、付けたて2分まで。品のいいウッディ香が鼻の奥を刺激する。ウッディがトップでくることに少し驚きつつ、このあと濃くなるんだろうなと警戒。鉛筆っぽさも少なく、樹脂の清涼感も少ない。ややひんやりとしているが、固くて上質な木のイメージ。ローズウッドっぽいかなとも。

2分後。奥から出てくるややスパイシーな風合い。あれ、今頃、針葉樹系の清涼感?ん、ちがうな、これは調味料系スパイスだな。きつくはないものの、空気を押し広げるようなじんわりした重みが少し感じられる。けれど、下の方で先ほどのまろやかなウッド香も同時にしている。

そして10分後  「!!」
驚きの展開。スパイスのデクレッシェンドとともに現れたのは、バイオレット(スミレ)と淡い葡萄のような香り。ほんのり甘く、けれど暗く静かな、冷たいフローラル&フルーティ。このバランス!「目を疑う」という言葉があるが、自分の鼻を疑った。

まろやかで、けれどすっきりしたウッドの香り。その上にそっとベールをかぶせたような、淡いバイオレットフィズの風味にも似た、やや内省的な紫のフローラル。なんていい香り。なんていいバランス。静かで、落ち着いていて、すっきりと透明で、優しく時間がまどろむような、儚く直線的な香り。

それがずっと続く。オードパルファンだけれど、いたずらに濃い香りをこれでもかと自己主張するのではなく、柔らかく長くたゆたう。ほの暗く、涼やかに。

ずっとこの香りに包まれていたい。男であることも、自分の年齢も、顔や体型も、社会的地位や立場も、全くこの香りの前では意味をもたない。気にする必要がない。この美しい香りをいつまでもかいでいたい。この香りにずっと染まっていたい。久々にそう思える香りに出会ったことをはっきりと知った。

自分の印象を確かめるべく調べまくる。香りの構成は、ピラミッド型三段階ではなく、どうやら2段階。ミドルとラストが似ている変調子。どうりで同じ香りがずっと長く続くと感じたわけだと納得。構成は諸説あるようだが、大体次のように感じた。

トップ:アトラスシダーウッド、ジンジャー、クローブ、カルダモン、オレンジブロッサム、
ミドル:アトラスシダーウッド、プラム 、ピーチ、バイオレット、ローズ、ハニー(蜜蝋?)
ラスト:アトラスシダーウッド、ムスク、サンダルウッド、ベンゾイン、ヴァニラ

特筆すべきは、トップからラストまで、ずっとアトラスシダーウッドが優しいウッディを香らせていること。その音階と混じり合うことなく、もう1つの音が、スパイス〜フルーティ・フローラル〜オリエンタルへと変化していくような。つまり、混じり合うことのない上下のハーモニーが、絶妙なバランスで平行線を紡ぎ合っているような印象。

わかった。だから、突き抜けたんだ。

二律背反。「自分の一番いいと思う香りを見つけたい。」「自分の見付けた香りを人にもいいと思われたい。」相反すると思われた2つの欲望は、セルジュ・ルタンスの魔法の前に瞬時に消滅した。2つの思いは常に同次元に同列で存在していい。いわんや、それらが交わる事なき、平行線であったとしても。自分という存在同様、香りもまた「自分の絶対」であり、「相手の相対」という実存なのだから。

答えの1つをフェミニテ・デュ・ボワで見つけた。俺は、この香水に包まれている自分自身をこれまで以上に自己肯定する。たとえ君がこの香りを否定しようとも。

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Puredistance / WHITE

Puredistance

WHITE

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

7購入品

2019/12/8 12:29:34

ピュアディスタンスのホワイトを知らなければよかった。この香水に出会わなければ、今も目の色を変えて世界中の香水を集めまくり、あれこれ試してはあーだこーだとくだらない能書きを垂れることに夢中になっていただろう。でもこの香水と出会って変わった。もうそんなにあれこれ探さなくていいかもしれない。そう思うようになった。だからちょっとだけこの香水に対する思いは複雑だ。この香水はあまりに美しくて少し哀しい。

ホワイトの第一印象は驚くべきものではなかった。初めて手首の内側にのせたとき、「柔らかくて、とてもなめらかで、どこかでかいだことがある香りだな。」と思った。静かに始まって、一日中ほんのり甘いパウダリーフローラルな香りが鼻を喜ばせ、自分の周りだけが特別な白いヴェールに包まれたように感じた。賦香率38%はすごすぎる。付けた手首をハンドウォッシュで洗ってもいい香りが残っているほど。この香りをウェディングドレスに例える方が多いのも頷ける。永遠の白。永遠に続く幸せ。欧米では、結婚される女性にプレゼントする方も多いと聞く。わかる。この香水はあまりに美しくてやさしい。

ホワイトの香りに包まれていると、どこか近くで聞こえないくらいの美しい音色が優しく鳴り響いている。そんな感じがする。まるで一流の交響楽団の音出しのようだ。弦楽器が静かにフェードインして、個々の楽器の高さでチューニングをはじめる。やがて木管や金管が唇の湿り具合と空間の響き具合をみるようにゆっくりと楽器に空気を送りこむ。あの静謐で、まろやかで、上質な音空間にふわりとそよぐノーブルな香りだ。あるいは幼い頃に添い寝してくれたあたたかな母の匂い。この香水はあまりに美しくてほんのり切ない。

きっとこれを創った人はとても優しい人だ。ホワイトの香りをかぐたびにそう思うようになった。そのシームレスでどこまでもスムースな香料のシンフォニーに耳を傾けていると、いつしか調香師の魂にシンクロしていく。これを創った方は、とても繊細で傷つきやすく、それでもその分、弱い相手の気持ちをおもんばかれる人だろう、そう思う。調香はアントワーヌ・リー。少しワイルドな見た目の男性調香師だ。2004年にアルマーニコードを発表したことで一躍注目され、以後多くの作品を手がけている人気調香師。彼が一年をかけてじっくりと取り組んだ作品、それがこのホワイトだ。

だが、真に熱狂的な方は別にいる。彼のような人気調香師をして一年かけてじっくり納得いくまで作品を創らせ続けたピュアディスタンス社長、ヤン・エワウト・フォス氏だ。このホワイトは彼の情熱の賜物だと思う。アントワーヌ氏は、フォス氏の強烈な圧しと情熱に全身全霊で応えたのだろう、そう思う。本当にすごいのは彼だ。

フォス氏はこの世界にただすばらしい物を生み出したいと願うパッションの塊のような人だと思う。たとえ自分で調香はできなくとも、持ち前の感性で本物を明確にかぎ分けられる天性の芸術家なのだろう。そして最高の作品を創るためならつぎこむ資金にも糸目をつけないような。だからすごい香水ができるのは必然なのだ。彼がお金儲けのために香水を創っていないことは、その美しい化粧ケースに触れた瞬間からはっきり分かる。彼は仕事に一切の妥協を許さない方だろう。ピュアディスタンスはたとえサンプルセット一つをとっても、天蓋付きのふかふかのベッドに横たわった美しい宝石のように大切に大切に提供している。ボトルの箱の方には社長自らのサインを入れて。彼はそうやって作品に魂を注いでいる。だから、この香水はあまりに情熱的すぎてぐっとくる。

最高の調香師に最高の香料を与えて、何度も納得いくまで作品を創ってもらう。香水好きな方にとってこれ以上の喜びはないだろう。そして生まれた美しい香りを世界中の人に届ける。そこにあるのは拝金主義とは全く逆の志だ。それは愛を与える行為そのものだから。

興味を持たれたらホワイトについてぜひ調べてみてほしい。この香水に関しては、香料がどうだとかトップがどうだとか言うつもりはない。ただ、ただ、試してみてほしいだけだ。自分の肌から立ちのぼる世界最高クラスの香りを。そして感じてほしい。そのとき見える世界の美しさを。そばにいて微笑んでくれるかけがえのない人の大切さを。

一人でいてはいけない。一人心を閉ざしてうつむいていてはいけない。嫉妬や憎しみで心を黒くしてはいけない。あなたがこの美しい世界にいられる時間はとても短い。愛する家族、友人、恋人と手をたずさえ、心を抱きしめ、その笑顔とともに、あなたにはいつも笑顔でいてほしい。

ピュアディスタンスのホワイトはそう語りかける。この香水はあまりに美しくて、あなたが愛しい。

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Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン) / ライム バジル & マンダリン コロン

Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)

ライム バジル & マンダリン コロン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:30ml・8,800円 / 50ml・13,640円 / 100ml・19,030円発売日:- (2019/7/5追加発売)

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4購入品

2014/2/13 00:49:42

「なんか、何かが、もの足りない」このコロンをつけるたび、いつも何となくそう感じる。←生意気だな

そんなことを言うと、どこからともなく、「ノン!ノン!ジョー・マローンの個々の香りは、そもそも1つの完成形ではなくて、いわば素材ね。彼女は、『フレグランス・コンバイニング』という考え方を提唱していて、それは2つの香りをブレンドすることではなく、付ける量や場所などを自身で考えて、自由に重ねづけするというフィロソフィーなの。それによって初めて、個々の香りが唯一無二のオリジナルな香りを作り出すのよ」と、BAさんもどきな声が聞こえてきそうなわけだが。顔とか斜めにして髪かきあげたぐらいにして。←嫌いなタイプではない

なるほど、「フレグランス・コンバイニング」か。さすがTMマーク(商標)をとるだけのことはある。おもしろい。

「それはまあ、わかるんだよな、でもなあ」とまたまた手首に付けた「ライム・バジル&マンダリン・コロン」の香りをかぎながら思う。

トップ。つけたて2分、酸味も苦みも強くないけれど、シトラス独特の高い香り。ライムの果皮を指で傷つけると、唾液の出そうな酸味と苦みが味わえるけど、あの独特の風味ではないな。オイルだ、まさに。高音で、天然洗剤に使用できそうな高純度のシトラスオイルの印象。ギターの手入れに使うレモンオイルっていうのがあるけど、あれをさらに蒸留かなんかして、純度を高めたような香り。

そして同時に下からあふれ出てくるお湯っぽい香り。んー、なんだろこれ?名前のイメージからバジルの「味」をイメージしていたけれど、ふだん調味料として口にしているバジルの香りとは思えない。何というか、お風呂上がりの何かの匂い。水が蒸発するときの、すこーしだけ雑味やカルキがまじったような湯気の匂い。そこにドライで甘みのないシトラスと、ちょい清涼感のあるハーブを1滴ずつたらした感じ。

つけてから2分で、高音域のライムオイル的な香りはどんどん揮発し、次第に強くなるグリーンな香り。淡いけれど、清潔感のある優しい香りだ。ほんのりとだが、甘さも出てくる。このあたりでマンダリンオイルの香に移っていったか。そして、10分もしないうちに、少し清涼感のあるうすいグリーンな香りに落ち着き、あとはそのままのテイストでドライダウン。

日によって30分で跡形もなく消え失せてしまうこともあれば、4時間以上うっすらとスッとしたグリーン香が鼻をかすめることもある。ライムもマンダリンもバジルも、素材としてはトップノートの素材なので、消えていくのが早いのはいたしかたなしだけど。

うすれていく香りの余韻を味わいながら、頭の中でまだ考えている。

うーん、やっぱ何か、もの足りない。単品じゃよさが味わえないとすると、いくつか持ってないと意味ないな。でも、ジョー・マローン、値段高いしな。30mlで7000円として、そしたら、コンバイニングのよさを楽しむためには最低2本は必要だから14000円かー。でもこれ、コロンだよな。いい香料使ってそうだけど、薄いからコスパ悪い。んー、単品じゃやっぱだめなんかな?大体コンバイニングって言ったって、身の回りにはもともといろんな匂いがあるんだし、だったらさ・・・・、あっ。

そうか!

急に瓦解する。そうだ、いいんだ、別にコンバイニングしなくたって!この香りに感じた「もの足りなさ」は、それゆえに、日常生活のさまざまな匂いにも調和していくはず。

例えば、食事中。確かに合う。もともと全て食べられる素材から抽出している香りのせいか、この香りは食事中も邪魔にならない。それどころか、軽く食欲をアップさせてくれる印象。

例えば、女性の身支度。シャンプーやヘアケア製品の混じった髪の香り、メイク用品の各々の香り、そして、ボディークリームや洋服の柔軟剤の香り。考えてみれば、女性は男性の何倍もの香りを当たり前に身に纏い、もともと複雑な香りを放っているはず。そこにこの香りが混じっても、ぶつかり合うことなく、邪魔になっていない印象。

そう考えたとたん、ジョー・マローンのすごさ、女性としての繊細な感覚に少しだけ触れられたような気がした。

「ライムバジル&マンダリンは、あなたのすでにまとっている香りにすっと合わせていきます。あなたの日常の香りになじんでいきます。だからこそ、最小限の構成なのです。」

そんなメッセージが聞こえたような気がした。

だからこれは単品でも使える香りだなと思う。なぜなら、日常のさまざまなシーンに、自動的にコンバイニングしてくれる種類の香りだと感じるから。

この香りは、「もの足りない」。そして、だからこそよいのだろう。「足るを知る」者にこそ作れる香りだから。

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ゲラン / ランスタン マジー オーデパルファン

ゲランゲランからのお知らせがあります

ランスタン マジー オーデパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:30ml・9,350円発売日:2007/10/12

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6購入品

2020/12/26 09:14:39

女性は、ある日突然天使になる。美しく変貌する。それは緩やかな変化ではない。「キレイになりたい」本気でそう思った瞬間、願いはかなう。美の女神は突然、天空から舞い降りる。

ゲランのランスタンマジーの香りを嗅いでいると、そんな戯れ言も信じたくなる。整形とか吸引とかそういうことだけではない。女性が本気で「美」を目指したとき、その心や体に起こる変化は本当に劇的だ。「これが自分?」と思えるほど美しくなることがある。そして世界が今まで以上に光輝く。ランスタンマジーの香りは、女性にこの上なく優しいパウダリームスクな銀の粉を振りかける。キラキラとまるで魔法のように。

ランスタンマジーは、香水帝国ゲランの転換期に香水開発ディレクターに就任したシルヴェーヌ・ドゥラクルト女史が、シムライズの女性調香師ランダ・ハマミと共に2007年に作ったオーデ・パルファム。香水作りの秘伝秘法が、ゲラン家出身の一人の男性調香師だけに託されてきたかつての伝統を打破し、チーム力と女性の力で作った香水として異色の作品。テーマは「女性の夢がかなう瞬間」。一時廃盤となったが、現在はビーボトルで復活している。30mlで税込9350円。

夢を現実にするともいわれる香水、ランスタンマジー。それはどんな香りなのか?

ランスタンマジーをスプレーする。その瞬間、肌の上に冷たい清涼感あるアニスの香りが広がる。アニスの香りはキッチンスパイスの八角そのもの。クールで知的な女性の印象。ただし冷たくはない。明るい酸味豊かなベルガモットが輝きを添えているからだ。スッと心に沁みこむスッキリ透明感あるトップは、洗練されたフェミニンを感じさせる。

5分後、シトラスとスパイスが消失するにつれ、やや明るいフローラルグリーンな香りがしてくる。クレジットによれば、フリージアの黄色い花の部分だろうか。すぐにミモザやヘリオトロープ系の甘くパウダリーな花粉っぽい香りが重なってくる。とても重層的でロマンティックな雰囲気になる。甘くかぐわしい黄色と白の香り。アニスのスッとする清涼感も残しつつ、華やかさが徐々に増してくる。

10分後、香りはまた変わる。フローラルの核が、温かみあるドライなスパイシーカーネーションになってくる。そこに、キリッと苦いテイストがどんどん主張してくる。これはビターアーモンドの香りだ。温度は上昇し、情熱的に温かみを増してくる。まるで何かに夢中になって、一途にそれを追いかけているようなスパイシーフローラル。それは仕事?恋?それとも自分磨きだろうか。

そして。ランスタンマジーはこのあとがすごい。つけて20分後、はっきり驚く。

黄色いミモザの甘い花粉香、赤いカーネーションのスパイシーフローラル。それらが減衰するにつれ、とんでもなく優しく、ふんわり柔らかい白いパウダリー香が出現する。それはもう、お風呂上がりの赤ちゃんの肌に、ふわふわのパフでぱふぱふしてあげるベビーパウダーの香りそのものかと思うほど。この「ふわふわのパフでぱふぱふ感」が悶絶級。ドラクエのぱふぱふ娘も真っ青。(←は?)これはもう赤ちゃんの香りというよりママの香り。母でもお母さんでもない。どこまでも優しく柔らかな愛に満ちた理想のママの匂い。ママパウダー。

ランスタンマジーは、このミドルのむせ返るパウダリーな香りが真骨頂。そこまでの変化も劇的ですばらしいが、ミドルから訪れる官能的な、苦いアーモンド&甘いパウダリーに撃沈する香り。アーモンド香は通常トップで出てくる苦みなのでラストに出てくるのは面白い。これがこの香水で開発したとされている「ムスキナーデ」のブレンドだろう。アーモンドウッドとパウダリーホワイトムスク。この泣けるパウダリー香が、8〜9時間ほども続く。

これは本当に女性が女性のために創った香りだと思う。ママと赤ちゃん。どんなに偏屈に育った人でさえ、この生まれたばかりの頃のミルキーでシルキーなパウダリー香は原初の匂い記憶として心の奥底に刻みこまれているもの。だから、男性もこの香りには果てしない郷愁を覚えてしまうだろう。これは安心・安全と愛情に包まれていた頃の、まっさらな繭の記憶の香りだ。

どんなにあきらめてきただろう。仕方ないって。どんなに髪で顔を隠してきただろう。人に笑われたくなくて。そんな人はランスタンマジーの香りに包まれるといい。この香りはいつもあなたを抱きしめてくる。誰よりも愛情深く、どこまでも優しく。「あなたはとてもかわいい。大好き。もっともっときれいになれるよ。」ママの笑顔のように。

その瞬間。銀色の濃密なパウダーがあなたを包む。転生の魔法。運命の瞬間が訪れ、空から女神が微笑む。

ランスタンマジー、光の粉に包まれて。女性は美しい天使になる。

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しべたんさん
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シャネル / ガブリエル シャネル エッセンス オードゥ パルファム (ヴァポリザター)

シャネルシャネルからのお知らせがあります

ガブリエル シャネル エッセンス オードゥ パルファム (ヴァポリザター)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:35ml・11,550円 / 50ml・16,500円 / 100ml・23,100円発売日:2020/4/3 (2021/7/9追加発売)

6購入品

2020/10/17 12:54:34

50ml購入。とても気に入ってます。2017年に発売された「ガブリエル シャネル」の派生であり、日本では今年の4/3に発売されました。シンプルで、明るく、透明感のあるホワイトフローラルの香り。ややフルーティなアクセントが添えられています。ラストまで香りは濁らず綺麗に消えていく。なお、オリジナルのガブリエルより私はこちらの「エッセンス」の方が遥かに好きです(個人的な好みであって、香りの優劣ではありません)。私にとっては、オリジナルのガブリエルの好きな部分だけを切り取ったような香りで、かなり愛用できそうです。

※このフレグランスの正式名称?は、「ガブリエルシャネル エッセンスオードゥパルファム」ですが、以下「エッセンス」と略します。

<香り>
シトラスやフルーツ、かすかにアクアティックさを含んだトップは数分ほどちょっとファッションフレグランス的ですが、ほどなくしてホワイトフラワーが花開いてくるとほどよい落着きと華やかさを兼ね備えた綺麗なフローラルブーケになっていきます。
エレガントで都会的洗練を感じさせる香りですが、お高くとまっていたりピリピリとした神経症的な要素はなく、心を明るくリラックスさせてくれる香り。

オリジナルのガブリエルと同じく主軸となっている4つの花:オレンジフラワー・ジャスミン・イランイラン・チュベローズは同じだそうですが、チュベローズがオリジナルの10倍強化されているとの事で、確かによく香ってきます。チュベローズ以外は渾然一体のブーケ調となって個々の判別はできない中、チュベローズはよく分かる。
(ここまで強化してもチュベローズによく含まれるモヤっとした雑味が無いのですが、その理由としてシャネルのチュベローズアブソリュートの抽出法が優れているからという、本フレグランスについて書かれた海外ライターの記事がありました。(フレグランティカ、2019/7/31のSophie Normand氏の記事:“Chanel, L'Essence: A More Voluptuous Variant of Gabrielle New Fragrances”)

ラストノートらしいラストはないまま、香りは徐々にフェードアウトしていく消え方です。
オリジナルの方が、ラストノートはかなり強め。私はエッセンスの方が好きです(何度も書きますが、純然たる個人的好み)。

拡散も比較的控えめで、扱いやすい香りだと思います。
年齢も問わないと感じます。
トップのみちょっと若いかな〜と思いますが、ハートノートはトーンが高すぎも低すぎもしない。重すぎず軽すぎず。若すぎでもマダムすぎでもない。チュベローズが主体だからといって無駄にセンシュアルすぎる事も全くない。昼でも夜でも似合いそう(仕事向きではないですが)。なんというかバランスの取れたニュートラルな香り。かといってキャラクターが弱いとも私は思わない。なんだか不思議な感じです。

<他>
ボトルと液色の色彩がオリジナルより濃い事で、オリジナルより重い香りと思われるかもしれませんが、実際にはオリジナルより透明感がある(しかし「薄い」わけではない)。

日本では緊急事態宣言発令の数日前の4/3に発売されたこともあって、存在を知らない方ももしかしたら多いかもしれませんが、ぜひ一度試してみて頂きたい香りだと思っています。
ここ数年の、全国全カウンターで発売された香りには、かなり辛口評価が多かった私ですがこのガブリエルエッセンスは久しぶりにとても気に入った香りでした。
綺麗めのスタイルで瀟洒な街を歩くにももちろん適している香りですが、私は仕事から帰宅して気分を切り替えてリラックスする為の用途にも今、大いに活用しています。
かねてから書いていますように、アロマテラピーとフレグランスを混同するのは好きではないのですけれど、チュベローズのリラックス作用や心を明るくしてくれる作用、あまりにそのまんまなので驚いています。

エフォートレスな香りであるガブリエルエッセンス。品質も良く汎用性が高く、今の時代の空気に良い意味で適合していて、中々おすすめできる香りではないかと思っています。

<画像>
右の画像は、オリジナルのガブリエルと並べてみました。キャップ・ラベル・液色とも「エッセンス」の方が濃いです。

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ナツメグジンジャーさん
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プロフィール
  • 年齢・・・59歳
  • 肌質・・・普通肌
  • 髪質・・・硬い
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・山羊座
  • 血液型・・・O型
趣味
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