2006/12/25 18:08:52
マタニティヨガに始まった私のヨガ人生。
キャンドルだけの灯りに、マントラの音楽。アロマの芳香浴をしながら暫し柔軟。
心の声を聞きたい夜・・・昔から長年慣れ親しんだこの香りを纏う。深く息を吸い込み、香りを全身で浴びる。・・・落ち着く。
冷静に自分の内側を見つめる事が出来る。
日本人の郷愁を誘う香りだろう。
初めて嗅いだ時、デジャヴュだった。元々私の身体の中にある香りだった。すぐに肌に馴染み、一体化した。
20代の頃は、好んで外出時に纏ったものだった。男性達も好きな香りだった。
・・・きっと彼らの心の故郷をも呼び醒ましたのだろう。
いつも見えない仮面を被り、頑張っている彼ら。無意識の内に、心安らげる母港を求めていたのだろうか。だから、この香りがフワリと風に乗って鼻腔を突き抜けた瞬間、この香りが港へと誘う道標となって彼らを港まで誘い、・・・辿り着いた瞬間、恋が始まってしまう・・・これは無理もないのだろうか。
「問題児ばかり落とす」香り。との口コミがあったが、まさにそう。巧い表現。
いつもこの香りを頼りに、私に甘え、依存しようと・・・手のかかる男達ばかりだった。
何故、この香りに執着するのか・・・
多分、これが資生堂の香りだから。子供の頃、愛用していた資生堂の石鹸の香り。コレクションして、大切にランジェリーボックスに忍ばせていたあの香り。資生堂の淡く香るシャンプーの香り。懐かしさが至り極まる香り。
・・・いつもいつもきっと淋しいのだ。だから、平和だった子供時代の香りを求めてしまう。逃避の如く。
今の私・・・この香りを外出時に纏う事はすっかりなくなった。
かつて沢山の甘えたがりの「問題児」達を一蹴してきたが・・・
一番の問題児は、私自身であったりして。何故なら、私こそがなかなかこの香りから卒業出来ないでいる。この香りに誘われて、まだ見ぬ港に辿り着こうとでもしているのだろうか。だからわざわざ瞑想タイムに纏うのか。
因みに。アメリカ男性陣には、軽く整髪料の香りと言われ(アジアのディメーターみたいだとも)・・・ヨーロッパの男性陣には、東洋的な香りという観点では興味を抱かれたものの、自分の彼女に付ける香りとしては、ノン。だった。
この香りは・・・問外不出で、ひっそり細々と守っていく。それでいいのかもしれない。
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2006/12/25 12:31:02
プラダ・・・かつて溺愛していた靴もバッグも洋服も・・・気づいたらプラダに関する物全てから遠ざかっていた。
数年経過したある時、プラダの下地を使う機会があり・・・意外な迄の優秀さに驚き、そしてコスメでのプラダとの再会を果たした。
大人の『性』の醍醐味を味わうには必要不可欠な香り。。。
プラダの、ミリマリズムを極めた「革新性」と「伝統や格式」との共存が、この香りに見事絶妙に反映。同時に底辺ではずっと、生々しく変化し続ける腐りかけの果実から放出される甘美な調べが、逃げても逃げても追いかけてくる。
アンバーが躍動する。ともすれば古臭い印象を与えかねないアンバー。これを新しい時代を切り開くパワフルでモダンな調べに一気に昇華させ、都会的でスマートな香りへと変貌。
一方、デシャヴュを思わせる不思議な感覚が全身を覆い込む。ノスタルジックな深みとえぐみ。香調は異なりつつも、この懐かしさは一見、かの名香、ロジェ・ガレや4711の伝統ある雰囲気を彷彿とさせる調べ。ナポレオンが溺愛したと言われるこれらの香り。しかし、現実の彼は、長い遠征の途上で自分が戻る迄の妻の入浴を禁じる手紙をしたためたという位の匂いフェチ。体臭がフェロモンだと言われる所以なり。
そう、この格式あるアンバーから・・・その中にチラチラ見える生の人間が棲息するゾクゾクする匂いが漂う。正統性ある香りに混じる生々しさ。ナポレオンの気持ちが分かる様な・・・
ベッドインの香りとして、プワゾンやゴルチェがよく挙げられるが・・・これらは最早、私には別の役割を果たす香り。
私には動物的なこのプラダの匂いがとにかくたまらない。同じ役割では、ゲランのサムサラも・・・これらの香りには、自らも異性をもその気にさせる東洋的な秘薬=媚薬が仕込まれているとしか思えない。
確かに若い頃はゴルチェやプワゾンで簡単に釣れてしまう。もっと簡単にならばSASO。
面白い位、それぞれの香りで男達のレベルが明確に分かる。SASOは未熟なオコチャマ、ゴルチェやプワゾンは俗の欲望剥き出し。サムサラレベルで、ようやく性の奥儀を魂のレベルで静かに理解仕合い、お互いの精神的繋りを深く再確認出来る相手に巡り会える。
プラダはこの観点からはサムサラレベル。私にはなくてはならない秘薬。人肌で暖まりたいこの季節には・・・特に。何かとてつもなく大きな物に守られていたくて・・・
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2006/12/25 08:47:52
男が話し出すほんの直前・・・
そう。発せられる言葉そのものが私の耳に届く直前、まずは喉仏が僅かに動き出す。
この「喉仏の微動」がたまらなく好きな私は・・・やっぱり変態かな。
白く逞しい太い喉が・・・その場合、女性なら耳たぶに相当するだろうか・・・恥じらう時には、微かにピンクに染まる。
身体は正直だ。
こんな男から、このデクラレーションのキザで澄ました香りが振り撒かれたなら・・・そのギャップに、思わず母性が無条件にうずいてしまう。
トップから辛口。キンキン響く。この響き、終始一貫。まるでカルティエのプラチナの輝きの様に、高貴な冷たさ。俗っぽさの無い、角ばった香りがトコトン主張。
ラストで柔らかく変化するヤワな香調ではない。寧ろ、ラストまで裏切る事なく鮮烈に聡明、いわゆる「出来る」男の香り。
メンズフレグランスで絶大な人気を誇るブルガリ等の香りの、周囲を優しく包み込む甘い抱擁はない。
逆に、広がりのある硬質な香りが、時には人を遠ざける。
私情を極力排除しなければならないビジネスシーンに最適。
40代以降のこなれた垢抜けた男性には見事ハマるだろうか。
しかし、私には・・・人生経験豊富なダンディなオジサマよりも・・・この様な香りこそ、20代、30代の未熟で若い男性に纏って欲しい。
年上女性と話して、緊張して、思わず喉が赤く染まってしまう純粋さを持ち合わせた年齢に。この香りで、懸命に自らの「純」で「ウブ」な面を打ち消そうとして欲しい。
きっと、そのうちに、この香りに寄り添う余裕が生まれて来るだろう。そして、この「余裕」こそが、大人の男の証。
見えない「迫」が構えられ、いつしかバランスのとれた綺麗な年輪を刻んでいく事となるだろう。
躊躇する事は無い。最近の、メガネがとてつもなく似合うスマート君なら、サラリと余裕で付けこなしてしまうのだろうな。
喉がピンクになるのは見逃さないけれど。
個人的にはこの香り、男性陣に譲りたい。仮に女性が纏ったならば、その女性から、激しく女性「性」を、それこそ根こそぎもぎ取る香りだろう。
ラストに近くなればなる程に逞しいのだから・・・この香りの様に、周囲を自ら離し、遠ざけ、キンキン響く硬質さが、更に体温の無い冷たさを助長してしまうだろう。
私達女性には、この香りとのクッションとなる武器、「喉仏」が無いのだから・・・
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2006/12/22 21:59:04
・・・あれ?・・・これは双子ちゃんですね。
超音波のモニターをホラ、と指差して、先生が言う。
え?・・・
プリントアウトされた写真をまじまじと見てみる。
・・・小さな袋が並んで二つ。
二回目の妊娠だった。
・・・決めていた。
双子のエピソードをモチーフとしたこの香り、ナエマを、私の一生涯を通じて守って行く香りにしよう。と・・・
薔薇が・・・あまりにも美しい。幾重にも広がりを見せる重奏的な協奏曲。
決して華やかだけではない。
多面的、かつ官能的な香り立ちからは・・・成熟した女の生涯の、酸いも甘いも映し出しす懐の奥深さが・・・
フルーティな華やかさが、牽引力を持ってして人を惹き付ける。
そして、バニラの安心感が、いつでもここに戻っておいでよ。と優しく囁く。
・・・同時に小気味良く加えられたスパイスが、何とも言えず悪戯。まさに、憎めないキュートで幼い天使。
通が思わず唸る香りだろう。
面白い。飽きない。
夢中になる。
探究したいその香調の妙技なり。
私の中では、薔薇と言えば、ティーローズ。
薔薇の金字塔たる風格と迫がありつつも、生の花びらを連想させる儚さや風靡さを合わせ持つ香り。
一方、ナエマの薔薇は・・・それは植物ながらも、実に「人」っぽい。
人なつっこい愛嬌に満ちると同時に、凜とした筋の通った貫徹した意志の強さ、そして優美なしなやかさと翻弄するエロス。
ティーローズが、ザ・ローズと謂わんばかりの生徒会長ならば、ナエマは、成績優秀ながら天真爛漫な先生泣かせのちょっぴり困ったさん。
だけど、手のかかる子こそ可愛い物で・・・原料もさる事、その香調が見せる見事な『天然』ぶりには天晴れ。
人は独りで生まれてくる。だけど、当然ながら双子はふたり一緒に順番で生まれてくる。
ならば片割れを失った双子はどうなるのだろう。
分身を求めて止まない我が子を見る度、強く生きて欲しい。それだけをただひたすら望む。
この私の思いを、ナエマに託し、もう少し彼女が成長したら、彼女のファーストフレグランスとして、そして、彼女の失われた分身の面影としてプレゼントしよう。
そして、私はこの香りをお守りとして・・・失った片割れと共に一生涯手放す事無く、彼女を応援する気持ち一杯にして守っていこう。
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2006/12/22 18:18:25
この香りと街ですれ違う度に思い出す、可愛い年下の女性がいました。
彼女の折れそうに細く長い手足と、このボトルが完全にシンクロしてて・・・
顔から溢れ落ちそうな位に大きな瞳、なのに決してキュートなイメージは全く無くて・・・
ただひたすらアンニュイでミステリアスな彼女の雰囲気と、この単なるオゾン系の香り立ちには終始しないパルファムの奥深さが妙に合っていて・・・
彼女の妖精の様な清らかさ、それと同時に、同性までもが惑わされてしまう妖艶さとの見事な同居を、この香りがより一層極立たせ、上手く表現してました。
この香りが彼女自身でした。
決して安くない香り。一つも狙ってない。下手な企みもない。八方美人な媚もない。上昇志向や空虚なポジティブさもない。
あるのは・・・ひたすら「純粋」
純情な幼さ。
コケティッシュで垢抜けた粋。
彼女を追いかける男性のなんと多かった事か・・・。私も彼女が大好きでした。
いつも必要最少限の言葉を選び抜き、そこから最大限のメッセージを、この香りと共に発していた。
香りの持つ威力、無言のメッセージを、嫌という程に思い知らされたものだった。
清楚で可憐。
壊れてしまいそう。
幻の様な存在。
守ってあげたい。
そう思って近づいて行く。
一瞬で彼女の虜になってしまう。
でも、気付いたら、彼女の芯の強さに此方が支えられ、励まされ、包容され・・・
すっかり立場が逆転してしまう。
次第に心地よい体温、温もりが伝わってくる。
安心する。
何もかも彼女になら委ねて大丈夫。
裏切らない香り。
ある日突然、前触れも無く、彼女は立ち去って行った。
残された私達の中で、彼女が置いていったこの残香だけが、キラキラと静かに輝いていた。
やっぱり幻だったのか。
でも、この香りと再会する度に彼女がいた事実を思い知る。
彼女と出会ったこの季節、毎年、この香りが何処からともなく、私の脳裏からひっそりと漂ってくる。
この香りがオゾン系だから・・・なんて単純な理由で夏仕様な香り。なんて解釈は短絡的過ぎる。
清潔で・・・裏には底無しの魔性を秘めた香りなのだから・・・
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