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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:75ml・13,750円 / 150ml・21,450円発売日:-
2022/7/2 10:07:00
アクアディパルマのフィーコ・デ・アマルフィは、熟れたイチジクにジューシーなグレープフルーツの香りを合わせたオードトワレだ。75mlボトルで税込15290円。
◎どんなとき、どんな人におすすめ?
・真夏に「すずしげな香り」ですっきりしたいとき
・フィグ(イチジク)系香水を試してみたい人
・気分だけでもイタリアのビーチリゾートに出かけて「真夏の楽園」感を味わいたい人
◎この香水のよさを3つあげるとすると?
・ブルーメディテラネオ(碧い地中海)シリーズ共通の美しく深みのあるブルーボトル。これは、シトラスの天然香料を多く使用している香水の劣化を防ぐ遮光的役割も果たしている。
・真夏のデイタイムに使える稀少な香水の1つだと思う。合成香が強いデオドラント剤や柔軟剤系でなく、ナチュラルかつフルーティー&クリーミーな香りで、周囲にすずやかな印象を与えやすいこと。
・シトラスの爽快感とフィグのみずみずしいジューシー感が同時に味わえて、オンオフ問わず使えるシーンが多いこと。特に香り立ちが淡くフルーティーなので、オーデコロン並につけても香害を起こしにくく、食事のシーンでも香りが邪魔しない点はポイントが高い。
●逆に「ここはどうかな?」と感じる点は?
・好みの問題だが、持続時間が短い点。AdPのこのシリーズは天然香料の割合が多く、しかもシトラスやフルーツ香に比重が置かれているので、持続時間は1〜3時間と短め。1日中香らせたい場合はタッチアップが必要。夏に乾燥するイタリアと違って、湿度が高い真夏の日本では、皮膚の汗や湿度によってはもっと香らない場合もあると思う。逆に、強い香りが長時間香るのが苦手な方にとっては使いやすいだろう。
〇香りの展開
フィーコをつけると、一瞬ほんのりクールな感覚が広がる。ミントを少しだけ合わせたような。これはベンゾインのシャープなスパイシー感だろう。すぐさま、後を追いかけるようにシトラスのスッキリした苦みが広がってくる。グレープフルーツのかん高い黄色の香りだ。
2分もすると、下の方からやや青っぽさを伴った、まるくてすずしげな香りが広がってくる。これがフィーコ、つまりイチジクの香りだ。
このイチジクの香りはなんともいえずまろやかで、ほんのりした甘さをもったフレッシュな果実香だ。少し湿った土のようなニュアンスをもつイチジクの葉の香りも伴っている。この果実&葉のブレンドバランスが絶妙。ほどほどにミルキーフルーティー、ほどほどに青い。地中海の太陽を浴びた緑の葉、その下の木陰といったイメージ。
つけて10分ほどで香りはミドルになる。かん高いグレープフルーツの酸味は消えて、しっとりジューシーなフィグの果実感&葉の香りになって、これがゆるやかに続く。持続時間は2〜3時間ほど。ラストはやや冷たいシダーのウッディを伴いながらドライダウン。
フィグ系香水といえば真っ先に思い浮かぶのが、ディプティックのベストセラー、フィロシコスやロジェ・ガレのフィグパフュームウォーターあたりだ。イタリア香水には「フィーコ」と名付けた作品が多いけれど、日本だとこの2品がよく知られていると思う。
この2つと比較すると
ロジェ・ガレのフィグは、ボディウォーターなので甘くてガーリーなフィグがあっさり香るイメージ。対してフィロシコスの場合は、クリーミーなイチジク果実の生感を際立たせた感じで、後半はココナッツ香が出て体感的に温度が高くなる。AdPのフィーコは、この2つに比べると、スッキリ透明感のある果実香と青っぽい葉のブレンドといったユニセックスな調香になっている。どれも夏に涼を感じさせるフルーティーな香りなので、好みで選ぶといいだろう。
イタリアのアマルフィ海岸といえば、人生で一度は訪れたい絶景ポイントとしても有名になった観光地だ。世界中のセレブがクルーザーで集まる風光明媚なエリアとしても知られている。断崖絶壁の斜面には色とりどりの美しいホテルや別荘が連なり、イタリアの燦々とした太陽を浴びて高級リゾートの雰囲気を漂わせている。海岸のいたるところにレモンの木々が生い茂り、レストランや土産店からは爽やかなレモンの香りが絶えず風に運ばれてくるという。
海が見渡せる高台のテラス、レモンの木の木陰で、とれたてのイチジクを食して喉をうるおす。それはなんと贅沢な時間だろう。
人生は短い。出会える人も風景も香水にも、限りがある。だからこそ、美しく尊いものと出会うことに自分の貴重な時間を全力で費やせるといい。
フィーコの香りにイタリアのアマルフィ海岸の風景が重なる。地中海の青い風が吹いている。心の帆を高くあげて、風をいっぱいにつかまえたら
いざセイリング。夏と香りを連れて旅に出かけよう。
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2022/6/25 03:51:36
英国の香水ブランド、ミラーハリスのティートニックは、同ブランド内でもトップセールスを上げているお茶系香水だ。50mlボトルで17050円(税込)。
◎どんな人、どんなときにおすすめ?
・慌ただしい日常に、さりげない優しさや癒しを求めている人
・人や自然との付き合い方に、穏やかさを大事にしている方。
・季節を問わず、ふっと力を抜いてリラックスして過ごしたいときに。
◎この香水のよさを3つあげると?
・天然香料をふんだんに使った、透明感ある優しい香り立ちであること
・複数のティーノートの組み合わせでトニックを作っているので、常に異なるお茶の香りが楽しめること。
・大女優ジェーン・バーキンから実力を見こまれ、シグネイチャー香水を依頼されたイギリス人女性調香師リン・ハリスの作品であること。
●逆に「ここはどうかな?」と感じる点は?
・しいて言えば持続性。3〜4時間ほどでドライダウンするので短めだ。淡いというほどではないが、天然香料多めの構成なので、それぞれの香料揮発が早く、香りは常に変化し続ける。日によって香り立ちも異なり、あきることがないが、最初から最後まで同じ香りでなければ、という昨今多いワンノート愛好家には不向きかも。
〇香りの展開
天然香料多めなので、つけた瞬間のトップの香りの感じ方はいくつかある。
・レモンの酸味が感じられ、明るいレモンティーの香りがするとき
・ベルガモットの爽やかな苦みが感じられ、ノーブルなアールグレイの香りがするとき
・ネロリのふんわりしたフローラルが感じられ、ハーブティーの香りがするとき。
天気、湿度、肌の乾燥具合、体温等によってもかなり異なるので、毎回香り立ちが異なって面白いトップ。
このトップのシトラスミックスは、かなり控えめなので3分もせずに消失する。その後はミドル。ミドルは自分の場合、意外にも毎回ミルクティーのような風合いになる。これは人によって異なるかもしれない。
フエギアのキロンボなどのような「甘い練乳」ではないが、ミドルでは明らかにミルクノートが感じられる。クリーミーではない。ミルクのヴェ―ル。そこに少しだけくぐもったスッキリしたティーの香りが寄り添っている雰囲気。
これがなんともいえず切なくて優しい。
とはいえ、ときにネロリのファセットかな?と思うようなゴムっぽい香りも感じられるので、まんまミルクティーではない。そこかしこに、スッキリ香ばしいマテ茶の風合いやら、甘い紅茶のコクやら、ほんのりチャイ風のスパイスやらが漂っていて、とらえどころがないイメージ。場合によっては、ジャスミンティーが出ることもある。試しに左右の手首につけてみるといい。おそらく香り立ちが左右で異なるはずだ。それくらい繊細で複雑な香気が幾重にも感じられる調香。この作品は、その時その時でいろいろなティーがふわふわと見え隠れするようになっている。
それでもミドルの香り全体の印象は、まろやかで穏やかなティーノートといった感じで、しっかりまとまっている。クリーミーなヴェールがかかった古今東西の銘茶のミックス。ちなみにちょっと湿度が高いときには、わりとスモーキー&スパイシーなティーが出やすいように思う。
ラストは早い。柔らかなヴァニラリィとスッキリした渋みを感じるティーと甘いムスクで終焉。つけて2〜3時間ほどでドライダウン。
ティートニックは、個人的にちょっと思い出のある香りだ。2019年夏、GINZA SIXの限定ポップアップストアで、店員さんといろんな香水についてお話させてもらった。ミラーハリスは前年のフエギアポップのように大混雑はしていなかったので、1つ1つ試していく自分に丁寧に応対してくださって、ゆっくり気持ちよく過ごすことができた。あのときは蒸し暑い夏だったので冷たいフローラルのカードジャルダンを購入したけれど、なぜかずっと心に残っていたのがこのティートニックだった。はい、ちゃんと買いました。
だから、ティートニックをつけるたび、BAさんのすずしげな笑顔をふと思い出す。柄にもなくブースにあった「サウンドドーム」なる謎の半透明の球体に頭を入れてはしゃいだのも、BAさんのホスピタリティの成せる業だったろう。
トニックという言葉には「明るく」や「元気にする」という意味もある。調香師リン・ハリスが育ったイングランド北部、グラスバレーが続く広大な土地を思う。吹き抜ける涼風。歴史を感じさせる瀟洒な街並。そんな中、仕事の手を休めて、ちょっとひと息入れるくつろぎのティータイム。今日は摘んだばかりのハーブを淹れて。
3時です。お茶にしましょう。
ティートニック。この香りは、またあなたを笑顔にしてくれる。
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:2017/3/1
2022/6/18 04:03:09
R fragranceのノーブルオーキッドは、和蘭の香りをイメージして作られた、女性に人気の高いフローラル香水だ。2017年リリース。50mlボトルで18150円。
◎どんな人、どんなときにおすすめ?
・特に30代以降の女性が使いやすい、落ち着いたグリーン系フローラルな香り。
・和装の「凛」としたたたずまいによく似合うと感じる香り。香水は欧米の作品が多いせいか、日本の着物に合わせられる作品は割と少ないように思う。そういう意味では貴重な和製フローラル。
・同時に、ラグジュアリー&シックなフォーマルシーンにも似合う。ラフな軽装よりも、背筋をスッと伸ばしたいときの使用によい。
◎この香水のよさを3つあげると?
・日本の蘭、和蘭の一種である「春蘭」の香りをイメージした稀有なフローラルであること。ユリやスズラン、ジャスミンと似ているようでいて似ていない、スッキリしたグリーン香とほんのりスパイシーさをもった花の香り。
・R fragrance Japanを立ち上げた日本人調香師、村井千尋さんの繊細な感性が感じられる調香であること。R fragranceのブランドに込められた「Rin(凜)」「Rich(贅沢で豊か)」「Rare(稀少性)」という3つのRが体現された香水。
・誰ともかぶらない、自分だけのシグネイチャーを求める方に似つかわしい香水。「これ」と惚れこんだら一途にその香りを纏い、自身の代名詞となる作品を探している方によく選ばれていること。
●逆に「ここはどうかな?」と感じる点
・好き好きと思うが、ボトル。R fragranceの香りはどれも調香のバランスが秀逸で、技術の高い調香センスを感じる作品が多い。ただスクゥエア型の同一ボトルは、ブラックラベルの幾何的模様が作品によって異なるものの、個々の判別がしづらく香りのラグジュアリーさに対してやや地味めに感じる。自身のシグネイチャーを所有する悦びも、もう1ランクあげたい。個人的にはシンプルなゴールドキャップに何か一つ細工でも、と思うのは贅沢か。
〇香りの展開
ノーブルオーキッドを肌にプッシュすると、最初にとてもみずみずしい感覚を受ける。ジューシーな洋ナシのような香りにたっぷりの水分、そしてグリーンな気配が広がる。その背後からすっきりしたややシャープな花の香りがしてくる。ユリのようでスズランのようで、けれどどこか違う。インドールが少し効いたジャスミンの柔らかなフェミニンが主張している。同時に強く感じるのは涼しげなライラックノート。この2つのフローラルに先述のペア―っぽいフルーティーさが効いて、さながら水辺に咲く可憐な花といった印象のトップ。
5分ほどすると、軽めにミックスされていたシトラスの揮発が終わり、グリーンフローラルが落ち着いてくる。と同時に花の香りがより明確になってくる。これは野に咲く満開の花の香りではない。この花は、水と緑があふれる自然の中でひっそり咲いている。けれどその立ち姿はすっと背筋が伸びて気高く、そして可憐だ。これがこの香水が表現しようとした春蘭の香りだろう。
香りの変化はそれほどなく、最初に感じられる花の香がずっと続く展開。つけて2時間ほどするとわずかなローズ、ひんやり感のあるライラックが薄くなって、ジャスミンの残香が強くなる。ラストは清楚なフェミニンが強調されてくるイメージ。ほんのりウッディと相まって、若々しくふんわりしたジャスミン香でフェイドアウト。ゆうに8〜10時間は肌にたゆたう。
ノーブルオーキッドの香りは、まるで一枚の風景画のようだ。この香水はメインの花香だけでなく、ウォータリーな青い気配、目に鮮やかな新緑のグリーンなど、渓谷の滝をイメージしたとされる自然の「背景」をも香りの色彩で表現している。そしてその中に、目を凝らさなければわからない小さな野の花を置いた。全体が一枚の透明水彩画のように描かれた香り、それがノーブルオーキッドだ。
蘭には多くの種類があるか、日本の春蘭は昔から野山に自生し、愛されてきた花だ。香りがよくて真っ白な種類もある中華春蘭に比べると花姿は地味で緑系が多いが、花言葉には「気品」「清純」「控えめな美」「飾らない心」など、どれも女性にふさわしい物が並ぶ。
林や森のめだたないところでひっそりと小さな花を咲かせる春蘭。それは誰のためでもなく、ただ自分の居場所で自分を咲かせる花。ノーブル(高貴)とは、まさにそうした姿を表現した冠言葉だろう。
渓谷に鳥の声がこだまする。霧がゆっくりと水面をたゆたう。さわさわと木々の緑が鳴っている。木漏れ日が揺れる。小さな花がゆっくりと開いてゆく。
高貴な香気が広がる。山の春蘭が 今 心に一輪咲いた。
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2022/6/11 02:03:07
”遥か遠くへ まだ遠くへ 僕らは身体も脱ぎ去って
まだ遠くへ 雲も越えて まだ向こうへ”
ルイ・ヴィトンのイマジナシオンを初めて肌にのせたとき、心に美しいメロディーが流れた。澄んだ声が空や海の無限の広がりを感じさせるヨルシカの「老人と海」。その名のとおり、ヘミングウェイの小説をモチーフに作られた歌。
”靴紐がほどけてる 木漏れ日は足を舐む 息を吸う音だけ聞こえてる”
靴紐がほどけている人は、満足に漁ができなくなってきた老漁師サンチアゴの姿に重なる。あるいは「靴紐」じたい、彼が壮絶な死闘の末に仕留めた巨大なカジキを小舟にくくりつけたロープなのかも知れない。その先にあったはずの希望が、サメの襲撃によってほどけて絶望になった瞬間…。
香水の香りは、こんなふうにさまざまな映像や記憶、風景を心に映し、音楽を喚起し、イマジネーションを広げてくれる力をもっている。イマジナシオンと名付けられたこの香水には、そんな思いがこめられているのだろう。
ルイ・ヴィトン香水のメンズライン、7番目の作品イマジナシオン。イマジナシオンは2021年の発売以来、メンズ香水のシリーズながら、SNSの投稿などを見てもかなり女性ファンも多い香りだと感じている。では一体、どんな香りなのか?
イマジナシオンを肌にのせる。その瞬間、最初に感じられるのは、爽やかなベルガモット、ジューシーなシトロン、ほんのり甘いマンダリンのきれいなシトラスミックスだ。いつもながらヴィトン香水のトップは、高品質でまろやかな天然柑橘スプラッシュで感動すら覚える。
ほどなくシトラスの下から甘くふくよかなネロリの香りが広がってくる。ここまでがとてもシームレスで美しく、ジェンダーレスな展開。ネロリのふんわりフローラルが5分ほどで安定してくると、その下から2つの香りがしっかり主張してくるようになる。
1つは、わずかにスモーキーで渋味のあるスッキリしたティーノート。スモーキーなティーと言えばブルガリブラックなどで使われたラプサンスーチョンティーが有名だが、こちらはいわゆる正露丸っぽさはなく、かなりおさえている印象。そしてもう1つは、海や潮風を思わせるアンブロックスの香り。アンブロックスはアンバーグリス系香料の1つで、同系統のアンブロキサンよりも「海っぽいダシ」がひかえめで、スッキリ上品な潮風系。この2つが二重らせんのようにスパイラルに感じられてくる。
「スモーキーなブラックティー」×「クラウディーなアンブロックス」。この2つの取り合わせは、ジャックが名声を手にした記念碑的作品であるブルガリ・プールオムに対する自身のオマージュになっているかのようだ。ブルガリ〜では、透明感あるダージリンティーの高音の下でソーピーなムスクを取り合わせ、2つをペッパー等のスパイスがつないでいた。イマジナシオンではこの位置関係が逆転している。つまり、本来重たくなりがちなアンブロックスを澄んだ高音で鳴らして、低音部でスモーキーなティーを響かせているイメージ。この2つをつなぐスパイスは、温かみあるジンジャー&シナモンのミックスだ。
そして
イマジナシオンは、パルファン・デ・コローニュ最初の3作品「黄色のサンソング」「緑のカクタスガーデン」「青のアフタヌーンスイム」を合わせたスペシャルコラボな香料構成になっていることにも気付く。この3作品のキー素材は、サンソングがネロリ、カクタス〜はティー(マテ)、アフタヌーン〜はアンブロックス。3作品に割り振られたレモン、ベルガモット、マンダリンの柑橘も全てミックスされている。これは「夢のカリフォルニア全部のせ」香水に他ならない。
さらに
各ノートの心に対する作用を見ても興味深い。一般にシトラスにはRefresh作用、ティーノートにはRelax作用がある。そして母なる海の匂いアンブロックスにReborn作用があると捉えるならば、イマジナシオンは心を回復し、落ち着かせ、そして再生させる香水だと言える。この3つの”Re"が効くから、心は再び大空や大海原へ、無限の想像力の翼を得て飛び立つのだろう。持続時間は6〜7時間。香り立ちは柔らかく主張は弱めだが、穏やかなティー&アンブロックスの香りをかなり長く楽しめる作品になっている。
”風に乗って 僕の想像力という重力の向こうへ まだ遠くへ まだ遠くへ 海の方へ”
ヨルシカの澄んだ声が水色の空と海の間へ吸い込まれていく。
どこまでもいこう。まだ見ぬ世界を求めて。大好きな音楽と古びた文庫本を持って。
7つの海を想像力の翼で越えていけ。ルイ・ヴィトン、イマジナシオン。
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容量・税込価格:75ml・13,750円 / 150ml・21,450円発売日:-
2022/6/4 00:19:14
アクアディパルマのミルトは、シトラスシャワーの爽快感とほんのり清涼感のあるハーブ香のミックスが楽しめるオードトワレだ。価格は30mlボトル9900円。
◎どんなときにおすすめ?
・何といっても夏。盛夏もいいが、夏に向かって気温と心の高揚が高くなってくる時期にとてもいい。「もうすぐ夏!」気分を積乱雲のように上げてくれる。
・スーツからシャツに衣替えする時期によく合う。サッパリした柑橘&アロマティックな香りは天然香料多めで、香り立ちが柔らかい。オンでもオフでも、しっかり清潔感をアップさせてくれる。
・どちらかというと男性におすすめ。単なるシトラスではない、少しひねりの効いた香りが欲しい方に試してみてほしい香り。
◎このの香水のよさを3つあげるとしたら?
・「碧い地中海シリーズ」と謳うだけある美しいブルーのボトル。この色だけで本当にそそられる。観葉植物の脇にそっと置いてあるだけで部屋のインテリアとしても映えるボトル。
・イタリアのシトラスをふんだんに使ったトップの爽快感が超絶いい。ナチュラルな香りで気分をリフレッシュするのにぴったり。トップのシトラスだけでイタリアに行きたくなる。
・ミドルで出てくるハーブが割と珍しい香り。ミルトとはマートルのこと。和名ギンバイカ。この葉と枝から抽出した精油は、ほんのりシャープで甘さもあって心を沈静させてくれる。また、免疫力の向上、抗菌・抗ウィルス作用も高く、アロマテラピーの効能的にもかなり優れている。
▲逆に自分的に「うーん」な点
・トップのシトラスミックスがかなり天然香料多めなので、あっという間に消失してしまう点。多分2分ももたない。この変化は昔ながらの香水では常識だけれど、昨今の合成香料オンリーのワンノート(最初から最後まで同じ香りが続く)に慣れた人には、不向きかもしれない。ミルトのシトラストップは女性にも結構好まれるが、ミドルになるとかなりメンズ寄りになるので、購入を考えるなら、必ず自身の肌にのせて香りの変化を見るべき。トップの爽やかさだけでこのトワレを語ると失敗する。天然香料多めの香水は、人によって香り立ちがかなり変わるからだ。
○香りの展開
トップ。レモンの酸味とマンダリンのジューシーなオレンジ果汁み、ライムの苦味、ベルガモットの豊かなコクが一気にスプラッシュする爽快なシトラスシャワー。とても快活で爽やか、気分がリフレッシュする。
ほどなくレモンの酸味は飛び、わずかに甘いオレンジの香りが際だってくる。同時に、その底からほんのり温かみのあるグリーンなハーブ香が立ちのぼってくる。これがミルト、つまりマートルの香りだ。
マートルは、ユーカリやティートゥリーなどと系統が似ている常緑低木で、シャープな香りが際だつユーカリの香りを甘くしてライトにしたような芳香をもつ。香料抽出部位は枝と葉だ。このほんのり清涼感あるグリーンハーバルな香りが主張してくると、香りはミドルになる。マンダリンのジューシーな残香に、甘さを伴ったマートルのハーバルがしっとり寄り添ってきて気持ちが安らぐ。そこにジャスミンのふくよかさが華を添えてくるミドル。
つけて30分くらいすると、ジャスミンのふんわりした残香にマートルのグリーンな清涼感が効いたまま、次第にウッディノートが強くなってくる。シトラスの酸味と乾いた木の香りをベースに、シャープなハーブとまろやかジャスミンが主旋律を奏でるアコードとなり、時折日本の菊の香りを思わせる風合いにも感じられる。強い海風に負けず、硬い大地にしっかり根を生やして地中海の丘に立つ木、そんな強さとしなやかさを感じるマリン&ウッディベースが感じられたらラスト。ハーブのスッキリした香りを残しつつ、3時間ほどでドライダウン。
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イタリア。シチリアの東北部にあるパナレア島。ミルトはこの島に育つマートルの木にインスパイアされて作られた香りだ。そこは、ゴツゴツした茶色の岩肌と透明感あふれる碧い海が美しいコントラストを見せるセレブ御用達の小島。火山の斜面に立ち並ぶ瀟洒な白壁の別荘。その間を縫う迷路のような石畳の小径。海に向かって続く白塀の上にはピンクのブーゲンビリアが咲き乱れ、その向こうに紺碧の海が見渡せる。岩だらけの崖の間には、マートルの緑の葉が強い日射しを浴びて風に揺れている。
ここは、火を噴き続ける島ストロンボリを見張る、風の神アイオロスの治める地。
この地を彩るのは、太陽のシトラスと、碧い海風のマリンと、茶色い岩肌の間で緑の葉を揺らすシャープなミルトの香り。
ミルト・イン・パナレア。この香りに目を閉じれば、そこはいつも紺碧の地中海だ。
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