2005/4/11 20:01:16
*再口コミです。
名前そのままのベリーとムスクのシンプルな香り。
甘酸っぱい野性味のある黒イチゴにムスクのハーモニーは、個性的ですが肌をつつむように自然な香り立ち。
木々に浄化された森の空気のような透明感もあり、気持ちがすうーっと落ち着きます。
夏の暑い盛りは黒イチゴが森の涼やかな空気を、
冷たい冬の日は、ムスクが柔らかい毛布のような暖かさを運んでくれました。
付合うほどに愛着が増します。
もし生涯に1本の香りしか選べないとしたら、私は多分これにするでしょう。
ボトルに入った香水は一つの完成品ですが、実際に肌にのせてどう変化するかは、未知数です。
私の場合、一番違和感なくなじみ、香り立ちがまろやかで自然なのが、この香りなのです。
好奇心の赴くまま様々な香水を試し、これからも未知の香りに心惹かれるでしょうけれど、
香りの方でも自分を選んでくれたような、そんな感じがするのです。
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BOIS DE VIOLETTE(ボア ドゥ ヴィオレット)
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:- (生産終了)発売日:-
2004/7/12 16:44:10
なんて素敵な香りでしょう・・・。
「すばらしい香りですよ。」と或る方に紹介され、ずっと憧れていました。
パリの限定販売品ゆえ、半ばあきらめていましたが幸運にも小分けを購入できました。
私にとって、これは最高の「花の香り」です。
といっても、資生堂のHPでは
<les eaux boisees>・・・<樹の香り>に分類されていますが・・・
早春の青い菫。芽吹いたばかりの新緑の香り。
きらきら輝くどこまでも透明な陽射し。
そういう情景のひとこまを、永遠の一瞬に閉じ込めた
絵画または古い写真のような・・・。
わずかにパウダリーな菫の花と葉、強すぎないあくまでアクセントに徹するシダー、
甘やかに透き通る柔らかなムスク。
ミドルにはベリーを思わせるほのかなフルーティ。
優しく、控えめで、しなやか。
他の誰かのためよりも、自分のために纏う、
そんな雰囲気の香りです。
最初手首で嗅いだ時は、同じくルタンスの香り
「フェミニテ・デュ・ボワ」と余りにも似ているのに驚きました。
が、数箇所につけて全身で香るようにすると、はっきりと違いを感じます。
こちらの方がシダーとスパイスが控えめで、軽やか。
ルタンスの「boi・・・」とつく香りは全て「フェミニテ・デュ・ボワ」が
ベースとの文を目にしたのですが、本当でしょうか?
是非、自分の鼻で確認したいものですが・・・、
それにしても、パリは遠すぎますね。
*某サイトでボトル購入できるようです。
気軽に・・・とはいかないお値段ですが。
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2011/5/19 10:15:33
EDT使用の感想です。
肌につかず離れず、ふんわりと包み込むように香る。
インドの軽く薄いカディ・コットンとか・・・天女の羽衣のようなイメージです。
トップはゲランらしいベルガモットが弾け、すぐにジャスミンと白檀がふわっと広がります。
ジャスミンはインドール臭のない綺麗な白い花の部分が強調され、白檀もお香っぽさは控え目です。
しばらくするとバニラが前面に出てきて、甘いパウダリーへと変化して安定します。
オリエンタル系の香りですが、同じゲランのシャリマーやYSLのオピウム等と比べ
スパイシーさやお香っぽさが控えめで、その分軽くてシンプル。
この系統のなかでは抜群に使いやすいと思います。
心がざわざわしたときにすーっと落ち着きます。
香りが優しく包み込んでくれるから。
甘くてパウダリーですが、男性が纏っても意外に似合いそう。
昼でも夜でもその時々に安らぎをくれる大らかさのある香りです。
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2012/9/29 12:45:34
スィートパチュリ。
甘くてパウダリーで仄かに花のニュアンスがあるどこかミステリアスな香り。
レミニッセンスの香りはこれとReminiscence by Reminiscenceを持っていますが、
共通項がパチュリとバニラの醸し出すカジュアルでありながらマジカルなムード。
特にこちらはそのパチュリをメインに据えた香り。
スプレイした瞬間からパチュリ特有の温かくて少し薬草っぽい癖のある香りが
広がります。
パチュリ苦手な方はたぶん、ここでめげてしまうでしょう…。
しかし10分もするとふんわりとローズっぽい香りとバニラが漂いはじめ、程よいパウダリーが
パチュリをふんわり包み込み、なんともいえない柔らかさへ。
トップで刺すように刺激的なパチュリは焦げたチョコレートのようですが、
ミドル以降はそれが和らいで優しいココアの色合いに変化する感じ。
肌馴染みがとてもいいんです。
コットンにも、麻にも、たぶん冬のウールの服にも似合う。
その昔、パチュリはヒッピーが愛用した香りだそう。
(マリワナの匂いをカバーするためだったという説もありますが…)
なるほど。
愛と平和と自然を訴えた彼らに、この香りはよく似合いそう。
パチュリ主体の香りは、一つ間違えるとアジア雑貨店の匂いになりそうですが、
程よく洗練されているので、そんな心配もなし。
とても使い易いパチュリです。
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2012/6/11 21:51:16
甘くて苦い。スパイシーなのに仄かにパウダリー。
食べられないのに美味しそうな樹木の香り。
Parfumerie Generaleらしいですね。
Praline de Santal、Tonkamande、coze、Aomassai。
サンプルで試した限りでは同じ系統だと感じました。
その中で、Indochineが一番心に響きました。
磨き上げられ、精巧な細工を施されたエキゾティックな家具を思わせる質感。
華やかではないけれどとても美しくて、どこかで・いつか味わったような
不思議に郷愁を誘う香りです。
アジアの川辺で地平線に沈む太陽をひっそりと眺めているかのような、
昏いオレンジと夕闇の群青色。
トップははちみつと白檀にシナモンを混ぜ込んだようなスパイシー。
ほどなくスパイスは抜けてゆき、微かなはちみつの痕跡にベンゾインと樹脂が
滴る樹液のようにほのかに長く、ひっそりと香り続けます。
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