2005/4/15 12:57:58
念願かなってボトルを手にいたしました。
以前量り売りで試したときも、複雑で結構ヘヴィな印象が残りました。
優しげな白い花の儚なさと、正反対に地にしっかり根をはった大樹のような力強さの巧みな融合。
その姿は、とても母性的。
たおやかさと芯の強さを兼ね備えた、ある意味男性の理想の女像なのかも、と思ってみたり。
優しいホワイトフローラルですが、実はロングラスティングで香り立ちも力強いという、かなり曲者。
量を間違えると酔ってしまいます。
ジャスミンとメロンの溶け合ったデリケートなトップの辺りは、
香り方が不安定で時にはとても青っぽく酸っぱい香りに変貌してしまう。
(体調や天候によるのかも?よく分かりませんが)
私はむしろミドル以降レザーやスパイスが勢力を増して、
白い花々の残像と重なりつつ芳醇なハーモニーを奏でる辺りが好きですね。
もともとはルドニツカが妻のために調合したプライベートな作品とか。
テレーズはおそらく、初々しい少女と逞しい母の二つの顔を併せ持つ女だったのではないでしょうか。
この香りはつける人にある種の<女らしさ>、つまりテレーズ的なものを要求しているという気がします。
なので、私には付けこなすのが難しく、似合っているという自信はありません・・・。
とはいえ、香りだけでまるごと一つの女性像を描ききってしまう、
香水というものの奥深さや面白さが十分に伝わってきます。
やはり、名香ですね。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
2004/4/19 17:13:52
思いがけず暖かい陽ざしの冬の日に想う。
ひっそりと咲くスミレの青く古風なおしろいの匂い。
一斉に咲き誇るソメイヨシノの木の下で知る、仄かな清々しい花と柔らかい若芽の匂い。
この香りを嗅いだとき、何故「冬の水」なのか不思議でした。
早春の花の香りではないかと。
おそらくJ−Cエレナは、これを作りながら、凍てつく冬の中で春を待つ人々の憧れと、一瞬だけ命を謳歌して散ってしまう小さな花へ想いを馳せたのではないでしょうか。
灰色の冬景色に想う、うす緑色の春の匂い。
スミレの青く癖のあるパウダリーは苦手な方もいらっしゃると思いますが、キャラメルが効果的に配され、重さを抑えつつミドル〜ラスト、エレナ氏のこだわりともいえるシダーウッドと、仄かなシプレーへ自然な流れを作り出しています。
小さな花々と力強いウッディーが独特のバランスで調和した香りです。
- 使用した商品
- 現品
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2006/1/4 22:02:32
「森の精」・・・なんともロマンティックな名前。
香りも、成る程。まさにそんなイメージです。
ただし可愛らしい妖精よりもミステリアスなニンフのイメージかもしれません。
男性でも女性でもないトランスセクシュアルな。
菫の花と葉が使われているそうですが、ペンハリガンなどの「菫の花の香り」とは全くちがいます。
スパイシー・グリーン・フローラルしかもウッディというとても個性的な構造の香りです。
最初に感じるのはスパイス。恐らくシナモンとクローブではないかと思われます。
深い森の中にはいると積もった落ち葉がやや土っぽい独特の香りを放ちますが、
その匂いに似ている気がします。
それに菫の葉の、ハーブっぽいグリーン。
森の下草の間にひっそり咲いている感じの、控えめな菫の甘い香り。
存在感を放つシダーウッド。
・・・深い森を散策するうちに足元で咲いている一群れの菫を見つけた、というような
ヴィジュアルが浮かんでくる香りです。
正直これはルタンスの菫の香りにインスパイアされたのではないかと推測されます。
ただしルタンスの作品より甘く、シダーが控えめなので(ルタンスの菫はシダー>菫の二重奏でしたが)
こちらの方が使いやすいかもしれません。
菫の花の香りを期待すると裏切られるでしょうね。
むしろ私のようにペンハリガンの菫がなじめず、しかもスパイシーが好きな人にぴったりです。
ラストはシナモンとアンバーの暖かい甘さと、終始控えめな菫が、ひっそりとしかしいつまでも残ります。
*香料の資料が手元にないので、主観で書きました。
この香りは購入前に必ず肌にのせてみることをお勧めします。
*補足
↓のkashikochanさんの口コミを拝見したところ
「シナモン」だと感じたのは「安息香」(フランキンセンス)だったようですね。ナルホド!
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:-
2003/11/27 19:28:36
初めて嗅いだのは5月頃でしょうか。
エルメスのリボンから、初めて経験する不可思議な香り。「良い」香りとは思えず、けれど強い印象が残りました。しばらく後サンプルが手にはいったので、さっそく手首に。
最初、メントールのような刺激が鼻腔から頭の中まで一気に通りぬけました。その一方でイチジクの水気のある甘さが主張しています。
分類上は爽やか系ですが、ありきたりの表現を軽く超えてゆく独創性を感じます。
香りが落ち着いてくると、松ヤニを思わせる軽い渋みにふんわりと白い花の甘さが立ち上ってきました。
頭の中には、白い波打ち際に立ちながら、松林を通りぬける風を受けているような、からっとしたまぶしい夏の風景が浮かびます。実際、夏に良く似合う香りだと思います。暑ければ暑いほど、この香りの甘さと爽快感が心地よく感じられたからです。
女性のみならず、男性にも似合う、ユニセックスな香りだと思います。
- 使用した商品
- 現品
2003/11/14 14:09:51
量り売りで気に入りボトル購入。みなさん書かれてますように、トップはまさにジントニックの香り。ジンの香りづけにはジュニパーという樹木が使われるそうなのですが、たしかに針葉樹のようなイメージもあります。でもこれはほんとにトップだけ。だんだん肌になじんでくると、やわらかい花のような、お香のようななんとも癒される香りに変わります。爽やか系というとシトラスが浮かびますが、少々苦手な私はこの香りが爽やかに感じられます。今年の夏は湿気が多く気温も低く、この香りにふさわしい天候でした。秋〜冬も使えそうですが、コロンなので香りだちは控えめです。
- 使用した商品
- 現品