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河童太郎さん
河童太郎さん 認証済
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FUEGUIA1833 / オードパルファム

FUEGUIA1833

オードパルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

7購入品

2018/1/10 01:31:35

2016年からfueguia にはまり、
今回は所持しております香りを
まとめて口コミ致します。

☆ラホベンノーチェ
三種の白檀の、贅沢な香り。
木の神聖さと柔らかい木の持つ甘さが、癒しの香り。膝裏にプッシュして眠るのが好き。
よく眠れます。

☆アルギィエンスエニャ
エキゾチックな香り。
カシスとオスマンサスが土星の環のように香り、
パチョリが雰囲気を支えてます。
煙のような、ふわふわ揺れるような雰囲気があります。

☆アマリア
ジャスミンがとにかく綺麗に香ります。
これは…どっちかというと違う花の香りがする。
そんなジャスミンの香水が世の中には沢山ありますが、こちらは正統派ジャスミン。
ジャスミンが好きな方にオススメです。

☆フエムル
真っ白な浄められた香り。
ムスクがキーンと来ますが、
徐々に馴染んで、ジャスミンが立ち上ってきます。
やや野性的で人間のもつ女性らしさ、ってこんな感じかな…という本能的な香り。

☆エルドラード
優しいシトラスが香ります。
柑橘、と聞くと甘さのないちょっとクリーンなイメージですが、想像よりも柔らかい香りで、
シトラスが苦手な私も好きです。

☆アグアデガーデニア
トップからマッシュルームが香ります。
分子構造が似てるマッシュルームとガーデニア。
だんだんとガーデニアになります。
ただ、アグアな感じもちゃんとするので、
なんとも個性的な香りです。

☆アグアデマグノリアーナ
アクアで清らかなマグノリアの香り。
万人に受ける穏やかさで、
誰かを気にすることなくつけられるが、どこにでもあるような香りではなく唯一無二の存在。


☆タイース
キラキラとした香り。
オスマンサスが元気いっぱいに香り、
情緒あふれる…というよりは、
元気出していこう!とはつらつとした感じで、気分が前向きになれます。混ざりながらもオスマンサスがきっちり感じられますので、好きな方におすすめです。

☆セノーテ
甘く優しいプルメリアの香り。
リッチで華やかだがきつくなく、
でも、いい香りでしょ。とほのかに主張します。
ドレスに似合う香り。

☆ルナロハ
温泉のロゼワイン風呂を思い出します。
紅いワインの先に見える月、というロマンティックさが、香りにも感じられます。
大人のフルーティな香り。

☆クエントスデラセルバ
幼い頃ピクニックの時に食べたクッキーや、ジュースを思い出す。そんな香り。サラッとした甘さが良いです。お守りのような、とにかく安心します。

☆パジェーナデラパンパ
草の上でひと休みするクジラをイメージしたこちら。百聞は一見にしかず…な香りです。
草の匂いや、調香に見られる13種のムスクがムンムンかと思いきや、ドライフルーツを思い起こすような、意外な甘さがあります。ムスク苦手…という方、一度お試しされてはいかがでしょうか。

☆ラカウティーバ
カシスとバニラの美味しい香り。
ムスクのおかげか大人っぽさもあり、
どの年代の方がつけても、似合う香りです。

☆キロンボ
甘いミルクとバニラとサトウキビの香り。
優しいキャラメルっぽい甘さですね。
メインの調香を見ると甘々な感じですが…
酔うようなベタつき感がなく、
体調良くない時でも安心です。

☆カオバ
ウッディではありますが、
カカオがグルマンの甘さを感じさせます。
暖炉のついたカントリーハウスで、
ココアを飲むような、ホッとする、日常になくてはならない香り。

☆ンブクルジャー
パッションフルーツとミルク。
デザートのような香りのイメージで作られています。よくあるグルマン調の香りとは違う、カジュアルな感じ。なんだか懐かしくて、でも今までにない香り。

☆アマリアグルマン
ジャスミンとグルマン調香って、
こんなにも合うものかと思いました。
意外な組み合わせですが、ロマンティックな良い香りです。秋冬のデートにマッチします。
紅い液も気分が上がりますね。


◯ムスカラ◯
肌馴染みが良く、
たまに香りが分からなくなり、
忘れた頃にフワッと香ります。
他とのレイヤードがしやすいです。

☆ムスカラアピス、ムスカラオスマンサス、ムスカラペラルゴニウム
アピスは、そのまま蜂蜜です。
ただ、花の甘さなので、意外とレイヤードしやすい香りです。
オスマンサスは、金木犀ではなく銀木犀。
甘さは少ない分フワッとフルーティさが立つと、とても綺麗な香り方をします。
ペラルゴニウムは、
私はアロエのような甘さを感じます。
ゼラニウムの葉や茎も花と同じくらい香り、
たまにグリーンが強いですが、身体のバランスを整えてくれて、すっきり過ごせます。


こんな感じです。
振り返ると結構持ってますね…!
これからも増えていきそうなくらい、大好きです。
またいい香りに出会えたらいいな。

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しべたんさん
しべたんさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
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ディオール / メゾン クリスチャン ディオール ラッキー

ディオールディオールからのお知らせがあります

メゾン クリスチャン ディオール ラッキー

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:40ml・19,140円 / 125ml・39,600円 / 250ml・55,880円発売日:-

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4購入品

2018/7/2 18:57:51

GINZA SIX店にて40ml購入。
「ラッキー」はかなり軽め・甘さ控えめのアクアティックフローラル、EDPですが深みや持続に関してはコロン位の印象です。
「メゾンクリスチャンディオールというもの自体をどうとらえるか」でも評価が変わると思います。その点は後述。
即決に近い形で選んだせいで失敗した(星2〜3程度)、と帰宅後しばらくは思っていたのですが、数日でやっぱり悪くない香りだと思い始め、星1、2個分印象がアップ。こういった印象の変化は私の場合フレグランスでは珍しいです。気品があって爽やかで、なぜか僅かにレトロ感もあって悪くない香りかと。

【香り】
かなりのシンプル香調です。
公式解説ではスズラン主体かのようですが、スズラン香は極わずか。清楚なホワイトフローラルで、主体はジャスミンサンバックに感じるかなぁ。
アクアノートは強すぎず、香りに酔ってしまう事はないです。
ただ、生花っぽさも特に最初の30分迄位は感じられたりもしますが、自然というよりは全体的にケミカル感が強いです。それでもさすが上品なのですが、本当に香りの強度は弱い。持続は実質2〜3時間。
今年は非常に早く真夏同然になってしまい、今は大抵の香りは濁って感じられるので質的な判定が難しいのですが。爽やか系であるもシトラス要素が全くなく、冷房の効いた場所のほうが綺麗に香ること、香調からして早春〜初夏あたりが最も適した季節だと思います。
ブログでは、アクアディジオ(正規品現品持ってます 50ml/6000円)に似てると書きましたが、基本的傾向は似てるもアクアディジオよりは上質感があり上品です。

【メゾンクリスチャンディオールについて】
◆これは私の考え、推測ですが。ラコレクシオンプリヴェからの継承8種を含むも、コンセプトはプリヴェとはがらっと変わり、シリーズとしての全体像は全く別物となったと捉えたほうがいいかと思います。
新追加種は聞いていた通りライトな香りが多い。旧の触れ込みのように希少素材を厳選して云々…という感じでもなく、ネーミングも傾向が全然違いますよね。
でも、旧と新とを橋渡しするような中間的な香りも設定されています。
今般のリニュは流行りのレイヤード使用も意識した迷走の一種といえなくはないかなと思います。でも少量サイズ発売の英断のおかげで色々な香りが楽しめる可能性が広がりました。
ただ…迷走感のもうひとつの傾向として。
プリヴェは一時展開していた梅田阪急からは撤退、リニュ&少量サイズ発売の代わりに再度販売店舗数は絞込み、表参道を含む世界3店舗に…これは、総流通量抑制の為わかるのですが、早々に日本での2店舗目出店(ギンザシックス)、あれっと思ってたらオンラインで常時販売。
なんだか、ブランド側の色々なジレンマが伝わってくる気がし、夢とロマン(香水に最も必要なものです)が、いまいち感じられないなぁとやや苦笑もしています。
ラインナップの「SAKURA」を見ても、日本はディオールにとって重要な市場なのだろうなと思いますが。

◆なお先般私が上げたブログでの、「店舗でレイヤード使用推奨された」事に関する補足ですが、「上からもろ重ね」ではなく、部位ごとの「手首、足首等にそれぞれ別種をつける」レイヤード推奨でした。
いずれにせよ流行のレイヤード推奨→若年層アピール・複数買い・リピーター確保の方向性である事は名称・香調、容量・価格展開からも明らかだろうと思います。

◆そんなわけで?ラッキーも含め総て「EDP」であるはずですが実質はEDC相当→ほぼPに近いEDPまで、深みに著しく差があるシリーズです。

◆公式オンラインに「香調カテゴリ」「香りの深さ」の表記はありますが、
香りの深さに関し全20種を6段階の軽→重 の順に並べなおしてみました。
※が旧からの継承種。
旧で一番軽いのはコローニュロワイヤルですが、それでも段階「3」です。
また、「最重」は旧からの継承分のみ。やはり全体に、軽いのは新、重いのは旧。
新旧は丁度こんな→「▽▲」感じで全体像をなしているということになります。
なおブランド側の分類の為個人の実感では違う場合もあると思います。

1 (最も軽い) ハッピーアワー/ディオリッシマ

2 ラッキー/サクラ/テカシミア

3 コローニュロワイヤル(※)/ローズジプシー/スフレドゥソワ/テラベラ

4 ニュールック1947(※)/ジャスミンデザンジュ/バラッドソヴァージュ/ベルドゥジュール 

5 グランバル(※)/ラコルノワール(※)/グリモンテーニュ(※)/ディオラムール 

6 (最も重い) ボアダルジャン(※)/ウードイスパハン(※)/アンブルニュイ(※)

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conconさん
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FUEGUIA1833 / オードパルファム

FUEGUIA1833

オードパルファム

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

7購入品リピート

2018/6/12 11:25:41

日本に上陸する前から愛用しています。
すごく大好きなブランドで、自分用・プレゼント用を計10本以上購入しています。
出会ったきっかけは2012年にブエノスアイレスの本店です。
全て手作りでアルゼンチンの自然とゆかりのある人物(偉人・詩人・タンゴ)のインスピレーションを持った香水は衝撃的で一目惚れでした。
香りをフラスコで嗅ぐのも、(当時)全てパルファムだけだったのと、手書きのラベルとアルゼンチンの地図の包み紙がどれもドンピシャでした。(今はパルファムはビンに刻印)

初めて自分用に買った香りはXocoatl(ショコアトル)です。バニラ、カカオ、ラム酒の香り。購入した時期が冬だったのでラム酒が濃厚の甘くて美味しそうな大人のデザートみたいな香りが冬にぴったりでした。夏はあまりオススメしません。とても濃厚な香りなので、冬の寒い日に、朝ではなく、午後〜夜の時間帯に、胸より下(手首や耳の裏ではなく)につけています。食事の邪魔をしない香りです。パルファムの中でもかなり香りが長持ちします。だんだん甘みだけが和らいできます。
冬になったらまたつけたくなる香りです。かなり大人向けです。私より母が好んで使っています。

次に購入したのはAmalia Gourmand(アマリア グールマンド)です。赤ワインの様な深い赤色です。この色は着色したのではなく、調合した植物の化学反応によって生まれた色みたいです。綺麗な色です。こちらも秋・冬系の香りでジャスミン、ヴァニラ、ドゥルセ・デ・レーテェ(南米のキャラメルクリーム)。フローラルな中に甘い香り、特にトップノートがいい香り過ぎて、思わず深く嗅いで「ふぁ〜」とため息が出ますw トップノートは濃いジャスミン(アルゼンチンのジャスミンなので、日本でいうクチナシの香りです。甘いクリーミーなココナッツクリームの様な香りです。)が強く香って、私にはたまらない香りでした。xocoatleより香りが強くないし持続しません。つける場所によっては真夏以外比較的オールマイティに使えそうな香りです。

その後Juan Manuel(ファン・マヌエル)とBonpland(ボンプランド)を購入。

ファン・マヌエルはダマスクローズ、センチフォリアローズ、ピンクペッパー。第一印象はどこがバラ?です。バラがいない!良く嗅げば奥の奥にバラが存在しているのがわかります。でもわかりにくい!グリーンっぽいのかスイートなのかフローラルなのか嗅ぐときに変わって、でも複雑な香りでもない。統一感はある。主張はない。わからないことだらけwでも良い香り。コレは説明見るより嗅いで見るべし。男性の方も使えそう。ファン・マヌエルは200年前の軍人さんの名前だし。

ボンプランドはリツェア(アオモジの実、レモングラスの様な香り)、バーベナ、レモンのシトラス系の香水。すっきりとしたフレッシュなレモンの様で、空気に吹きかけて、そこをくぐる様にまとってつけてます。職場にもつけて行ったりしています。季節によって香りの感じ方が変わります。暑い日はレモンの果実のかすかな甘みが、寒い日は、キリリとした鋭利なシトラスの香りがします。こちらは私が持っているフエギアの香水の中で一番持続力が短めです。

最近購入したのがFlores Negras(フローレス・ネグラス)。同名のデ・カロ作曲のクラシカルなタンゴの曲からインスパイアされた香水。フランジパニ、デーツ(ナツメヤシの実)、ダマスコン(ブルガリアンローズ)のフルーティで熟した南国の果実と花に都会を香らせた感じ。トップノートは少し甘酸っぱく、私にはパッションフルーツの様な香りに感じます。肌につけるとお花の香りが少しずつ勝っていきます。古き良き時代の様にいつまでも色褪せない香り。コンサートなど行くときにほんのり忍ばせて香らせたいそんな香りです。持続力は長めです。

フエギアの香水は全て個性豊かなのに、ラストノートはどこか統一性がある様感じます。そこがフエギア・スタイルなのでしょうか。こんなにかけ離れた香り同士なのに最終的にはファミリー性が見えてくる、移民国家のアルゼンチンらしい香水です。
中毒性がかなりあります。またコレクションが増えたら口コミします。

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★キャプテンD★さん
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セルジュ・ルタンス / ニュイドゥセロファン(Nuit de cellophane)

セルジュ・ルタンス

ニュイドゥセロファン(Nuit de cellophane)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・14,300円 / 100ml・22,000円発売日:-

5購入品

2020/11/1 23:52:18

金木犀の香りが好きで、定期的に手に入れてしまう。
ニュイ ド セロファン(2009年)も、金木犀がしっかり香る一品で、個性派揃いのセルジュ・ルタンスのなかでも特に嗜好性が高く、とても使いやすい1本だと思う。

トップはフルーティ・グリーン。マンダリンオレンジの清々しいジューシーな甘さと、バイオレットのメタリックなグリーンノート。奥からはピーチやアプリコットなど、みずみずしいオスマンサスの面影が透けてみえる。

ミドルはフローラル・フルーティ。オレンジやピーチやアプリコットにフローラル感が増していくことでオスマンサスの姿がはっきりしてくる。華奢で透明感のあるオスマンサスの香り。この繊細なオスマンサスを、少し酸味のあるジャスミンや、ツンとしたユリがフローラル感を支えている。さらにバイオレットの硬さが、このフローラルフルーティの香りをキュッと引き締めているようだ。そこから酸味が増すことで、フレッシュな印象が続いていく。

ベースはフローラル・ウッディ。少し酸味が立ったすっきりめなフローラルフルーティの残香に、オイゲノールとセダーウッドを合わせた硬めのフローラルウッディが重ねっていく。最後はムスクが柔らかさを与えていく。

トップからミドルの香りの比重が高く、ベースの香りは薄めなため、持続時間は3時間程度。

セロファンの夜という名前ではあるが、フレッシュ感の強いフローラルフルーティの香りなため、春先から秋口まで、夜よりもむしろ午前中に使いたくなる。

このフレグランスのコンセプトはとてもロマンチックで、
空気が乾燥した肌寒い秋の夜、星のまたたきと地面の間は甘く透明なかぐわしさで満ちている。この空気全てを包み込んで、あなたに届けたい、、、そんな香りだ。

そして、星の瞬きや、地熱の余韻が感じられるくらい澄んだ空気をつめ込んだような香りだからこそ、陽射しが暖かい春や、ムンムンと熱気がこもった夏や、日中は汗ばむくらいの暖かさを感じる秋口に、このニュイ ド セロファンの透明感ある香りを楽しみたくなるのではないだろうか。

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doggyhonzawaさん
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ゲラン / ジッキー

ゲランゲランからのお知らせがあります

ジッキー

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:75mL・19,800円発売日:-

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6購入品

2015/2/1 17:02:33

「いい?前にも言ったと思うけど、二度とそういう話はしないで。いやだから。」

ジッキー、君は一体、なんて女だ。「とにかく私を尊重して!」とばかりに、テーブルを人差し指ではじきながら、ぼくに向かってそんなふうに言う。これまで会った誰とも違う。さっきまで大きな声で笑っていたかと思うと、急に真顔になって怒り出す。腕組みをしてカフェの外を見ている君の、突きだした唇のローズピンクが美しい。けれど、どんな言葉をかけたら君の機嫌が直るのか、ともすると今まで出会った高慢なパリジェンヌなんかよりずっと君は複雑で、いつもはたどたどしい英語で身ぶり手ぶりのエクスキューズをするぼくも、今日はさすがにかぶりを振ってうなだれてしまう。君はそんな変化に気付いたのか、突然、ぼくの目の前の皿に、イングリッシュ・マフィンを手づかみで置いた。

「・・・え?」
「好きなんでしょ?・・あたしのも、あげるわ。」
「・・ありがとう、ジッキー。」

そうだよ。好きなんだ。ジッキー、ぼくはそんな君に夢中なんだよ。でももう、ぼくたちには残された時間は少ない。2人で過ごした夏はあまりにも早すぎた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ジッキー、フランスに戻ってからのぼくは、半身を奪われたようなものさ。いつだって生きている実感が少ない。今さらながら、君の屈託のない笑顔と明るさ、そして何に対してもちょっとムキになってくってかかるところなんかが、どれだけぼくの生活に色を添えていたかをしみじみと感じている。パリは華やかな色と香りに満ちているのに、ぼくの心はテムズ河の上にあった、低くよどんだ灰色の空のままだ。

この頃ぼくは膨大な仕事のせいか、なかなか寝付けずに枕元にラベンダーを置くようになった。君は、「イングリッシュ・ラベンダーが最高よ」なんて言ってたけど、歴史的には英国のラベンダーは、ここフランスから渡ったものだ。でも君はそんなウンチクには耳も貸さず、英国庭園を散歩しながら、胸いっぱいにラベンダーの青い香りを吸って楽しんでいたね。ああ、あの瞬間がどれだけぼくらにとって至福の時だったか、今になってこの紫色の香りとともに思い返しているんだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして親愛なるジッキー、あれからもう30年近くがたった。季節は人を変え、そして街の色と香りも変える。君は今、どこでどんな風景を見ているんだろうか?

ぼくは近頃、一つの香りを作った。オヤジの代から守られてきた伝統的な製法を打ち破ってね。ああ、さんざんたたかれたよ、方々でね。でも、ぼくは確信している。新しい時代はもう来ているのだと。君が古き良き英国の伝統を重んじながら、それでも革新的な女性であったことも、今となってはぼくの香水作りにとても大きな影響を及ぼしていると思う。ぼくが作った最新の香りはこうだ。

イントロダクションは、「出会いの衝撃」。男と女が出会ったときの、感情の高まり、昂ぶり、そして、興味・関心を表す。相手に対するさまざまな期待や憶測、肉感的な誘因子、これらを苦みばしったシトラスのシャワー、そして、ラベンダー、ローズマリーのシャープな風と、オリスの根の力強さといった、重層的な香りのコントラストで表現したつもりだ。

香水の核となるミドルのテーマは、「信頼と愛情の表出」。出会って惹かれ合った2人が、互いの手札を少しずつ見せ合いながら、理解し合い、受け入れ合って紡がれていく絆のイメージ。それを、ラベンダーのもつしっとりとした落ち着き、ジャスミンのインドールの肉感的な匂い、そして、ほんのりと見え隠れするローズで淡い思いを表し、1つのラインに収束させていく。

そして、ラストは「忘れ得ぬ思い出」。離ればなれになった2人が、時と場所をこえても、互いに相手を慕い、かつてのあたたかな思い出に心をいやされるイメージだ。これまで天然成分からは抽出しづらかったトンカビーンのクマリン、そして高価なヴァニラを合成香料に置き換えて強く香らせることで、永く続く優しい甘さを引き出し、ベンゾインやオポポナクスの樹脂香を低音で響かせることで、穏やかに広がっていく温かい気持ちを表現した。

そしてぼくはこの最新の香りに、ジッキー、君の名前を付けようと思っている。

「メルシー、ムッシュー!」
君はあの頃のように、片目をつぶって、笑ってそう言うだろうか?そしたらぼくは、最大級の愛情と敬意をこめて、君にこう言うんだ。

“Thank YOU,too. Jicky!”



※このストーリーはフィクションです。たとえ俺の中で実存だとしても。

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