doggyhonzawaさん
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FUEGUIA1833 / Muskara Pheroj

FUEGUIA1833

Muskara Pheroj

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

4購入品

2019/6/15 21:23:02

「ねえ、なんか香水つけたでしょ?」
「え?つけてないよ。今日はデートの約束だろ。君は香水いやがるじゃないか。」
「そうよ。だってああいうの、頭が痛くなるのよ。」
「うん、知ってる。あ!ちょっと!何するんだよ!?」
「じっとして。何か匂うわ。あたしわかるのよ。ちょっと動かないで!」
「そんなこと言ったって、何でシャツのボタンばずして顔をつっこむんだよ!」
「くんくん…やっぱりなんかつけてる!うっすらとだけど、ミントのようなクリームのような、土っぽいような…。この匂い、なに?」
「えっと…参ったなあ。わからないと思ったのに。」
「ちょっと!あたしの鼻は地獄鼻なのよ。さ、おっしゃい。一体何をつけてきたのよ?」
「あーもう。もういいや。わかったよ!言うよ。言いますよ。」

ぼくは頭をかきながら仕方なく話し始めた。つけてきたのはほぼ香りのしない香水、アンチパフュームとかスキンパフュームと呼ばれるフエギア1833の「ムスカラフェロジェイ」という香りだと。これはヒトフェロモンの研究から生まれた画期的な香りで、フェロモンと類似した分子構造をもつ植物から抽出した香料で作った香水であること、ただこの植物には香り分子はなく香りがしないこと。もともと南米で古くから用いられてきた催淫効果の高い植物の成分を使っていること。その分子は人の身体から出ているその人独自の匂いを吸着して引き出すという効果を持っているらしいことなどなど。

そんなことを調子に乗って話していたら、不意に彼女がぼくを冷たく見下していることに気付き、はっとして口をつぐんだ。だが、もう遅かった。

「フェロモン?催淫効果〜?へ〜、誰を誘惑したくてつけてきたわけ?ねえ?…ねえ!」
「いや、その、そんなんじゃないよ。誤解してるよ。ちょっと待って!わー、胸ぐらつかむなよ!」
「なんであたしとデートするのにフェロモンとか催淫効果高いとかそんなものつけてくるのよ!どこの女を誘惑するつもりよ!」
「違うってば!全然違うよ!これはほんとに君のためだよ、君のため!」
「はあ〜?じゃあ何?あたしを誘惑したいわけ?今さら何言ってるの?あたしたちつきあってもう2年よねー?」
「だ・か・ら!ちょっと落ち着いて聞いてよ!この香りはね、つまりね」

そこでぼくはいやな汗をかきかき説明し始めた。腰に手を置いてぷんぷん姿勢の彼女を必死で説得するように。つまりね、この「フェロモンの模倣」香水はね、女性の心を幸せにして心地よくさせるホルモン、ほらエストロゲンてあるでしょ?その女性ホルモンの分泌を促す作用があるんだって!だから女性がつければ自分のエストロゲンが分泌されてさ、多幸感ていうか、うっとりした気持ちになるみたい。でね、ぼくがつけてればそれを感じ取って自然に君がそうなるでしょ?そしたらほら、君が幸せな気分になるわけで…。

彼女は斜めにぼくを見て聞いていたが、ツンとあごをあげて言った。

「へー、そうなんだー。あたしはてっきりエストロゲンって女性を発情させるホルモンだと思ってたけど?」
「え?」
「あなたねー、女のあたしが知らないとでも?エストロゲンって言ったら女性を欲情させるホルモンじゃない!あなたやっぱり何か隠してるでしょ。今さらあたしにそんなものを使うとは思えない!」
「わー!ちょっと本当に誤解だってば!ほらそうやってさ、最近君がやたらカリカリするからさ、ちょっと効果あるかなーと思ってさ」
「何ですって!それは女の子だからいろいろあるの!いろんな周期とか!とにかく変なものつけてきた罰としてあたしにお詫びして。」
「お詫びって…。はー、なんだか変なことになっちゃったなあ。」
「自業自得でしょ。ほら、誠意ってものを見せたらどうなの?」
「誠意って…んー、ごめんよ。あやまるからさ。ね!」

そのとき、彼女がぼくをチラリと見て言った。

「んっとにもう…。ん…?あれ?なんだかあたし急に動悸が…。どうしたのかしら?」
「え?なに、具合悪いの?」
「あ、なんだか急に心臓がドキドキして…。」
「え?大丈夫?そのへん座る?」
「あ、もうだめ。ちょっと支えて!」

そう言うなり、彼女は身体をゆっくりと預けてきた。その瞬間、ぼくの口が彼女の唇でふさがれた。

「!?」
「…やられたわ。そのムスカラなんとかって香水に。変な気分になっちゃった!」

「嘘だ!」そう言おうとしたけどやめた。彼女がぼくの腰に手を回して、悪戯っぽく笑っていたから。

だからぼくもにっこり笑い返した。ムスカラフェロジェイの香りはしなかった。ただ、抱き寄せた彼女の柔らかな髪の香りが、まるで仕返しのようにぼくを誘惑していた。

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FUEGUIA1833 / Huemul

FUEGUIA1833

Huemul

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2019/11/2 15:52:49

フエギア1833のフエムルは、バターをたっぷり使って焼き上げた香ばしいクッキーのような香りがする。その香りを色に例えるならクッキーの色そのものだ。そしてそれは、この香水のイメージの元になったフエムルというアンデス山脈に生息する鹿の栗毛をも思わせる。

「清らかなアンデス山脈の森林を力強く走り抜ける、美しいゲマルジカのように。静謐な印象を与えるムスクに、ジャスミンが優しく重なって」

これがブランドから出されているフエムルのイメージ。賦香率はパルファム濃度で24%。お値段は100mlが34000円、30mlが17000円。ブランドローンチ時よりもずいぶん値上がりしている。フエギアは2010年より創業しており、日本では2015年より六本木グランドハイアットホテル内1Fフロアにブティックを構えている。今年伊勢丹サロンドパルファンにも作品を展開し、さらに話題を集めている香水メゾンだ。

フエギアといえば、創業者であり調香も務めるジュリアン・ベデル氏の哲学やアルゼンチンの自然や歴史、人物などを幅広く作品に投影したパタゴニア発のブランドとして有名だ。このフエムルは、実在や想像上の動物をヒントに人の秘められた心を紐解く「ファブラ・ファウナ(寓話の動物)コレクション」の中の1本。

ブランドローンチした当初、ジュリアン・ベデル氏がかなり推していたパルファムの1本がこのフエムルだった。今やアンデスの森にその住処が少なく、絶滅危惧種に指定されているという稀少な動物、フエムル鹿。その名を冠した香りに迫る。

フエムルを手首にプッシュする。植物由来のアルコールだろう、心なしか甘い感じの透明な霧の中から最初に立ち上るのは、香ばしいバタークッキーを思わせる栗色の香りだ。同ブランドのヒット作ラ・カウティーバでも使用されていた植物由来のスッキリしたグリーン系の香りがするムスクが使われていることがわかる。ただし、香りがずっと同じように続くので、合成香料と調合して使用しているような感じだ。以前も書いたが、フエギアは稀少な南米の植物から天然香料を抽出しているのだろうけれど、合成香料もたっぷり使用している。

フエギア独自のアコードノートによると、フエムルの構成は次のようなイメージだ。

最も長く残り、美しい余韻を残すハイノート:ムスク
香りに個性を与え、作品テーマを表現するミディアムノート:マッソイア
つけた瞬間の香り。第一印象を左右するロウノート:ジャスミンラクトン

全体的にはシングルノートのような香り立ちだし、トップでジャスミンが香る感じもしない。それでも少しは香りが変わる。付けて10分ほどするとクッキーのような明るい感じが薄れて、やや茶色が濃くなったようなウッディが出てくる印象。この少し焦げたような樹の香が、どこか動物の毛皮の匂いのように思えなくもない。このあたりがミドルなら、ミドルは香ばしいクッキーからスモーキーウッディに変化していくイメージだ。

このミドルノートにクレジットされているマッソイアもラクトン系の香料で、天然ココナッツの代替香味料として昔から使われているものだ。天然ものは抽出プロセスが高価になるため現在は代替の合成香料が使用されているようだが、フエギアがどちらを用いているかは定かではない。いずれにしろ、ココナッツ独特のクリーミーさ、温かさなどが出ているミドルは、このマッソイアノートの風味だろう。

付けて一時間ほどすると、このスモーキーなココナッツ様ウッディにわずかにレザーっぽい香りが感じられてくるようになる。確かにややアニマリック系の気配だ。高山の尾根を渡る美しい鹿毛を思わせるウッディ&レザー。

持続時間はさすがに長い。6〜8時間かけて、付けたところでゆっくりクリーミーなウッディを香らせる。最初に感じたグリーン系ムスクは、後半になるにつれ、わずかにセロリのような清涼感を感じさせる香りになってくる。クリーミーなラクトンと少し焦げたウッディとスッキリグリーンなムスク。それは、アンデスの空に浮かぶ雲と、その下にたたずむ鹿の毛の温かみ、そして深い森の息吹を思わせるコントラストだ。

2015年、チリとアルゼンチンはパタゴニアのすばらしい自然と動物を保護し続けていくために、南アンデスの広大な土地を取得し、パタゴニア国立公園に指定した。そこではフエムルをはじめとした絶滅危惧種、レッドデータアニマルが適切な住環境を取戻し、自然増するための再生プログラムも同時進行しているという。

フエムルの香りをその身にまとうとき、人は一頭の鹿になる。刻々と変化する空の色を見つめ、土や草の匂いを嗅ぎ、森のささいな変化に耳をすまして。

そしてアンデスの山を駆け抜ける一陣の風になる。

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トム フォード ビューティ / ヴェール ボエム オード パルファム スプレィ

トム フォード ビューティ

ヴェール ボエム オード パルファム スプレィ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:50ml・30,800円 (生産終了)発売日:2016/9/23

4購入品

2019/9/21 19:06:50

季節の変わり目は、なぜか心がトーンダウンしやすいもの。トム・フォードのヴェール・ボエムは、そんなときに静かに心に寄り添ってくれそうなフローラル・グリーンのオーデパルファムだ。

ヴェールボエム、直訳すると「緑のボヘミアン」。ボヘミアンと言えば、昨今クイーンブームリバイバルでよく聞いたワードだが、これは北インドからヨーロッパに向かって移動生活をしている者たちを若干揶揄した言い方だ。そういえば映画でも根底に人種のテーマが流れていた。

ヴェールボエムは、2016年にプライベートブレンドシリーズ(PB)の新ラインとして登場したレ・エクストレ・ヴェール・コレクションのうちの1本。このシリーズはこれまでPBになかったグリーン系の香りのラインナップが特徴。調香師はディオールのハイヤーやPBのタバコヴァニラなどを手がけたオリヴィエ・ギロチン。では、緑のボヘミアンと題した作品、いったいどんな香りだろうか?

ヴェールボエムをスプレーする。その瞬間感じられるのは、ほのかに甘くジューシーなマンダリンの香りだ。だが、5秒もせずに強烈なグリーンノートが広がってくる。「お、ガルバナムだ」と分かるほどの青臭いグリーン。シャネルの19番やクリスタルのイントロを思わせる香り。

ほどなく、クリーミーなファセットがグリーンノートの周りを包んで広がってくる。ガルバナムの青さはすぐに消え、人工的なグリーンノートが一直線に伸びてくるイメージ。あまり鼻を近づけてずっと嗅いでいると少し頭がクラクラしてくるような香りだ。このミドルは、どこか車用芳香剤やガラス用洗剤の匂いを彷彿させるような香りで、正直最初はあまり好きになれなかった。理由は明白。グリーンノートの名香に必ず含まれているオークモスのキリッとした苦味がないせいだ。

天然のオークモスは香料規制の波を受けてほぼ使えなくなった香料だが、香り全体のエッジを引き締め、ビターグリーン感と森の香りを彷彿させるにはなくてはならない香料だった。19番にもクリスタルにもかなり入っており、ガルバナムのグリーンとの相性はすばらしいものがある。だが、ヴェールボエムはオークモスを使えない。ではどうしたか?だったら最初からまろやかなグリーンのシングルノートを出す。それがこの作品の提案なのだろう。

ヴェールボエムのグリーンにかかるクリーミーな香り、その正体は同じくらいのの出力で出ているホワイトフローラルの香りだ。構成を見ると、マグノリア、ハニーサックル、ヒヤシンスあたりのようだ。確かにジャスミンの香りを軽く甘く低音で響かせたような白い花の香りがずっとグリーンとハーモニーを奏でている。しっとりとしていて落ち着いたホワイトフローラルだ。そしてこのミドルのグリーン&フローラルがそのまま減衰していく。持続時間は体温高めの自分の肌で4〜5時間ほど。

全体的に見ると、トップでマンダリンがスッと出た以外は香りが変わらず、青くてじんわりしたグリーンとやや低めの白いフローラルがずっと同じ音量で流れていく展開。単品使いよりもやはり重ね付け用アイテムとしての使用がベターかと。おすすめはジャスミンルージュやチャンパカとのレイヤー。白いフローラルが強調されてグリーンがいいアクセントになる。季節の変わりめなどに他の香りにのせて使うといい。

季節の変わり目、それは気温と湿度、気圧が刻々と変化する狭間のときだ。暑さに慣れた身体が不意に肌寒さを覚え、虫の声も秋のそれに変わったことを知る。空にわきあがっていた入道雲が、きれぎれのいわし雲に変わったのを見て、人は季節の移ろいに気づく。日々変わりゆくこの季節の合間は、恒常性を維持しようとする人間にとって、身体を慣れさせるのにとても辛い「魔の刻」だ。だから心にも知らず知らず澱がたまっていくのだろう。何かと何かの間に挟まってどっちつかずのとき、人の心は特に疲れやすくなるものだ。(←部長と部下の間とか、夫と子どもの間とかね)

故郷を捨て、欧州への道をひたすら旅するボヘミアンたち。野原でキャンプし、音楽を奏で、国から国へ渡り歩く流浪の民の彼らもまた、常に狭間にいる人たちかもしれない。青い空へと続く緑の草原の一本道。行くか戻るかとどまるか。自由な生活であるがゆえに、彼らも常に落ちそうな心と戦っている日々であろうことは想像に難くない。

ボヘミアンの緑と名付けられたこの作品も、言い換えればシトラスとフローラルの狭間にあるグリーンな香りだ。だから季節の合間のこの時期、この香りはどちらにも振り切れずうつむいた心に、やさしい草原の風を吹かせるのだろう。

ヴェールボエム。それは道なき道をゆく者たちの自由な緑の調べ。未知の世界を夢見て今を戦う者に寄り添う、グリーンとフローラルの柔らかなユニゾン。

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Bella.dさん
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SHALDAN(シャルダン) / SHALDAN BOTANICAL

SHALDAN(シャルダン)

SHALDAN BOTANICAL

[その他]

税込価格:オープン価格発売日:2018/3/8

6購入品

2019/6/29 10:16:28

ゼラニウムの効能を知り、商品を探していたところこちらを見つけて購入しました。
ゼラニウムは女性ホルモンの働きに作用しバランスを整えてくれるそうで、枕元に置き寝室の芳香として使用。
落ち着くローズの香りも配合されていて、使い始めの初日からぐっすり眠れました。びっくりです。うっとりする香りに包まれてすぐに眠りにつけます。
不眠や、ホルモンバランスの不調などで気分が不安定な方などに、ぜひ使っていただきたいと思いました。
また購入します!

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ぱどるさん
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SHALDAN(シャルダン) / SHALDAN BOTANICAL

SHALDAN(シャルダン)

SHALDAN BOTANICAL

[その他]

税込価格:オープン価格発売日:2018/3/8

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2019/3/4 17:54:12

ラベンダーと聞くと、安眠効果があるアロマという印象がありベッドの頭の所に置いています。
ラベンダー単体の香りはそこまで好きではないのですが、こちらはうまく調合されている感じでお気に入りの香りです。3回以上はリピートしています。
優しい香りで、ボトルもシンプルで良いと思います。

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自己紹介

香りの良いものが好きですが、柔軟剤のような人工的なのは苦手です。 特に好きなのは薔薇、そして針葉樹の香り。 my favorite parfumは… 続きをみる

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