- doggyhonzawaさん 認証済
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- 56歳
- 乾燥肌
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:2021/11/3
2022/12/3 12:21:16
「一期無常(イチゴムジョウ)」は「いちごの香り」がする珍しい香水だ。世にストロベリーフレーバーはあまたあれど、実は「香水」で「いちご風味」というのはほとんどない。そのニッチをうまくついたのが、日本の香水ブランド「アールフレグランス」を興した調香師、村井千尋さん。
村井さんと言えば、個人的にフレーバリストとしての才能が豊かな調香師、というイメージがある。「フレーバリスト」とは、食品をよりおいしくするための香りを作る職人。あらゆる香料に通じ、それらの綿密な組み合わせによってクライアントが望む「美味しそうな本物っぽい香り」を再現するプロだ。ご存じの方も多いだろうが、村井さんが手がけた「ティーブレイク」は、本物の甘いレモンティーのような香りがするし、他の香水の花の香りも再現力が高い。
その村井さんが「いちごの香り」を手がけたということで、この「一期無常」は、2021年の発売以来、話題を振りまいている。ではいったいどんな香りなのか?
一期無常をスプレーする。肌に乗せてまず感じられるのは、甘酸っぱいイチゴの風味、そしてスパイシーな土の香りがするパチュリだ。「おお、本当にイチゴの香りがする」と思わず納得してしまう再現力。ちなみにイチゴの香料やエッセンスは、生の果実から抽出していない。主成分となるカラメル様の甘いフラネオールに、リンゴやパイナップルの香料成分等を100種類ほど混合して再現されている。一期無常のトップは、ハニーの甘さも伴って限りなくスイートなイチゴ香。そしてほんのりクリーミー。
だが一期無常はその名のごとく、少しずつ香りが変化してゆく。
10分ほどするとイチゴの香りが落ち着き、その下からスッキリしたローズが感じられてくる。フルーティーなピンクバラの香りだ。同時に下の方からは土っぽいパチュリに上質な革の香りが混じってくる。とてもなめらかなレザー香だ。これらが混然一体となってフルーティーパチュリ、いわゆるフルーチュリな雰囲気になってくる。イチゴだけでなく、他の香料も主張してくるミドル。
ただ興味深いのは、トップのイチゴ風味がミドル以降もしっかり続いていることだ。
つけて2時間ほどたってもイチゴの香りはメインで感じられる。それをハニー、パチュリ、スエード革の香りが支えているイメージ。トップのイチゴは甘酸っぱいベリー系の香りだが、次第に少し大人びたダークロマンティックな影が差してくる展開。
ラストはかなり黒い香りになってドライダウン。墨の匂いがするパチュリ、そのスパイシーさを和らげるような上質レザーのヴェール。最初が「赤いイチゴ」で始まりラストは「黒いレザー&パチュリ」で終焉。色も対比している。持続時間は自分の肌で約6〜7時間。ときにパチュリのアーシーな香り、ときにレザーのアニマリックな風合いが余韻を見せつつ、消えてゆく。ラストは、甘くて暗い大人の香りでフェードアウト。
確かにこの一期無常は全体的に、あまあま少女ロマンティックな「いちごみるく」の香りではない。サンリオの「いちご新聞」の雰囲気じゃない。むしろスタンダールの「赤と黒」だ。
ブランド紹介文には、赤いイチゴの香りが表す「生」と黒いレザーパチュリ香が表す「死」の対比が記されていて、かなりシニカルだ。また、ボトルに描かれた幾何学模様は「時間」を刻む砂時計を象徴しているという。そこには人としての業(カルマ)も描かれているようだ。「一期」それは死ではなく「人生」。「無常」それは常に変化し続けること。いうなれば「一期無常」に掛けられたダブルミーニングは、
「フレッシュなイチゴの香りは常ならず、それは刻々と変わり続ける」と
「人生とは、常ならぬもの。苦楽あり、幸不幸あり。そして人は日々老い続ける」の2つか。
そこまで考えて2つの「赤と黒」を思い出した。
1つは赤。いちごを表す漢字「苺」。なぜ「くさかんむりに母」なのか。その由来には「乳首のような実のなる草」という解釈がある。もともと「母」という漢字じたい「乳房」を象形しているので、いちごは古来、母の乳首をイメージさせた物であったとみることができる。
もう1つは黒。太宰治の小説「人間失格」のラストのセリフ。読む者の背中からそっと冷たい手を入れて、魂をわしづかみにするようなこの暗黒小説の最後は、こんな言葉でしめくくられている。「自分には幸も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます。」
母の乳房は世界への最初の信頼。人生の始まりは赤ちゃん。土の香りは時過ぎて還る場所。人生の終わりは黒。そう考えると一期無常の意味は深いな。
母より生まれその乳を吸いし者、死に向かってただ生きゆくのみ。か。
まさに
祇園精舎の鐘楼に 一期無常の香りあり
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- ebishijimiさん 認証済
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- 41歳
- 混合肌
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2022/10/25 13:13:07
ロジェガレの中でもテファンタジー、フィグ、マグノリアなどに並んで人気のジンジャールージュの香りのオイルです。
もともとオスマンサスやオレンジのオイルが好きでしたがどちらも廃番となり、その後ジンジャールージュが定番化してくれたのでそれからずっと愛用してます。フィグも良い香りですが、こちらの方が私は好みです。
濡れた肌に直接塗ると伸びも良く、残り香が強過ぎず、お風呂の後もふわっと漂う甘い香りを楽しめます。
髪にも使えますが細毛や少なめの方は重たくなりやすいです。体はほどよくしっとりしてすべすべになります。
甘いけど甘過ぎない、ちょっとスパイシーな他にはない素敵な香りです。
基本的に無香料が好きですが、これは純粋に香りを楽しみたくて買ってます。
また、一度買うとなかなか減らないので長持ちします。
今後もリピートしたいので廃番にならないでほしいです…
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- 56歳
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・4,950円 / 100ml・6,820円発売日:-
2022/9/17 08:56:55
ロジェ・ガレのジャン・マリ・ファリナは、世界最古の香水「ケルンの水」の門外不出レシピを受け継いだ「伝説のオーデコロン」だ。100mlで6820円。
◎どんな方、どんなときにおすすめか?
・歴史と伝統に培われた本物にこだわりたい方
・よい香りは好きだけど、昨今のケミカル香水や柔軟剤の香りに辛い思いをしている方
・薬効を考えた天然香料の穏やかな香りに癒されたい方
・TPOを問わず、一瞬でリフレッシュしたいときに
・自然なフルーツやハーブの香りを「一瞬だけ」楽しみたいときに
◎この香水のよさを3つあげると?
・目の覚めるようなシトラスから始まり、ハーブ→フローラル→ウッディへと、軽やかな天然香料のやさしい香りが短時間にあっという間に変化していく伝統的なピラミッド構造をもっていること。それは、果実→葉→花→木と、植物全体の命の香りをめぐる自然な変化の道すじ。
・香水の始祖としての歴史を守り続けていること。1693年にジョバンニ・パオロ・フェミニスが、18の薬草をブレンドして創った万能薬「アクア・ミラビリス(驚異の水)」。この薬効を受け継ぎつつ、甥であるジャンマリファリナが世界初の香水として誕生させたのがこのオーデコロン(ケルンの水)だ。以来、幾多の模倣品が続出するも、決してたどりつけなかった「ケルンの水」の極秘レシピ。この最大の秘密を唯一受け継いだのがロジェ&ガレであったこと。
・安くて賦香率が低いため、バシャバシャ浴びるように体中につけられる点。賦香率が低いので周囲に迷惑もかけない。香水は「安くていい香りで気分があがる」のが絶対テンプレ。特に初期オーデコロンはアロマテラピー由来であり、「薬」としての概念を受け継いでいるため、心と体にもやさしく作用する。
▲逆にここは「うーん」と感じる点
・すぐ消える。もって30分。跡形もなく。これはオーデコロンの宿命。だからこそこの「ケルンの水」の発明以来、世界中の調香師はあらゆる方法で「長持ちする香水」や「最初のシトラスが長続きする香水」を求めて、香料抽出方法の進化や人工香料の発明にいそしんできた。この「すぐに消える」点をどうとらえるかはもちろんその人の価値観次第。自分は世界中にあふれている「オーデパルファム表記なのに1時間で消えるし、そのくせ3万円以上する香水」は万死に値すると思っているが、安くていい香りがするオーデコロンがそれなりに短く消えてしまうのは当たり前だと思っているのでむしろ好感度は高い。
○香りの詳細(つけてからの展開)
・つけた瞬間、広がるのはレモン、ベルガモットのシトラスシャワー。鼻を通して脳髄の奥まで染み渡るフレッシュな酸味に気持ちが高鳴る開幕。すぐにマンダリンのジューシーな甘さ、レモングラスの酸味と草感などが出てきて、スッと鼻を抜けていくトップ。
・ミドルはつけた瞬間から香り出していたラベンダーの清涼感が、タイムのドライ感、ローズマリーの香ばしい香りを引き出してくる。そこにプチグレンの葉の香り、オレンジフラワーの甘い花の香りが少しずつ混じり、ローズやゼラニウム系のフローラルがかすかに奥にある気配。ベルガモットの酸味とコクの下で、アロマティックとフローラルがバランスよく鳴り響くアコードが感じられてくる。
・つけて10分もするとシトラスは完全に消え、フローラルも見当たらなくなる。ドライ&スパイシーなハーブミックスの下からベチバーっぽい土感やサンダルウッド様の木の香りがしてきてドライダウンに向かう。この点、ネロリでスッと消えてゆく軽やかな4711よりもウッディで低い終わり方をする分だけ、若干持続時間は伸びる。といっても20〜30分でほぼ消失。
世界で初めて香水を創った人物、ジャンマリファリナ。彼はイタリア出身でありながらドイツに渡り、香水製造で貢献したことが認められ、当時入植者に厳しかったドイツで市民権を得られたという。彼はその感謝をこめて、自身が香水店を出したケルンという土地の名を冠し「オーデコロン(ケルンの水)」と名付けた。当時、フランス語が主流であったヨーロッパ社会にこの名はとどろき、以後ナポレオン一世がことのほかこの香りを気に入って愛用したとされるいわくつきの香水。ロジェ・ガレは創業以来160年、この伝統的な処方を守り続け、今なおジャンマリファリナの名を世界に知らしめている。
雨上がりの庭園を歩くジャンマリファリナを思う。木々の葉からしずくがこぼれるたび、青い匂いがする。花から水がしたたるたび、花粉と蜜の匂いが広がる。どこからかみずみずしい果実の匂いがしている。彼は知っている。美しい香りが水から生まれることを。
彼は今日もケルンの水を作り続けている。
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