shion...さんのナルシソ ロドリゲス パルファム / フォーハー オードトワレへのクチコミ |
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2024/5/7 18:23:01
360度「自然体で美しい女」のための香水。
どこからも「私は、洗練された美しい女です」と、静かに、そしてはっきりと宣伝するそんな香り。それでいて「上品」で、「セクシーでセンシュアル」。
突然ですが、私は巷に蔓延る「自然体」「エフォートレス」という言葉や概念が、好きではないのです。
大衆や市場ではその言葉を「手抜きをする」「楽をする」「怠慢さを言い換える」ための免罪符のように使うことが多いから。
でも、この香水は真の意味でエフォートレス。
例えるなら、ブラジャーを嫌がってカップ付きインナーばかり着たり、家ではノーブラでいるのは自然体でもエフォートレスでもない。
真のエフォートレスとは、上質な下着を選び、それを大切に手入れしながら、心地よく身につけ続けること。
おのれの身体、精神、心、魂に対して常に丁寧に向き合うこと、手入れをし、慈しみと心地良さを与える姿勢こそがエフォートレスであり、自然体であるということ。この香水はそうした真実のエフォートレスを教えてくれる。
そしてその「極上の自然体」を感じさせる姿勢に、「セクシーさ」が現れる。
「セクシーさ」は、ただ着飾って谷間を見せたり、女性性を過剰にアピールすることじゃない。
「丁寧に 心から ただひたすら芯から女である」ことを受け入れ、肯定し、それを味わう姿勢。
それは時に無垢で、儚く、危うげにも見えるかもしれない。だけど、その静かなる肯定の中に芯の強さがある。
それがこのナルシソ・ロドリゲスの香水が提唱してくれる「セクシーさ」。
セクシーとセンシュアルは両立するものであること、というよりも、どちらもあってこその「女性的な官能美そのもの」であること。
過剰なものは何もいらない。
静かにそこにあるのは女という私の魂と肉体と、それを受け入れる私の心だけ。そんな香り。
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何故ここではこんなに評価が低いの!?というくらい、素晴らしい香り。
「オスマンサス」(金木犀)が率いるトップノート、「ムスクやアンバー」が踊るミドルノート、「パチョリ(とほんの少しのバニラとペチバー)」で締めるラストノート。
つける人によってどのノートが強く香るかが違うようで。夫につけてもらったところ、甘さは常にゼロ、シトラス系だったかな?というくらいトップが際立ち続けました。
私がつけるとトップノートは一瞬(5分程度)で溶けてしまいます。私の肌でそこからはムスクとアンバーが踊りつづけ、数時間後には甘くまろやかで、うっとりするほど優しいパチョリの抱擁が待っています。
オードトワレなんて嘘、というくらい香りの持ちがよいです。そして拡散力もあります。
私は香水グルマン大好き民族で、重くて甘い香りが好きなほうなので、この香りはもう春夏向けでしかないでしょう?というくらい「軽やか」に感じます。(私からすると)一年中使えて場所を選ばないと思います。オフィスもOK。
評価がそこまで高くない・日本で知名度が高くないのは悲しいけれど
こんなに素敵ないい香りを「分かる人」、それを「楽しめる女」はそんなに居なくていい、という天邪鬼な気持ちもあります。
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