美輪アンナさんの4711(フォーセブンイレブン) / 4711 オリジナル オーデコロンへのクチコミ |
---|
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:50ml・2,200円発売日:1792/10/8
2013/5/17 13:00:50
2011年の仏映画「メゾン ある娼館の記憶」は、ちょうど世紀の変わり目1900年前後の、娼館文化の斜陽期にあっての、とある高級娼館のこもごもを描いた作品です。その娼館では香水に関して決まりごとがありました。「自分の香りを選ぶこと、他と被らない香水を」。新人娼婦が先輩に示された棚に並んでいたのは、娼婦の数だけある数々の香水壜。ざっと見ると、19世紀からのベストセラーであるゲランのジッキーやオーインペリアル等々に…更に遡った18世紀から存在するこちらの香水が。特徴ある色合いの壜なので、ご存知の方は気付きやすいと思われます。
トップで私に感知出来るのは、レモン・ラベンダー・ローズマリー。高級感を感じる苦味と強さのある柑橘の割に、それらは何の惜しげも執着もなく去って全くしつこく滞留しない為、アトマイザー等で持ち歩いて、気分転換・リフレッシュの為にシュシュシュッ!とするには非常に適したお品だと思います。バシャバシャ使用したところで香害とも無縁そうです。少し置けば、せいぜいうっすらとしたムスキーなシトラスの名残が肌に残るくらいです。そういう訳で一般論でいえば、日本人好きしそうな香りですね(…そもそも、日本市場向けのものは本場のものより香りが薄いらしいのですが)。
香りから人物像を描くなら、初見でははっとするインパクトを与える割に、さばさばしてしつこくない爽やかな方。大人で、物事を理論的に捉えられ、切り替えが早く、時間を無駄にしない方、それでいて(そんな訳は絶対ないはずなのに)自然体に見える方、という印象です。流れゆく水のようなシトラスのイメージです。
2010年の仏映画「遥かな町へ」でもこの香水が出て来ます。主人公の少年がある日、香水店のウィンドウごしに見たのは、贈り物を買う父の姿。それがこちらの香水でした。それは母ではない女性の為のもので、父はその後しばらくして、謎の失踪を遂げるのです。些細な登場ではありますが、佇まいが映画の雰囲気にとても合っていて、なかなか印象的でした。こちらは、そんな風に、文化性と格調高さがあり、劇的なシーンにぴったりの、物語性のある香水なのですね。
- 使用した商品
- サンプル・テスター
- 購入品