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ケイコ メシェリ / タリファ

ケイコ メシェリ

タリファ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

税込価格:-発売日:-

5購入品

2016/6/3 01:30:36

ケイコ・メシェリのタリファは、ネロリの香りが心地よい、古典的なオーデコロンタイプのフレグランスだ。この香りは、2010年春にサマーコレクションとして発表された4種類のシトラス系オード・パルファムのうちの1つだ。

ケイコ・メシェリは、「着るフレグランス」として重ね付けを提唱しているアメリカ西海岸のフレグランス・ハウス。日本生まれでカリフォルニア育ちのKeikoさんが、ご主人のKamel Mecheli氏とともに97年にL.Aで創設したブランドだ。調香師のクレジットはないが、シングルノートのようにシンプルで、フェミニンな香り立ちのオード・パルファムを発表し続けている。

このフレグランスに付けられたタリファとは、スペイン最南端の地にして、ヨーロッパ最南端でもある小さな町の名前だ。そこは、東に地中海、西に大西洋を分かつジブラルタル海峡の、最も海部分が狭くなっている岬。海をはさんで、対岸にアフリカ大陸のモロッコの山々が見渡せる「さいはての地」、それがタリファだ。

タリファをスプレーすると、一瞬、苦みと酸味のきいたビターオレンジの果皮の香りが立ち上り、鼻腔を刺激する。どことなくニコスのスカルプチャーに似てるトップだ。色に例えるならオレンジ色。ただ、すぐにベルガモットの緑色の酸味と、ティー風のコクが下から広がってきて、まるでスライスオレンジを浮かべたアールグレイ(シトラスづくし)といった風情になる。拡散力はまろやかで、突き抜けるようなとがった感じはない。

やがてタリファは、あまり変化しないまま、ベルガモットのティーっぽい甘さを残しつつ、ややクリーミーなベールに包まれたネロリの香りに落ち着いていく。トム・フォードのネロリ・ポルトフィーノあたりも彷彿させるけれど、それよりも丸みのある、女性的なオレンジフラワーの香りといった印象。

そんなミドルのクリーミーなネロリが、あまり変わらずに穏やかに長く続いていく。次第に、ほんのりとした甘味が感じられるアンバー風の香りが混じって収束していくものの、ケミカルっぽさを感じない、とても自然なフェードアウト。

そして、驚くべきことにタリファは、このソフトでかすかな残香が、5〜6時間、あるいはそれ以上も、静かにたゆたい続けるのだ。

付けたてから淡くてほのかな香りなのに、それがかなり長く続いていき、時折鼻をかすめ、いい気分にさせてくれる。これは、何だかすごいことだ。このミドル〜ラストの香りが、ゆったりとしていて甘く、柔らかなネロリ風の香りを保っていて、とてもいい。「ケルンの水」系では、シャネルのコローニュと同じくらい素敵な残香だと個人的に思う。

スプレーした肌に、かなり鼻を近づけた時だけほんのりオレンジフラワーの白い花の香りがする。これほど自然な雰囲気の香りなら、人混みの中でも躊躇なく使えるだろう。もちろん、ビジネスシーンでも。香水嫌いな方でも、ケイコ・メシェリの香りはOKという話をよく聞くが、それもうなずける。シンプルでナチュラル、そして控えめなフェミニンといった香りが多いケイコ・メシェリは、日本の女性にこそもっと知ってほしいフレグランス・ブランドだと思う。

そうは言いながらも、「もう少し」な点がないわけではない。例えば、ケイコ・メシェリの作品は、香りが優しいわりに値段は鬼のように優しくないし、ボトルデザインは以前の物から現在の物までかなり残念に思っている。安っぽかったスクゥエアボトルが、ゴツい感じに変わって久しいが、柔らかく穏やかな香りの作品群とは、イメージがややかけ離れていて悲しげだ。タリファはサマーコレクションなので白ボトルだけれど、通常の黒ボトルの、角ばったドヤ顔的仰々しさは、繊細な作品群には合っていないと思う。むしろ、洋酒のボトルライクで、男性的なデザインだ。そういう意味では、香りに見合った値段、フェミニンな雰囲気を壊さないボトルデザイン、ボトルサイズが、今後も検討されていったら嬉しい。

地中海と大西洋を分かつ岬。そして、ヨーロッパとアフリカを分かつ町。タリファはそんな壮大な意味をもった座標の地。スペインのセビリアにオレンジの花が咲き、対岸のアフリカ、チュニジアでもオレンジの花が風に揺れる頃、タリファにはどんな風が吹くのだろうか。

2つの大洋と2つの大陸を分ける大きな狭間、ジブラルタル海峡に吹く風。それは、タリファを越えてゆく真夏の太陽とオレンジの香り。

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モルトンブラウン / ブロッサミング ハニーサックル&ホワイトティ オードトワレ

モルトンブラウン

ブロッサミング ハニーサックル&ホワイトティ オードトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:50ml・9,900円 (生産終了)発売日:2015/3/18

6購入品

2016/10/8 11:27:34

これは、かなりよくできた香水かも知れない。そう思っている。モルトンブラウンと言えば、どちらかというとボディケアのイメージが強かったが、このブロッサミング ハニーサックル&ホワイトティのオードトワレは、次の3点で、最近とみに自分内評価が高まっているフレグランスだ。

第一に、ふわりと漂う甘さが印象的なハニーサックル(スイカズラ)の香りを中心に、ホワイトフローラルのミックスが、穏やかでフェミニンに感じられること。

世にジャスミンの名香は多いが、ジャスミンが濃厚すぎて少し抑えたいようなとき、似た系統で少し控えめかつグリーンな雰囲気も感じられるハニーサックルの香りは、特に女性にお薦めだ。このフレグランスには、ジャスミンもクレジットされていて、このへんの香料バランスがとても自然で心地よい。ハニーサックルはフランスではかなり好まれる香りだと聞くが、イギリスブランドのモルトンブラウンが作ったというのも興味深い。派手すぎず、けれどしっかり主張するホワイトフローラルだ。

第二に、ハニーサックルと取り合わせたホワイトティーの香りがスッキリして心地よいこと。

ホワイトティーと言えば、苦みや渋みが抑えられた中国茶の逸品。最近ではこのスッキリした香りや風味をアレンジしてフレグランスに用いられることも多い。有名なのは、ウェスティンホテル系列のフロアに漂う優し気な香りだ。ここでは、白い花のブーケの下からさっぱりした苦みというか、心地よいクリーンな香りが漂ってきて、その雰囲気がホワイトティーっぽい再現だろうと感じられる。この取り合わせのバランスがとてもよく、優しく誘いかけるような花々の香りの下から、白茶の香りが、キリッとエッジを明確にするような役割で下支えしているように感じられる。

第三に、香りの変化が劇的で美しいこと。特にミドルのハニーサックル&ホワイトティーから、ラストのヘリオトロピン&サンダルウッドへの変化が明確で、まるで目の前の風景が、時間の経過とともに色を変えたかのようで印象的だ。

香水は柔軟剤の均一でのっぺりした香りと違い、さまざまな要因によって複雑に香りが変化し、時間の経過とともに香り立ちが変わり続ける。それが面白さの一つだ。ただ、トップ〜ミドル〜ラストと変化するその間、全ての香りが好ましく感じられるという香水は、実はなかなか少ない。そんな中、このフレグランスのミドルからラストへの変化は、最近出会った中ではとても気に入っているうちの一つ。もちろん個人の嗜好だが。

特にヘリオトロピンのラストがいい。よくあるソーピーやパウダリーなムスクで終わらないところが秀逸。少し煮詰めたような甘いヴァニラ様の香りに、香ばしさが加わり、まるでカラメルをかけたお菓子の匂いのように感じられる瞬間がある。満開の花の香りから、お茶とお菓子のティータイムに時間が移ろったように思えて好ましい。

香料規制の多い昨今、天然香料は、アレルギー問題、品質の安定性、供給に関わる時間・コストの問題のため、どんどん代用香料に置き換えられているが、そんな中、これだけミドルからラストへ自然で印象的な変化をさせられる点に感じ入った。調香は、ジボダン社のシャマラ・メイソンジュ。これまで知らなかったが、今後も注目したいパフューマ―の一人だ。

50mlで9000円前後。持続時間はミドルが3〜4時間。その後、煮詰めたシロップ風のラストが実に4〜6時間ほどもほのかに香り続ける。使える場面もオンオフ問わず使いやすいだろう。そういった面から、汎用性が高く、比較的コストパフォーマンスがよい、優秀な香りの一つだと思う。さすが、2013年に英国王室のロイヤル・ワラントを受けたブランドというべきか。

周囲の山々の緑をそのまま湖面に映し出したかのような美しい湖。西洋でミラーレイクと呼ばれるその「鏡海」は、角度を変えてのぞきこむと、紺碧の青がどこまでも透き通り、水中に沈む倒木の森さえ浮かび上がらせるほど神秘のたたずまいを見せる。ここは、中国四川省、九寨溝(きゅうさいこう)。その類まれな美しい風景を見るために、年間何万人もの観光客が、この山深い秘境へ訪れるという。このフレグランスは、この地のイメージから創作された。

湖から目を上げれば、そこには満開のハニーサックルの薄紫の花、その甘い蜜の香りがどこまでも漂い、人の心に忘れえぬ感慨を残す。しばし心にとどめ、かの地に別れを告げる。さあ、山を下りよう。町に着いたら、ひと休みして、地元の最上級ダージリンの白茶をいただこうか。ここはチベットに近い場所。悠久の空と大地が息づく天空の庭。

むせかえるハニーサックルの香り、はらはらと湖面に散ったジャスミンの花弁。そして、爽やかな後味を心に残すホワイトティーの温もり。

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サンタ・マリア・ノヴェッラ / オレンジフラワー (Zagara) オーデコロン

サンタ・マリア・ノヴェッラ

オレンジフラワー (Zagara) オーデコロン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:-発売日:-

4購入品

2017/6/4 00:17:21

サンタ・マリア・ノヴェッラのオレンジフラワーは、心と体がくたくたに疲れやすい6月にこそ使いたい香りだ。この時期は、4月から続いているオーバーワークで、心がSOSを発したり、体がダウンしたりしやすくなるから注意が必要だ。

そこで、この季節に使いたい香りのセレクトには、「心のリラグゼーション効果」が期待できるアロマテラピー系のコロンを1つ入れておくといい。中でも、このオレンジフラワーのようにネロリを用いたコロンはイチ押しだ。

ネロリは、数ある精油の中でも特に人気が高く、心と体に作用する効果の高い香りだ。アロマテラピーの分野では、ストレスや不安を和らげ、緊張やプレッシャー、イライラや怒りを静める香りとして有名だ。香水は香りの芸術だから、純粋に薬効と向き合うアロマテラピーとは一線を画すけれど、サンタ・マリア・ノヴェッラのように、長年「香りと癒し」を追求してきた薬局から見れば、「香りは薬」という捉え方なのだろう。その証拠に、サンタ・マリア・ノヴェッラのアックア・ディ・コローニア(オー・デ・コロンのイタリア語)は人工香料を使わず、今なお天然香料を用いて昔ながらのレシピを大切に作っているという。

オレンジフラワーのトップは、爽やかなシトラスの香りから始まる。それは、さっぱりとした黄色いシトラスの香り。ベルガモットやグレープフルーツのミックスのようで、酸味よりもやや青い苦みが印象的なトップ。同じサンタ・マリア・ノヴェッラのシチリアと付け比べると、シチリアはクローブやハーブのスパイシーな感じがトップから感じられるのに対し、こちらはやや高音ですっきりしたオープニング。より女性向けなタイプだ。

やがて5分もすると、淡いシトラスの下から、ふんわりとしたオレンジの花の香りが漂ってくる。わずかに青臭いグリーンノートをしたがえた甘くふくよかな香り。ビターオレンジの花、通称ネロリの香りだ。一概にネロリといってもピンからキリまであるが、このコロンに使われているネロリは、やや高音であっさりした雰囲気だ。やがてその香りの下から少しずつ、樹脂っぽいようなコクが出てくる。

このミドルは、ほんのり苦みを感じさせるオレンジの果皮の香りと、ふくよかで甘いネロリと、そしてキリッと青い葉の香りのプチグレンがミックスされて、全体的に穏やかで透明感のある軽い仕上げになっている。低いところでゼラニウムのクールなフローラルがネロリを支えているようにも感じる。

オーデコロンなので持続時間は短い。手首などに付けると、30分もしないうちに淡くなっている。付けた場所に鼻をかなり近づけたときに、わずかに花の香が感じられるくらい。

ラストはそのままフェードアウトする。構成によればモス系をベースにしているようだが、オークモスのような苦みや湿っぽい香りは感じられない。ベース香がなく、ミドルのネロリとフローラルのミックスがそのまま薄くなって終わるといった感じ。

それでも、このナチュラルで穏やかな香りをかいでいると、いつの間にか心がゆったりしてくるような気がする。自然のもつ柔らかな香りは、心と体に優しく作用してくれるのだろう。30分〜1時間ほどしか香らなくても、はかなく消えていく潔い美しさは逆に心に残るものだ。

あるときはルームスプレー、あるときはボディウォーター、そしてあるときはヘアフレグランスといった具合に、天然のネロリの香りが静かにたゆたうノヴェッラのオレンジフラワーは、くせがないぶん、さまざまな用途に使えると思う。ただやっぱり値段は高い。100mlボトルで2万円近いコロンとなると、浴びるように使う気にはなかなかなれない。シャネルのオードゥ・コローニュにも同じ事が言える。だから、ややハーブが強いものの、これよりずっと安くてバシャバシャ使える4711で代用してしまうことが必然多くなる。それがネックだ。

急に広がってきた鉛色の曇り空をぼんやりと見つめる。6月の天気は変わりやすい。生乾きの洗濯物のような気分を抱えたままどうにもできないとき、体がしぼむような長いため息が口から漏れたなら、シンプルな香りをそっとそばに置いてみる。ほおづえをついたまま何だか分からない涙が出そうな自分を、そっとオレンジフラワーの香りにゆだねてみる。

さわさわと音を立てて揺れる緑の葉の香りがする。しっとりとした果実の酸味が心にしみこむ。風にそよぐオレンジの木。地中海の風に乗って運ばれてきた甘い花の香りが、鼻腔をくすぐる。それだけだ。それだけのことなのに、心が締め付けられるように切なくなる。

ひと雨来そうだ。この雨でひとしきり泣いたら、心はしっかり乾かそう。6月は変わりやすいのだから。空模様も、心模様も。

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アトリエ・コロン / ポメロ・パラディ

アトリエ・コロン

ポメロ・パラディ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:30ml・8,910円 / 100ml・17,820円発売日:-

5購入品

2017/4/18 23:03:50

30mlを購入。
オレンジ・サングインをうまく使いこなせていないのに、なぜか増えました。


お菓子っぽい柑橘の香り!
ムエットにシュッ!としてもらった瞬間、HARIBOのグレープフルーツグミが頭に浮かびました。でもHARIBOよりも更にフレッシュでジューシー。
甘いからか、オレンジ・サングインよりも香りが濃いように感じます。また、オレンジ略と違い苦み香料が入っていないので、メンズ感はゼロ。
とても美味しい香りです。

香りは皆さんのおっしゃる通り。
私は完全に素人なのでどの香り成分が…とかの嗅ぎ分けもできませんが、取り敢えず思ったことをメモしておきます。


トップの「ザ・生のフルーツ」感が消えた後は、甘い花のような香り。
なんというか丸い…いや円い、柔らかい花です。
この辺、お化粧室の香りというご意見、分かります。正直私もそんなに好きではない。
なんだかジョー・マローンの「アールグレイ&キューカンバー」みたいな鼻に抜ける感じが気になる…ミント???

ただ不思議なことに、ずっと花の香りがするわけではなく、たまに思い出したように柑橘が香ることがあり、その柑橘の香りがすごくいいです!
トップは西洋っぽい柑橘(輪切りにして食べる系)ですが、この時香るのはポンカンとかタンカンとかの皮をむいて食べる系の柑橘、な気がします。
みかんが食べたくなる!

ラストのべチバーとかイリスの香りがどんなものか分からないのですが、おおむね「甘い柑橘と花!」というイメージを残して去って行かれます。
今まで持っていたことがない香りで、とても新鮮で楽しいです。

それでなぜ★7つでないのかというと、
それはあれです、昨今至る所で出会うお掃除洗剤の香りのせいなのです…
ジューシーさやフレッシュさは似ても似つかないのですが、たまにふと「あれっ?」と思う瞬間があり。
というか洗剤も結構忠実に柑橘の香りを再現していますよね。オレンジオイル?凄いな〜と思いますがこういう時ちょっと恨めしい。


とても素晴らしい香りだと思いますので、できるだけ長い間愛用したいと思います。
最後まで使い切れる!と確信した初めての香水なのです。
ありがとうアトリエ・コロンさん。

ここまで読んでくださってありがとうございました。

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アトリエ・コロン / ジャスマンアンジェリック

アトリエ・コロン

ジャスマンアンジェリック

[香水・フレグランス(その他)]

税込価格:-発売日:-

3購入品

2017/6/26 22:48:55

ジャスマン・アンジェリックは、「この構成なら絶対いい香りに違いない」と見こして試香もせずに買って玉砕したフレグランスシリーズの1本。(←わりとよくやるよな)近くにアトリエコロンを扱っている店舗があるにもかかわらず、安いからという理由だけでネットでポチッ!しかし、それはピンポーン!ではなく、ブッブー!音だったという。

アトリエコロンは、ローズアノニムがやや苦手な系統のブレンドだったことを除けば、比較的好きな香りが多かったので、それが「いきなりポチッと押し」の一番の原因。だが、この香りで確実に自分の中でのブランド評価はやや下がった。うーん残念。

アトリエコロンの作品には必ずイメージストーリーがある。このジャスマン・アンジェリックに添えられたイメージボードは、何年ぶりかで再会する2人の物語。その舞台はジャスミンの咲く庭。だとすれば、7月ぐらいだろうか。夏の庭で再会する男と女。その2人にはどんな秘められたストーリーがあるのだろう?

そんなロマンティックな印象だけでなく、鮮やかなグリーンのラベルも購買意欲をそそるのに一役買った。ともすれば、さまざまなフローラルブーケに使われるジャスミンだけに、グリーン調のジャスミンだとすれば、一体どんな香りだろう?いやが上にも想像力がふくらんだ。クレジットを見れば、トップからジャスミンとアンジェリカが香り、ミドルでガルバナム&フィグが来るようだ。青々としたフローラルに土っぽさとミルキーな感じが混じるのだろうかとワクワクした。さらにベースにはインセンス、アンバー、トンカビーン。どう考えても好きな系統。それこそ、初恋の人に真夏の庭でバッタリ会えたらこれくらい心が躍るだろうというくらいのテンションの上がりようだった。

で、結果的には玉砕。久々に言う。好きな方、ごめんなさい。自分はこれ苦手。

なら書くなよ、ディスる暇あったら良い物紹介しろよ、という生冷たい声が聞こえそうだが、こちらも大枚を出費してる手前、そうもいかない。物がコロンなだけに、転んだらタダでは起きたくないといった心境だ。だからあえて書く。

トップ。青臭いのに甘ったるい妙なジャスミン。何というか、植物の葉っぱや茎の砂糖漬けみたいな強烈な甘さがドーンと主張してきて、そのまったりしたスイートさにまず驚く。背後にグリーンな青さ、土っぽい苦さもあり、それを包み込むようにジャスミンが香るのだが、全体の印象が「砂糖漬けのドライフルーツ・ジャスミン添え」という感じ。そんな感じが好きなら買いといったオープニングだ。

自分の肌ではミドルもほとんど変わらない。フィグの青臭さに甘ったるさがかぶさったような感じに、濃厚なジャスミンが香る。体温低めの女性であればもう少しグリーンなシャープ感が出ていい香り立ちになるかも知れないけれど、いかんせん体温高めな自分には、甘さだけが際だって出ているように思う。それが3〜4時間ほど続く。

ジャスミンじたいの香りはなかなか強めで、何か効果的なレイヤリングができればいい感じになるかもといろいろ試してみているところ。今のところ、このコロンの上にニベアクリームを塗ると少しソーピー&クリーミーな香りのベールがかかって、くどい甘さが抑えられて心地よかった。自分のように甘さばかり際だってしまう方はそんなふうに何か上に乗せてみるといいかも知れない。

とはいえ、毎回ニベアを塗ってまで使いたくなるタイプの香りでなかったことは本当に残念だ。ローズ・アノニムもそうだったけど、期待していたフローラル2作で撃沈してしまったので、やはり好きなブランドとはいえ、試香は絶対すべきだと改めて自戒した。ちなみに、アトリエコロンのシトラスはどれも好きだし、ベチバー・ファタルやミストラル・パチュリなどのウッディ系コロンも好きなので、何だか花の咲きほこる庭だけがどんよりとした曇り空になった気分。

不意に鈍色の雲の縁がまばゆく光り出す。アンジェリカの甘くハーバルな香りが鼻をくすぐる。ムンとする7月の曇天。太陽がのぞこうとしているのか、それとも再び黒雲が立ちこめてくるのか。そんなどちらとも知れない予兆の中、庭園の向こうからやってくる人影を認める。女性だ。心が早鐘のように鳴り始める。いつかまた会おう、そう約束した日からもう何年もたっている。毎年毎年この庭園で待ち続けたけれど、会えなかった。次第に暗いシルエットが近づいてくる。彼女だろうか?いつとは決めなかった。それでも、あの日別れ際、2人とも心に誓っていたはず。

いつかまた。ジャスミンの咲く季節に、この庭で。

女性が緑の小道から姿を現す。互いに顔を見つめ合う。時間が止まる。
その瞬間、ひときわ甘いジャスミンの香りが、夏風にそよいだ。

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ジギーさん
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プロフィール
  • 年齢・・・46歳
  • 肌質・・・普通肌
  • 髪質・・・柔らかい
  • 髪量・・・普通
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  • 血液型・・・未選択
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  • 食べ歩き
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  • ヨガ

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自己紹介

電車に乗っていても人の顔のたるみを見てしまうほどのたるみ恐怖症。ハリ、たるみ対策に命をかけつつ、できるだけ中からのケアと植物の力(特にローズ)を使った… 続きをみる

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