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doggyhonzawaさん
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トム フォード ビューティ / ウード・ウッド オード パルファム スプレィ

トム フォード ビューティ

ウード・ウッド オード パルファム スプレィ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:10ml・12,100円 / 30ml・25,850円 / 50ml・38,500円発売日:2012/10/24 (2023/6/2追加発売)

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4購入品

2017/1/7 22:38:38

ウードウッドは、ずるい香りだ。トップから薬漬けのセロリみたいな香りがするのに、2007年の登場以来、世界中で売れ続けている。かなりマスキュリンでウッディな香りなのに、男女問わずセレブがこぞって買っている。さらに、50mlボトルが28080円(税込)もするのに、セレブじゃない方々も買っていく。一体なぜこの香りはこんなに売れているのか?

ウードウッドは、トム・フォードが2007年にリリースした「香りの実験室」ともいうべきプライベートブレンドシリーズ最初の12本のうちの一つ。それまでのシグネーチャーラインから一線を画したこれらの作品群は、香水愛好家のみならず、世界中のセレブも巻き込んで大きな話題となった。「チャン・グンソク氏のセカンドバッグの中身拝見!」という意図不明な雑誌の企画で、バッグの中にネロリ・ポルトフィーノ様がやけにドヤ顔で鎮座されていたのもこの頃だ。(←誰の仕込み?)(←やめろ)

このシリーズが世界的にヒットした背景にはさまざまな理由があると思うが、最も大きな理由は「よりプライベートに、よりラグジュアリーに」と、香水の付加価値を高めたことに依るものだろう。具体的には、フレグランス・コンバイニング(重ね付け)で一世を風靡していたジョー・マローンのアイディアを、より高級感あふれる濃厚なオードパルファンで提案したことではないだろうか。

ジョー・マローンのコロンの香りやボトルは、みずみずしさや透明感が特徴だ。これに対し、プライベートブレンドは、香りも濃厚、ボトルも薬瓶を思わせるダークでスクウェアなデザインにし、ゴールドラベルなどを配する対極的な位置づけでヒットした。後年、ジョー・マローンがブラックボトルのコロン・インテンス・シリーズを発売したが、そこにはプライベートブレンドの逆影響が少なからずあっただろう。そしてそのインセンスブームの火付け役となった香りこそ、このウード・ウッドだった。

ウードウッドは、トム・フォードが実際に訪れたブータン王国で出会った香りをモチーフにして作られた。ブータンはチベット仏教の地で、断崖絶壁の上に建つタクツァン僧院などが有名だ。この香りは、発売されるやいなや、日常的にウードを用いる中東で人気を博し、ドバイなどではセレブの御用達となり、世界的ウードブームをけん引することとなった。

では、そんなウードウッドはどんな香りかというと。

ウードウッドのトップは、スパイシーなセロリのような香りで始まる。苦みのきいた漢方薬セロリ風味。ラルチザンのゾンカもまた、クリーミーなタッチのセロリ風のトップをもっているが、ゾンカに比べるとウードウッドは、最初から低くウッディなベース香が広がってくる。さながら茶色の薬湯の匂いを思わせる雰囲気だ。それでも奥からスッキリとした清涼感のような酸味が流れていて、確かに複雑な五味を感じさせるトップ。

やがて3分もすると、薬草っぽい苦みや酸味はうすらいできて、じわじわと暗くて低いウッディな雰囲気になってくる。トップがガツンときて好き嫌いが分かれそうだが、ミドルは、ソフトレザーのようなアニマリックな香りも出てきて、木の香ばしさが増してくる。キンとしたセロリ風の香りが高いところで鳴っていて、ローズウッドなどのウッディと同時に香っている印象。濃厚で温かみのある木々の香りが、刻々とさまざまな表情を見せて心地よい。この思いきり焦げ茶色なウッディの香りが、大体5時間ほど静かに続く。

ラストは、ほんのりスパイシーに変化する。ペッパーの辛みが出てドライな香りになり、その後にほんのり甘いクリーミーなヴァニラノートが残る。このお香とミックスされた淡いヴァニラがフェードアウトするまで、約8時間ほども続く。

プライベートブレンドの一本一本は、あらかじめレイヤリングを考慮して、シングルノート風に作られている。このウードウッドは、通常の香水でベースノートに使用される分子の重たい香料ばかりが配合されている。だから、ライトな柑橘やフルーツ香、フェミニンなフローラルなどを上からレイヤリングすると、香り全体に深みとエッジが効いておもしろいと思う。ちなみに上からネロリ・ポルトフィーノを重ねたら、柑橘やネロリ、ジャスミンがより強調されて、とてもしっとりとしたいい感じになった。

欠点を挙げるとすれば、やはり値段の高さだ。正直、この香りでこの値段は高すぎる。ただこのボトルはコレクション欲を刺激してやまない。で、ジレンマに苦しむ。(←で、買う)

柔らかくスモーキーな樹脂の匂いとウッディの香ばしさ。それらが、ときに苦く、ときに辛みや酸味を帯びて、少しずつ表情を変えながら立ち上る香り。それは偶然の積み重ねにより奇跡のようにこの世に生まれた、貴重なウードの煙る香り。

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イヴ・サンローラン / フェイスパレット シマー ラッシュ

イヴ・サンローラン

フェイスパレット シマー ラッシュ

[プレストパウダー]

税込価格:9,130円発売日:2019/1/4

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7購入品

2019/1/5 21:26:03

文句なしの星7。これは…本当に綺麗です、マットですが顔の生気を奪うことなく、多幸感のあるフェミニンで温かみのある肌感に仕上げてくれるパウダー。かなりのピンク粉ですが赤ら顔になってしまう事もありません。価格がちょっと高いかなと思いましたが価値はありました。まだ1月5日なのに、今年のマイベストコスメはこれじゃないかなぁという予感。

【質】
建前上はあくまで全顔用フェイスパウダーとの事ですが、私の実感ではチークにも使えます。お粉としての性質は昔クチコミしたラディアントコンパクトパウダーとほぼ似通っており、マットでフォギー。かつ、粉粉したローテク感とは無縁で、顔全体をキュっと引き締め、するんと見せる統一感が出る高精細で高度な仕上がりです。
実は小粒のラメは入っており、間近で見ると星くずのように煌めいているのですけどね。
パっと見た限りでは、ラメは全くといっていいほど目立ちません。

なお、チークとしての性質ですが。YSLの現行チーク:ブラッシュクチュールは購入しておらず手の甲にテストしてみただけですが、性質的にはまったく違う、正反対ともいえる性質だと思います。
ブラッシュクチュールは粉感はやはりほぼないですが、高透明度かつ高発色で、透けて光を通すリキッドチークのような性質。
本シマーラッシュは不透明、肌の上に一枚マットなベールをかけたふわっとした仕上がりです。

【色】
3色の微妙に異なったピンクと、アイボリー(ややピンクみを帯びてるかなぁ)の4色粉。
発売情報の画像を見た瞬間、かつて大好きだったジバンシイの旧ル・プリズムブラッシュ21番に似ていると感じましたが、実際使用してみてもやはり質・色とも似ています。
中央のピンク部分だけを重点的にブラシに取って塗布したら十分ピンクに発色します。
周囲のアイボリーを意識して多めに取れば全顔用フェイスパウダーになり、余分な赤みなどは出ないです。

【モチ】
全顔・チークとしての両方、ともによいと感じます。
まだ、昨日引き取って本日1日過ごしてみた印象ですけれど。
綺麗な仕上がりがロングラスティングで、ほんと完璧に近いですね。

【パケ】
ちょっと分厚いパケですが、軽くて持ち運びにはよいと思います。
ブラシやパフの添付は無し。ベロアケースは付いてます。
メタリックラベンダーが偏光するフタ表面ですが、ビニール素材のような柔らかさと粘着感がある不思議な感触です。私はいつもはベロアケースの類はすぐ処分してしまうのですが、本品は傷つき防止の為にベロアケースに入れて持ち運んだ方がいいかもしれない。

【他】
◆ジバンシイの旧ブラッシュ21番と似ている記憶に引きずられて買うのは…
それを使っていたのがもう7〜8年前、大好きだったとはいえ似合うものは年々変わっていきますので加齢を考えて安易に飛びつくのはどうかと思いましたが、今回の場合は大丈夫だったのでほっとしました。
どころか、エイジング対応メイクにとても優れたアイテムだと思います。
これが限定なのはとても惜しいです、定番化してほしい製品です。

◆今回、パウダーと併せてポリッシングブラシN(MACのスティプリングブラシに似たものです)を購入し、それで付けたのですが、相性◎でした。
繊細な繊維がキメや毛穴にそって、パウダーを密着させてくれるブラシなのですが、
これまたこの年齢になるとあまりキメにパウダーを押し込むのは逆効果になるかな…と思ったのですが、いやもう全顔もチークも非常に綺麗に仕上がります。
ブラシにもまたおいおいクチコミしたいと思います。画像左の左上段に写っているブラシです。

◆店舗へ予約しに行った時は、チークとしてのつもりだったのですが、BAさんに「これはチークとしては使えないです、フェイスパウダーです」と言われた為、どうしようかなと思ったんですが、購入して正解でした。
当然といおうか、タール色素は入っている為、紫外線の強い時季には全顔使用は少し注意して使おうと思います。使用期限は24Mとなっている為余裕はありそう。
容量は9g、プレストパウダーとしても十分な容量ですね。

【画像】
右が、ポリッシュブラシNに、中央ピンクを重点的に取った時の色。
白の毛がこれだけピンクになるので、十分発色する粉である事がわかると思います。

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ル ラボ / GAIAC 10

ル ラボ

GAIAC 10

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

容量・税込価格:1.5ml・1,650円 / 15ml・18,480円 / 50ml・40,920円 / 100ml・66,000円発売日:2008年

7購入品

2017/10/2 23:49:53


私がルラボに強い興味を感じたのは、ネットで創業者のエディ・ロスキーのインタビューを読んだ時に、彼が日本人というアイデンティティを実に的確に捉えていたからだ。
特に、彼自身が実際に体験したという華道について、ただ花を観るという結果だけではなく、そこに辿り着くまでのステップバイステップというプロセスをすごく大事にしていることを、とてもいい文化だと感じた、その感性に興味を持った。
さらに2007年、創業の地ニューヨークにつづく2店舗目の路面店を、パリやロンドンでなく、正直、ほとんどフレグランスが売れないこの日本(代官山)を選んだことに、思いっきり好感を抱いた。

ガイアック10はそんな日本を象徴した、東京限定の香り。2008年発売。

この香りは禁断の香りだと思う。
なぜなら、ガイアック10のコンセプトは、賦香率が30%とパルファム級に高いも関わらず、その香りは周囲にフレグランスを付けている印象を与えないくらい、繊細さや気遣いをキーワードにしているからだ。
それくらい香りが優しく肌になじむため、“スキンパフューム”と呼ばれているとのこと。
このフレグランスを理解するには、時間と知識も必要になってくるとのこと。

こういう香りに触れて、こういう香りを理解してしまうと、もう後戻りできないのでは、と距離を置いていたが、何回か店頭で試しているうちに、ついに我慢できず買ってしまった。

ガイアック10にはトップが存在しない。店頭でムエットにつけても、繊細すぎて店内にあるさまざま香りに埋もれてしまい、ほとんど香りを感じ取れないため、外で香りを嗅いでくださいと言われるほど。

実際には、アルコール臭が飛んだ後、ガイアックの少しだけスパイシーで、硬さのあるウッディ感に、ウエットなムスクが合わさった、スモーキーなウッディ・ムスキーな香り。
スモーキーな中に、少しずつオリバナムのミルキなー酸味が加わり、透明感、清潔感が増していく。
2時間ほど経つと、ガイアックとセダーウッドのドライなウッディ感が増して、さらにオリバナムの酸味がアクセントになることで、柔らかいムスクに沈むことなく、硬いウッディが香る。付けてから2時間くらいは至福の時間を味わうことができる。

さらに2時間ほど経つと、オリバナムが弱まり、ウッディの余韻と、柔らかいムスクの香り。その後は儚げなムスクの香りが6時間以上続く。
男性にはムスクの香りに気づきにくい人が多いという。もしかすると、ウッディが抜けた後のムスクの残香が分からないのではと感じてしまうくらい、柔らかいムスクの香り。
そもそも香り立ちもソフトなため、両腕に1プッシュずつだと、周囲の人にほぼ気付かれないレベルだ。

このフレグランスの主役は、何と言ってもガイアックウッドとオリバナムだと思う。
ガイアックウッドのスモーキーで、バニラのようなふくよかな甘さのある香りは、人をリラックスさせ、身をゆだねるような気分にさせるため、瞑想をするときに役立ち、神経の緊張を和らげる作用があるとのこと。
また、オリバナムはフランキンセンス、和名では乳香といい、柑橘系の酸味と、樹脂のクリーミーな甘さを合わせたような香り。古代エジプト時代から、その金色の樹脂を焚いて、不安や緊張、強迫観念を取り去るために使用していたとのこと。
このガイアックウッドとオリバナムを、上質なムスクがフレグランスとしてまとめ上げたような香りだ。

個人的には、ムスクに包み込まれてしまう手前の、ガイアックとオリバナムが肌に寄り添って、安らかな癒しを与えてくれるところまでが好みだ。

トップに効く香りもなく、賦香率も高く、アルコールが少ないため、香りはほとんど拡散しない。電車などで近くにフレグランスを付けている人がいると、完全に負けてしまう。鼻に刺さってこない香り。

周囲に気付かれず、自分だけが柔らかくて、少しだけ甘さのあるウッディに包まれているようで、完全に自己満足の世界。贅沢なフレグランスだと思う。

しかし、フレグランスが好きな人間としては、この素晴らしい香りを、少しだけ広範囲に、少しだけ強く香ってほしいと願ってしまう。

いや違う、このフレグランスのコンセプトはそうじゃない。このフレグランスを理解するのには、もう少し時間と知識が必要だと感じる。

まだまだ理解するところまでは至っていないが、周囲に香りを拡散せずに、過度なストレスから安らぎ感を得て、自分自身をリセットするための香り。少しずつではあるけど、こういう香りがあってもいいのではと理解しはじめている。

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ゲラン / ネロリ ウートルノワ

ゲラン

ネロリ ウートルノワ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:100ml・49,500円 / 200ml・70,290円発売日:- (2021/9/1追加発売)

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7購入品

2017/10/27 02:19:08

大好きなネロリと、ティーを組み合わせたら、どんな香りになるのだろうか。

そんなこと想像したこともなかったが、ゲランのネロリウートルノワは、ネロリとティーノート、さらにミステリアスなバルサム調を合わせた、フレッシュエレガントな神秘的な香り。

ネロリウートルノワは、ゲランの高級ライン、ラール エ ラ マティエールの一つで、日本では2016年の伊勢丹サロンドパルファムで先行販売された。

ラール エ ラ マティエールとは、素材と調香師との特別な関係の意。ゲランならではの調香師の技と貴重な天然素材が織りなすことで生まれる独創的な香りの世界。

このシリーズはどれも素材の良さだけに収まらない、まるで麻薬のような、五感を鷲づかみされるゲランらしい世界観があって、一度その香りに触れると、その世界にどっぷり漬かっていたい衝動にかられる。
個人的には、フレグランスはジプシーでありつづけたい。だから、ラール エ ラ マティエールとは距離を保ちつつ、甘噛み状態でいたのだが、店頭で大好きなネロリと聞き、何気なく腕に試したその数分後には、この香りに骨の髄までしゃぶりつくされてしまった。

まさに商品説明にある「華麗なオーラを漂わせる稀少な香りが、心を揺さぶり、感情に語りかけるフレグランス」。

トップはシトラス-グリーン。レモンやグレープフルーツの爽やかなシトラスと、ペチグレンの強いグリーンノート。その奥から、ベルガモットとティのみずみずしい甘さがうっすらと香る。肌に乗せると、タンジェリンのようなシトラスの甘さが増したティーノートに。

ミドルはフローラル-グリーン。ベルガモットの甘さから、一気にフローラルなネロリの香りに変わる。しかし、ザラッと硬いペチグレンも残っているためか、オレンジフラワーのように感じる時もある。そして、キラキラとしたネロリの香りのすぐ下から、重厚で柔らかなスモーキーなティノート。ティーノートだけ嗅ぐと、かなり燻したようなビターなティであるが、その香りの上をネロリやオレンジフラワーが明るく香る。この組み合わせがとても魅惑的で、このミドルにハートを鷲づかみされる。

ベースはバルサミック。ティーノートやオレンジフラワーが飛ぶが、ネロリはしっかり残っている。ネロリのフローラル感に、ミルラの濃厚なスモーキーな香りと、ベンゾインのバルサミックな甘さ。徐々にバニラの甘さが出てくるが、オークモスも香るため、バニラぽい甘さよりもミステリアスな樹脂の深みに、どこかさっぱりとしたアーシーな印象を受ける。最後はビターなバルサミックの甘さのあるムスクの香りに。

ラール エ ラ マティエールの中では、ベースよりもミドルの比重が高いためか、持続時間は5〜6時間とやや短い。とはいえフローラル-ティという香調を考えると、かなり持続する方だと思う。また、シリーズの中では、キャラクターよりも嗜好重視なので、少し物足りなく感じるかもしれない。

とはいえ、フレグランスを選ぶ際には、ビジネスシーンでも使える嗜好性の良さ(嫌われにくい)、他と被らないキャラクター性、安っぽくない上質な香りを重要視しているため、そういう視点で見ると、このネロリウートルノワはかなり満足できる香り。

大好きなネロリとティを組み合わせた香りは、大大大好きな香りだった。

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グタール / ラ ヴィオレット オードトワレ

グタール

ラ ヴィオレット オードトワレ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:100ml・28,050円発売日:-

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6購入品

2017/3/18 01:25:50

悲しいことがあると、革の表紙を開いたりしない。紫の香りをそっと嗅ぐ。それは、しぼんだ風船のような心にそっと寄り添う、美しいシングルフローラル。アニック・グタールのラ・ヴィオレット。

ラ・ヴィオレットは、2001年に、調香師イザベル・ドワイヤンとカミーユ・グタールによって作られた。1999年に世を去った母、アニックが好きだった菫。母と共に過ごしたフランスのアベロンの別荘「ラ・ヴィオレット」。その庭に咲いていた小さな紫の花の香り。それは、カミーユが亡き母を偲び、母にもらったあふれんばかりの愛や思い出に対する感謝をこめた、ノスタルジックなフレグランス。

ラ・ヴィオレットをスプレーすると、淡く透き通ったうす紫のせつない香りが広がる。一瞬、バイオレットフィズの暗く秘めやかな雰囲気、そしてすぐ、わずかにローズの口紅っぽいワックス香が浮かび上がり、ピンクがかった紫に変化する。それでいて、とてもクールでシャープだ。バイオレットリーフのグリーン香が甘くなり過ぎないようエッジを引き締め、濃い紫の陰影を形作っている。

そしてそのまま、スミレの紫、ローズの赤、バイオレットリーフの青っぽさを7対2対1くらいの割合で展開させながら、パープル・グラデーションの落ち着いた香りが漂い続ける。シングルフローラル系統なので、とてもスッキリとしていて香り立ちはシンプルだ。バイオレットの香りを再現しているのは、イオノンや合成イリスなどだろう。大きく変化しないまま、6〜8時間ほど静かにたゆたう。

正直、このシンプルなアロマケミカルのコンボを思えば、価格はもう少し安くてもいいのではとも思う。特に、2013年に韓国資本となってからは、ボトルの簡素化、値上げ、さらに追い打ちをかけるように廃盤の嵐と、アニック・グタールじたいにいいニュースがなさすぎるので、なおさらだ。また、どうやら不定期に販売されているらしく、限定販売なのか通常販売なのかはっきりしない点も残念だ。現在はまた入手が難しくなっている。せめていつでもどこでも入手できるようにしつつ,値段も手頃にしてほしい1本だ。なぜなら、この香りはとても貴重で、時々どうしてもこれでなければならない時があるからだ。

それは、心が思いっきり滅入ってダウンしている時。そんなとき、これほど静かに、ゆっくりと心に沁みてくる香りはなかなかない。自分にとって、本当にかけがえのない香りだ。

人は元気が出ないとき、つらいとき、悲しくてやりきれないとき、顔がうつむき、呼吸が浅くなる。瞼が重くなり、心の窓も曇る。脳と体はリンクしているからイライラして疲れやすくなり、身体がズシリと重くなって何もしたくなくなる。肌はボロボロ、内臓の働きは悪くなり、ホルモンの分泌も異常をきたす。そして、夜に眠れなくなる。

そんなとき、ラ・ヴィオレットは、本当に効く。訳が分からず涙がこぼれるようなぐちゃぐちゃな心の隣で、静かに、静かに、ただそばに一緒にいてくれる。

嘘だ、たかがフレグランスにそんな効果があるわけない。そう思われても仕方ない。そして、ラ・ヴィオレットが、誰にとってもそんな香りであるとは言えない。それもそのとおりだ。けれど自分には薬以上に効いたのだ。この香りがトランキライザー代わりだった時期があった。その事実は自分の中で真実だ。そんな香りを一つでも見つけられた人は、本当に救われる。香りは、ときに人の心を確実に救うことがある。

夕暮れの町に一人。紫色の闇が刻々と色を変えるとき。春の宵は静かに深く、人の心を孤独に染めていく。別れも出会いも、本当はどちらも同じくらい重たくてきついものだ。だから、春はどこまでも心にくる。どうしようもなく心に紫色の影を落とす。

そんなとき、ラ・ヴィオレットは、一本の冬枯れの木のシルエットのように自分の前に立っている。黒く、魔女の手のような枝々を夕闇の空いっぱいに広げ、裸のままたたずんでいる。葉も花も実も、全てを失ってこんな姿になっても、それでもまだ空を引っ掻き続けるのだと、細い枝々を空に伸ばし、新芽の爆弾が破裂して葉が生まれ出づる時を虎視眈々と狙ってふんばっている。どこまでも虚空にその手を広げて。何も言わず、紫の雲の前で。

人ごみに流されて、変わっていく私を
ラ・ヴィオレットは遠くで叱らない。ただそばにいてくれる。ただずっと、心に寄り添っていてくれる。

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ぴんくきゃんでぃさん
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プロフィール
  • 年齢・・・51歳
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自己紹介

はじめまして。 拙い口コミですが、宜しくお願いします・・・。 コスメ。 香水。 キャンドル。 猫。 (お酒。) 花。 … 続きをみる

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