doggyhonzawaさん
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ブルガリ / オムニア パライバ

ブルガリ

オムニア パライバ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

7購入品

2016/4/30 01:12:19

「夏に向けて、気分を上げていくにはどんな香水がいい?」と聞かれたら、まず一番に薦めたいのは、ブルガリのオムニア・パライバだ。もちろん私見だが、調香師アルベルト・モリヤスの久々の「会心の一撃」だと思う。老若男女問わず、一度試してほしいと思う香りだ。

パライバとは、正式には「パライバ・トルマリン」と言い、1989年にブラジルのパライバ州、バターニャ鉱山で見つかった、希少なネオンブルーのトルマリンを指している。トルマリンではあり得ない色と言われたその美しい蛍光ブルーは、当時宝石業界を騒がせたが、次第にその産出量が極めて少ないことが分かるにつれ、「奇跡の宝石」と呼ばれるようになり、今なお高額で取引されているという。いわば、ブラジルが世界に誇る宝の1つだ。

折しも、今年は、ブラジルのリオで、南米大陸初のオリンピックが開かれる年。つまり、今回のオムニアのテーマは、そのへんの事情にあやかって「ブラジル」にしたということだろう。肝心の香りも、もう「これでもか」というぐらい、ブラジルらしさを詰め込んだものになっている。

パライバのトップは、ビターオレンジのスッキリした苦みから始まる。心地よいオレンジの香りだ。だが、2分もしないうちにすぐ、濃厚なフルーツの香りがとって代わる。

オレンジの香りの下からふくらんでくるのは、甘酸っぱく、突き抜けるようなパッションフルーツの香り。思わず、口内から唾液が出そうなほどフルーティーで、トロピカルムード漂う香りだ。この香りを色で表すなら、マンゴーやグアバ、パパイヤなどの果肉を彷彿させるクリーミーなオレンジ色や黄色だろう。ネオンブルーのボトルイメージとは思い切りかけ離れている。どこか南国のホテルのエントランスにでも入ったかのような、トロピカルフルーツの香りだ。

と書くと、「なんだ、トロピカル系か」と思われる方もいると思う。実は、自分もその部類だった。エスカーダや、フェラガモのインカント系によくある南国風の香りは、香料も構成もどこかチープに感じられるものが多く、これまでは食指が動かなかった。だが、パライバは同じトロピカル系なのに、何かが違う。とても上品で、大人っぽく仕上がっているのだ。一体それはなぜか?

パライバが、よくある安っぽいトロピカルと似て非なる点は、ミドルの構成に南国の花を上手に配置したこと、そしてやはり調香師の力量だろうと思う。パッションフラワーと、ブラジル産ガーデニア、そのふくよかでクリーミーな香りが、フルーティーな香り以上に、フェミニンで落ち着いたたたずまいを見せているのだ。白い肉厚の花弁を思わせるファッティーな南国の花の香り。まるで「クリーミー系」とでも呼びたくなるほどに、パライバのミドルは、まろやかでしっとりしている。どこにでもありそうな香りなのに、実はこれまであまりなかった香り、そんな印象だ。

そして、ラストもまた秀逸。ブルガリの香水やオムニア系のラストと言えば、よく「ブルガリ臭」と揶揄されるムスキーな香りを連想する方もいると思うが、このまったりしたクリーミーな香りのラストは、意外にもビターなカカオで終わる。カカオと来れば、あまりにブラジル過ぎてその取り合わせに笑うしかないのだが、これがとてもスッキリとしていていい。自分で「カカオだな」と気付けるほどのプレゼンスではないが、言われてみれば確かに、香ばしくビターなクラッシュカカオがほんのり香る。そんなこげ茶色のドライダウンだ。

してみれば、トップのビターオレンジとラストのカカオの苦みで、全体をスッキリブラッシュアップしつつ、ミドルはこれでもかというほど、フルーティー&クリーミーな香りの競演を見せるといった、構成の妙が感じられるフレグランスだ。まさに、このパライバは、リオのカーニバルを思わせるブラジル香料の饗宴。冗談のような構成、なのに絶妙なバランス。

しかも、オムニアシリーズは流通価格も手頃で、全国どこでも入手しやすいというメリットがある。これは地味に重要な点だ。ここのところ、新作を発表するたびに評価を下げていた感のあったオムニア&アルベルト・モリヤスだったが、ここに来て起死回生の、突き抜けた夏っぽさ。やはりすごい人だ。

ブラジル、リオと言えば、コルコバードの丘に立つキリスト像も有名だ。リオの街と紺碧の海を見下ろすその両手は、自らの受難を顧みず、あまたの人に授幸するかのような抱擁の形に広げられている。パライバのミドルで、キーの香料になったブラジルのパッションフルーツの香り。そのパッションとは「情熱」ではなく、もともと「キリストの受難」を意味する言葉だという。どちらの意味も、ブラジルにとっては深くて大切な言葉なんだなと再認識しながら。

今夏、心は謝肉祭の地へ、ネオンブルーの風に乗って

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