2019/10/26 13:00:53
近年のシャネルの新作の中で、このオードゥパルファムの香りは出色の出来栄えではないだろうか。個人的にはこれを手に入れてしまうと、もうオードゥトワレ(2010年)に戻ることができないのではと感じている。
トップはフルーティ-シトラス。フレッシュなグループフルーツから、少しざらっとしたマルメロのフルーティグリーンの香り。チャンスオータンドゥルのキャラクターを残した、爽やかなオープニングだ。
ミドルはフローラル-フルーティ。トワレはそこから硬めなヒヤシンスグリーンやジャスミンが立ってくるのに対して、オードゥパルファムでは、マルメロのグリーンアップルに似たジューシーな甘さと、そしてローズの甘さ、酸味が香る。そこからさらにジャスミンがフローラル感を増した、爽やかで上品なフローラルフルーティの香り。
ベースはフローラル-ムスキー。ローズとジャスミンの甘さと酸味に、少しパウダリーなムスクと、うっすらとバニラの甘さが女性らしさを添える。この淡いバニラとムスクの組み合わせがオータンドゥルらしい。最後はサンダルウッドがフローラルの深みを与える。
持続時間は4時間程度で、トワレと大きく違わないと感じる。
シャネルのフレグランスは、パルファム、オードゥパルファム、オードゥトワレットの特性に合わせて香りそのものが変えられている。当然、パルファムの方が深みが強く、トワレの方が香りが軽く拡散するような香りに仕上げられている。
ところが、オータンドゥルに関していえば、このオードゥパルファムの方が爽やかに感じる。
というのもトワレの方が、時間が経つにつれてバニラ、パウダリーなオリスなどの重めの香りをクリーミーなムスクが柔らかくまとめているような印象に対して、オードゥパルファムはミドルのフローラルフルーティの甘さに爽やかな酸味が効いているため甘ったるくならず、さらにパウダリー感も抑えられ、ムスクも軽い。
明らかにトワレの方が女性らしい香りのため(5割増くらい)、個人的にはオードゥパルファムの方が好みだ。近年、特にメゾン系フレグランスでは、レディース用、メンズ用を分けなくなってきている。このオードゥパルファムもレディースでありながら、よりユニセックス寄りの香りに仕上げられている。
ではオードゥパルファムの方が優れているかと言われれば、もちろんそんな訳ではなく、オータンドゥルが持つピンクイメージのキャラクターを、さらに明るくリファインしたような香りで、どちらも使いやすい香りだと感じる。
マルメロとローズの組み合わせといえば、ペンハリガンのヴァーラを思い浮かべる。ヴァーラのあの華やかなスパイシーローズと比較すると、このオードゥパルファムは同じフローラルフルーティの香りでありながら、もっとフレッシュで明るく、そして可憐で繊細なイメージを感じる。
新しいチャンスはオードゥパルファムらしいフローラルの華やかさと、キラキラとした明るさや若々しいさを演出してくれる。
春秋の日中に映える、このピンクゴールドのオーラに包み込まれることで、心も身体もポジティブになるような香り。そして次の新しいチャンスを呼び込もう。
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2021/1/29 13:59:52
フランカー乱発and度重なる調香リニューアルでどれがどれだかすっかりわからなくなってしまっているミスディオールのシリーズ。売る方も大変なのでは?日本ではやはりこの「ブルーミングブーケ」が一番人気らしく、店頭でも誇らしげに飾られている。同じ香りのボディミストやヘアフレグランス、ハンドクリーム等が展開されていることから、相当人気のよう。「ミスディオール ブルーミングブーケ」は元々、「ミスディオールシェリー ブルーミングブーケ」という香水のリフォーミュラ。その「シェリー ブルーミングブーケ」があまりにもアジア受けが悪く、再調香されて今の「ブルーミングブーケ」の香りになった(ゲシュタルト崩壊しそう)。
スプレーすると、マンダリンとベルガモットのジューシーなシトラスが広がる。苦味や酸味よりも甘い果汁感に重きをおいた香り。ぱっと晴れやか、爽快なスタートだ。
二、三分もするとすぐにミドルへ。甘酸っぱいフローラルブーケの香りだ。かわいらしいピオニーの甘さと、ヘディオンのジャスミン調の香り、そしてアプリコットのフルーティーなアコードが混ざったフルーティーフローラル。淡いピンク色のジュースにぴったり。どう?嫌いな人いないでしょ?というフランソワ・ドゥマシーの自信が伺える。よく言えば軽やかで嗜好性が高く、悪く言えばわざわざディオールで買わなくてもありそうな香り。ここの香りが約一時間続く。
ドライダウンは、ほぼホワイトムスクだと思う。ソーピーで清潔感重視、ここもスキがないくらい嗜好性が高い。ほんのちょっぴりだけ、パチュリでファインフレグランスらしさを足しているようにも思える。ドライダウンは約二時間ほどで、全体的な持続は三時間程度。
トップ、ミドル、ドライダウンすべて最大公約数を外さない嗜好性の高いアコードで固め、ハンドクリームやヘアミストのようなサブアイテムも揃えたまさに完全武装のミスディオール。軽い香りなのに最強装備。スキがない。これで売れねぇならやってらんねぇよ、というドゥマシーの心の声が聞こえそうだ。
香水好きをやっていると、どんどん香りの守備範囲が広くなってくる。シトラスやソープ調の香りしか好きでなかったのが、オリエンタル、濃厚なフローラル、フゼア、シプレ…それまで良さが理解できなかった、いかにも「香水っぽい」香りへの造詣が深くなっていく。ところが日本では、そういった香水らしい濃厚で複雑に変化する香りよりも、ライト&シンプル、ひと吹きでいい香り!と感じて気軽にまとえる香りの方がウケがいい。ブルーミングブーケは、その条件を満たす。
しゅっ、とスプレーすれば、柔らかなフローラルにソーピーなムスク。持続も適度。
どこから見ても完璧に「いい香り」だ。
トップ:シチリア産マンダリン
ミドル:ピンクピオニー、ダマスクローズ、アプリコット、ピーチ
ベース:ホワイトムスク
調香師は、フランソワ・ドゥマシー。
(フレグランティカより)
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2021/6/10 09:26:41
ミスディオールシリーズを一気に購入し、
パルファムを一週間毎日使ったのでレビューします。文末ではトワレとの比較もしています。
トップ:カラブリアンベルガモット
ミドル:グラースローズ
ラスト:ローズウッド
【トップ】
付けた瞬間はベルガモットのみずみずしさのあるフルーティーさとさわやかな酸味から始まり、
10分程度経って落ち着くとフレッシュさが減って柑橘の甘味と深みが増します。柑橘の皮特有の苦味えぐみのスパイシーさがほんのり出てきますが気にならない程度。
ベルガモットのフレッシュさとビターな香りの奥に高級感のあるローズの香りが隠れています。
【ミドル】
ベルガモットが飛んでゆき、生花のローズの香りが前面に出てきます。
ローズはライトでも無く、おばさんくさくもない高級感のある香り。
柔軟剤やハンドクリームによくある"作られたローズ香料"の香りではなく、生花の薔薇という方が合うと思います。
少女には似合わない、深みのある大人のお姉さんの香りです。
OLさんや、フォーマルなドレスにもよく似合う香りだと思います。
【ラスト】
正直ラストだけは少し苦手です。
ウッディな香りと、中盤隠れていたトップの苦み(柑橘類の皮の苦味)だけが残った少しお香っぽい様なスパイシーな香りです。
フレッシュ、ジューシー、フルーティから始まるみずみずしい香りから始まる香りなので、出来れば甘いシュガー系がムスクのラストで締めくくってもらえると個人的な好みだとドンピシャでした。
YSLのモンパリもラストのみ苦手なのですが、ラストノートの系統が同じ様に感じるのでもしかしたら個人的にウッドの香りが苦手なのかも。(モンパリはシダーウッド、ミスディオールはローズウッド。)
【季節】
基本的にオールシーズンOKだと思います。
確かに甘い香水ではあるのですが、ベルガモットオレンジの爽やかな甘酸っぱさとローズの軽やかなお花の香りがメインなので、真夏でも重くなく使えると思います。
逆に真冬にはみずみずしいかな?
使っていてもおかしくないと思いますが、個人的に寒い時期には温かみのあるパウダリーやバニラの香りが好みなので、選択肢があるなら冬にわざわざこれを選ばないかも。
【感想】
総合的に見ると、童顔の私にはまだ纏いこなせない大人の香りです。ミスディオールシリーズの中ではRose n Roseと同率トップで大人の女性感。似合わないんです・・。
でもアラサーですので結婚式やパーティーにお呼ばれした際、もう少し背伸びして見せたい時に使用したいなと思える香り。
トップ?ミドルのさっぱり可憐な、でも深みやビターさもある二面性は大好きなのですが、ラストがどうしても苦手なので出番は少なそうです。
もう少し年齢を重ねて似合う様な女性になれば使いたいなあ。
【トワレとの違い】
パルファムですが、香り持ちとしてはトワレとそこまで変わらない感じがします。
夜に寝香水としてボディにワンプッシュしても、朝には飛んでいます。
プッシュした場所に鼻をくっつけてようやくなんとなーくわかる程度。
しかし香りの奥行きや深み、甘ずっぱさとビターさ、ローズの高級感の混ざり合い方はトワレでは表せない複雑さです。
トワレも基本的に香りベースは同じですが、ライトでトップのビター感は少なくフレッシュ感・みずみずしさ強いです。
中盤のローズもパルファンとは違い生花のグリーン感が薄いのでトワレの方が万人受けしそうですね。
ラストノートはほぼ同じに感じます。
20代までの若い女性がつけるなら絶対にトワレ、清楚で清潔な香りなので男性受けもトワレの方が良さそうです。
こちらのパルファムは、一筋縄ではいかなそうなセクシーな女性が纏うのが似合うんだろうなあと思います。
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2021/8/13 17:52:47
今のミスディオールシリーズの売れ筋と言えば、まずはブルーミングブーケ。次点でローズ&ローズ。どちらもライトなフローラルにクリーンなホワイトムスクを合わせた軽やかな香りだ。コスメカウンターに誇らしげに飾られているそれらに比べ、この「ミスディオール EDP (2017)」は、今では棚の下にひっそりとしまわれてしまって、日の目を見ることは少ない。人気者よりも、ちょっと影がありそうな人に惹かれる人は多いもの。いったいどんな香りなのだろうか?
ピリッと爽やかなピンクペッパーを皮切りに、甘いキャンディのようなオレンジが香る。酸味よりも甘さに重きが置かれており、とてもフェミニンな印象。奥からうっすら香るブラッドオレンジのえぐみが、ファインフレグランスらしさを沿える。
ミスディオールシリーズのミドルと言えばローズがメインなのはこのEDPも一緒。EDPなだけあって、ブルーミングブーケやローズ&ローズのフローラルと比べればだいぶ骨太。しかし、ローズの華やかなフローラルよりも、ベースのパチュリやドライアンバーがグイグイと主張するため、フローラル感は薄い。
ドライダウンになると、甘いアンバーの存在感がパチュリでブーストされ、ていく。いわゆる甘いパチュリ系の香水。トップからミドルまでで一、二時間程度、ドライダウンは四、五時間ほど。パチュリが効いているせいか、拡散力はある方だ。
現行のミスディオールシリーズは、クリスティーヌ・ナジェル作の「ミスディオール シェリー」の系統を継ぐラインだが、シェリーの面影を残しているのはこのEDPとごく一部の店舗限定のエクストレドゥパルファンのみ。EDPは今年リニューアルされるらしい(エクストレはどうなるか未定)。ミスディオールは、オリジナルを別ラインで残しつつ、時代に合わせて香りを刷新してきたシリーズ。2017年からバトンを受け取る次のEDPはどんな香りなのだろうか。ナタリー・ポートマンは相変わらずミスディオールの顔なのだろうけど。
トップ:ピンクペッパー、ブラッドオレンジ、スイートオレンジ、ベルガモット、レモン
ミドル:グラースローズ、ダマスクローズ、ジャスミンリーフ
ベース:パチュリ、ローズウッド
調香師は、フランソワ・ドゥマシー。
(fragranticaより)
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- chance1992さん
認証済 -
- 25歳
- 敏感肌
- クチコミ投稿14件
2018/1/25 20:55:54
最近のディオール香水、特に昨年発売されたプワゾンガールやアブソリュートリーブルーミング以降何か迷走していますね…
今回発売されたオードパルファム、ミドル以降の香りはアブソリュートリーの香り立ちと、かなり被っていませんか?
アブソリュートリーもトップから押しの強いベリーの香りが広がり、しかも人工甘味料だらけの海外のグミのような香りでした。それが勢いよく香り立ち、その後胃もたれしそうなもわもわした甘ったるい香りが永遠と香ります。ミドル以降のくどい甘さは、ベリーグミが溶けて蒸発して周囲に立ち込めているよう。そして持続力は流石のもの。朝のワンプッシュで夜までしっかり香り、入浴しても残ります。持続力に関しては、メゾンの本格香水と言えます。
この新しいオードパルファムも、トップはバラの砂糖漬けみたいな、独特の甘い香りがするけど、ミドル以降はアブソリュートリーと同じ香り。時間が経つにつれて、徐々に当初よりずっと甘さが増し、もわもわ鼻に残留します。ただ砂糖のように甘いだけではなく、独特な青臭いエグミがあって、ラストに向けて甘さとエグミが共鳴してどんどん強くなります。胃もたれしそうです。
最近のミスディオールシリーズの甘さって、バニラやムスク、アンバーのような人肌に馴染む甘さではなくて、とても人工的な甘さです。立体的な香りの展開はなく、平面的な香りの主張の一本調子です。とにかく終始甘過ぎる。無機質な香りがいつまでも甘くて、くどくてうんざりします。私はバニラやプラリネの香りも大好きで、甘い甘い香りもたくさん愛用していて、甘い香りには結構免疫あるはずなんですけどね。
私がこの香りを嗅いで眼に浮かぶのは、花や果実そのもののや色味、質感ではなくて、ベリーや花の香りのついた、無機的な粉末です。展開のドラマ性、花や果実の香りの立体感に乏しい。キャンメイクのコロンや、マジョマジョのジェルパフューム、エンジェルハートと同等のレベルのべたべたした香りかと思います。最近はブームもあって、香りつき柔軟剤の進化が凄いですよね。このような平面的な香りなら、わざわざ香水の形を取らなくとも、柔軟剤で充分かなと。
それに、最近発売される香水って、誰がつけても全く同じ香りになります。特にこちらはそれが顕著。街の中ですれ違った時、電車やデパートですれ違った時、すぐにこの香水だと分かります。CHANELのココマドやチャンスのつけたての香りもすぐに分かりますけど、あちらは時間が経つとちゃんと馴染んで、バニラやアンバーの香りと人肌の香りが合わさって、やわらかくてほのかな体臭のように香りますよね。けれどこちらは人肌の香りに馴染まず、最後までパーソナルな香りになることはありません。彫りの深い欧米人ならともかく、日本人で、こんなに強い香りをつけても自分自身のオーラや印象が香りに負けない人っているのかな。
不思議なのは、この香水が軒並み高評価であることです。香りは好き嫌いが分かれるので、どんな歴史的名香でも、受け取る感性によって賛否分かれるもの。爽やかでアクのない、淡い香りのブルーミングブーケが日本で多くの方に受け入れられたのは理解出来ますが、この濃厚な香り、日本では苦手とする方も多いのでは?DIORのブランド力、ボトルのビジュアルを抜きに、香りだけでこちらを選んで自ら購入する方は少ない気がします。広告ビジュアルや外観に評価の重きをおいた口コミが増えている。最近このサイトでもサンプルのバラ撒きや疑わしい投稿も増えており、外観では判別出来ない中身の使用感を消費者が正直に伝える手段、「口コミ」の存在意義と信憑性が問われますね。
それにしてもどうしたんだろう、最近のフランス香水。CHANELといい、ゲランのラプティットといい、サンローランのモンパリといい、ベリー系の香りが流行なのでしょうか?ちょっと食傷気味です。近年、老舗各社が歴史的名香を次々に廃し、甘ったるいばかりの香りを立て続けに発表しています。長年のブランドイメージや威信、老舗ならではの香りの格式高さは最早崩れかかり、瀕死の状態。大衆に迎合した安っぽい香りを大量生産する現状は、実に芸術的な数々の香りを産み出した、老舗ブランドの威光と香水の時代の終焉を示しているのでしょうか…また選りすぐりの調香師によって綿密に調香されたはずの香りが本領発揮出来ないのは、日本の気候の影響もあるのでしょうか?カラッと乾いた空気で香るとまた大きく違うのかも。
ただやはりデザイナーのディオール、ボトルのフォルムや底面の千鳥格子、バランスの良いリボンの愛らしさ、香水の色の素敵さは相変わらず抜群ですね。様々な香水ボトルを持っていますが、ミスディオールのボトルの愛らしさは突出して素敵です。
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