- doggyhonzawaさん 認証済
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- 51歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:35ml・19,030円 / 70ml・30,800円 / 200ml・60,500円発売日:-
2017/4/1 23:56:34
アクア・ユニヴェルサリス。ラテン語だ。英訳すれば、ユニヴァーサル・ウォーター。ユニヴァーサルは意味が広い。「普遍的な水」または「万能の水」、あるいは「世界共通の水」といったところか。もしかしたら「宇宙的な水」かも知れない(笑)。いずれにせよ、作者の自信が感じられる壮大なネーミングだ。
この香りをプロデュースしたフランシス・クルジャンは、かつてクエストや高砂フランスで活躍していた調香師で、2009年に彼自身の名を冠して、フランスでパヒュームメゾンを立ち上げた。それ以後、香水界のスターとか天才調香師の名を欲しいままにし、実際、幾多の名誉ある賞を受賞している今話題の人物。メゾン創設とともに発表され、今ではブランドアイコンとして認識されている香りが、このアクア・ユニヴェルサリス・オードトワレだ。
そんなアクア・ユニヴェルサリスは、シトラスとスズランの香気、ソーピーなムスクが不思議なバランスで香る、しっとりみずみずしいフレグランスだ。
アクア・ユニヴェルサリスをスプレーすると、まず感じられるのは、さっぱりとしたレモン様のシトラス香。だが、3秒もせずにその周りを甘くクリーミーな雰囲気の香りが包みこむ。まるで、シトラスの爽やかさやとがった部分を丸めるかのように。それはオレンジフラワーのこんもり感かも知れない。アクアティックではあるが、瓜系の青臭い感じはない。これは地味に重要なポイントだ。
やがて5分もすると、ミドルの香りが安定してくる。人工的ながら可憐な雰囲気のスズランの香り。そして、その下からせりあがってくるソーピーなムスク。この2つの香気が複雑に混じり合い、フローラルでもなく、ムスキーでもないバランスでハーモニーを奏で始める。このミドルを気にいるかどうかが大きな分かれ目だろう。このミックス香は、穏やかながら3〜4時間ほど肌の上で香り続け、大きな変化もないまま消えていく。
全体的にみると、最初から最後まで、シトラスもスズランもムスクも、それぞれの特徴が突出しないように、互いに角をとりあってまろやかにミックスされている。そんな印象。この手の香りは、明確な顔がないぶん、人に嫌われにくく、香り初心者の方にも「何だろう、いい香り」と受け止められやすいタイプだ。それは、特にビジネスライクなシーンで、イメージアップを図れるアイテムとして重宝するかもしれない。
だが。
いくつか気になる点はある。一つは香りじたいのことだ。この半年つけていて、ミドルでシトラス系キッチン洗剤の匂いというか、ビニルっぽいような特有の苦みが強く出て、気になることがよくあった。大体、気温の低い場合がそうだったので、試しに風呂上がりの上気した肌につけると、苦みが少なく、まろやかでふんわりとした心地よい香り立ちになることが分かった。だから、この香りを使うなら、気温や体温が上がってくる初夏〜夏がおすすめだ。一年中使いたい人は、特に入浴後に使うと苦みの少ないよい香り立ちが楽しめると思う。
二つ目は値段だ。正直、繊細でセンスある調香とは思うけれど、この手の淡いウォータリーな香りは、概して人工香料が多く使われているものだ。それは決して悪いことではないが、値段が70mlで3万円を超えるとなると話は別だ。これくらいの香料構成なら、5千円もあれば似た物がいくらでも手に入るだろう。ドバイやアラブの富豪ならポンポン買っていくかもしれないが、あいにくこの国には石油もターバンもない代わり、徹底したシビアさだけはある。良い香りなら、毎日でもつけたいのだから、安く買えるにこしたことはない。新時代のニッチメゾンは、そのへんも命題としてとらえてほしいと思う。
そんな庶民の願いなど露も知らぬクルジャンは、この香りについてこうコメントしている。
「シャワーを浴びた後、きれいな素肌に新しいシャツを着る。洗いたての清潔な肌と、アイロンのかかったパリッとしたシャツ。肌とシャツの間にある空間。そこにも小さな一つの宇宙があるんだ。そこに漂う香りはどのような香りが一番ふさわしい?」
うーむ、これって一番ありえないと思っていた「宇宙の水」だったとか?それにしても、洗いたての素肌と清潔なシャツ、その間に置きたい香りって…。その謎かけの答えは一体何だ…?
そうか、シャボン玉だ。お風呂上がりの肌と清潔なシャツの共通項は、石鹸や洗剤のシャボンの香り。そして、宇宙にきらめくのはたくさんの星々だ。さながら、七色の宝石のようなシャボン玉を幾つも幾つも散りばめたような……。
それで合点がいく。フランスのクルジャンの店には、幼な子が遊ぶためのシャボン玉が置いてあるそうだ。
アクア・ユニヴェルサリス、それは夢いっぱいふくらませた虹色シャボンの宇宙の香り。
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Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:30ml・11,000円 / 50ml・15,510円 / 100ml・21,560円発売日:2010/9/3 (2019/7/5追加発売)
2022/12/6 23:57:31
イングリッシュペアー×ピオニーの組み合わせが個人的にとても好みで、現品購入しました
単体で使うより2つ組み合わせて使うと、大人のお姉様のイメージが膨らむぐらい甘すぎずいい香りになります!!
+イングリッシュペアーのボディークリームとリップエッセンスもセットになっていたので満足しています!
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- Cookieyukiさん
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- 50歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿142件
2020/5/7 04:45:02
チャンスは時々不幸の顔をしてやってくる。
その言葉を地で行く友人が、未開封のものを気前よく譲ってくれた。クライアントのプレゼントだが、自分は香水つけないからと。彼女は15年間の運に見放されたかのような時期を、腐る事なく黙々と努力を重ねつつ、ニューヨークのゲットーに住み続けた後、いきなりフィットネスの世界で大成功した。
そんな彼女の影響と縁起担ぎもあって、前向きになりたいと思った時につける。大事なプレゼン、面接、試験などの勝負時は必ず。チャンスという名前のご利益があるかどうかは分からないけど。
まず最初にくるピリッとしたピンクペッパーの香りで背筋がシャキンと伸びる。香水をつけ始めた時は香水イコール柑橘類か花の香りだったので、胡椒の香りなんて!と驚いていたが最近大好きになった。ピンクペッパーはブラックペッパーよりも柔らかくて緊張感の中にも優しさがある。
少し遅れて華麗な花の香りが立ち昇る。ジャスミンとアイリスだが、ジャスミンの方が圧倒的に強い。ジャスミンのバックでアイリスがほんのりしたパウダリーさを添えている。アイリスが入ることによって、尖った薄っぺらい香りになりがちなジャスミンとピンクペッパーの組み合わせに奥行き、優しさ、温かさを与えている。さすがはシャネル、その力加減が絶妙。
ピンクペッパーと花がデュエットを楽しんでいるところに、パチュリがすぐに仲間入り。友人のコンサートに飛び入り出演、ヴォーカル合戦を繰り広げていい意味で場を盛り上げているイメージ。これをクセと取るかコクと取るかで好き嫌いがはっきり分かれそう。私の肌だとジャスミンなどの花の香りよりもパチュリの方が強く出る。美しく強いアメリカンコミックのスーパーヒロインに似合いそう。ワンダーウーマンとか、キャットウーマンあたり。綺麗でセクシーだけど陰陽でいうと完全に陽の香り。
天候や体調によってミドルの香り方が大きく変わることがあってびっくりすることも。大概はピンクペッパー、花、パチュリの三重奏だが、時々瓜系のノートが乱入してきて四重奏になる。瓜系のアコードは入っていないはずなのにどこから紛れ込んでくるのか不思議。
ラストノートのバニラとムスクはかなり甘くて重いがグルマン調にはならない。ここでもパチュリが幅を利かせ、よくある組み合わせのバニラとムスクのいいアクセントになって、個性的なドライダウン。
邪道とは思うがチャンスを湯船にひと吹きして入浴するのが気に入ってる。樹木調の香りにジャスミンとアイリスが混ざってヨーロッパの超高級入浴剤みたいに。お風呂あがりにはバニラとムスクの優しさが柔らかなバスローブのように包んでくれる。残り香があまりに豪華で、寝床に入ってからでも、煎餅か?と思うほどペタンコな私の布団と枕が宮殿の寝室にありそうなフワフワの羽根布団と枕に変身する。夢の中で。
あまり好きではない香水を使い切る方法として紹介される「お風呂に入れる」だが、私にとっては1日の終わりのご褒美だ。張り詰めていた神経と硬ばった身体が芳しい湯煙と共に芯から溶けていく。上手くいかなかった事が頭の中で渦巻いていても、モヤモヤした陰鬱な気分でいても、どこからともなく根拠のない自信が溢れてくる。万事塞翁が馬って言うし、後になってみたら災い転じて福となるかもしれないし、と知っている限りの都合のいい言葉を並べてくつろぐ。
極楽気分で寝落ち寸前まで気分良くウトウトしていると、お気に入りの名言が浮かぶ。
ひとつの幸せのドアが閉じる時
もうひとつのドアが開く
しかし、よく私たちは閉じたドアばかりに目を奪われ
開いたドアに気づかない
By ヘレン ケラー
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- モニター・プレゼント (提供元:友人)
- StellamarisRosaさん
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- 47歳
- 敏感肌
- クチコミ投稿1件
2022/3/8 12:49:33
※こちらの口コミにプワゾンについて投稿したのが、2007年でした。それから15年が経ち、再投稿させて頂きます。
2007年以降、アメリカに移り住み、ティファニーの琥珀色のオードパルファム「ティファニー」を愛用し始めました。こちらも高校生の頃に愛用しておりましたが、当時ディオリッシモも使っていた私に取っては相当大人な香り…でしたが、やっと似合うようになったのか、すぐに馴染み、帰国後も正規店で購入。するとある日入荷しなくなり入手出来なくなったため、ティファニーに近い香りを探し「ジャドール・アブソリュ」に移行。
それから5年が経ち、一つの恋が終わりました。
私は人生において、恋人が変わるたびに自らの香りも変えてきました。それは自分の意志も含みつつ、お相手の好みも尊重したものでした。
ジャドールのアブソリュてさえ、濃厚と仰る方がいらっしゃいますが、これまで軽やかな香りに惹かれることのなかった私にとって、アブソリュは使い勝手の良い、万人ウケする香りでした。勿論、男性ウケという理由も含みます。
ふと、そんな香りを纏っている自分に嫌気がさしたのです。もちろんアブソリュは素敵な香りだけれど、いまは自分を奮い立たせるためにも、女性らしくも気高さが欲しいなと。
万人ウケ、ではなく、自分のため、に。
様々な香水売り場を歩いて探して、行き着いたのは結局ディオール。となると、残るはプワゾンしかないのは分かりつつ久々に纏ってみると、私は私のままを愛して良いのだと、幸せな気持ちになれたのです。
それこそ、以前使用していた2007年から時が経ち、様々なことを経験し、この年齢になったからこそ抵抗なく受け入れられたということもあると思います。「毒」という名に怯えるのではなく、それを承知で纏う感覚。
久々の感想は、ジャドールのローに似ているという点です。アブソリュと併せてローも使用していましたが、何かの香りに近いと思っていたら…プワゾンを嗅いで確信しました。
特にウエストなど、着衣で香りが籠るような場所に付けると、とてもよく似ている系統だと思います。
プワゾンは自分のための香りなので、昼夜服装問わずにいつも纏っています。その代わり、立ち振る舞いや言葉遣いなど、雑では下品な香りになりかねないので、カジュアルなときも女性らしさを忘れずに…というよりも、そこを引き出してくれる香りです。
次の恋は、プワゾンを纏った私…つまり愛する人が好むものを尊重出来る方でありますように。
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