2002/12/27 19:25:03
1976年に発表されたCHRISTIAN DIORの古典的名香である「DIOR-DIOR」。
私はこれを、最近入手しました。
何よりもこのフレグランスは、ホワイトの縁取りのベージュのパッケージが印象的。
その表には、白抜きに金文字で
「PARFUM DIOR-DIOR CHRISTIAN DIOR PARIS」と書かれています。
そしてその中には、やはりホワイトの縁取りのベージュのプラスティックカバーに守られて、
縦長のすらりとしたガラスボトルが収められています。
キャップの色はゴールドですが、
それをはずすともう一つガラスのキャップが現れます。
肌にまとうと、その優雅な香り立ちに思わず感動してしまいます。
フローラルの中でも特にグリーンが効いており、
あの「MISS DIOR」にも通じるような芯の強ささえ感じられます。
このフレグランスは、ぜひマダムにおすすめです。
けれども現在では既に廃番なのが惜しいですね。
☆追記☆
1980年代、このフレグランスは
「息を飲むほどのあでやかさ、深く秘めた情熱、慈愛に満ちたやさしさ、
そして何よりも女そのものという、魅惑の香り」と紹介されています。
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2002/12/20 11:24:55
1930年代に活躍したクチュリエであるELSA SCHIAPARELLIが、
調香師にJEAN CARLESを迎え、1937年に発表した「SHOCKING DE SCHIAPARELLI」。
その復刻版が1998年に発売されたことを最近になって知った私は、
ようやくこれを入手しました。
このフレグランスは、絵筆でランダムに塗られたような紫がかった濃いピンクと、
その裾にはめられているゴールドの波型の帯とのコントラストのパッケージが印象的。
何よりも驚いたことは、このボトルデザインが、
あのJEAN PAUL GAULTIERの「CLASSIC」に似ているということです。
そもそもこのボトルは、画家のLEONOR FINIが手掛けたもので、
服飾用のマネキンからインスピレーションを受けた彼が、
当時の女優であるMAE WESTのボディラインを再現したのだそうです。
けれどもそのボトルには、GAULTIERのようなコルセットがない代わりに、
首から掛けられたフレグランス名入りのすり硝子製のリボンが、
ウエストの前の部分でクロスするようにあしらわれており、
そのクロス部分にはSCHIAPARELLIのイニシャルである「S」のマークが付けられています。
肌にまとうと、その奇抜なボトルからはとても想像ができない、
やや古典的な香りに新鮮さを覚えます。
トップからミドルにかけてはローズを初めとするフローラル系が立ちのぼりますが、
それが次第に落ち着くと、ラストに広がる甘く柔らかいクリーミーな余韻はとても絶妙です。
このフレグランスは、SCHIAPARELLIを愛する個性的なマダムにこそおすすめです。
☆追記☆
このフレグランスは、1980年代の日本で
「花香調の自然な香りでありながら、強い印象を残す不思議な香水」と紹介されています。
ちなみにJEAN CARLESは、
あのDANA「TABU」や、CARVEN「MA GRIFFE」の調香師でもあります。
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2002/12/15 20:25:27
1849年にフランス・プロヴァンス地方のグラースに創立された香水メーカーであるMOLINARD。
同社のフレグランスの一つである「LES FEMININES EAU DE TOILETTE」を、
私は最近入手しました。
何よりもこれは、薄いサーモンピンクのパッケージと
濃いブルーのスプレー式ボトルに貼られたラベルの両方に描かれた、
薔薇のブーケを片手にややうつむいている貴婦人の絵がとても印象的。
その婦人は手袋と同色の髪飾りと、
デコルテを強調したライトブルーのドレスを身に付けています。
肌にまとうと、その砂糖菓子のような甘ったるい芳香にうっとり。
不思議なことに、この香水のトップは
あのGALIMARDの「PRINTEMPS JAPONAIS」にとてもよく似ています。
けれどもミドル以降は、イリス等が効いているためか、
こちらの方がやや軽い感じがします。
また私の手元には「PARFUM DE GRASSE NO.14」という名の
「FLEURI,IRISE」(花々のような、虹色のような)イメージのフレグランスもあるのですが、
これも前の二つとよく似ています。
けれどもこれはマドレーヌのような香ばしさが印象的です。
この三つの香りの類似性は、
グラース発祥のメーカー同士で見られた偶然の一致というよりも、
おそらくあのCARONに繋がるクラシックな製法ゆえの必然の一致だと思います。
このフレグランスは、その名の通り「LES FEMININES」(女性たち)におすすめです!
☆追記☆
最近フォルテがMOLINARDを積極的に輸入していますが、
このフレグランスはまだ取り扱いがないようです。
隠れた名香がもっと私たちの身近になるとよいですね。
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2002/12/5 08:19:27
1747年にフランス・プロヴァンス地方のグラースに創立された香水メーカーであるGALIMARD。
そのフレグランスの一つ「PRINTEMPS JAPONAIS」を、
私は最近、日本を訪れたフランス時代の友人から、
お土産としていただきました。
その友人の話によると、彼女がGALIMARD本社に足を運んだ際、
同社員さんに「この香水は雅子皇太子妃もお気に入り」と聞かされ、
日本人の私にぜひ、と思ったのだそうです。
このフレグランスは、興味深いことに
高さ7cm×幅2.5cmの黒い遮光瓶の中に収められています。
勿論これは太陽光線による品質劣化防止のためでしょう。
そしてその瓶に貼られたゴールドのラベルにはGALIMARDの紋章があります。
肌にまとうと、その独特のシロップのような重みのある甘ったるさにうっとりとしてしまいます。
トップにはベルガモット・レモン、
ミドルにはラズベリー・プラム・ローズ、
ラストにはアイリス・バニラが使われているそうですが、
なぜこれほどまでの芳香になるのか不思議です。
全体的にはとてもクラシックな仕上がりです。
この香りは、あのキャロンの「AIMEZ-MOI」を髣髴とさせます。
けれども前者には後者ほど焦がした砂糖のような香りはありません。
勿論「PRINTEMPS JAPONAIS」とは「日本の春」という意味ですが、
ぜひこの調香の由来をGALIMARDの方々に尋ねてみたいものです。
このフレグランスは、グラースのMOLINARD本社を訪れた
マダム&マドモアゼルにぜひおすすめです!
☆追記☆
南フランスのグラースは世界一の香料の産地です。
ちなみにこの地発祥の三大香水メーカーは、
FRAGONARD(フラゴナール)・MOLINARD(モリナール)・GALIMARD(ガリマール)です。
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2002/11/10 01:45:00
1953年に発表されたESTEE LAUDERの「YOUTH-DEW」。
「青春の露」という名のこのフレグランスは、
ESTEE LAUDER初のフレグランスです。
何よりもこれは、コットンピケのワンピースを着た女性をイメージしたようなボトルが印象的。
そのボトルのくびれた部分にはゴールドの紐がさりげなく巻かれています。
中身の色はとても濃いブラウンです。
肌にまとうと、まさにその色にふさわしいウッディオリエンタルな香りに驚かされます。
トップからラストにかけては、
一貫してバルサムの甘くて暖かい香りが持続します。
その香り立ちはとても深くてクラシカルですが、
決して今にない香りではありません。
この香りは、私がかつて愛用していた「REVLON FLEX SHAMPOO」や、
それが廃番になった後、今現在愛用している
「CAPITORINO SHAMPOO」のライトバルサムを髣髴とさせます。
勿論このフレグランスの方がはるかに強い芳香ですが、
何よりもウッディ好きの私を落ち着かせてくれる香りです。
このフレグランスは、バルサムの香りをこよなく愛する
マダム&マドモアゼルにこそおすすめです。
国内未発売。
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