2015/6/29 04:26:04
私が持っているのはオードジョイ(ジョイのEDP版)ですが、此方に口コミさせていただきます。
1955年発売。
調香は2代目アンリ・ジブレ。調香したのはオードジョイを含めた2作品のみで夭折されました。
パルファム濃度のオリジナル「ジョイ」は1930年発売。
こちらの調香は初代専属調香師のアンリ・アルメラス。
世界恐慌の最中、社長のジャン・パトゥは一言……「良いものを作れ」。
そもそも原材料の調達すら難しい時代でしたので、アルメラスはそうとうな試行錯誤を繰り返したと思います。
でも全部ボツ。アルメラスとうとうキレて強攻策に出ます。
精油を限界まで使ったレシピをパトゥに叩きつけました。
「これでパトゥも黙るだろう」とアルメラスは思っていたのですが、なんとそれが通ってしまったのです。
アルメラス、自分が作っておいてその原価の高さに震えていたのだとか(笑)。
合成ムスク以外は全て天然香料、全て最高級のもの。
“世界一高価な香水”という挑戦的なキャッチフレーズを掲げたジョイは、今でもシャネルの5番に次ぐ売り上げを誇ります。
香りは一言で言いますと“花束”です。それも両手でも抱えきれないほどのたくさんの美しい花々を束ねたもの。生花の香りそのものと言っても過言ではありません。
その花束に顔を埋めた時の“喜び”なんでしょうね。
オードジョイは濃度が少し薄くなっていますが、充分花の香りを楽しめます。
主軸となっているブルガリアンローズとグラース産ジャスミンの競演はとても美しいです。
私の肌の上ではややブルガリアンローズが勝っていますかね。
生花の香りですので、どの年齢層の女性が付けていても違和感が無いところもこの香水の良さだと思います。
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2015/6/20 03:50:00
小分けで購入しました。
オリジナルは1974年発売ですが、後にEDPが作られました。
シャネルの香水ならではのトップのアルデヒドがツーンときた後は、ゆっくりゆっくりとフローラルやメロンの香りが甘さ控えめに香ります。
ラストはややアニマリック&ウッディに。
全体的にはグリーン系の香りで爽やかな印象。
19番をキリリとさせて、甘さ控えめにしたような香りですね。
“クリスタル”という名前通り、透明感や清涼感があり、キラキラと輝く香りです。
音楽で言うところの高音部のようなイメージもあります。
シャネルの香水の中ではあまり人気が無いそうで、エピソード等が見当たらないのが残念。
私は隠れた名香だと思います。
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:-
2015/6/19 04:12:24
私にしては非常に珍しい(笑)、アバクロことAbercrombie&Fitchの8(エイト)です。
恐らくパルファム使用。
ただ単に私にとって8がラッキーナンバーで、好きな数字で、大好きな野球選手の背番号でもあって、普段付けているのと真逆の薄い香りのものが欲しかったからという理由で購入しました。
濃厚な香りに酔いしれる日々を過ごしていると、鼻が少し疲れたようになるので、こういう香りは鼻を休ませたいけど香水を付けたいという時にとても便利です。
瓜系に近いやや甘めのクリアで爽やかな香り。
トップからラストまでそこまでは変化は無いですが、ミドルで甘さが少し強くなるような気がします。
夏の暑い時に付けると良さそう。
夏場のちょっとしたカジュアルなお出かけにも便利ですね。
似たような香りはあれども、日本に本格的には入ってきていないので他人と被りません。
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2015/6/17 03:55:52
EDP使用。
小分けで購入しました。
1889年発売、私が香りを知っているものでは最も古くに作られた香水です。
調香は2代目エメ・ゲラン。
初めて合成香料を使った香水としても有名です。
ジッキーというのは人の名前です。3代目のジャックの愛称だという話もありますが、エメが英国留学中に出会ったジャクリーンという女性の愛称だという説の方が正しそうですね、フランス人をジッキーという愛称で呼ばないと思うので。
ジャクリーンとは恋人関係になったようですが、様々な事情(詳細不明。彼がゲラン家の人間だからでしょうか?)から破局しています。
エメが50歳を過ぎてなお想い偲んだ『ジッキー』は快活で当時としては進歩的な女性だったのでしょう、この複雑な香りに当時の人々は戸惑いを覚え、受け入れることができませんでした。
何と娼婦が客引きに使い、成功したところから23年後に女性誌で大々的に取り上げられるようになったのです。
つまり男性受けが良かったんですね(笑)。
ラベンダーとバニラのハーモニーが非常にアロマティックで優しいです。
EDPだとシベット(麝香猫)のアニマリックな部分もあまり感じず香りでくつろげます。
近代では優しい香りと感じるこの香りも当時はスキャンダラスだと思われていたわけで‥…でも3世紀に渡って愛される『ジッキー』は素敵な女性だったのでしょうね。
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2015/6/13 03:31:14
1985年発売、クリスチャンディオールの名香「プワゾン」。
『香りは心の毒である』という詩人ポール・ヴァレリーの言葉からネーミングされた、正に『香りの毒』。
私の持っているトワレは細長いのですが、パルファムや現行のものはころんと丸いです。
禁断の果実、林檎を思い出させますね。毒林檎ですとか。
トップからプラムの香り……果実酒のような香りがするのですが、これがミドルでチュベローズやシナモンなどと混ざってそれはそれは甘美な香りがします。
ラストは白檀やムスクでややウッディになります。
官能的でありながら、優しく暖かな部分も多い香り。
バブル期に大流行した影響で嫌いな方も多く、また若い女性も濃厚なためか嫌っている子が多いイメージです。
好奇心で買って失敗したという声もよく聞きますし、海外ですらこの香りを嫌う声も多かったほどですからね……。
私はこの香りが大好きですし、トワレですが、チュベローズの影響か私の肌の上では拡散性も低く、持続時間は半日以上でした。
──愛してしまったら最後。そんな香水です。何せ『毒』ですから。
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