2023/1/9 21:32:45
オレンジとレモンフラワー、外れなしの組み合わせ。うっとりするほど澄み切った、甘く爽やかな香り。トップノートからこんなに心を鷲掴みにするフレグランスって、あまりない。
ミドルでアミリスが顔を覗かせる。
個人的にウッディの要素がチラつくレディースの香水は避けていたのだけれど、高品質なニオイイリスで支えられたアミリスは秀麗そのもの。
クルジャンのムスクは鮮烈に清々しい。
アミリス・ファムもまた例外でなく、ラストノートまでくると毎回勝手にノスタルジーを感じてます。
冷静でフレッシュな心地でありたいオフィスで、私のお守りになる一本。
彼のクルジャンの作品なだけあって、良質な天然香料の香り立ちは清らかにして控えめ。ワンプッシュに留めておけばレストランでも邪魔しなそう。誘惑的でなく、むしろ内省を促すような明媚な香りなので、クリーンな関係でいたい男友達とのディナーに是非(笑)
フランシス・クルジャンのどこまでも素材を削ぎ落とすスタイルを、私は理解できない。一人のクリエイタとして、数値や戦略が如何に市場を制するかの頑迷な固定観念を持っているから。
それでもアートを創り出さないという彼の信念に基づき生まれた作品は、極静かに、だからこそ何より強く私の心を揺さぶって止まない。
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:2018/3/1
2022/9/13 20:26:07
ファースト・インプレッションは上質で上品なフランキンセンスの薫香と、ふわりとまろやかなヨーグルトの乳臭さ。
5分と経たずマスカットの爽やかな甘さに包まれる。なんて柔らかな芳香だろう。(マスカットとヨーグルトの組み合わせ、合わないわけない!)
個人的には香水にドラマティックなストーリを求めがちですが、この香水に関しては控えめな変化こそ寧ろ、繊細な感性を演出しているようでとても好ましく思えます。
マスカットからローズの流水の如く自然な変調から感じるのは、完全な統一に潜む法悦的な甘さ。
ローズの複雑でいて強い甘さは他の香料の存在感を食いがちだけど、フランキンセンスのオリエンタルな主張は決して負けていない。その高貴な香調からそれぞれのベクトルで扱いが難しいフランキンセンスとローズ。それでいて2つの香料に共通して言えるのが、無二の香りの上品さ。この2つの香料が交わると、追随を許さないほど高潔で幻想的な甘い香気。
トップからミドルに掛けての馨香があまりに清冽な完成度のため、ややパウダリーなラストで拍子抜けするためマイナス1(はい、勝手に期待してごめんなさい)。それでもミドルまでの香りを嗅ぐためにこの値段を払っても全く惜しくない。
他の方の口コミで書かれているように、密室でずっと否応なく感じられるほど香らせるのはNG。
フレッシュオリエンタル・ノートなので1プッシュ、多くても服の下に2プッシュが自分も周りも心地よくいられます。
和装の日にはベスト・フレグランス。
慣れない着物を纏った日、嫋やかでいて凛とした、和の心を持つノーブルな女性としての一歩を踏み出させてくれる、そんな美しく調和の取れた香り。
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2022/9/10 10:25:31
んん? トップから柔らかい。変に色気もなく、ほんのり香るローズが上品で、清浄な温もりの匂い。
いっそルームフレグランスにしていつも嗅ぎたい。この匂いに包まれて怒れる人、いる? 頭がぼうっとしちゃう…疲れを取りたい休日には、このトップノートがベスト(キャンドル買おうかな?)。
ミドルから霞掛かったようなバルサム。ミルラと高品質なフランキンセンスの穏やかな甘さに包まれる。個人的にはここで香る強いリリーの濃厚な甘さは、フランキンセンスともミルラとも調和すると感じない。百合の甘さと純潔のイメージが妙にウッディの落ち着きから浮いているというか、この一点がクリーン過ぎる。清潔な香りはかなり注意して配合しなければチープな印象に偏りがちだけど……ありゃ? これほんとにラルチザン? 石鹸っぽいインセンス、個人的にはちょっと苦手。
天然香料しか使わないオリヴィア・ジャコベッティの美学が仇になったらしく、天然のマドンナリリーを思わせる強い生命力は、ラスト・ノートのシダーやサンダルウッドさえ侵食している。このリリーの1番残念な部分は、シダーウッドのアトランケンのケトン臭を強調しているところ。せっかくマツ科のアトラスシダーを使ってるのに、もったいない!
実はこのパルファンの香りの主役はマドンナリリーじゃないかと思ってる。ウッディが消えてさえもラストノートの最後まで存在感を放つのは百合の花。純粋に天然の百合の花束を抱えているような終わり方はちょっぴりロマンティック。
この香りを嗅ぎながら木座に腰掛けて、ディンブラ片手に読書でも楽しめばリラックスした休日が過ごせそう。
個人的にはトップが1番好きだったかなー
ところで地獄通り、なんて名前の通りが本当にフランスにあったらしく、ラルチザンパフュームの本社があったんだとか。どんな由来だったんだろ?
トップ:ローズ、ジンジャー
ミドル:ホワイトリリー、フランキンセンス、アロエウッド
ラスト:アトラスシダー、サンダルウッド、ベンゾイン、ムスク
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:35ml・19,030円 / 70ml・30,800円発売日:2017年5月
2022/9/9 20:53:43
夏が似合う人にぴったりな、海の青さを香水瓶に閉じ込めたような香り。
夏が来たぞ!とワクワクさせてくれるライムが弾ける。おまけにクールミントの爽快感。
やや遅れてブラックカラントががつんと来た。
ミドル・ノートはグリーンの中に溶け込むローズの存在感が印象的。トップからだいぶ大人になる。ここまで来るとブラックカラントはローズを引き立たせ、積み立ての果実のような瑞々しさを感じた。
爽やかなのにドラマティック。でもこわい香り。
底の見えない海に1人投げ出される心地。
こんなに美しい青に包まれる香りがどうして恐いの? 沈んでいく心地よさを感じるからじゃない?
ユニセックスらしいけど男性の方が似合いそう。今時のマッシュヘアの人ではない。トレンドを追うより、形振り構わず夢を追うタイプの男性限定。……と、思ったのだけど、ミドル終盤からラストにかけての香りは母性的。
このローズはとても戒律的。厳格さがやがてホワイトムスクの奥行きに包まれる。甘さはないが、この優しさは明らかに女性的だ(ああ、そうか、『母なる海』)。
この香りがデートの終盤で男性から漂ってきたら、気が遠くなるほど魅力的。男女問わずに明らかなセクシャルを感じさせない品性は必須だけど。それくらい厚塗りの化粧とは対極にあるムスキーフローラルシトラス。
フランシス・クルジャンの真髄。神秘を感じさせるほど完璧な香り。日本人にもっと流行ってもいいと思うんだけど、価格からするとそんなに不思議でもないのかな。
ラストまで清廉なイメージを保ちつつ、なんて終始心揺さぶられる変遷なの…。香りの移り変わりは3つじゃ足りない。ムスクなんて言葉じゃ言い表せないムスク。びっぐらぶ!!!!!
夏が来るたび纏いたい。(なんなら内省する孤独な夜の方が、この香りの神秘に浸れる。やっぱり年中だ。)海底に沈み込み、空の青さに溶け込む香り。
Top:メキシコ産ライム、ブルゴーニュ産ブラックカラント、ネロリ、クールミント
Middle:プロヴァンス産ミモザ、グリーンノート、ローズ
Last:ホワイトムスク
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チャンス オー タンドゥル オードゥ トワレット(ヴァポリザター)
容量・税込価格:35ml・10,120円 / 50ml・14,520円 / 100ml・20,350円発売日:2010/2/19 (2018/1/5追加発売)
2022/9/1 21:27:25
きれいな香り。でも美しいとは全く感じなかった。
Tendreというネームが暴力的なまでに私に訴えかけてくる。「優しくない女に価値はない、柔らかい性で男を包みなさい。」
この香りを付けると自分は人から見たとき、何処までも消費される性なのだな、と感じてゲンナリする。Diorのジャドールを思い出した。
甘くてエロティックで、引き際を弁えた女の香り。
トップはひたすらに甘いマルメロが鼻をくすぐる。グレープフルーツのフレッシュさと合わさって、美味しそう…。
ミドルに移るとパウダリーなヒヤシンスとジャスミン。ヒヤシンスの青草さを掻き消すほど鼻につくほどの甘さ。グルマンでないフルーティ調の香りでこの甘さ、個人的には得意じゃない。
私の鼻が鈍いのか? ラストノートでさえ深みを感じられなかった。
トップ:フルーティ(マルメロ、グレープフルーツ)
ミドル:フローラル(ジャスミン、ヒヤシンス)
ラスト:ウッディ(ホワイトムスク、アイリス、ヴァージニアシダー、アンバー)
香調の変遷だけ見れば十分なストーリーが楽しめそうなものだけど、組み合わせに1つも意外性を感じられなかったというのが一番の驚き。(いや、一個だけ。この香りでこのお値段って明らかに高くない?)
次CHANELを買うならパルファムか、ココ・マドモアゼルかなあ。でもちょっとジャック・ポルジュの香りを買うのが怖いな…
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