2023/1/11 14:08:16
生まれ育った時代さえ違えば、すごく好きだったろうな、と思う香り。
私たちの世代はこうしたフローラル+スパイシーオリエンタルの組み合わせのレディースの香水の匂いに非常に敏感に反応する。平たく言おう。真っ先に連想するのは、授業参観の日の教室を満たすお母さんたちの香水の匂い!!!!
で済ませるのもちょっと。
真っ先に刺激された大脳辺縁系を宥めすかして、人間らしく大脳新皮質を自主的に働かせます(笑)
弾けるシトラスは躍動感あってキュート。若さ溢れる生命力を彷彿とさせる。トップからアルデハイドが鼻を突き、紛れもなくCHANELの香り。『21世紀のココ・シャネルになるマドモアゼルはだあれ?』そんな挑発的な激励が頭を過ぎる。
ミドルで大興奮。
青くさいほどに瑞々しいターキッシュ・ローズ、ミモザ特有のクリーンでいて濃密なフローラル、イランイランとジャスミンの馥郁が溶け合う。
敢えてのトルコ産のローズなのね!??確かにこれは柔らか過ぎるセンティオリアローズじゃ優しすぎ、ブルガリアンローズじゃふくよか過ぎる!!巧い!ブラボームッシュ!ジャック・ポルジュ!!
ミドルまで古典的なゴージャス系女子(?)のイメージだったのが、ラストは若干モダンに傾く。若年層に比較的好まれるのもベース・ノートかもしれない。棘のある、摘みたての生花を連想させる香り。
(個人的にもミドルからラストが一番好き)
パチョリの配合された香水に感じる円熟さは、このEDPからは感じられない。トップからベースまで、感じられるのは未完の美。
自分の中の『女』を飼い慣らすことを楽しみながら、夢を追う女性のパッションの美しさ。
『ココ・マドモアゼル』のネーミングにぴったりの香り(今も昔も、CHANELのマーケターは概して天才的な手腕を誇るらしい。誰か知らんけど)。
先入観なしに嗅ぐと、素晴らしい完成度の香り。なんだけど、CK-one現象の中を育った世代としては、香水を纏っている間中マインドフルネスを保って香りと向き合えというのも無理のある話。
従って、オススメできるのは仕事に生きる姿が美しい、熟年層のレディ。
オリエンタルの要素を最も輝かせるためにワンプッシュ以下、できたら服の下に纏って欲しい。使われる香料の全てが紐解けてしまったら、折角のミステリアスな愛らしさが半減してしまう。
半径1メートルに入った人間は誰彼構わず魅了しようなんて、美学のない女性にはこの香りは似合わない。
『恋は私のクリエイティビティを彩る素材。
だけど足枷になる結婚は、一生しない』
剥き出しの遊び心の下に、隠し切れないほどの自立心。
決意を秘めたマドモアゼルの香り。
調香師:ジャック・ポルジュ(Jacques Polge)
香:オリエンタル フローラル
発売:2001年
トップノート:オレンジ、マンダリンオレンジ、ベルガモット、オレンジブロッサム
ミドルノート:ターキッシュローズ、ジャスミン、ミモザ、イランイラン
ベースノート:パチョリ、ホワイトムスク、バニラ、ベチバー、トンカビーンズ、オポパナックス
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2022/2/7 15:41:58
トップで思わず「わぁ」って言った。ピュアで悪戯好きな、私にとっての理想の「女の子」の香り。フルーツに紛れる草の匂いがフレッシュで、ひたすら愛らしい。
徐々にローズとリラのセンシュアルな香りに。ローズが官能と気品をうまく両立してる。
毒はないけど人肌を思わせるむっとする香りなので、付けすぎると頭が痛くなるし、人によっては不快感を覚えるかも。
毒のない可憐な甘いセクシー、私は好き。柔らかくて、纏うとなんとなく自分の中の官能を肯定できる香り。ミドルの香りはあまり人に気付かれたい香りではないので、胸元にワンプッシュか、寝香水にしたいな。
これを娘御のイメージで作れるのはアニック・グタールが女性で母親だったからだろうなあ。父親だったらミドルでこんなに官能性を花開かせることは許すまい(笑)
ちなみにうちの母は「夜のお店にいそう。あなたが似合う香りじゃない」とのこと。ほとんどラストになっててセクシー過ぎたんだと思う。コレはもっと上手に纏えるようになりたい~!
オードパルファムも気になるけどトップノートのフレッシュ感、すごく魅力的なんだよなぁ。どっちも買うしかない!
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Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:30ml・11,000円 / 50ml・15,510円 / 100ml・21,560円発売日:2014/9/5 (2019/7/5追加発売)
2022/2/6 13:08:51
うん、想像してたよりずっと甘くて優しい。温かいのになんだか神秘的。
落ち着いてて、トップからミドルは自分でつけるより男性がつけてたら素敵な香り。
海辺で流木を見つけた感。
つけてから40分後、ミドルのシーソルトが強まります。海だ。えっすごい。紛れもなく海を思い起こさせる。マリン系はもっと軽薄感あるよね? これはずっと優しくて甘い…。
ラストノートはお香っぽい。セージに甘い香りが混ざってノーブルなイメージ。
香りは5時間ほど持続しました。
過ぎ去った一夏の優しい思い出を思い起こさせる香り。
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2023/2/18 17:25:08
うっわーー!!!!!自分で日常的に纏える星7の香水って初めて!忘れない内に感動を留めておこう!!
白を色として扱う物理学者はいない。白は色彩ではなくて光だから。どんな色とも交われず、塗り潰すより他ない特殊な無彩色。
オープニングのアルデハイドとピンクペッパーの刺すような煌めきに、ホワイトローズの気高さが潜んでいる。普段なら圧倒されるローズの華やかさも、アルデハイドと交わることで香りが高遠な奥行きを孕む。こんなにも清白で、こんなに眩い香りと私は今まで出逢ったことがありません。ああ、幸せ…。だれかきっと、私の棺にはこの香水を、ありったけ振り掛けて…。
ミドルのバイオレットの土っぽさは、ジェローム・エピネットが意図的に雪のイメージをこの香りに投影させたとしか思えない。ピオニーが水っぽさ、オレンジ・フラワーは雪の柔らかさを思わせる。
ラストノートは雪解けの香り。サンダルウッドが忍耐強く待ち焦がれた春の匂い。微睡むムスクが運ぶ夢は、ブロンズウッドの生命の息吹。
美しいものは、概して儚い。
実際に陽光に照らされた雪なんてすぐ溶けてしまうし、結晶化が保たれる寒冷地の人々の冬は、外で雪を愛でる暇がないほど厳しい。雪国で生まれ育った私はその事実もよく知ってる。
しかしエピネットが妻と愛娘をイメージし創り上げたこの香りは、トップからラストまで雪のblanche(白)と太陽のblanche(光)が共存し合い、互いを讃えるように引き立て合う。
一人の夫として、一人の父親として彼が抱いた深い愛が、自然界では存在し得ない奇跡の色(=白)をこの香りに刻んだのかも。
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Jo Malone London(ジョー マローン ロンドン)
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
容量・税込価格:30ml・11,000円 / 100ml・21,560円発売日:-
2022/9/28 11:08:49
トップからラストまで一貫してリアルな甘い桃の香りを保ってくれる。
すごくフレッシュなトップ。
フルーティと掛け合わせられたグリーン・ノートが瑞々しい甘さ。仄かなプチグレンが甘く上品なイメージを足してくれてる。
ミドルに移るとハニーの絡み付くような甘さが顔を出します。この拡散する濃厚な甘ささえなければオフィスでもいけそうだけど、甘酸っぱいネクタリンと合わさることでどこかポップで遊び心溢れる甘さに仕上がってます。
ハニーが使われてるので官能的にならないキュートな甘さだけど、休日やデート向き。
ミドルのハニーの薄らいできた頃が好き。キラキラしたニシアカシアの輝きを彷彿とさせる甘さとラスト・ノートのベチバーが交わり始めると、調和のとれたバロック音楽に耳を傾けてるような心地。
ラスト・ノートもジョーマローンらしく優しい奥行き。プラムやベチバーがややミステリアスな気品を演出してくれます。
安っぽくない清潔感溢れる桃の香水を探していたので、しばらくコレを名刺代わりの一本にしよっと。
トップ:グリーンノート、ブラック・カラント、プチグレン
ミドル:ネクタリン、ニシアカシア
ラスト:ベチバー、ピーチ、プラム
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