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[その他ボディケア]
税込価格:-発売日:-
2004/10/2 03:50:24
いわゆる天花粉。ベビーパウダーです。そしてモロにジャケ買い。この紙製の、リバティプリント柄の缶に入ったお粉。まるでイタリアの田舎のキッチンの片隅にでも置いてありそうな…。もう、すごく大事にしたくなってしまうじゃありませんか。
ザクロ使用。ザクロつっても、例えばYSLのベビードールみたいなどぎつい毒を含んだのじゃなく(当たり前だ)すこし甘くて、ちょっとクセのあるような、パウダリーな(当たり前だ)、なんか、外国のおばあちゃんの家ってこんな匂いがするんじゃないかな、みたいな。なんか、ロクな例えができずにすみません。でも何か、そういうひなびた、でもとても上品な「歴史」を感じる香りであることは確か。洗いざらした生成りのワンピースとか似合いそうな。絵画の中の人が纏っていてもおかしくなさそうな。セクシーさはなくて渇いてるんだけど、「身だしなみ」としての生っぽさも感じる。
肝心のベビーパウダーとしての効果はいまいちわからなかったりするのですが(全くないとは思いませんが)、ファミリーユースとしても、そして淑女の無邪気な楽しみとして良いのではないでしょうか。可愛らしい容器は実はすっごーく使いにくい(私は中の袋の一部をじかに少しずつ缶の中に入れて、残りの粉は袋の口を輪ゴムで止めて保管。というかなり実用的な使い方をしています)のですが、持っていて損はないというか、単純にうれしくなる一品です。大量なのでこのお値段はむしろリーズナブルなくらい。
あの、ちょっと敷居高い店で、戸棚の重い扉を、わざわざイタリア人の店員の方に開けてもらってまでも購入する価値はありますよ。大きめのパフではたいた時、どこか一瞬異国の風が吹く。見知らぬ部屋で目が覚める。そういう系の幸せ。
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2013/4/22 17:56:06
他に替えがきかない、背に腹は変えられない…というような意味で★6。
おもにBN20、日焼けしたときはBN30 を混ぜて使っています。もうかれこれ何年だろう?使い心地や仕上がりのニュアンスがそれほど好きというわけではないのですが、とにかく切らせないファンデですね。それはやっぱり、
「色が合っているから。」
「これほどまでに肌に合う色が他社に見つからないから。」です。
肌色にもよると思いますが、私はパーソナルカラーがプロ診断「ブルーベース・夏」な上、さほど色白でもなく、薄肌で赤みが出易く、生理前や寒いときなどにくすんで顔色も冴えなくなるようなタイプ。こういう肌色って、何と言うか本当に、ファンデの色選びが難しいんですよね…
その点、このぴったり具合ったらない。質感も厚ぼったくないので、薄肌特有の透明感も上手く出せるし、「ブルーベース・夏」的な色の服装をするときには本当に華奢なニュアンスが出てハマる。(逆に、ゴールドアクセとかつけて強そうなイメージを出したいときとかはもっとイエロー寄りで厚みのあるファンデを使います)
色に対するカバー力は強いけど、凹凸に対するカバー力はあまり無いので、ナチュラルといえばナチュラルです。ただ、毛穴を埋めるように叩き込めばそんなにアラも目立たないかと。私は専用スポンジは痛いので、手のひらに多め(7〜8滴)にとって、手でなじませてから→ふんわりしたスポンジでさらになじませる、という使い方をしています。
テカリづらく、崩れもあまり無いので、真夏でもOK。ただし冬は乾燥しますね。何と言うか、妙に膜っぽく張り付く感じというか、日焼け止めみたいな使い心地なんだよな〜。うーむ、やっぱり色はいいんだけど、「それ以外」に対しては不満もあったりするのであった。
まあ贅沢を言えば、他ブランド(外資も含め)も、カバーマークみたいな色展開にしてもらえたら一番いいのになーと思います。世界共通の基準を作るとか!
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[化粧下地]
容量・税込価格:30ml・3,850円発売日:2012/2/17
2014/2/26 14:20:05
ピンク系の01、イエロー系の02ともに購入して、その日の肌状態や服装に合わせて使い分けています。
ちなみに私はブルーベース夏、赤みや毛穴の気になる薄肌・標準色。普通は01のほうが肌に自然に馴染むのですが、赤みなどをがっつりカバーしたい時やイエローベース向きの服装(ゴールドアクセとか含め)をしたい時には02を使う感じです。
以下、単純に2商品を比較すると、
カバー力 01<02
透明感 01>02
油っぽさ 01<02
崩れにくさ 01>02
使い心地 01=02
という感じでしょうか。
この手の色補正下地って、パールぎっしりだったりして肌が疲れるものが多いんですが、これは比較的肌がラクな気がします。乾燥して突っ張ったり、(真夏以外は)テカりすぎたりもしないし、どんなファンデとも相性がそこそこ良い。なので、普通に普段使いしやすいです。
02に関して言うと、全然私の肌色に合っていないのですが、なぜか伸ばすとなじみます。赤みがすっきりカバーされるので、色白効果みたいなのは01より断然ありますね。全体的にアラを隠す力も高いです。その分カバーした感はありますが、生理前の肌状態がグダグダなときも、つるんと整えてくれるので非常に助かっています。
ある意味01みたいな色はよくあるんですけど、02みたいな色で、ブルーベースでも使える(くすまない)商品ってなかなか無いですから。
ただ、油分が01より多いのか、ややテカりやすく、吹き出物ができることがあります。そして、朝から晩までとかになると、さすがに終盤くすんできたり、カバー力が落ちてきたりするのが難点といえば難点ですが、汚い崩れ方もしないのでいいかな。多分リピートすると思います。
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2008/3/13 21:53:03
「fracas」=騒動、喧嘩騒ぎ
名前がいいですね。女っぽく、色っぽく、情緒不安定で、泣いたと思えば怒り、怒鳴り、男に物をぶつけたりしそうな女。華奢なのに強情っぱりで、周囲を煙に巻き、物憂げな顔をしたかと思えば高い声で笑う、男を惑わす天性の才に長けた女…という感じでしょうか。この、初めから強いトーンで、でもどことなく切なげに香る、チュベローズの濃密な甘さに包まれているとそんな女性像が思い浮かぶのです。まるで一幕の芝居のよう。
とてもとても甘いのに、アニマリックな芯があること。泣けるほどに切ない透明感がありつつ体温と混じるとスモーキーな艶が出ること。チュベローズにハマっていたときにボトル買いしましたが、あまりの甘さと古典的な色香にクラクラしました。私が好きだったのはマイケル・コースの「マイケル」や、ゴルチェの「フラジャイル」みたいな現代的で気怠いチュベローズだったので。
トップノートはあくまでも鮮烈で、どこまでも甘く、(再三書きますが)胸の芯に来る切なさがあります。娼婦というのも納得。ミドル〜ラストにかけてはかなり重め。トップの切なさは残しながらも、肝が据わってくるとでもいうのか、したたかな強さで肌の延長のように絡みつくのです。特にラスト近く、ギ・ラロッシュの「フィジー」を思い出すのですが(時代的にはフィジーの方が後ですが)、古臭くなく今においてもみずみずしく感じられる名香といえども、クラシックな「格」があります。動物的に「女」って感じの、王道の色気とでもいうのでしょうか。ちなみに同じくチュベローズのヴェルサーチ「ブロンド」はこれと瓜二つです。
もし自分がいま20歳だったら、大学の教授を誘惑し、これを纏って、目白フォーシーズンズ辺りの古典的な高級ホテルのロビーで待ち合わせ。そんな香り。小娘が背伸びするときにぴったりな「女」「娼婦」イメージとでもいうのかな(バカにしてるんじゃありません。投影しやすいぐらいに象徴的っていう意味です)。
そんなことにも飽きた(つーかもうそんなことしてる場合な歳ではない)今なら…高級中華食べに行くときとか?シチュエーションがあまり浮かびません。なんか、微妙にこの香りって他人のような気もするので(とかいって、じつは結構使ってたりしますが、鼻にではなく肌に合わないのです)。膝裏に1プッシュでも、もうムンムンですので、使う際はいろいろな意味でかなりの振り切り感が必要に思われます。
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2004/4/19 21:36:25
纏ったことはおろか、触れたことすらないのに貴女の名をここに書き込むという暴挙をお許し下さい…。
その日、仕事が暇だったので陽気に誘われてブラブラと出掛け、7丁目に出来たというハウスオブ資生堂に行ってみたんです。ご立派なエントランスを抜けて一階の展示を横目で流しつつ2階へ。で、中央あたりの引き出しの中に、鎮座している貴女を見つけました。ノンブルノワール?意味深な名前。思わせぶりな…そうして禅とヴォカリーズの間に配置された筒に手を伸ばし、蓋を開けて嗅いだ瞬間、しかし、世界は変わってしまったのです。
「これは、運命かもしれない…」
こんな事は滅多に思わないのです。グラグラと視界が揺れるのを、全ての音が静止するのを感じました。そう、まさに本当の黒に、真の闇に包まれてしまったような…香りの説明など出来ましょうか。ボトルの力強いタイポグラフィ。NOMBRE NOIR。私は、動悸の収まらぬままその場を後にしました。
翌日、それは変わらずそこにありました。私は幾許かの冷静さを取り戻していたので、キュレーターの方に訊ねました。あの香りは今どうなったのですか?…既に発売中止になりました。10年ほど前に。返ってきたのは予想と違わぬお返事。不吉な予感は、蓋を開けた瞬間から解っていたというのに…あれは、死体の標本だったのだ。彼女はもうこの世の何処を探しても居ないのだ…「あれは、展示用として特別に当時のレシピを再現したものなんですよ。」…やっと知ることが出来たのに、もう触れることが叶わないなんて。
私に残された唯一の救いは、いつでもそこに行けば貴女に会える、ということです。黒の女王。貴女ほどの「黒」に、私は未だかつて出会ったことがありませんし、恐らくこれからも出会うことはないでしょう。
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と、好き勝手書いてしまいましたが(平謝り)、NOMBRE NOIRは1982年に資生堂より発売。パッケージ、広告含めアートディレクションは、あのセルジュ・ルタンスです。(彼がこの香りの内容に関与してるかどうかはよく知りませんが)印象としては、やはり禅やSASOに通ずるいかにも資生堂的な余韻がある。フロリエンタル?いや、もっと抑制の効いた…ミツコを纏っている人にすれ違った時の空気にも似ています。若干シプレ入ってるのかな?でも同時に、梅のようなフルーティさも感じてしまう。まさにあらゆる色を呑み込み、かつ無限の可能性を秘めた黒だと思いました。クラシカルな美しさがありながら、20余年の時を経て私を仰天させた香り。高価な名香もディスカウントされ、「憧れの香り」が気安く手に入るようになった今日でさえ、その存在はあまりに孤高であり絶対です。
現在、銀座のHOUSE OF SHISEIDOに行けば彼女に会えます。これ以上の説明は不要かと…ご存知の方も、また以前使っていたという方も、そして私のように存在すら知らなかったという方も、是非今いちどこの香りの記憶を刻み付けて頂ければ幸いです。
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- モニター・プレゼント (提供元:未記入)