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ルイ・ヴィトン / IMAGINATION

ルイ・ヴィトン

IMAGINATION

[香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:-発売日:-

7購入品

2024/3/2 00:40:55

 香水を愛する者にとって、その香水の価値は「香りそのもの」にある、と私は強く確信しています。もちろんボトルの美しさや香水にまつわる物語、歴史、世界観などに強く惹きつけられる、ということもアリだとは思いますが、いくらココ・シャネルの哲学に共感し、プレタポルテや革製品を愛用しているからといって、自分にとって心地よくない香りを「この香水はCHANELだから」という理由で使用するのは、あまりにもナンセンスだと思うのです。その逆もまた然り、たとえブランドに対するイメージが好ましいものでなかったとしても、香り自体が素晴らしければ、ブランド名を度外視して愛用すればいいのです。……ここまでの話でお解りになった方もいるかと存じますが、正直に申し上げますと、LOUIS VUITTONに対する私のイメージは、ややそれに近しいものがあります(あくまでも個人的な考えです)。

 具体的に申し上げるのは差し控えますが、とりわけあの象徴的なモノグラムならびにダミエ柄は、どこから見ても誰が見ても一瞬で「VUITTON」だと認知できてしまいますよね。「いいバッグ使ってるね、どこのブランド?」という他愛のない(けれど相手との関係を切り結ぶ上で案外重要になってくる)会話ができないのは、何だか少し物寂しい感じがするのです。一方、香水に限らず「香り」自体には色も形も文字もありません、香りから何かを意識的・無意識的に「連想」する場合を除いて。そのため、彼ら・彼女らがかつて嗅いだことのあるものでなければ、今日の私がどこのブランドの何の香水を纏っているか、周りの人たちは知る由もないのです。ある意味において、香水を纏うことは、神秘性を纏うことでもあるのです。

 このように、ブランド名の先入観抜きで嗅いだ人のイマジネーションを掻き立ててくれるであろう香りが、まさにこの「IMAGINATION」(読み方は「イマジナシオン」)です。「これはLOUIS VUITTONの香水です」と自ら申告しなければ、少なくとも私の周囲は誰一人としてVUITTONの香水だと気付かないでしょう。でも、それでいいのです、自分の愛する「香りそのもの」に興味をもってもらい、それをきっかけにして私自身に興味をもってもらう。そのほうが、シンプルにおしゃれだと感じるからです。成熟社会に突入した現在の日本は、イマジネーション=想像力の時代に入ったと私は思います。

 香水好きとして世間一般の人たちよりも香りに対する愛は強いですし、香水によっては芸術作品と呼ぶに相応しい傑作もありますが、香水なんて所詮「消え物」です。日常生活で使う、なくなったら次のを買う。使えば使うほど味の出てくる一生ものの革製品や腕時計と違って、香水は大切に使っていてもわりと短期間で劣化します。開封して4〜5年くらい、トップノートのフレッシュな部分が潰れ(すぐに飛んでしまったり、嫌な酸味が出てきたり…)、ベースノートが煮詰まった感じになると、もう使用期限は過ぎています。一流メゾンの香水だからといって、その劣化は免れないのです。ある意味で、香水はブランドや調香師に関係なく、あるいは使用香料や価格に関係なく「香水」という名の下において平等といえます。だからこそ、「LOUIS VUITTON」の名を冠した香水だから、という理由ではなく、単純に香りが自分好みだから、という理由で私はこのはかない消え物を愛し続けることでしょう。

 ……と、ここまでは僭越ながら、私めの香水哲学の開陳と相成りましたので、最後にIMAGINATIONの印象をご説明します。この香水はサンプルをワンプッシュした瞬間に大当たりを確信しました。かなり精緻に創られていますので香りの構成を特定するのは難しいのですが、水のような透明感のある果実と、ささやかな苦みと甘みのバランスが絶妙です。ブラックティーの香り、と紹介されることが多いですが、何を隠そう、この作品の調香師は「世界三大調香師」の一人であるJacques Cavallier――同じく「紅茶」の香りで知られるVlgari Pour Hommeを世に放った巨匠です。IMAGINATIONの清らかでうっとりさせるような、そして安心感のある香りは、彼の多くの作品に通じるところがあります。ただ、この香りの醍醐味は、ミドル〜ラストにかけて徐々にせり上がってくる、とても高級感のあるノートにあります。調べてみると「アンブロックス」と出てきますが、大衆的な香水で使用されているものとは一線を画す、Creedの香水を彷彿とさせるような「上質な人工アンバーグリス」が使用されていると思われます。私が一目惚れしたのは、このノートをベースとした香り全体なのだと悟り、史上最速レベル(?)でフルボトルの購入を決意いたしました。

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