★キャプテンD★さんのルイ・ヴィトン / オン ザ ビーチへのクチコミ |
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:-
2021/5/15 16:38:20
ルイ・ヴィトンの最新作オン ザ ビーチ(2021年)は非常に素晴らしいシトラスの香りで、個人的には最高のシトラス探しの旅の到達点だと感じている。
オン ザ ビーチはヴィトンでは初めて、日本産柚子が、それも主役として使用されている。
シトラスの香りは、ほとんどのフレグランスでトップの爽やかな印象付けとして使われるケースが多く、シトラスが主役の香りといえば、コロンのような儚い香りになってしまう。
なかにはアトリエコロンのようなシトラスコロンの香りを持続させたものもあるけれど、最初から最後まで、それも日本の柑橘の香りを楽しめるフレグランスなんて過去になかったのでは。
そして柚子を使うことで、新しいシトラスの扉を開けたような香りに仕上げられている。
オン ザ ビーチは快晴のビーチで過ごす1日の、色褪せることのないエモーションを表現した香りとのこと。コンセプトをそのまま表現したような美しいグラデーションのボトルをスプレーすると、、、
トップはシトラス。
スプレーした瞬間から、柚子らしい苦みやワタのような甘さがとても心地よい。少し遅れて透明感のあるネロリが柚子を押し出しているような香り立ち。
ミドルはアロマティック・グリーン。
鼻先は柚子のほろ苦い甘みをピンクペッパーでキャラクターを付けつつ、全体の骨格はローズマリーやタイムの硬質なマロマティックグリーンと、シトラスリッチなネロリのフローラル感が重ねることで、スプレーした瞬間の柚子をそのままスライドさせたような香りに。
サンソングと同様に、ヴィトンのネロリはシトロンの効いた黄色いイメージが強いため、柚子との相性が非常に良いのではと感じる。特に肌に乗せると、このネロリのフローラル感が増すため、さながら柚子フローラルに包まれたような香り立ちになる。
そして、奥から時折香ってくるひのきの爽やかなハーバルウッディ感がとても心地良い。
ベースはウッディ・スパイシー。
硬いアロマティックグリーン、ネロリやひのきの残香に、クローブのようなハーバルなスパイシーを添えることで、柚子らしい面影を残していく。そして、柚子の残香をウッディムスクで持続させたままドライダウン。
持続時間は、アロマティックな柚子フローラルが2時間程度、ひのきのような軽いウッディとムスクを合わせた柚子の香りは6時間以上持続する。
夏のビーチをイメージしているのに、お決まりのマリンやオゾンやココナッツではなくて、終始、柚子の爽快感、ほろ苦い甘さ、アロマティック感が漂っている、とても涼し気なシトラスの香り。
ケチをつけるとすれば、ヴィトンのネロリの香り方。フワッと香るネロリではなくシトロンが鋭いネロリで、もしこの香りが硬質なアロマティックグリーンから飛び出してしまうと、柚子らしさが抑えられてしまうため、紙ではなく肌で試すことをおすすめしたい。
ビーチの上、輝く太陽、波しぶき、そしてジリジリ焦がされる砂の余熱。
でもこのオン ザ ビーチの香りは涼しげで、風通しが良い。ここのビーチにはなぜか竹林があって、さらに風鈴の音色まで聴こえてくるような雰囲気がある。もしもこんなビーチがあったら、毎週通うよ!
ヴィトンのフレグランス部門は、このフレグランス途上国の日本において大成功しているとのこと。オン ザ ビーチの香りは、私たちが憧れる海外のリゾート地をイメージしたものではなく、まるで日本の魅力をギュッと詰め込んだような、日本のヴィトンファンに向けたジャック・キャヴァリエからのプレゼントのように感じてならない。
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