doggyhonzawaさんのPuredistance / Iへのクチコミ |
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- doggyhonzawaさん 認証済
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- 53歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿426件
2019/5/4 16:53:15
本当に丁寧な姿勢で創られたすばらしい香水をつけてみたいと考えるなら、ピュアディスタンスの香水を試してみるといい。そこにはこれまで感じられなかった感動がきっと待っているはずだ。
ピュアディスタンスは、ヤン・エワルト・フォス氏が2002年に立ち上げたオランダのパフューマリー。彼の理想とする香りを追求すべく、パルファム(エクストレ)濃度の香水だけをプロデュースしているこだわりのブランド。
値段は17.5mlのボトルが23100円。安くはない。ただ、賦香率32%という驚異の濃度でこの価格だから、他のパルファムと比較すると安いくらいだ。また、賦香率が高いと香りが濃厚できついのでは?と思う方もいると思うが、それはむしろ逆だ。香水がツンときつく拡散するのはアルコールが多いからに他ならず、香料濃度が高いパルファムほどつけた場所で柔らかくなめらかにずっと香り続けているので、香害にもなりにくい。
EDP(香料が10〜15%)全盛の現代に、あえての超パルファン濃度。そんなピュアディスタンスの中にあって、「1(ワン)」は、記念すべき1作目の香りであり、フォス氏がいつまでも1番のお気に入りと公言している香りだ。ではどんな香りかというと。
ピュアディスタンスのパルファムはボトルこそシンプルな形状だが、化粧箱一つをとっても、シンプリシティ、ビューティー、ピュアエレガンスというコンセプトが体現されていて美しい。
1をスプレーすると、その瞬間に美しいジャスミンとオレンジフラワーの香りがふんわりと広がる。アルコールのツンとくる感じが全くない!それでいてとてもナチュラルで柔らかく花の香りが立ちこめる。香料濃度が高いので、手首などに付けるとつけたところがテカっている。これは希釈のアルコールが少ないことを表している。
3分もすると、オレンジフラワー系の甘くふくよかな香りにアクアティックなメロン様のみずみずしさが感じられてくる。苦みとまではいかないけれど、白いフローラルのフェミニンな香りを中和するかのようなウォータリー。調べてみたらこれがミモザのノートのようだ。ミモザの香りはこれまであまり感じたことがなかったけれど、ヘリオトロープに似てパウダリーな点とメロン様のウォータリーな感じが特徴のようだ。生花のミモザとはかなり異なる感じはある。
このミモザの甘さ、パウダリーさ、メロンを食べたときにのどにくる感じの雰囲気がジャスミンとハーモニーを奏で始める。とりたてて新鮮さはないものの、花々のブーケに顔を近づけたときの花粉や蜜の自然な香りがある。ジャスミンもミモザも、それぞれの特徴が出過ぎないようなブレンド具合。さらにやや苦みのある茶色のベース香料もほのかに感じられて、ほの甘いホワイトフローラルのエッジをキリリとしめている。ただフェミニンなだけでない、すっと背筋を伸ばした凛としたたたずまいが低音にある。
香りは5〜7時間程度、つつましく優雅に香る。太陽の黄色を集めたようなミモザのほのかな甘さ、ジャスミンのふんわりとした華やかさ、そしてラストはスチームで加熱したような高温で響くホワイトムスクのスッキリしたソーピーにつながってデクレッシェンド。さながら白いドレスや半透明のヴェールを思わせる清潔さ。純白のウェディングドレスのような。
ピュアディスタンスの創業者フォス氏は、ある日パーティーで出会った白いドレスの女性の美しさに感銘を受けてブランドコンセプトを思い描いたという。そこに調香師アニー・ブザンティアンが共鳴し、自身のためだけに調香していた作品を提案したところ、両者のイメージはぴったりと重なった。それが1番はじめの作品となり、フォス氏1番お気に入りの作品になった。
「グレース・ケリーのような白いドレスの女性」。1にはそんなイメージが投影されているようだ。美しく気品ある彼女のたたずまいは、同時代に活躍したセックス・シンボルのマリリン・モンローとは対照的で、クールビューティーとも称された。女優グレース・ケリーはモナコ大公に見初められ、人気絶頂の中、モナコ王妃となった。その絢爛豪華な結婚式で見せた艶やかなウェディングドレス姿はまさにこの世の華、全女性の憧れとしてヨーロッパでTV中継されたという。
ピュアディスタンスの1はそんな白いドレスの香りだ。女性を最も美しく清楚に輝かせるウエディングドレスのような美しいフローラルだ。
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