TOP > もえしょこらさんのLikeしたクチコミ(登録日時順)

13件中 1〜5件表示

たみちゃん・☆゚:*:゚さん
たみちゃん・☆゚:*:゚さん
  • 30歳
  • 混合肌
  • クチコミ投稿1
ReFa / ReFa BEAUTECH DRYER

ReFa

ReFa BEAUTECH DRYER

[ヘアケア美容家電]

税込価格:40,000円発売日:2019/10/16 (2020/10/26追加発売)

評価しない購入品

2021/4/6 22:44:21

それまでレプロナイザーを使用していましたが、三年使って調子が悪くなったので寿命だと思いリファのドライヤーが良さそうだったので購入して使っていました。デザインも良く、髪もしっとりして気に入っていたのですが…。購入して一年未満にも関わらず、突然爆発。破片が顔にも首にも当たり、洗面所中火事の様な匂いで充満…。たまたま顔にシートパックをしていたので顔は無事でしたが、首には軽くヤケドをしました。すぐにカスタマーに連絡しましたが、対応が悪くビックリ。カスタマーの方曰く、他にも何件か爆発しているとのこと。アルコール系の物が内部のファンにダメージを与えて爆発するのが一因かも、とおっしゃってました。ロングヘアなので髪を早く乾かすスプレーを使用していたので、それだ!と思いましたが、私はたまたま怪我がなくて済んだけれど、他にもその類のスプレーをご使用になっている方の参考になればと思い口コミします。ちなみに今は紙一枚注意書きを入れているとのことですが、MTGのHPにも、以前購入した方にも何も注意喚起はされないそうです。MTGの商品が好きで、ドライヤーの後シャワーヘッドも買ってしまいましたが、MTGの対応の悪さと爆発したトラウマで髪を乾かすのが怖くなってしまいました。今はずっと使っていたレプロナイザーを購入し直しましたが、それでもビクビクしながら髪を乾かしています…。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
購入場所

-

効果

-

商品情報
ReFa
美容グッズ・美容家電
ヘアグッズ
ヘアケア美容家電
関連ワード

-

doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 50歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿475
Diptyque / オー ド トワレ Eau des Sens(オー デ サンス)

Diptyque

オー ド トワレ Eau des Sens(オー デ サンス)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:23,100円発売日:-

4購入品

2016/12/30 17:21:28

ディプティックの香りはいつもどこか哲学的だ。そう思う。2016年に発売されたこのオーデサンスの紹介文を見た時にもそれを強く感じた。

「オーデサンス。これまでにない新しい香りに対するアプロ―チ」

この文章は秀逸だ。とても人の心を惹きつける。ただこれは、「これまでにない新しい香り」ではなく、「これまでにない新しいアプロ―チ」という意味なので、やや誤解しやすい表現だ。では、これまでにはない新しいアプローチとは一体どんなものなのか?

オーデサンスを調香したオリヴィエ・ペシューは次のように語っている。
「これまでのディプティックのオードトワレは、つねに原材料からインスピレーションを得て創られてきた。だが、この新しいトワレでは、『五感のすべてを刺激する』というアイディアが最初に生まれ、それを形にするための原材料としてビターオレンジが選ばれた。つまり、真逆で対称的な経緯で生まれた作品だ。」

五感(センス)の共振、そして、それをエッセンスどうしの共鳴で表現すること。このデュアル感覚のテーマが先にあったということこそ、新しいアプローチであり、プロダクツとしての原点回帰であるとしている。

それでは、一体どんな香りかというと。

オーデサンスのトップは、ややシャープな青みがかったオレンジの果皮の香りから始まる。レモンやベルガモットが入っていないぶん、感じ取りにくい低音で香るビターオレンジの果皮は、一瞬キッチン用クリーナーのような苦みを呈して現れる。そしてすぐにプチグレンの青苦いグリーン系の香り。ごつごつとしたビターオレンジの果実の周りで、風に揺れる緑の葉を思わせる雰囲気。ここまで3分。

やがてプチグレンの青苦さが消失すると、ほんのり冷たい雰囲気のスッキリした香りが、ネロリのこんもりした香りと共に現れる。ジンの香りづけに使われるジュニパーベリーだ。まるみがあって柔らかなネロリの香りのエッジを明確にして、フレッシュでクールな印象をかもし出すことに成功している。このジュニパーベリーとネロリのミックスが、次第に、オレンジの果肉を思わせるやや甘いジューシーなオレンジフラワーの香りに収束していく。

はじめに、果皮の苦みと葉のグリーンな匂いを呈し、そこからオレンジの花の香りが広がっていくというイメージ。その輪郭を支えているのがジュニパーベリーといった印象。ほんのりとした甘さはアンジェリカのようだが、よくは分からない。このミドルが大体1〜3時間ほど続く。

ラストは早い。体温高めの自分の肌では、淡くあっさりと1時間〜1時間半ほどで消えていく。ラストは、ミドルのオレンジフラワーがほんのりアーシーな土っぽさを伴いながらフェードアウト。ベースにパチュリがクレジットされているが、わずかに添えられているイメージ。

全体的に見ると、「新しいアプローチ」と銘打ったわりには、香りのイメージはクラシックなよくあるオーデコロンタイプだ。「今になってなぜ?」と思わざるを得ないような、あっさりとした香り。天然香料は多く使用しているように思う。だが、香水はそれだけでは地味な印象になりがちだ。この香りでオレンジの樹全体をイメージする感じは少ないし、五官を全て刺激され、それらが共振するような感じはしないなあというのが本音。穏やかでスッキリした香りだとは思う。ただ、特に目新しさがないように感じるのは自分だけだろうか。

オーデサンスのラベルをボトルの後ろから見ると、60年代に流行した錯視的感覚の放射線が何本も入ったオレンジの樹が描かれていることに気付く。これはオプアートといって、受け止める人の感覚を揺らすアート。この香りのもう一つの側面である「感覚を惑わせる、震わせる」を表現していて興味深い。こういう細かな点にも深い思惑を見せるところが、ディプティック・フィロソフィーの面白さだろう。

太陽の恵みを真空パックしたようなオレンジ。そのまるい果実をたわわに実らせた一本の樹が目の前に立っている。でこぼこした果皮にそっと触れると、ひんやりとして心地よい。果実を鼻に近づけると、苦みと酸味があるジューシーな香り。見上げると、緑の葉が風を受けてさらさらと鳴り、太陽のかけらをその間から散らしている。ふと、春先に咲いていた甘く濃厚な白い花々の香りを思い出す。オレンジの花の奥にあった、かぐわしい蜜の味を心に描く。

オーデサンスは、センス(感覚)とエッセンス(香料)をともに揺らす香り。オレンジの樹全体から放射される豊かな刺激に、五官の全てを預けて感じたい香り。オプアートの錯視的な線描のように、じっとしていてもどこまでも広がっていくように感じられる、自分の感覚を研ぎ澄ます太陽の香り。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 51歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿475
セルジュ・ルタンス / ファイブオクロックオジャンジャンブル (Five o'clock au gingembre)

セルジュ・ルタンス

ファイブオクロックオジャンジャンブル (Five o'clock au gingembre)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・14,300円 / 100ml・22,000円発売日:-

5購入品

2017/11/12 01:35:45

午後5時。それは、昼の自分と夜の自分を切り替えるためのとても大切な時刻だ。

英国では、お茶を楽しみながら軽い食事をとるハイ・ティーと呼ばれる時間。ハイ・ティーとは、レストランなどの脚の高い食事用テーブルで提供される夕方のティータイムのこと。これに対し、有名なアフタヌーン・ティーは、小さなラウンドテーブルやロー・テーブルで供されることから別名ロー・ティーともいう。元来、7時以降にオペラ鑑賞や観劇を楽しむ習慣がある英国においては、夕食が9時以降になることが多いため、お楽しみ前の軽い腹ごしらえの時間として定着したようだ。

ファイブ・オクロック・オ・ジャンジャンブル。「午後5時に香るジンジャー」と名付けられた意味深なオード・パルファン。一説には、セルジュ・ルタンスが英国のバッキンガム宮殿のアフタヌーン・ティーからインスピレーションを得て2007年にクリストファー・シェルドレイクに作らせたというが、詳細は定かではない。伝統と格式を重んじるロイヤル・アフタヌーン・ティーのメニューには、キュウリのサンドウィッチ、スコーン、各種のケーキが登場するものの、ショウガを用いたジンジャー・ブレッドやクッキーは見当たらないようだ。とすれば、言葉遊びや暗示が好きなルタンスのこと、おそらくこのネーミングにも何か秘密があるのだろう。黒いゴシックの館で一人ほくそ笑む彼の姿が思い浮かぶようだ。

では「午後5時に香るジンジャー」、一体どんな香りかというと。

禁欲的なスクゥエアボトルから香りをプッシュすると、まず、透明でさっぱりした柑橘のような香りと、ふわっと乾燥ハーブのような香りが相まって、鼻を刺激してくる。そしてすぐに広がる樹脂系のくぐもった香り。洋酒に薬草を混ぜて煮詰めたような、粘りけのあるアンバーのムードがトップから感じられる。ルタンスによくあるアラビアンなオープニング。

3分後、こんもりとしたバルサムの香りの奥から、ペッパーのムズムズ系の香り、シナモンのスパイシーな香りが主張してくるようになる。そして同時に、煮詰めた黒蜜のような香りもしてくる。わずかに甘いハニー系の。さながら、ミルク抜きのスパイスチャイにべっこう飴のスティックを入れて少し溶かしたような雰囲気。それでも全体にシャープでスッキリしているのは、ヴァニラ系のクリーミーな香料が入っていないからだろう。このペッパー&シナモン&黒蜜に、次第に辛みと温かみが加わってくる。それがジンジャー系の香料だ。ここで完全にホットスパイス系のドライな香りに変わってくる。じんわりと響く辛口のスパイス香。背後には深みのあるアンバーの甘苦しい木の樹脂の香り。それが3時間ほどゆったり続く。

ラストは意外にもあっさりしている。ミドルからのジンジャーの辛みと温もりが減衰しつつ、アンバーの薬っぽい香りも一緒にフェイドアウト。わずかな甘さを残して消える。持続時間は大体3〜4時間程度で、案外短め。変化もわりと単調。

全体的に見ると、ルタンスらしいハーバル&スパイシーなオープニングから、ジンジャーが次第に強くなってくる展開で、どちらかというとマニッシュな辛口フレグランスといった印象。キリッとした辛みとじんわり響くスパイスが持ち味。ただ、ルタンスの作品にありがちな強烈な暗さというか、何か一つの香料を強調したようなインパクトはやや抑えめ。そういう意味では、オリエンタルスパイシーの中では使いやすい部類だと思う。どこか洋酒っぽくもあり、お香&タバコっぽくもある。それでも一番イメージが近いのは、やはりジンジャーブレッドだろう。ジンジャー・パウダー、シナモン、ナツメグなどを入れて蜜で甘く仕上げた、しっとりしたブラウンケーキ。ミルクをたっぷり注いだ英国式ミルクティーにはぴったりの素朴なスイーツだ。

バッキンガム宮殿はいざ知らず、カントリーサイドの家庭的なハイ・ティーでは、そんな伝統的なジンジャー・ブレッドを楽しむことも多いようだ。英国では、ショウガは料理用でなく、お菓子や飲み物に使われるスパイスとしての認識が一般的だという。三段に皿が重ねられたティースタンドには、フィンガーサンドイッチ、ジンジャー・ブレッドやスコーン、そしてデザートケーキが乗せられ、その周りに各家々の大切なティーセットが並べられる。そんなローカルなハイ・ティーにこそ、ジンジャーの香りが漂っているのかも知れない。伝統と格式と礼儀作法を重んじるルーティンの中にも、各家々にはその家ならではの温かいティータイムがあるのだろう。

午後5時。それは、堅実な昼の仕事を終え、華やかな夜の社交に向かう女性たちが、心と衣を切り替える時刻。家々の窓にともり始めるあかり、お茶を囲んで大切な人と語り合う美しい夕べ。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 52歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿475
セルジュ・ルタンス / Sa Majeste La Rose(バラの女王)

セルジュ・ルタンス

Sa Majeste La Rose(バラの女王)

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

5購入品

2018/4/21 23:08:40

さて2017年末、一部の香水マニアを震撼させた「セルジュ・ルタンスのリニューアルに伴う多数の廃盤決定通知」により、自分なんぞは足元にも及ばない高レベルの香水マニアックスな方々が「やめてー!私のアラニュイがなくなる!!」など、阿鼻叫喚の心の叫びとともに在庫ボトルの静かな買い占めに走られたわけですが、そういう意味で、こちらにもそろそろお別れを告げないといけませんね。

セルジュ・ルタンスの「黄バラ」こと、真っ黄色なジュースが売りのサマジェステラ・ローズも、2018年ついに販売終了です。

いやあ、薔薇の女王、売れていたにも関わらず、終了ですか。有名人も愛用していると公言しているのにやめますか。さすがルタンス!どこかの政治家みたいに全くどこ吹く風ですね。ある種、神々しささえ感じます。彼には。

さて、そんな経緯で入手困難香水の仲間入りをめでたく果たしたサマジェステラ・ローズなんですが、自分はいつもサンタル・マジュスキュルと言い間違えてしまいますね。共通文字は「サ・マ・ス」ぐらいなんですけどね。その語順が同じせいなんでしょうか。どうでもいいですね。

ついでに言うと、黄色いジュースと「サマ」という出だしの音から「黄色い太陽が照らすサマー・ローズ」なんてイメージしてしまいがちなんですが、どっこい、そうはルタンスがおろさない。ただ者ではないですからね。闇の使者ですからね。暗闇から突然、ルタンス氏のエキセントリックなお顔がぬっと現れたら、本気でお化け屋敷より怖いですからね。ま、それもさておき。

では、実際の香りを紹介してみましょう。それにしてもなんか変ですね。久々に丁寧語で書いたらまどろっこしいったらありゃしない。以下、常体。

サマジェステラ・ローズ。香りを感じやすくするため、手首にプッシュ。つけた瞬間、柔らかいエーテルの揮発とともに感じられるのは、一瞬のフルーティー。ペア―のような、甘くてみずみずしい香りがすっと駆け抜けていく。クレジットによるとライチのよう。すぐにその下から出てくるのは赤黒い雰囲気の薔薇の香り。じわじわと心の柔らかいところを侵食してくる暗い清涼感のあるローズ香。かなりグリーンノートが効いている。何がというわけでなく不遜。どこがというわけでなく淫猥。重たい暗闇の中からそっと浮かび上がったような真紅の薔薇。まるで暗がりからルタンス氏の顔がぬ〜っと出てきたような(←もうやめろ)

このローズ香は、いくつかのローズエッセンスをブレンドしているよう。共通しているのは、薔薇独特の清涼感あるツンとした香り、スッキリとしていてコクがある点。それでいて硬くて内省的。ふんわりとしたイメージとは真逆。なぜだろうと考えてみる。まず酸味が強い。というか、これはメタリックといっていいほど。キンとした冷徹さを感じる酸味だ。そして、拡散しないストイックな香り立ち。メタリック&ソリッド。ん?メタルギア・ソリッド?

とまあ、これまた一部のゲームファンにも意味のない媚びをうったところで本題に戻ると、そんなミドルが約1時間ほど続く。というのも、ローズの精油だとそれくらいしかもたないからだ。よい香料を使っている感じはある。ただ、どこか黒インクや墨をこぼしたような違和感ある香りも混じっている。通常、天然香料が消失した後は、合成ローズ香料にスライドして香りを引き継がせていくものが多いが、そこはさすがルタンス。フローラルで用いているのは薔薇の天然香料のみのようだ。潔し。

ラストは香ばしいスモーキーなウッディ香、そしてソーピーなムスクがわずかに残る。薔薇は本当にどこかに消え失せてしまったようだ。すっと姿を消したかと思うと、後に残るは漆黒の闇。うーむ、芥川の「羅生門」のようなエンディング。というか、

これは、どこかほのかに血の香りがする薔薇だと勝手に思っている。暗闇の中、鉄の鎧をまとったいかめしい顔の女王が思い浮かぶ。彼女が手にした剣の先からは赤黒い血が滴り落ちている。その暗闇の中、息絶え絶えに倒れているのは先の国王。彼の周りに飛び散った血の花びら。そんな情景を思い浮かべてしまうのは、自分の心の闇が深いせいだろうか。それともルタンスの作品だから?

黄色くて明るい色のジュース。その意図は?夏の爽やかな日中の薔薇?彼がそんな薔薇を作るはずがない。黄色の意図は「警戒色」ではないか。黒と合わせることで最も注意を促す色彩、それが黄色だ。だとすれば、サマジェステラ・ローズの裏メッセージは「警告」かも知れない。

コノ ジョオウ ニハ オイソレト チカヅイテハ ナラナイ

サマジェステラ・ローズは、そんな不穏な薔薇だ。どこか鉄のような匂いの混じった、気高い孤高の薔薇だ。

もう会えない。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品
doggyhonzawaさん
doggyhonzawaさん 500人以上のメンバーにフォローされています 認証済
  • 52歳
  • 乾燥肌
  • クチコミ投稿475
ディオール / コローニュ ロワイヤル

ディオールディオールからのお知らせがあります

コローニュ ロワイヤル

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)]

税込価格:- (生産終了)発売日:-

6購入品

2018/5/12 16:54:15

心身がボロボロに疲れているときは、香りなんて心底うっとうしく感じるものだ。

入院していたとき、白い部屋の窓辺には、ただ空がぽっかり浮かんでいた。そこには仕事も時間もなかった。街の喧騒や車の渋滞もない代わりに、酸素や点滴、ドレーンのチューブらがベッドの周りで奇怪に混み合っていた。

日常から切り落とされた。毎日空を眺めながらそう感じていた。夜は、廊下で看護師が足早に歩く音、ストレッッチャーが慌ただしく移動する音を闇の中で聞いていた。大病院はめまぐるしく密やかに動いていて、検温と食事だけが規則的にやってきた。食べ物にも飲物にも味はなかった。そして決定的に匂いがなかった。それは手術の痛みで体を動かせない自分の嗅覚が麻痺していたせいかもしれない。病院生活には匂いがなかった。

ディオールのコローニュ・ロワイヤルの香りを初めてかいだとき、不覚にも涙が出そうになった。後にも先にも香りをかいで涙がこぼれたのは、ラルチザンのラペルトワだけだ。だから、なぜこのコロンでそんなに感情が揺れたのか考えてみた。そして思い出した。それは前述のとおり、自分の本当にきつかった頃を香りが呼び起こしたからだ。

ディオールのコローニュ・ロワイヤルをそっと手首につける。立ち上る香気にふれる。レモンの高い酸味、マンダリンのわずかな甘さ、そしてベルガモットのコクのある豊かなボディ、それらのミックスが柔らかく鼻を刺激する。ありきたりなシトラスミックスなはずなのに、本当に心地よく心に広がる。美しくピュアなシトラスオイルを使っているのだろう。雑味やエグみが一切なく透明な風が吹いている。そんなトップ。

3分後、透明感あるシトラスの微風が過ぎ去り、下から出てくるのはネロリの甘くふくよかな香り。ビターオレンジの花の、心をうっとりさせるような香りがふんわり立ち上ってくる。わずかにミントが効いているのか、オレンジミントのようなテイストも少し出ていて、全体にとても穏やかでつつましい香りだ。気持ちがブルーになると人の呼吸は知らず知らず浅くなる。それでも、そんな気持ちに寄り添って静かに微笑んでいてくれるような香りだ。そんなミドルが、淡くゆるやかに30分〜1時間ほど続く。

ラストは、ほんのりとあたたかい木の香りで終息する。サンダルウッドと書いているが、香ばしいあたたかみとわずかなオレンジの果実の残香がする。気が付くと、そんな温もりを残して消え入るエンディング。全体でも2時間で消失する淡い香り立ちのコロンだ。

人は、元気でパワーのあるときには出力の強い匂いに対しても平気でいられる。けれど、いったん心身のバランスを崩したとき、とたんに強い匂いや香りを受け付けなくなってしまう。ディオールのコローニュ・ロワイヤルは、そんなときに心をフラットにしてくれる、やさしく柔らかなオーデコロンだ。

古典的な「王妃の水」のレシピを基にしつつ、本当にいいシトラスを厳選し、ミントとサンダルウッドで絶妙に調合した逸品。現在メゾン・クリスチャンディオールとして22本の香りがラインナップされているうちの1本。ディオール・パフューム&ブティック表参道店の方のお話では、またこの中から廃盤が出るそうだが、名前までは教えてくれなかった。それでも、このコローニュ・ロワイヤルはぜひ残してほしいと思う1本。何しろディオール専属調香師、フランソワ・ドゥマシー自身が愛用している香りでもあるそうだ。

値段は新しく出た40mlで11500円。賦香率が低いコロンにしては値段が高いと感じる方もいるだろう。そのへんはこの香りが好みかどうかで評価の分かれるところ。

この香りに出会って、久々にあの頃のことを思い出した。梶井基次郎が小説「檸檬」で、病んだ心を冷たく爽やかに癒したレモンを描いたように、自分の病んだ心身も、柑橘の香りを吸って少し軽くなったのを覚えている。

退院の日、表に出ると、太陽はまぶしくてじりじりと熱かった。木々の葉擦れの音がさやさやと鳴り続けていた。そして、シトラスのコロンを鼻に近づけ、ゆっくりとその香気を吸い込んだ。その瞬間、柑橘の甘酸っぱいシャワーとともに、全ての感覚がよみがえった。世界は再び再生ボタンが押されて動き始めた。

振り返って仰ぎ見た病院の小さな窓。そこにいた自分に本当に別れを告げられたのか。不安はありながらも、あの日自分はそっと窓の縁に置いてきたのだろう。梶井のように黄色い檸檬の爆弾を。木っ端みじんにされたのは、丸善ではなく自分の憂鬱だった。

その檸檬の冷たい香りは、たとえようもなくよかった。

日の当たる白い部屋の窓辺、檸檬が一個、黄金色に輝いている。

使用した商品
  • 現品
  • 購入品

13件中 1〜5件表示

もえしょこらさん
もえしょこらさん 25人以上のメンバーにフォローされています 認証済

もえしょこら さんのMyブログへ

プロフィール
  • 年齢・・・40歳
  • 肌質・・・乾燥肌
  • 髪質・・・普通
  • 髪量・・・多い
  • 星座・・・未設定
  • 血液型・・・未選択
趣味
  • インターネット
  • 音楽鑑賞
  • 料理
  • 読書
  • 映画鑑賞

もっとみる

自己紹介

コスメには愛情を持って、最後まで使い切りたいので購入する際は慎重派です。必ずと言っていい程@コスメを参考にさせて頂いているので、恩返しのつもりで・・☆… 続きをみる

  • メンバーメールを送る