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doggyhonzawaさん
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ラルチザン パフューム / オート ヴォルティージュ オードパルファン

ラルチザン パフューム

オート ヴォルティージュ オードパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

本体価格:125ml・27,000円発売日:-

5購入品

2015/6/28 12:21:21

「今すぐやりたいことがある。理由は簡単だ。それをすると、得も言われぬ心地よさが味わえるからだ。しかしできない。なぜなら・・・。」

オート・ヴォルティージュは、調香師ベルトラン・ドゥショフールがプロデュースする「エクスプロージョンズ・オブ・エモーション(感情の爆発)」の第二弾コレクションとして、2014年に発売された、3つの香りのうちの1つだ。

第一弾として発売された3つの作品の共通テーマは、「自分と相手、2人の関係性による感情の変化」。それに対し、第二弾の3つの作品が表現したものは、「自己の内なる感情の変化」。そういう意味では、この第二弾の方が、よりセンシティヴかつダイレクトに「自分の内面」に問いかける作品群になっているように思う。

オート・ヴォルティージュは、「高度なアクロバット」という意味だ。紫の化粧箱に刻印された中央から光が拡散するような模様は、強烈な感情(あるいは本能)が外側に向かって解き放たれるさまを表現しているように思う。公式サイトにも、「心のタガを外した瞬間の、鳥肌がたつような強烈な歓喜をイメージ」とある。

「心のタガを外す」とは、換言すれば「理性を取り払う」「せまい常識や観念にとらわれず」という意味だろう。つまり、ときには理性を捨てて感情を解き放ち、より強く生の感動を味わおう。そんな外向きなメッセージが感じられる作品だ。

この香りは、とにかくトップがとても印象的だ。
付けたてはほんのりスパイスのきいた、透明感のある苦みが主張する。しかもフルーツの酸味と相まって、メタリックで冷たい印象を感じさせる。ブラックペッパーとザクロのクレジットがあるが、ややライチを思わせるキンとした透明感のある酸味に、オークモスの苦みをきかせて、スパイスで調整した、そんな雰囲気だ。モス系の香りは、昨今EUのアレルゲン物質に指摘された問題もあるため、そのへんをクリアした人工的な調整かなと思う。通常ベース香料は最後まで残るが、ラストまで苦みが持続するミツコのようなシプレーではなく、トップで強く苦みが出て次第に減衰していくので不思議だ。

苦く酸味があり、何かを押さえつけるかのような暗い印象のトップの香り。これが5分ほど続くと、やがて、下から静かにピンク色の穏やかなフローラルが広がってくる。まるで、鉄の扉を開けて、花々の咲く庭園へ出たような。この変化は劇的かつ対照的だ。

それは、ザクロのもつ甘酸っぱさとピオニーやローズの華やかさが感じられる香り。優しく落ち着いたフローラルだと思う。後ろにわずかにジュニパーベリーの森っぽさも感じるけれど、さっきまでの苦みや酸味、暗さは何だったのだろうと思うほど、ゆったりした花々の香りだ。

このミドルのフローラルには、ピオニー(西洋シャクヤク)がクレジットされているが、これは本来、生花から香りを抽出できないものの1つだ。それでも、ラルチザンの新作発表会では、このフレグランスに使用したというピオニーやザクロの香料の試香もあったようで、どんな香料なのかは興味深い。

ミドルのフルーティー・フローラルは4〜5時間ほど続く。やがてそれは、香ばしく甘いウードの香りと溶け合いながら、温かく消えていく。そんなラスト。このウッディなラストが心地よくて好きだ。

こうして見ると、出だしの暗く苦い香りは、まるで、感情や本能を無理矢理抑えつけようとしている「理性」のようにも感じられる。そう考えると、その下から現れたフローラルこそ、抑えきれずに解き放たれた「感情」を表しているのかもしれない。公式サイトにあるような「歓喜」や「爆発」というほど派手ではなく、とても気持ちが落ち着く花々の香りだ。

人の行動は、「生存本能」「感情の快・不快」「それらの制御(思考・理性)」のせめぎ合いで決定される。人が社会的に生きるために、本能や感情を理性でコントロールすることは不可欠だが、現代人のように、あらゆるシーンでモラルやマナーといった社会的理性に縛られすぎると、ときとして感情や生存本能じたいに黄色信号が灯ることもある。このフレグランスはそんな四面楚歌な心に、「アパッショナータ!(感情のおもむくままに!)」そう叫んで応援しているかのようだ。

「俺は今すぐ海辺に行って昼寝をしたい(本能)。だってこんな夏空の下、砂浜で寝そべったら気持ちいいに決まってるからだ(感情)。しかし、できない。だって仕事中だもの!!(理性?)」

そう、現代において感情のおもむくままに行動することは、とても難しいのだ。まさに高難度のアクロバット。でもな、覚えとけよ俺。この場合は「タガを外す」とは言わない。仕事中に窓の外を見て、そんな妄想に負けそうになっている時点で、お前はすでにタガが外れている。←ふぬけ

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トム フォード ビューティ / ネロリ・ポルトフィーノ オード パルファム スプレィ

トム フォード ビューティ

ネロリ・ポルトフィーノ オード パルファム スプレィ

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

本体価格:50ml・28,000円 / 250ml・65,000円発売日:2015/7/10

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4購入品

2015/6/18 01:36:05

その小さな港町は、イタリアの秘密の宝箱だ。緑の山々に縁取られた静かな入江。湾を囲むようにせり出した高台のヴィラからは、内海と同時に紺碧の地中海が見渡せる。港に面した通りに立ち並ぶ家々は、色とりどりのマッチ箱を立てたように鮮やかな外観を有し、湾に向けて緩やかな張り出しの弧を描いている。そして特筆すべきは、海からのアクセス以外、なかなか近づきにくい場所だということ。そのため、パパラッチと世間の喧噪を嫌うセレブ達が、クルーザーで訪れるお忍びの場所として知られるようになった。その名は、ポルトフィーノ。

トム・フォードの特別なフレグランスシリーズ、「プライベート・コレクション」。その中でも、最も人気ある香りの1つが、この町の名を冠したネロリ・ポルトフィーノだ。

ネロリ・ポルトフィーノのトップは、オーデ・コロンの始祖とも言える4711の開口を彷彿させる。さっぱりとしたレモンの香りが広がったかと思うと、一瞬でベルガモットの苦みと香ばしい酸味に変わる。そして、シャープなラベンダーのアウトラインに包まれて、甘く柔らかなオレンジ・フラワーの香りが広がり始める。

開始から5分でミドルに落ち着き、オレンジ・フラワーとグリーンなハーヴのミックスがふくよかさを増してくる印象。ただ、ネロリの精油を思わせる香りというわけではなく、精油の精製中に出るオレンジ・フラワー・ウォーターの穏やかな香りに近いように感じる。上品なバランスだと思うが、パルファンとしてとらえると、香り立ちが薄い印象は否めない。

やがてジャスミンの香りが少しずつ広がってきて、ラストはハーヴのグリーンと相まったまま減衰。トップ系の素材が多くクレジットされているせいか、ラストに際だった香りをあまり感じない。アンバー系がほんのり香るかなというやや甘いエンディング。

全体に、ラルチザンやルタンスから出ているフルール・ド・ランジェ(オレンジの花、の意)よりも、ネロリ香&ジャスミン香は弱く、生花や精油の香りを再現したという感じではない。むしろ、ライトなトワレ調。3〜4時間は緩やかに香るが、「質の良いネロリを惜しみなく使用した」という宣伝文句を見て購入するなら、そのギャップには苦笑する。必ず自分の肌にのせて香り立ちを確かめた方がいいと思う。本当にすごいネロリの精油は1mlで1万円程度するそうだが、そこまでの物でないにしても、ネロリっぽさがもう少し欲しかったなあという気はする。

とはいえ、ボトルデザインがとても美しく、地中海を思わせるアジュレー・ブルーという色と相まって、かなり所有欲がそそられるのは確か。ただ、肝心の香りが、3千円〜1万円程度でいくらでも似たような香りを見つけられる古典的なオーデ・コロンタイプなだけに、50mlで3万円近い値段には複雑な思いがする。香り立ちは優しいのに、値段は優しくない。まさか中身よりも、このボトルのデザイン代にコストがかかりすぎたのでは?そんな邪推さえしてしまう。

と、そこまで言って、はたと考える。まんざらジョークじゃないかもしれない。

そういえばポルトフィーノは、もともとは誰も話題にしないような、さびれた漁村だった。それが、一部のセレブにその美しさと秘匿性を見い出されたことで、富がそこに集中した。ミラノに行かなければないような高級ブランド店が軒をつらね、港に並ぶ家々が鮮やかな色に塗り直されて外観を整えたことで、観光客が押し寄せる人気スポットになった。

ネロリ・ポルトフィーノも同じだ。トム・フォードがプロデュースしたこの香水の中身は、100年以上前に作られたオーソドックスな香りのアレンジ版だ。それをトム・フォードの類まれなセンスと審美眼が、所有欲をそそるステータスシンボルなボトル、コレクション欲を刺激するレイヤーリングの提案などで、高級品に生まれ変わらせたのだ。

どちらも、もともとあった地味で美しいものに、新たな「付加価値」をつけたという点で共通している。そして、そのキーワードこそが、「セレブの贅沢なプライベートを味わう」ということなんだろう。

だとすれば、この香りを楽しむには、やはり、肩ひじを張らないシーン、自分自身がのびやかに過ごせる時間が似つかわしいと思う。夏の日の午後。コットンや麻などのラフ&カジュアルな服。お気に入りの雑誌とグラス。強い日差しを避けて、デッキチェアーで読書を楽しむ瞬間。木漏れ日の明滅に目を細め、海風を肌に感じながら聞く木々の葉ずれの音。そんな、自然の光や音と自分の境界があいまいになるようなひとときに、この柔らかな香りは、心と体をどこまでも開放していってくれるに違いない。

そんなひと夏のリゾートのラグジュアリーに。それは、誰にも譲らないとっておきのプライバシー。

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