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2012/1/27 13:48:15
最近、昔からのいわゆる「名香」に興味を持つことが多くなりまして。
少しずつ試しているので、覚え書きです。
こちらは、ミニボトルで入手しました。
第一印象は、年代を感じる香り。
特にトップの強烈な酸味にウッときましたが、徐々に柔らかさが出てきます。
No.5やカレーシュと並び称される、フローラルアルデヒドの名香とのことですが、個人的に嗅いですぐ思い浮かべたのは、ジョイのパルファム。
トップの出具合がよく似ています。
その後、ローズとイランイランが際立つところや、全体を通して感じるクラシカルなフローラルブーケの有様も。
今風の香りとは対極ですが、きっと長年愛用している方もいらっしゃるだろうし、決して飽きたらすぐ次へと移り変わるような軽薄さはなく、言うならばずっしりと重厚な、本命の香り。
香り自体は母性的でふくよか、甘さは控えめで上品、エクラ〜と比べると圧倒的に母の風格を感じます。
個人的には、人格の素晴らしいマダムのイメージ。
そういった意味で、香りのコンセプトを容易に想像させるところも優れていると思います。
自分にはまだ早い、と感じたこと、そもそも好みとしていうともう少し現代的なものを求めるところもあり、しばらく出番はなさそう。
余談ですが、No.5やミツコ等、往年の名香がリフォーミュラされているという記事を、どこそこで目にしますが、そんなに悪いことかな〜と思うのです。
というのも、最近No.5のトワレを嗅いだらとても良かったので。
その時代には普通であった香りをそのまま現代に持ってくると、少し違和感を感じることもあるかと思います。
そもそもリフォーミュラせざるを得ない、原料不足や規制、または経営難などが原因であり、変えなくて済むものならしないのかもしれない。
けれど、変わったおかげで遠巻きに見ていた名香を好きになれる方もいることでしょう。
“リバイバルする〜年代風ファッション”のような感覚で、当時のままだとこなしにくいけれど、今のエッセンスが加わることによって、より素敵に見える。
(新進気鋭のメゾンに、この手の香りが多い気がします)
質が落ちたのは憂えることだとしても、現代に合わせた雰囲気に整えられ素敵なら、それはそれで良いのではないか・・・などと、香り好きないち個人としては思います。
まぁ、鼻が肥えていないと言われたらそれまでですし、その香りをどう捉えるかもひとそれぞれ違うとは思いますが。
私にとって本当の意味で「香水」とは、自分自身を投影しつつ、プラスイメージに持っていけるお手伝いをしてくれるもの。
他人に嗅がれても躊躇がないつくりであって欲しく、その中には古臭さを感じさせないことも含まれます。
飾っても、使っても、持ち歩いても、どんな形態にも対応できるパートナーのような存在であって欲しい。
なので、私にとってアルページュは古き良き香りであり、飾っておくには素敵(もちろんボトルも!)なヴィンテージワインのよう。
ロジャ・ダヴの著書を読み返してみて、ストーリー性があり、当時の一流のデザイナー達に彩られた作品なのだな〜と思いました。
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- モニター・プレゼント (提供元:未記入)
2012/12/29 10:22:45
<追記>
シャネルの伝記を読んで知ったこと。
「香水はステイタスシンボル」という「イメージ戦略の要」として、高額のお値段をつけて販売されたのだそう。
うがって読めば「たかが香りにお金を使えるということを嗅覚で印象つけるアイテム」として。
確かにシャネルの5番はマリリンモンローのセリフで一世風靡し、5番をけん引役として「シャネル」はファッションリーダーに登りつめました。
この香りは「アルデヒド」という香料を使った点では当時としては斬新だけど、香り自体はとても保守的。
5番はマリリンのセリフに象徴されるように、眠りを誘うように優しく、ベッドに誘うように魅惑的な香りなのに対して、
19番は女性の社会台頭を現すように、攻撃的で眠りを醒ますような香り。
そしてシャネル自身は19番を非常に愛していて、晩年は黒のワンピースで通したそう。
実の所「5番」も「ツイードの膝下丈スカート」も彼女自身の分身ではなく「他人のための作品」なのかもしれません。
さて、今やここまで香りが氾濫すると「他人との差別化」の意義すら怪しい。
様々な香水がスーパーでも購入できるようになると、むしろ香水は「付け過ぎる事で知性を疑われる」アイテムとなっているように感じます。
「私らしい香り」
「香りで個性を表現する」などざれごと。
それは香りが「手に入らない」からこそ価値があった時代の話。
膝下丈にあくまでもこだわったシャネルが膝上スカートの若い女性がプンプンと5番の後続の香りを振りまく姿を見たら、
「してやったり」と思うのか眉をひそめるのか?
私は、もしも現代にシャネルが生きていたら「香り物」に冷淡な人々がいることを冷静に省みて「合成香料」から完全に撤退したか、
あるいは特殊香料を生産するために環境を破壊をするような香水の生産をやめてしまったかもしれないと思うのです。
5番と19番はシャネルの戦略と精神を汲み取れる、象徴的な作品。
自分では使わないのに手放せないのは「商業香水」のシンボルとして、象徴的で興味深いからなのかもしれません。
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先日ファミレスでこの香りと遭遇しました。
50代前後の、巻き髪で全てにスキの無い美しい方でした。
しかし香水の濃さが…
街中ですれ違ったら振り返るだろうと思うほどに強く香っていたんです。
そこが天井の高いデパートや外ならば「濃いんじゃない?」で済むものを、店内の閉塞された空間で食事を楽しみたい場。
食欲も落ちてしまいました。
「まだ負けないわよ。私は女なのよ!」と自己主張しているよう。
ずっとそのように生きてきたかのように思わせてしまうのは、大人になってしまうと激しくマイナス。
強く主張する香りが、
きっとこの方と話したら、美容の話と強い自己主張を押し付けられるにちがいないと、勝手に想像してしまいました。
むしろ無臭であれば
「わあ、素敵な方」と思えたでしょうに。
二十歳そこそこのお嬢さんならば、化粧の濃いのも香水の濃いのも初々しくて憎めないのですが、大人になったなら、香水も周囲への気配りをしてこそ素敵に香るものではないでしょうか。
この香り、好きだっただけに、こんなふうに香るのかと驚きました。
この時の印象が少々トラウマとなりまして、香水から心が離れました。
「どうか、どうか人様の迷惑になるほどに香りませんように。」
薄く、軽くを心がけるようになりました。
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とはいえ、何度も書きますが嫌いな香りではないです。
一度は自分の香りにしようと思ったので、ボトルも持っています。
薄くつけるならば柔らかな母の懐に抱かれるかのような安心感をもたらす良い香り。
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2011/3/27 17:48:16
20歳の頃、免税店でいとこが18番を購入するのに付き合った時、横にあった5番を試して「なんていい匂い!」と惹かれ購入しました。
大学時代は、香りが使える布団乾燥機を使って、いつも5番の香りで眠っていました。
一般的な5番のイメージであるセクシー、大人の女性といった印象は、私には全くありません。
優しくてほっこりする香りです。
ただ彼氏には「おっさんの匂い」と言われてました。何で!(泣)
最近パルファンを久しぶりに購入しました。あー懐かしい!やっぱり安心するいい匂い。
たまにこっそり付けていますが、夫(さっきの彼氏と同一人物)はおっさん臭いとは言いません。
良さが分かる様になったのか、あきらめているのか…。
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2012/2/18 23:45:30
言わずと知れた、シャネル初のフレグランスにして、世界的に最も有名なフレグランス。1921年、調香師エルネスト・ボー作。30秒に1本のペースで、世界のどこかで売れているという、おそらくは世界で最もたくさん売れているフレグランス。
語り始めれば、多分皆さんそれぞれ物語があると思います。マリリン・モンローの逸話もあまりに有名すぎますよね。寝るときはどんなものを着るのですかという問いに対し、「シャネルのN°5だけ」。
いろんな情報がたくさん巷に溢れている、あまりに有名すぎるフレグランスがゆえに、消費者側が過剰に構えてしまう部分もあるのかも、と思います。
どうぞ、機会がありましたら、是非お試しください。アルデヒドが含まれてはいますが(それゆえ、アルデヒドが苦手な方はNGと思いますが)、とても素敵な、フローラルですよ。もっと、マダムンムンなものをおそらく皆さんイメージしてらっしゃると思いますが、実際に嗅いでみると、多分どっかで嗅いだことがあるかも〜と思う香りではないでしょうか。そして、先入観ほど、マダムンムンでもどぎつくもない、素敵なフローラルと感じられるのでは、と思います。
ジャスミン、ローズドゥメ、イランイラン、サンダルウッドなど、それはそれは素敵な花々の共演です。シャネル社はN°5のために、1986年、グラースのミュル社と専属契約を結び、ジャスミンの安定供給を図ったそうですが、なんでも、グラースのそのジャスミンを使わなければ、N°5の香りにはならないんだとか…そのため、ミュル社は、経営者の祖父の代からのジャスミンの樹を大事に維持しているそうです。バラにしても、シャネル社が独占しているわけではありませんが、5月の3週間だけに採れるものを使わなければ、違った香りになるんだとか。
コストダウンのためか、長く販売されている名香を抱えるメーカーでも、材料を変えて販売する(その結果、香りが若干変わってしまう)ところもちらほらある中、その努力はやはり素晴らしいと思います。
ゲランの夜間飛行などにも同じ感想を抱くのですが、N°5もまた、一般的に販売されている庶民的価格の石鹸類によくある香調です。つまりは、あまりに大衆に受け入れられて人口に膾炙したがゆえに、コピーされているんですよね。○乳石鹸なんか、よく似ていると思いませんか?
以前別の商品のクチコミにも書きましたが、晩年のココ・シャネルは、車の中から、道行く人が自分のデザインした服のコピー商品を着ているのを見て、「私の人生は間違ってなかった!」と叫んだと伝えられていますが(ココ・シャネルは、自らデザインした服のパターン、いわば型紙は、大衆向けの洋服メーカーに惜しげもなく販売しましたが、その型紙を使って作った服に、自社のロゴやシャネルの名前を冠する権利は絶対に売らなかったのだとか)、やはりN°5もそれを体現しています。この香り、大衆的な石鹸に本当によくコピーされています。
わしは、パルファムとオー・プルミエール、EDTを持っていますが、やはりパルファムが最も奥深い香りで、すっきりつけられるように思います。嫌味な要素がまったくありません。
オー・プルミエールは、ジャック・ポルジュにより現代的に解釈された新しいN°5という位置づけですが、わりと軽めでこれはこれでつけやすいと思います。ただ、サンダルウッドが若干強いように思うときもあり、たまに体が受け付けないときもあります。EDTはカジュアルなN°5ですね。これもオー・プルミエールと同様、ちょっとクセがあるように感じるときもあります。
パルファムは、先日韓国に旅行した際、念願だったので最も小さい7.5mlのボトルを購入したのですが(日本円で9000円程度でした)、大変気に入りましたので、次回海外旅行の際、もっと大きいボトルを購入しようと思っています。
N°5は、今まで、オー・プルミエールやEDT、バスジェル、ボディエマルジョン、バスパウダー、今は廃盤ですがセンシュアル・タッチなど、バスラインも含め、いろいろな製品を使ってきましたが、やはり最後はパルファムに行き着いてしまいました。
わしはムスクが苦手なので、シャネルのフレグランスは、普通にカウンターで買えるもの(レ・ゼクスクルジフシリーズ以外)だと、やはりN°5くらいしか使えるものがないのですが、N°5が使えれば他のものは使えなくてもいっか〜と思わせてくれる魅力があると思います。
イマドキのライトなフレグランスとはやはり違うとは思いますけれども、食わず嫌いの方も多いと思いますし、先入観を持たれている方も多いでしょうから、一度お試しになることをお勧めいたします。星は文句なしの7つです!
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