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モンパリと並んですっかりイヴサンローランのアイコンフレグランスとなったリブレシリーズ。一度流行り出すとアレコレ派生作品が発売されるのはファッションフレグランスあるあるで、リブレシリーズも例外ではない。オリジナルのEDPに続き、EDPアンタンス、EDT、そして今年四作目の「リブレ ル パルファム」。シリーズ史上最も濃厚で深く香りが続き、新時代の色気を象徴する、というキャッチコピーだ。
濃厚だというくらいだから、確かに香水自体の色は濃い。当然のように着色だけど。さっそくスプレーしてみる。トップから甘いな。リブレシリーズ共通のフルーツキャンディみたいなポップな甘さ。「ルパルファムは他のリブレと違ってトップにジンジャーとサフランが入っていて温かみがある香りなんですよー」なんて説明を受けたが、んー、正直サフランもジンジャーも存在感がなくてよくわからない。多少スパイシーなニュアンスがあるかな、という程度。
やや水っぽいオレンジも加わり、リブレの代名詞といえるラベンダーとオレンジブロッサムが展開してくる。リブレシリーズのラベンダーは清涼感はあるもののけっこうフローラル感が強いフェミニンなタイプのものが使われていて、もちろんこのルパルファムもそう。合わせられているオレンジフラワーは甘さ強め、ちょっとジャスミンっぽいニュアンスもある。ラベンダーは割と早めにフェードアウトし、オレンジフラワーとジャスミンの二重奏がだいたい二、三時間ほど続く。
最後はバニラとトンカビーン、ライトウッディがホワイトフラワーを緩やかに支えながらドライダウンしていく。香り持ちは全体で五、六時間ほど。「リブレ史上最も濃厚」というキャッチコピーではあるが、アンタンスや通常EDPとそう変わらないかな、という印象だ。香りの構成だけ見ているとニッチやメゾンフレグランスにありそうな香りだが、よくも悪くもファッションフレグランスのメインストリームといったところ。
日本語ではカッコがきでパルファンと書いてあるが、アルファベット表記シールはEDPだ。EDTやEDPといった賦香率別の名称に法的拘束力はない。賦香率1%のものをPと言ってもいいし、賦香率30%のものをEDCと言ってもいい。もう少し香り自体に他バージョンと一線を画すような濃厚さや深みがあればあえてそういう表記にしたのかなと思えるが、なんだか狡い印象で微妙にケチが付いてしまったのは残念だ。
トップ:ジンジャー、サフラン、マンダリンオレンジ、ベルガモット
ミドル:ラベンダー、オレンジブロッサム
ベース:ブルボンバニラ、ハニー、トンカビーン、ベチバー
調香師は、アン・フリッポとカルロス・ベナイム。
(fragranticaより)
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