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doggyhonzawaさん
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ゲラン / シャリマー 香水

ゲランゲランからのお知らせがあります

シャリマー 香水

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:30ml・48,400円発売日:2002/1/2

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7購入品リピート

2016/7/2 01:18:34

シャリマー、それは女性用香水の至高の逸品。あらゆる年代の女性の魅力を底上げする香り。
女性の美しさ、高貴さ、甘美さをひきだす琥珀色のヴェール。男性の本能を無意識下で揺さぶり続け、心に刻みつける香り。恍惚の媚薬。

この世には、本当に出会った瞬間、衝撃でのけぞるような香りがある。自分にとって、シャリマーはその1つだった。本当にときどきしかないが、初対面で心を奪われる人がいるように、香りにも心をわしづかみにされる物がある。「何を大げさな」と感じる方は、まだ出会っていないだけかも知れない。かけがえのない人にも、心震わせる香りにも。

だが「彼」は出会った。その人生において、何者にも代えられない運命の女性と。

ムガール帝国の第5代皇帝シャー・ジャハーン。彼と彼の愛妃、ムムターズ・マハルの物語。シャーはハーレムにいた他の女性には目もくれず、ただひたすらにタージ(ムムターズの愛称)だけを愛し、その間に13人の子をもうけたという。14人目を身ごもったタージが亡くなったとき、シャーの悲しみは天空を裂き、全ての権力と財を注いで、総大理石造りの彼女の霊廟、タージ・マハルを何十年もかけて建設させた。この愛の逸話はつとに有名だ。

もしもこの逸話に感銘を受けたジャック・ゲランが、「タージ・マハル」という名の香水を作っていたなら、それはおそらく、彼の叔父であるエメ・ゲランが作ったジッキーのように、愛する者との別離や深い喪失の色を呈した、もの哀しげなフレグランスになったことだろう。だが、彼はちがった。

ジャック・ゲランは、一途にタージを求め続けたシャーの偏愛とも言うべき姿を、2人が愛を睦み合った庭園の名である「シャリマー(愛の殿堂)」というイメージに凝集した。それは、愛する者を失った悲しみ以上に、深く強く心に刻まれていたであろう2人の歓喜の日々。そんな美しく官能的な日々を彷彿させるあたたかい香りだ。センシュアルではあれど、エロティックにはあらず。

そんなシャリマーのトップは、強烈なハーブと樹脂の辛みとベルガモットが、噴水のように空気中に霧散して開く。まるで、チェリーコークに花々やハーブを入れて煮詰めたような雰囲気だ。そして、確かにジッキーのオープニングを思わせる。シャリマーは、ジッキーのノートにさらに香料を加え、重層的にリファインしていく中で作られたようなので、なるほどと思う。心をわしづかみにする強烈なベルガモットの拡散と、その下から同じ熱量で鼻を刺激してくる薬草や樟脳っぽいスパイシーなオープニング。好き嫌いはあるにしても、ひとかぎで他の香水と全く違う繊細な複雑さ、高級さが感じ取れると思う。けれど、高慢ではない。絶え間なく鼻と脳を刺激し続け、あっという間にとりこにされる。まるで、シャーとタージの衝撃的な出会いのように。

そしてすぐにミドル。炭酸のように拡散していたベルガモットが落ち着いてくると、シャリマーのミドルは、驚くべきことに温度が上昇する。ここがジッキーとの大きな違いだ。もっと甘くかぐわしく昇りつめていく。暗くパウダリーなアイリスと樹脂の甘み、パチュリの苦みが入り混じり、重奏を奏でる。低い太鼓が鳴り、シタールの調べが聞こえる中、松明のオレンジ色の灯りに照らされて、2人の体温がどんどん上昇してゆくイメージ。それは、燃えさかる愛の調べ。誰にも邪魔されない2人の時間。

やがて気がつくと、穏やかなヴァニラとトンカビーンの香りに変わっていることに驚きを覚える。そんなクリーミーな甘さが感じられたらラスト。パルファムなので拡散力は弱めだが、点でつけたときのかぐわしさ、自分の体温や気温、湿度に応じて、さながらオーロラのようにさまざまに変化する香りの揺らぎは、トワレやオード・パルファムの比ではない。そのわずかな変化を楽しむだけで深い安息を得ることができる。それは、オポポナクスの甘い樹脂香と、白っぽくパウダリーに落ち着いたアイリスと、柔らかなヴァニラ。至福のラスト。恋人たちの体温であたたかみを増したシルクを思わせる香り。このラストに包まれて眠りにいざなわれたなら、どんなにか安らぎ、よい夢が見られるだろう、そう思えるようなドライダウン。シャリマーを特別な夜の寝香水にしている方が多いという話も頷ける。それは、2人の穏やかな寝息。白亜のパレスの蒼い夜。

シャリマー、それはゆるぎない愛と官能の泉。こんこんと湧き出る琥珀色の陶酔。一途な愛を現世にとどめつつ、時空を超え、天上での再会を誓って焚きしめられた聖なるバルサムの香り。思い出の庭園の上に広がるインディゴ・ブルーの夜空。星々のまたたきに吸いこまれ、消えていく白い燻煙のドレープ。とろけるような天使のヴァニリック・ゲルリナーデ。

その香り、別格。

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BYREDO / GYPSY WATER

BYREDO

GYPSY WATER

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)香水・フレグランス(メンズ)香水・フレグランス(その他)]

税込価格:-発売日:-

7購入品

2015/12/17 00:06:20

秋冬になると、なぜかしらウッディとヴァニラの香りが恋しくなる。もしその2つが、これ以上ないバランスで調合されていたら、それは自分にとってたまらない快感を呼び起こすはずだ。ただ、これまでの香りの旅では、まだ「そこまでの物」には出会っていなかった。そんなとき、ジプシー・ウォーターに出会った。

バレードのジプシー・ウォーターは、自分がこれまで出会った中で、最も柔らかく穏やかなウッディ&ヴァニラの香りだ。何よりも、ウッディ系の香りを苦手とする香水嫌いの方にも、「この香り、一度つけてみて」と勧められる点で、他のウッディの名香より1つ抜きんでる。それだけシンプルで、より多くの人に好まれやすい要素を持っていると思える香りだ。

ジプシー・ウォーターのトップは、一瞬のレモンが駆け抜けたかと思うと、アール・グレイそのものの香りと言った風情の、爽やかなベルガモットがパーンと鼻腔をくすぐる。同時に、サンダルウッドの香ばしい木の香りが、背後から乾いた風を運んでくる。そして、その瞬間、まるでガムシロップを1滴こぼしたような甘さが広がる。それはまるで、芳醇な紅茶の雰囲気。そして、このトップが意外なくらい長続きする。

自分は体温が高めなので、どんな香水でもあっという間にトップ系の香料は揮発していくが、この香りに限っては、5分ほどベルガモットの酸味が持続する。これはすごいなと思ってよくよく見ると、スプレーした手首のところがテカっているのだ。おそらく、粘度の高い甘い香料が、ほんのりベタついて肌にヴェールをかけることで、ベルガモットの揮発を遅らせているのだろう。

最初はそれを見て、「こんなにテカって跡が残るんじゃ、香水としてまずいだろう」と思ったが、5分もするとテカりや粘りはかなり薄くなることが分かった。気にならない程度になる。試しになめてみたが、甘くはない。一体どんな工夫で、揮発しやすいベルガモットを保留しているのか興味深い。

やがてシトラスが静かに消え、同時に、奥からとても落ち着いたお香の香りがしてくる。それは日本のお寺の香りではなく、どこか中東の寺院を思わせるインセンス。とても静かでくせがなく、ほんのり甘い上品なお香。有名なチャンダン(白檀のお香)の香りをかなり淡くして、ちょっと暗めにしたような芳香だ。

通常、ハーブやフローラルをもってくるミドルに、いきなりのインセンス。まるで、ど真ん中を省略して、トップからいきなりラストに飛んだように感じられる大胆な構成だ。

そして、奥からクリーミーでふくよかなヴァニラの香りが浸出してくる頃、インセンスの香りは、ベースのサンダルウッドと相まって、より温かく、マイルドになってくる。そして。

驚くべきことに、自分の肌の香りと混じり合って、何ともいえない甘くせつないウッディ&ヴァニラの香りに高まってくる。これには本当に感じ入った。

試しに、ファブリックと試香紙にも香りをのせ、手首との揮発の違いを確かめたところ、布地や紙では、いつまでもトップのベルガモットの香りがしていて、なかなかインセンス&サンダルウッドが出てこなかった。さらに、ヴァニラが出ても、とてもはかなく、手首に付けた時のような心地よい香り立ちにはならない。この結果から推測できることは何かと言うと。

1つには、体温高めの人に、このウッディ&ヴァニラは、よい香り立ちが出やすいのではないかということ。そして、もう1つは、人がもともと持っている匂い、それは動物っぽいアンバーのような香りと言っていいと思うが、それを合わせたときに、この香りが完成するのではないか、ということ。言い換えれば、これは、その人の肌の匂いをひきたてるスキン・セントの部類だ。

通常、ウッディは重ための香料が強く主張するので、あまり肌の露出しているところには付けないことが多いように思う。けれど、ジプシー・ウォーターなら、例えば、うなじや首筋、手首の内側などに付けても、香り立ちがシンプルかつフェミニンなので大丈夫だと思う。体温が低めの人であれば、紅茶の香りを思わせるベルガモットの爽やかさが続くだろうし、体温高めの人なら、サンダルウッド&ヴァニラのラストを長く楽しめるだろう。このオー・デ・パルファンは、香り立ちこそ淡いけれど、ミドル〜ラストが、かなり長い時間、ゆったりと香り続ける。ほんのりと、じんわりと。日によっては、5時間以上も。

ジプシー・ウォーター。それは、理想郷を求めて旅を続ける、流浪の民の象徴。かつてインドから欧州へと移り住んだロマたちの、荒ぶる魂と自然に寄り添う静謐さを思い描いた香り。その歴史の裏に見え隠れする、不当な差別や偏見、貧困や悲しみを超えてなお、自然や世界に対峙し続けるさすらい人たちに捧げる香りだ。

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ラルチザン パフューム / ラペル トワ オードパルファン

ラルチザン パフューム

ラペル トワ オードパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:125ml・29,700円発売日:-

7購入品

2014/8/5 14:57:32

アブラゼミが声高に狂想曲を奏でている。日差しは西に傾き始めている。渋滞の国道に車を入れながら、俺は少しイライラしている。何だってこんなに混んでいるんだ。一つ大きなため息をつく。

たまらない気持ちになって、エアコンを最大にする。コンソールから、「ラペル・トワ」を取り出し、左手首に吹き付ける。

ドライでスパイシーな香りが、車内の停滞を切り刻む。四川山椒のしびれるような辛み、やや苦みのあるキリリとしたジンの香りが、ささくれだった心にシンクロしていく。そうだ、冗談じゃない。俺は急いでるんだ。手当たり次第にナビ画面をタッチ操作する。その左手から、甘くふくよかな白い花のミドルノートに変化したラペル・トワの香りが広がり、車内の空気と、ぎすぎすした俺の心を浸食していく。

そういや「ため息をつく人間は、幸せになれない」って言われたのはいつだ?中学の頃かな。昔はしょっちゅう、ため息ばかりついてたな。

ステアリングに右手をかけながら、左手でほおづえをつく。手首のラペル・トワの香りが一層強くなり、内なる記憶の海へといざなう。

ああ、そうだ。いつも口をとがらせて、あまり笑わなくなっていた中学の頃だ。転校を繰り返し、その度に気持ちがすさんで、どこにいても一人だって感じるようになってたときだ・・。

最大にしたエアコンの音がうるさく感じた。風量を最少にした。少しずつ進んでいく車列は、田舎町の野辺送りのように静かな葬列だ。ガーデニアに酸味のあるハニーが混じり合い、甘酸っぱいフルーティーな香りになったラペル・トワが、絶えず鼻腔をくすぐる。真夏の水蜜桃のようにみずみずしく、とろけるような香りだ。知らず知らず、心の扉が開かれていく。

夏・・・、あの頃から、夏の夕暮れの匂いが好きだった。日中太陽に灼かれた全てのものの匂いが、冷えて空中で撹拌され、生あたたかくねっとりとした匂いになる夕刻。草木の青臭さに動物や昆虫の匂いがまじったような狂おしい匂い。そうだ、クローバーの香りもまじっていた、白花を散らした緑のじゅうたん、手当たり次第ひきちぎったクローバーの茎の生臭さ、覚えてる。花からは妖しい蜜の香りがした・・。

国道が広くなり、気がつくと車線も増えていた。ぽつりぽつりとテールランプに赤い光がともり始めている。ラペル・トワは、軽やかに甘く香っている。

メリーを散歩に連れて行っていた頃だ。夏の夕暮れになると、メリーはいつも散歩を心待ちにしていて、リードをつけたとたんにどんどん引っ張っていって。はは、しつけの悪いコリーだったな。臆病でよく吠えた、でも・・・。

メリーの属性は犬だったが、俺にとってはかけがえのない家族だった。いらだちと性欲だけで生きていた中学生の頃の、俺のただひとりの理解者だった。たそがれどき、クローバーがひしめき合う空地の野原に出ると、あいつは長い鼻先をクローバーの海につっこんで、ワサワサと音を立てて宝探しに没頭してたっけ。俺はただ暮れていく空を見つめながら、夏の匂いをかいでいた。夏の風に揺られていた・・・。

前の車が急に停まってぶつかりそうになる。強めにブレーキをふむ。そのせいだろうか、胸のあたりにもやもやがこみあげてくる。ラペル・トワの香りが、静かなぬくもりのある木の香りに変わりはじめる。ココナツ様のタヒチアン・ティアレに軽いムスクを加えたような残香、そこに優しいサンダルウッドとお香の香りが重なり、心に沁みわたっていく。

10年一緒に暮らした。最期はフィラリアで逝った。ある日家に帰ると、玄関をあけたとたん、家の中の空気が重いことに気付いた。居間に入ると、夕暮れなのに灯りもつけず、母と妹が大きな木箱を抱きかかえるようにして、何度も鼻水をすすっていた。

「メリー、死んじゃった・・」妹が言った。
「・・・ああ。」ムスッとしたまま答えた。俺は24歳になっていたが、家族の前ではまだまだ青臭いガキだった。
「メリーを花でいっぱいにして送ってあげたいから、お花を買ってきて。」母が言った。
「・・・ああ。」

口をへの字に曲げたまま、車に乗りこんだ。ドアをバタンとしめた。キーを差してエンジンをかけた。車を発進させた。その瞬間、顔がぐしゃぐしゃになった。ステアリングにしがみついて、子どもみたいに体中震わせて、大声を上げて泣いた。


たまらない気持ちになって、エアコンを切り、車の窓を開けた。

街の音がよみがえる。ヒグラシが涼やかな協奏曲を奏でている。夕暮れのあかね色が、ビルの黒いシルエットの彼方に消えかかっている。なつかしきものの輪郭が、眼前によみがえる。鼻の奥がつーんとする。景色がじわりとゆがむ。

覚えていて

ラペル・トワの香りが、かすかにささやいている。

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chance1992さん
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ゲラン / シャリマー 香水

ゲランゲランからのお知らせがあります

シャリマー 香水

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:30ml・48,400円発売日:2002/1/2

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7購入品

2018/3/16 11:58:20

この香りは私にとって衝撃でした。
初めて店頭で試した時、渋いベルガモットの香りと、香ばしい樹皮の香り、それと心地良く甘いふわりとしたバニラの香りが、バランス良く調和しながら、滑らかにひとつの香りとなって、胸のずっと奥深くまで染み入り、柔らかく広がりながら心を満たしてくれたようでした。
あの時の感動が忘れられず、まずはPから購入してみました。徐々にラインで買い揃えていますが、不思議なことにこの香りは毎日つけていても飽きません。
シャリマーは鼻先で楽しむものではなくて、心で感じる香り。

流行のフルーティーフローラルやシトラスとは程遠い香調で、極上の柔らかさと奥深さを持つ香り。
この香りは、薔薇やジャスミンなど特定の何かの香りが主張するのではなく、さまざまな香料が絶妙に合わさってひとつの香りを織り成し、情景や心の移ろいを想起させる香り。美しい夕焼けの情景や、しんとした森の景色や、肌の質感のような柔らかい甘さを感じます。

シャリマーの魅力の一つは、美しく完成されたデザインのボトルです。
ゆったり羽を広げた孔雀の立ち姿のような優雅なシルエット。緩やかな曲線のアウトラインと、キュッとしたくびれのギャップも美しくて、足元にはジュエリーのような細かいカッティングが入っています。表面のプリーツは、仕立ての良いブラウスの胸元みたい。金の刻印の入った蓋は、噴水から溢れる水のようなフォルムで、薄いフチには細かいカッティングが施され、綺麗な透明感のある青い色。とても繊細で、蓋だけでも独立した芸術品のようです。

(惜しいのはガラスの質で、ソーダガラスのようなキメの荒いガラスです。シャネルのフラコンはもっと透明度の高いすべらかなガラスを使用しています。)

肌に乗せた瞬間、ずっしりと重くて渋いベルガモットの「皮」の香りが、鮮烈に駆け抜けます。柑橘系でも、弾ける感じや爽やかさはありません。
この香りが飛ぶと、ほんのりと甘い木と樹皮の香りと、それを低音から支えるバニラの柔らかい香りが主張します。
木の香りといっても、香木を燻したようなしっとりとした香り。冷えた身体をほっこりと暖める温度感があります。

次第にゆったりと甘い花々の香りが引き立ってきます。柔らかいアイリスとローズの、ふわっとした軽さのある香り。この花々の香りが本当にふくよかで、豊かで優しくて。
EDPではあまりこの花の香りが立たないんですが、Pのミドルはゆったりしていて、花々の香りを存分に楽しめます。
ラストではベースにいた濃厚なバニラが絡むように上気して、ふわふわと香ります。バニラの香りは、気温によってはパウダーや石鹸のような淡い香りに変化して消えていきます。
ドラッグストアに売っているような安い海外のボディスプレーのようなねっとりしたバニラの香りではありません。バニラビーンズに少しお砂糖を足した、自然な甘い香り。

シャリマーは柔らかく暖かい空気のように身体を包み込み、寄り添って香るので、決してうるさくなりません。つけたのを忘れた頃になって、時折静かに鼻先をかすめる。いつでも大音量で香りつづけるということがありません。

インドのイメージを投影しているのでしょうか、全体的には重厚でしっとりした香りにも関わらず、一貫してカラッとした表情を維持しつづけて、終始ドライな印象の香りです。甘い花やバニラの香りの中にもカラッとした抜け感があるので、ジメッとした重さがありません。あくまで香りの質の重厚さで勝負していて、香りそのものの質量は軽やか。
砂っぽい、インドの熱い気候を感じます。
(ちなみにドゥーブルヴァニーユはかなり湿度を感じる香りです。)

ミツコは香水とEDPが完全に別物ですが、シャリマーはEDPも香水に近い香り方をします。
全体の香りの柔らかさと、ミドルの花々のゆったり花開く様子は香水ならではです。終始香りが肌から浮き立つような立体感も、香水が上です。
EDPは花々よりも終始バニラが強調されています。私自身はどちらも愛用しています。

ボディパウダー、石鹸、ボディミルクと合わせて飾ると、上品で高貴なデザインの品々はさながら王妃の調度品のようです。
市販のボディケアアイテムや化粧品がどんなに進化しても、こんなに高貴で美しいアイテムは他にないでしょう。
綺麗な品々で時間をかけて丹念に身支度を整えたら、とっても優雅。
ボディケアまでラインで使ってから香水をのせると、柔らかい上質な香りが幾重にも身体を包んでくれます。

シャネルやディオール、大好きな香りがたくさんあります。けれどシャリマーに取って代わる香りはありません。同じゲランが生み出した、多くの香りでさえも。シャリマーは別格です。
そして、意外と付ける人を選ばない香りだと思います。是非一度、店頭で香りを試されることをお勧めします。

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★キャプテンD★さん
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ゲラン / シャリマー オーデパルファン

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シャリマー オーデパルファン

[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)]

容量・税込価格:50ml・16,390円発売日:2002/1/2 (2010/9/3追加発売)

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2017/6/30 18:23:02

今まで出会った香水の中で、もっとも完成された香りといえば、私はゲランのシャリマーだと思う。

フレグランス界を代表するオリエンタルの香り。
オリジナル(パルファン)は1925年作られ、以来100年近くも愛されている香りなだけあり、シャリマーには嗅ぐ度に新たな発見がある。

シトラス、フローラル、バルサミック、ウッディ、スパイシーなど個々の素材が絶妙なバランスで配合されていて、香水という商業製品が、芸術作品まで仕上げられている。個人的には、特にバニラの香りがもっともうまく使われている香水だと感じている。

トップはシトラス。すっきりしたレモンと、ベルガモットの香り。トップからベースのバニラがフワッと香り、ベルガモットと合わさることで、フルーティのような柔らかく香る。
ミドルはフローラル-パウダリー。トップの残香に、パウダリーなアイリス、官能的なジャスミン、ローズの香り。パウダリーなフローラルとだけ見ると、少しケバイ印象であるが、それぞれの香りが調和されていて、さらにバニラの甘さを添えることで、気品のある香りに仕上げられている。

ベースはオリエンタル。バニラ、トンカビーン、オポポナックス、パチョリ、サンダルウッドのオリエンタルな香り。どこか懐かしさがあり、癒される。しかしながら、この香水がすごいのは、ミドルの後半くらいから、名香ジッキーの面影を感じさせるスパイシーな香りや、オークモスが全体をピリッと引き締めているため、オリエンタルな香りに溺れることなく、香り全体に緊張感を与えている点だ。

男性の立場で考えると、この香りを肌に乗せ、外出する機会など皆無であるが、男女年齢問わず、ひとつの芸術作品として、ぜひ手元に置いて楽しんでいただきたいと感じる。常に新しい技術が開発され続けるコスメティックという分野で、100年近くの間、輝き続ける商品など、滅多にないのだから・・・。

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mikaoruさん
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