- doggyhonzawaさん 認証済
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[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:-発売日:-
2013/7/15 04:30:21
「地中海」というと、すぐにイタリアやギリシャを想像してしまう自分ですが、この香水の舞台は、アフリカ北岸のチュニジアなんですね。「アフリカと地中海」というのは、日本人のイメージとして結びつきにくいようにも思いますが、イタリアの真向かいみたいな感じだから、気候的にも、植物や花、果実といった点でも、共通する部分が多いのかも知れません。
この香水のキーになっている香りはいくつかあって、まず1つが、地中海沿岸全体に見られ、チュニジアにも多いイチジクですね。トップでイチジクとあるので、これはイチジクの葉、フィグリーフの香りの再現の方をメインにしたグリーン系の香りです。次に、特にヨーロッパ側の沿岸の柑橘です。ミドルにクレジットされているベルガモットやオレンジフラワー。そして、3つめが乳香。乳香についてその歴史から語っていると字数がたりなくなるのでやめますが、教会でたきしめる薫香の1つとしても有名です。精油にすると、ややレモンぽい爽やかさを持つヒノキのような樹脂香。これらはそれぞれ地中海という特異な場所がもつ、文化的な3つの側面も表しているように思います。
フィグリーフ→地中海全体やアフリカの象徴、グリーン系
ベルガモット、オレンジフラワー→ヨーロッパの象徴、シトラス系
乳香、レッドシダー→中東アラブの象徴、オリエンタル系・ウッディー系
そして、これらを最初から最後まで支えて流れているのが、ミント系の清涼感です。これは、トップからずっと香っているのですが、まるでハッカ油を数滴たらしたのでは?と思うほど明瞭なクール感を前面に出しています。もっとも、本当にハッカ油やペパーミント入っていれば、トップ系なのですぐに消えていきそうなものですが、ミドル以降もずっとベースに残っているので、上手に合成されたウッディー系の清涼感かも知れません。
トップ。香り立つツンとしたヒノキ様の香り。これは乳香かな。そしてすぐに現れる土っぽさ、青っぽさの混じったグリーンな香り、これはフィグリーフのよう。そして前面にバーンと出てくるミントのような清涼感。この段階で、苦手な人はもう「あ、合わない」と思ってしまうと思います。出だしが複雑な香水って好き嫌いが明確ですよね。デューンしかり。
けれど、このトップのウッディ感、土っぽさは割と早く消えて、ここからがこの香水の真骨頂。ジャン・クロード・エレナお得意の、透明感のある、みずみずしい、洗練されたパウダリーな雰囲気がふわあっと香り立ってきます。このあたりのナチュラルっぽい香りの出方は、庭シリーズ全部に共通しているように思います。まるでどんなにモチーフやタッチを変えても、ゴッホの絵は誰が見てもゴッホとわかるように。ここからは、本当にスーッとしたクールな、そして甘みと爽やかさと針葉樹系のウッディーな感じもほんのり香るバランスのよいミドルになっていきます。そのまま、おだやかにスパイシーさが消えていくようなラストヘ。
このへんのミドルからラストが本当に好きですね。初夏から夏に最も使う頻度があがるのは、このあたりの香りが好きだからです。正直、ダビドフのクール・ウォーターよりも「クール」という称号をあげたい感じです。
調香師ジャン・クロード・エレナは、これがエルメスの庭シリーズ最初の作品ですね。彼は著書の中でも、「さまざまな香りを自分の中にとりこんで、全体のイメージを記号のように出していく。それは、本物の香りの再現ではない」というようなことを言っていたと思います。アフリカとヨーロッパと中東。これらの文化はカルタゴの昔から、この地中海の交易を通じて大きく関わり合って発展を遂げた。それら歴史や文化へのオマージュ、見事な細工を施したチュニジアンブルーの窓を配した白亜の街並や、どこまでも美しい地中海と空の青のイメージ。それらが渾然一体となって、この香水に表現されたのだと思います。
庭シリーズの中では、この「地中海の庭」のボトルが一番好きです。透明から青へ変わるグラデーションの美しさ。その中に揺れる金色の砂浜を表したかのような液体色。このボトルをやや斜め上から見ると、本当に美しいグリーンが見えてきます。それはまるで、アフリカの大地の黄色と地中海の青の中に、フィグリーフのグリーンを浮かび上がらせているようにも思えて、象徴的です。
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2014/5/15 00:30:11
「地中海の庭」「ナイルの庭」ときて、3作目はインドがテーマなのに、なぜ「ガンジスの庭」や「アラビア海の庭」ではないのか?フランス語表記を直訳すると、「モンスーン後の庭」だ。調香師ジャン・クロード・エレナは何を感じ、どんなふうに表現しようとしたのか?その秘密に迫る←勝手に。
エルメスの庭シリーズは、今でこそ4種類全部所有しているが、長らくこの「モンスーンの庭」だけは持っていなかった。なぜかって?それは簡単。数年前、初めてかいだとき、思わずこうつぶやいたからだ。
「うへ!これ『カレー臭』じゃん!!」
肉を切る。野菜を切る。なべに油を入れ、すった生姜やニンニクを入れてそれらを炒める。そこに塩コショウを少々。そのときの香りがトップから鼻を刺激する。それだけじゃない。コリアンダーのじわり感も、カルダモンの苦みも、たぶんシナモンもナツメグもクローブも、名だたるカリー用スパイスが少しずつ入ってる感じ。通常、日本人が「あ、カレーの匂いだ。」と感じるのは、クミンというスパイスによるところが大きいが、これは、「クミンだけ入ってないカレー臭」。そんな印象だった。
ただでさえ加齢臭という言葉に敏感なお年頃なのに、わざわざカレー臭を買う気はない。そんなこんなで購入はしなかった。ちなみに、同じエルメスから出ている名香カレーシュは好きだ。←笑点モードか。
だが、ある日突然、このフレグランスの印象が変わった。
久々にかいだとき、この香りはジンジャーチャイを思わせた。スパイスを入れて牛乳で煮出したように、芳醇でクリーミーだった。そして、またあるときは、バナナとメロンを切ってココナツミルクをかけたフルーツ皿に、まちがってスパイスミックスをかけてしまったような香りにも思えた。「これ、おもしろい香りだな。」そう思うようになった。
トップこそペッパーや唐辛子のドライな辛さがツンと鼻をつくが、すぐさま下からメロンやキュウリ系の、水分をたくわえた野菜っぽい香りが広がってくる印象。瓜系やオゾン系は苦手だという人は多いが、この料理用ハーブで味付けられたような瓜系の香りはとても複雑で特徴的なので、さらに好き嫌いがはっきり分かれるところだろう。
以後は、ジャン・クロード・エレナお得意の「みずみずしさ&透明感」が全体に感じられてくる。やがて、ペッパーやスパイス風メロンの感じが消えてくる頃、一番下からじわーっと顔をのぞかせてくるのが、ベチバーの湿った土っぽさ。低く柔らかい感じで、ラストはほんのりセロリっぽい香りもまじる。
香りの展開としては、トップのスパイシーさが消えてからは、大きく変化はしないように思う。体温高めの自分の肌で、ドライダウンまで大体3〜4時間前後。香りじたいはエスニックレストランの厨房といった雰囲気だが、強さはそれほどでもない。ただ、満員電車やバスなどでは、ちょっと注意が必要な部類だろう。人に「いい香り」と思われる物をお探しなら、おすすめしない。
上を向きたいとき、集中力・洞察力を高めたいとき、たるんだ気持をひきしめたいとき、スポーツジムで体を動かす前に、なんかが似合うように思う。「食」に近い香りなので、食欲が減退しているときにもいいかもしれない。そういう意味では、暑い夏にあえてつけたい人もいるだろう。個人的には、寒くなって人恋しくなってくる秋の夕暮れなんかにつけるのが好きだ。
この香りのテーマとなったインドについて調べると、意外なことがわかった。ジャン・クロード・エレナがこの香りの創作のために向かったのは、南インドのケララ地方というところ。アーユールヴェーダの伝承地、古くからのスパイス貿易の拠点として名高いほか、バックウォーターと呼ばれる美しい水郷地帯をもつ、緑豊かで美しい土地で、ヨーロッパの人々が「人生の中で必ず一度は行っておきたいホットスポット50」にも選ばれている南国の楽園だという。そういう意味では、「貧しく、汚く、牛のふんとハエと物乞いがつきまとう」といった、インドに対してこれまで日本人が抱きやすかったイメージを払拭する、一大観光地としての姿がここにはある。
夏。乾燥した大地に吹き付ける熱風に、かすかにまじる雨の気配。突然のスコール。モンスーンと呼ばれる雨期の到来だ。海を逆さにしたように激しく降り続く雨。灰色のカーテン。そんな中、自然は、ひと色もふた色も濃さを取り戻す。やがて雨期が明ける。照りつける太陽の下、きらきらとあふれる水の輝き。そして、一面によみがえる大自然の匂い。植物、木々、スパイス、フルーツ、花々、土、そして、バックウォーターの水の匂い。命の水が全ての匂いを乾燥という呪縛から解き放ち、類いまれなミックスアロマを奏で始める。その再現。きらめきたつ、モンスーン後の庭。
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- aquamarine7725さん
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2015/1/25 10:20:00
キリっとしたジンジャー、スパイス、瓜系の香り。
好き嫌い分かれると思いますが、私は大好きです。
蒸し暑〜い不愉快さが、これ一吹きで軽くなります。
梅雨時や都会の夏を過ごしやすくしてくれる香りだと思います。
瓶の美しい色と、箱の熱帯の動植物の絵も好きです。
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2012/5/11 19:03:55
15mlのセットのうち1本をこちらにしました。
アイリスの香り分からないし、浮世絵もイメージ出来ないけど、
とってもいい香り!!!
エルメッセンスの中では華やかな香りだと思います。
これを纏うと自然と頬が紅くなって幸せいっぱいな
気分になるイメージです。
勿論実際に頬が紅くなんてなりません。
でも幸せな気分になります。
とても女性らしく柔らかい香り。
アイリスは本当にステキな香りなんだなーと新発見です。
ピュアプアゾンとイメージが似てる?
花束の中に埋れている様なくらいお花を感じます。
ローズイケバナがおしとやかならこちらは可憐さを残した
大人の女性。
シリーズの中では持続性ありますが、トワレだからまぁすぐに
消えちゃいます。
香りの変化は私の肌ではあまりありません。
エルメッセンスにハマると大変な事になるってローズイケバナを
買った時に分かっていたのに、見事にハマりました。
これは大きいサイズを買います!
口コミないけど、是非お試し頂きたいです!
ホントにフレグランスは奥が深い!
幸せな気分にさせてくれる香りを作ってくれて
ありがとう、エルメス!
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2017/7/4 17:31:17
ローズイケバナに続いてエルメッセンスのシリーズ2つ目購入。
エルメッセンス沼にはまると怖いので口コミなど読んで厳選して選んだのがこちら。
調香師はジャン=クロード・エレナです。
とても透明感のある香りです。ローズイケバナも透明感ある香りでしたがローズイケバナよりこちらのほうがリラックス感あるかも。しかしローズイケバナほどフレッシュ感はないです。
初めに柑橘が弾けて気分がリフレッシュ。
柑橘は割と早くに消えるのですがその代わりに金木犀の香りがでてきます。
金木犀の香りでリラックスしたら今度は中国茶の香りがでてきてよりリラックス。
最後は中国茶にレザーが混ざったようになり甘みがでてきます。
個人的にはレザーはイラネだったのですがレザーの香りが出てくるまではリラックス効果たっか!てな感じで気持ちよくクンクンしていました。ちょっと他人には見せられない光景です。
レザーが出てこなければ☆7だったのですが残念。
ちなみに肘の内側に1プッシュつけました。
中国へは行ったことがないので故宮の金木犀が〜とか言われても全然想像がつかない残念な人間なので、近所の金木犀の香りを参考に「うん。金木犀」と納得し中国茶は時々飲むので馴染みがあります。めちゃ身近な香りです。中国どこいった。
香りは繊細で儚くもあります。あっさりと消えていきます。ローズイケバナのほうが香りのもちはいいです。でもこの潔い儚さがいいのですよ。
個人的にはローズイケバナよりこちらのほうが気に入りました。
お金があれば100mlサイズが欲しいくらいです。無理だけど。
取りあえずネットで15mlが5000円程で売っているので使い切ったらまたネットで購入すると思います。リピしようと思うくらい気に入りました。
とても丸みがあり透明感もあり優しい香りであり何よりリラックスできる香りです。
洗練された香りなので私くらいの歳でも違和感なく使えるのがいいですね。
次はイリスウキヨエが欲しいです(エルメッセンス沼に半分はまってるよ自分)
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