2022/6/17 19:33:25
スクラブ系のリップはこちらが初めてですが、発売時からリピしています。価格を含めてとにかく最高です。
毎晩とメイク前に必ず塗っていますが、起きたときの保湿感と唇の感じがとても良いです。普通のリップよりも保湿が続いているような気がします。
最初No.01 クリアを購入。くすみ補正目的でNo.03 みかんイエローを買ってみたら思ったより色が良くて、血色感が出るかなあとNo.02 クリアピンク…と全色を集めてしまいました。家から出ない日や、マスクを外す予定はないけど外したときのために少しは色ツヤはほしいな…というときに楽です。下地に使うのも色の補正と縦じわ軽減できれいな唇になって良きです。買い続けます。
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2020/9/5 16:07:45
名香、ジャドール。2011年、フランスの香水年間売り上げ高で初めてシャネルのN°5を抜いて1位になった歴史的な香水。1999年の発売以来売れ続け、今やディオールパルファムの看板商品となっているジャドール、一体なぜそんなにジャドールは売れているのか?
ジャドールを調香したジボダン社の女性調香師カリス・ベッカーは、この作品の成功について次のように語っている。
「ジャドールはパーフェクトストーム。それは、香り、価格、ボトルデザイン、広告の全てが最高の一点に集結した作品。この香水は、香水に興味を持たなかった人にも『つけてみたい』と思わせ、手に取って『試させ』、そして『嫌われなかった』。」
改めてジャドールのボトルを見る。「金色を香りにしたい」というカリスの思いを形にしたかのようなマサイネックレスのゴールド。好き好きはあるだろうが、このボトルネックの金装飾は、アンフォラ型のなめらかな形状と相まってとても映える。さらにその上にのった透明な玉のキャップ。これが壺からあふれる美しい水滴のように見えて思わずさわりたくなる愛らしさだ。このデザインは世界的なデザイナー、エルヴェ・ヴァン・デール・ストラッテンの作品。
さらに広告では、ヴォーグ誌のモデルとして絶大な人気を博していたカルマン・キャスを初代ミューズに迎え、その後はシャーリーズ・セロンを起用するなど、莫大な広告費をかけてグローバルマーケティングを仕掛けている。
唯一無二の美しいボトル、そして世界最高のモデルを起用した広告。1985年にプワゾンで世界的ヒットを飛ばしつつも、絶対に崩せなかったシャネルN°5の牙城を崩すための本気が、このプロジェクトにはあった。では、ジャドールの本質である香りは一体どうなのか?
ちなみに、現行ジャドールは2010年にフランソワ・ドゥマシーが再調香した作品だ。巷には以前のジャドールより深みがなくなったとお嘆きのマニアも多いと聞く。だが、リファインには、アレルギー規制などそれなりの理由があるはず。ドゥマシーは偉大なる編曲家だ。彼なりにジャドールの大事な骨格をくみ取って調整したものと思う。それはどんな香りに仕上がったのか?
ジャドールをスプレーする。まず広がるのは、透明感のあるみずみずしいフルーティーな香りだ。洋ナシとピーチをミックスしたようなあふれんばかりのジューシーなイントロ。とてもウォータリーだが、いわゆる瓜系の塩っぽい感じではない。酸味がなく、洋ナシ果汁の自然な甘さとコクが感じられるとてもシアーなトップ。
1分もせずに、さまざまなフローラルが豊かに広がってくる。イランイラン、ジャスミン、チュベローズ、マグノリアあたりの濃厚な白いフローラルが強めに出る。その下からわずかにローズのシャープさが見え隠れするミドル。強いのはジャスミンだ。
公式によると、ジャドールに使われているのはサンバックジャスミンと、ディオールが契約農家に委託しているグラースジャスミンの2種類。サンバックジャスミンはふわりとした軽やかな香りが特徴だが、この濃厚なホワイトフローラルからグラースジャスミンを嗅ぎ分けることは難しい。よくグラースジャスミンは樟脳っぽい匂いのインドールが多量に含まれているというけれど、確かにそうしたスパイシーな樟脳っぽさは感じられる。
ただ、2つのジャスミンの他にも、イランイランの官能的な低音、ローズの清涼感、ネロリの温かみも感じられてとても複雑な香気ではある。それらフローラルが渾然一体となって、シアーなのにクリーミー、エレガントなのに妖艶、といった相反する要素を一点で調和させている。これはすごいと思う。世界にホワイトフローラルはたくさんあれど、ひと嗅ぎでジャドールとわかる香りだ。
そしてこのミドルが驚くほど持続する。1プッシュで10時間以上。以前、手首につけたジャドールの香りを消そうとして石鹸で洗ったが、その後もジャスミン&ムスキーな香りがずっと残っていた。とても残香性が強い作品だ。
ラストは、フローラルムスクとなってソーピーに傾いて消失してゆく。複雑なジャスミン香が消えて、平板なジャスミン香になっていくので、ベンジルアセテートな感じだ。そしてホワイトムスクの温かみある香りと共にドライダウン。
価格は30mlで9350円と良心的。これは大事だ。ジャドールは、モダンでグラマラスな女性らしさと同時に、シック&エレガンスをも備えた大人の女性の香り。ノーブルで慎ましく、ときに官能的に人の心を惹きつけてやまない。そんな不可能を可能にしたゴールデンバランスの香り。
「ジャドール!(大好き)」。それは、ムッシュ・ディオールの口癖だった言葉だという。
まさにディオールが打ち立てた金字塔、ジャドール。
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2021/3/20 10:50:23
春風に誘われて、新しい服に袖を通す。鏡の前であれこれとコーデを試す。真新しい靴をおろして、街をそぞろ歩きしたい。
春は女性の装いが最も華やぐ季節だと思う。水がゆるみ、風が命の芽吹きの香りを運んでくる季節。春らしい装いには、花咲く頃に似合う香りがある。これは自分的には最も距離を置いている香水だけれど、女性にはとても人気のある作品。ミスディオール・ブルーミングブーケ。
では、どんな香りかというと(←早いな)
トップ。つけた瞬間、スッと冷たいアルコールの揮発がある。賦香率がオードトワレなのでそれは折り込み済み。それでも鼻にツンとくる感じではない。むしろそのアルコールの冷たい揮発に載せて、ほんのりミント様の清涼感が抜けていき、心地よい。青いグリーンもかいま見える少しクールなイントロ。まだ肌寒い早春の風を思わせる開幕。
5分後、わずかな甘さを伴ったふんわりピンク色のフローラルが広がってくる。ピオニーのアコードだ。クレジットによるとダマスクローズとのミックスのようだけれど、ピオニーノートの柔らかいフェミニンフローラルが7、ローズの青みと高貴さが3といったイメージだ。バラの香りは思ったよりも複雑な香気を多く含み、成熟した女性を思わせる強さもあるので、そこをかなり抑えて若い女性の可憐さやナチュラリティに寄せている感がある。
このフローラルアコードの出来ばえは秀逸だ。ピオニーは自然の花からは抽出できない香料なのでアーティフィシャルだが、とても自然に感じられる。ダマスクローズの軽やかさがこのピオニーに自然な花のエッジを与えているよう。ちなみにディオールから2021年1月に発売されたリップスティック「ディオール・ルージュ」の香りも、ピオニーにザクロフラワーを添えることでナチュラリティにこだわっている。「ディオールは花」というデザインコンセプトは一貫していて、その中で若い女性に向けてピオニーやサクラなどのライトなフルーティーフローラル路線を展開しているのが今のディオールだ。
付けて1時間ほどすると、ピオニーの香りにあたたかみのあるソーピーな感じがつながってくる。ホワイトムスクの香りだ。この2つが華やかさと清潔感を演出しつつドライダウン。人にもよるが2〜4時間ほど続く。付け方はウェスト左右1プッシュでいい。体温で温められた香りが、胸元や袖口から少しずつ上気してくるのを楽しめる。ただしトワレ濃度なので「これじゃ全然匂いがしない」という方はデコルテあたりにプッシュするといい。立ち上った香りが顔や髪のあたりから時々ふっと香る感じでベスト。手首や耳の後ろはあまりおすすめしない。タッチは柔らかいけれど、香りじたいはとても強いからだ。香水はさりげなく、やわらかく、がいい。
春。真新しい靴。春めいたスカートコーデなどで少しレディライクに。そんな軽やかな装いなどに似合う香りだと思う。肝心なのは、これが若い女性だけに向けた香りではないということ。中性的な雰囲気の男性、そしてどの年代の女性がつけても全く違和感がない優れた調香だと思う。よく妙齢の女性が、「香りは可愛らしくていいと思うけど、若い人向きね」と敬遠することがあるけれど、それはもっとチープで甘ったるいベリー系の香水だけだろう。ディオールの香水に関しては、フランソワ・ドゥマシーという世界屈指の調香師が作っているので、どんな女性にも似合うようバランスがとられている。ボトルのシルバーリボンは、全ての女性への贈り物という意味だ。もちろん、初めて香水をつける方にもちょうどいい優しさも忘れていない。(←ほんとお前からは遠いな)
歴史的名香ミスディオール。香水沼には「亜種は論外」という方もいるだろう。それでも香水は時代とともに、人々のニーズと共に変わる。ブルーミングブーケは、よくできたフルーティーピンクの花の香りだ。ほんの少しの甘さと苦み、そしてダマスクローズのふくよかさをあわせもった可憐な香水。価格は30mlボトルが6600円(税抜き)。若い方はプチプラ香水を手にする機会も多いと思うが、値段的に大差なくても、こちらは世界最高の調香師が作ったライトな香水。ぜひ試してみてほしい。そのへんのコピー香水とは香料が違うから。
「誰にでも好かれる香り」なんてものはこの世に存在しない。それでも、多くの方に好かれている香りというのは実際ある。そこにはそれなりのよさが確かにあるものだ。
金色の太陽。新緑を揺らすさわがしい風。花々が咲き乱れる命の始まりの季節。髪が揺れるたびにふんわり香る、心ときめく花の香り。それはディオールが作る愛の花。
「あなたは愛のために何をする?」
ミスディオールブルーミングブーケは、あなたの心にそう語りかける。
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2021/5/1 13:18:46
あたたかい風が森の空気をはらみ、青空へ高くのぼって雲を吹き流す頃、いっときだけ必ずつける香水がある。ディオリッシモのパルファムだ。
ディオリッシモ。イタリア後の”issimo"を冠した香水。それは「特別最上級」を意味する言葉。故クリスチャン・ディオールの「幸運のお守り」となった香水。
ディオリッシモは、1956年に発売されたミュゲ香水の歴史的名香。ミュゲはフランス語でスズランのこと。フランスという国にとって、この花はなくてはならない花だ。毎年5月1日は「ミュゲの日」とされ、フランスの街角のいたるところに森から摘んできたスズランの小さな花束を売る売り子があふれるという。人々はスズランを買い求め、お世話になった人や愛する人へ贈り合う。スズランを贈られた人には、必ず幸福が訪れると伝えられてきたからだ。
スズランの幸福。それを誰よりも強く信じていた一人が、世界的ファッションデザイナー、クリスチャン・ディオール氏だった。彼は祖母から学んだ占星術やカード占いの影響もあり、「幸運の印やお守り」にとてもこだわる人物だったという。
ディオリッシモは、そんなディオールが「幸運のお守り」として生涯大切にした花、ミュゲの香りをとことん追求した香水だ。手持ちは名調香師エドモン・ルドニツカが徹底的にこだわって仕上げたパルファム。1970年代頃の物だ。2009年にフランソワ・ドゥマシーがリファインした現在販売中のパルファム・エキストレに比べ、香りが濃厚で強いと言われるヴィンテージ・パルファム版。では、いったいどんな香りか?
ボトルから指にちょんと一滴とって、手首の内側など、体温の高い場所に点付けする。その瞬間、強いジャスミンインドールの香りと清涼感あるグリーンな香りが鼻を強襲する。このトップは、接着剤や殺虫剤のようなツンとした匂いに感じる方もいるだろう。シベット系のアニマリックな気配も感じられるフェノリック(薬品・樹脂系)なイントロだ。現代風のライトでフルーティーなトップに慣れている方はここで「う!」と呻いてKOされるかもしれない。それでも諦めないで欲しい。ディオリッシモはここからが真骨頂だ。
トップの強烈なフェノリックは2分もしないうちに消え、香りは深い緑色になってくる。スパイシーな土と動物の匂いと、葉がこすれたときに香る青臭い感じが渾然一体となって広がってくる。これは森の香りだ。そしてそこから爽やかグリーン&ソーピーな白いフローラルが広がってくるのを感じるようになる。
つけて5分。遂にスズランのグリーンで清楚なフローラルがふんわり出て明確になる。この香りがとても自然ですばらしい。ほんのり甘くて酸味があって軽やかだ。どこかグリーンアップルやペアーを思わせるフルーティーさも感じられる。深い森に足を踏み入れると、木陰になった湿地のあたりにスズランの群生を見つけたような雰囲気。これがディオリッシモのミドルだ。
ミドル後半では、柔らかく濃厚なジャスミンの香り、イランイランのバナナリキュールっぽい香り、そして蜜の甘さのような感じも出てきて、自分があたり一面スズランに囲まれていることを知るようになる。シングルフローラルと言うけれど、天然香料がふわふわとさまざまな香料の側面をかいま見せるイメージ。森の奥の開けた場所、風の向きによって、スズランの妙なる香りがさまざまな森の色を運んでくる。そんな心地よさで心が満たされていく。
可憐で清楚で幸運を呼ぶ花、スズラン。このグリーンでソーピーなフローラルのミドルは、その後は変化せず6〜8時間柔らかく香って消えてゆく。2時間ほどで消失するトワレと比べると、さすがパルファムといった感じだ。
ミュゲの香水を創る。そのためにディオール自身は、スズランだけを1年中育てる専用の庭園を作るなど、自身もその香りについて深く研究したという。ルドニツカもまた、ディオールのこだわりを見て、最高のミュゲ香水を創る意欲をかき立てられたようだ。
ルドニツカは、天然香料がないミュゲの香りを完璧に再現するため、当時出たばかりのスズランの合成香料ヒドロキシシトロネラールを使いつつ、その強さを緩和してシンプルなミュゲの花の香に近づけるよう、天然香料とのバランスに苦心したとされている。ロジャ・ダブの著書によると、それは「シンプルと思わせる複雑さの追求」であった。かくして、当時珍しいミュゲのシングルフローラル香水は世界にその姿を現した。
あたたかい風の中、名も知れぬ森を思う。動物と木々と花々を思う。ディオールにとって花はいつもブランドの主役だった。その中でも最も大事にされた花を思う。
ディオリッシモ。それは貴方に贈るディオールからの小さな花束。スズランの香りのラッキーチャームだ。
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