2016/7/28 19:59:18
<他社なら「あなたの肌色になります」と言っていた? MACマッチマスター類似カテゴリの高フィットファンデ>
全色を店頭チェックのうえ、521ワルツを購入。
※マッチマスター、キスミレとも発色させづらいファンデのため、画像はかなり濃く塗っています。実際にはここまで黄み赤みは出ません。
ワトゥサの商品にはいくつか好きなものがありますが、このファンデについては謎に包まれていて、「この大好評はクリエーターへのファン心理補正なのでは……」とちょっと斜に構えていました。このたび、ひとつ購入して「ああ、このジャンルだったのか!」と非常に納得が行きました。
■概観・使用感
・さくっとした液質のフィット感重視ファンデ
・仕上がりはライブ感の残るセミマット
・伸び、指滑りはいいがどんどん揮発して最後はさらっとドライな仕上がり
・見た目よりぐっとシアーで薄付き
・色カバー力弱〜中、凹凸カバー力高
・動きの大きい部分のヨレ崩れ、皮脂崩れ両方に強い
・しっとりはしない、普通〜混合〜オイリー肌にベストと感じる
■色について
★サロン診断夏クリア・一部冬クリア色可能、カバマBN10程度
顔ややピンク皮膚薄く血色透けやすい、首やや黄み
※521ワルツ/523ルンバチャチャチャ=ピンク系
522ステップタンゴ/524パンジーママ=イエロー系
以上が色展開に対する店頭チェックでの印象です。
購入色:521ワルツ
・手にとったときの液の見た目は「綺麗すぎるピーチ系」
・伸ばすと彩度が消え失せ、肌色に馴染んでしまう
・不透明に肌を覆い隠す白っぽさが無い
これは見た目より色材の分量が少ないのでは? と感じました。白くも黒くもならず、ほんのりと赤みと黄みは乗っていて、首とも顔とも違和感のない「ほどよい血色」を作っているという印象。使い心地といい、この色の変化具合といい、何か似た系統のファンデを使ったことがあるな……と思い出しました。
それが「あなたの肌色になります」と謳ったMACマッチマスターの1番。ほぼ無色のシリコンベースに、ほんのわずかなピンクとイエローの色材をまぜたような印象のファンデです。ベースが皮脂で馴染むと肌が透けて見えるので「あなたの肌色ぴったり」になるという仕掛けで、ある種のノーカラーファンデではないかと感じたものです。
マッチマスター1番とキスミレ521ワルツに感じた共通点
・フィット感(凹凸カバー力)の高い質感
・仕上がりは微妙に肌のライブ感のあるセミマット
・皮脂を吸った時や、時間経過での色落ちが殆ど無い
・仕上がりはさらっとドライでしっとり感はあまり無い
・液の見た目が「高彩度のクレヨン系ピーチ」、塗ると彩度が失せて肌にしっくり馴染む
・しっとり感や、肌当たりのソフトさが無い(シリコンがっつりな印象)
・赤みやシミ等へのカバー力はほとんど無い
キスミレのほうが優れていると感じた点
・マッチマスターよりは肌当たりがソフト
・肌に置いてもすぐドライアウトせず、しばらくは伸縮性が残るので伸ばしやすい
・つけてすぐから「自分の肌色に近い色」を再現できる(マッチマスターは皮脂馴染みしないとやや青白い)
色そのものは非常に似ていますが、キスミレ521のほうが血色感、つまり赤みはわずかに強いです。カバマジャスミー10前後明度で、ピンク要素が全く無い黄白いタイプの方、またはオリーブ系高明度の方はマッチマスター1のほうがしっくりくるかもしれません。
ただし、キスミレにも白ピンクになるような不透明さは無いので、だいたい明度が合っていれば問題なく使えると思います。
マッチマスター1番を選んだほうが満足できそうな方:
ピンク要素皆無で黄白い方、インナードライのぞく極度のオイリー
キスミレ521ワルツを選んだほうが満足できそうな方:
多少血色感を残したい、普通〜混合肌でソフトな使い心地が好き
どちらも苦手そうな方:
赤み、色ムラなどを隠す色カバー力が欲しい、極度の乾燥肌、オイル系またはパール系のツヤ肌が好き
■総合
・凹凸カバー力に優れる高フィットだが、色そのものは薄付きな点が好み
・皮脂崩れ、ヨレ崩れ等に強く持続性が高い
・かなりさっぱりしているので大人世代に保湿は必須
わたしは非常に好きで、肌質や用途にも合うものでした。酷暑には未だにお世話になるマッチマスターより使いやすいことは間違いないので、「色傾向は良かったんだけど使用感がなあ」と思っていた方には試す価値がありそうです。ワトゥサのコンシーラーやパウダー類を一切併用しなくても十分綺麗なファンデで、むしろそのままのほうが透明感はあるような気がします。
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2016/7/25 14:22:48
<透明感重視派におすすめ、「薄く均一に転写する」すぐれもの>
すごいすごいと言うけれど、普通のスポンジチップと何が違うの? というのは誰しも抱く疑問だと思います。使ってみてわかったのですが、シリコンチップの最大の特徴は
「取ったシャドーが、チップにほとんど吸われずにそのままフワっと転写される」
というもの。
■概観・使用感
・立てて保管できる10.5cmのロングハンドル
・やや固めの弾力を持つシリコンチップ(フワフワではない)
・「乗せたシャドーがそのまま均一に転写される」というもの
・使用後はほぼシャドーが残らず、軽く拭き取るだけの簡単なケアでOK
・練り系アイテムにもパウダーアイテムにも向く
・薄く均一に伸ばすこと、密着させることが得意
・はっきりとした濃淡を出すのは難しい
・ミドルカラー〜ハイライトカラーなどを薄く伸ばすのには向く
・ラメパールが非常に透明感あるつきになる
まぶたに乗せ終わったあとのチップにはほとんど色が残りません。ラメパールも全部そのまま肌に乗ります。チップがほぼシャドーを弾いているんですね。
また、肌に転写されるとき、薄く均一に広がるという特性があります。チップの側にシャドーを保持するひっかかりがほとんどなく、粉体や基材を弾いて滑りながら広がっているようです。
こうした特性があるため、濃淡のはっきりしたグラデーションを作るのはやや苦手なようです。作れないことはないけれど、どうしても強弱のギャップは曖昧になりがち。「目のキワを濃く、まぶたに向かって薄くぼかしあげる」といったメイクは通常のスポンジチップのほうが得意です。
画像でも、ディオールフュージョンモノは付属チップのほうが濃淡の差がはっきり出ているのが伝わるでしょうか。
このチップで特筆すべき得意ジャンルは、複雑なラメ・パールの表現を持つシャドーです。薄く伸びてひたっと肌に密着するため、「このシャドー、こんなに繊細だったの?」と思うような透明感あるつき方をします。粒が浮かずに肌に溶け込むようなつき。一見ギラつきそうなカラーを、綺麗にこなすのが得意です。
たとえば、ディオールショウモノの大ヒット色、フューチャリズム。マルチカラーパールのラベンダーグレーで、非常にクリーンで可愛い色ですが「ちょっと気を抜くとギラギラになってダメ、加減して薄く乗せるだけならいける」と感じている方は多いと思います。
色の特徴が出るほど乗せると、どうしても粉っぽくホワイトアウトするのもこの手のラメカラーによくあること。
これをシリコンチップで乗せると、ギラギラと白光りしづらくなるのです。マルチカラーのラメパールが肌に吸われたようにひたっと密着し、非常に透明感が出ます。
また裏色を持つラメパールが含まれている場合、裏色の影響がやや弱くなるようです。NARSのPool Sharkは「ベースがブルー、裏色がピンク〜バイオレット」なパールカラーですが、シリコンチップでつけたほうが素直なブルーに近づきます。
■シリコンチップに感じた特徴一覧
●向いていそうなアイテム/メイク法、良い特徴
・中〜高明度カラーを薄く均一につけるのが得意
・白っぽいぎらつきが気になる強ラメ色を品よくつける
・粉っぽく感じるシャドーのフィット感を高める
●苦手そうなアイテム/メイク法、悪い特徴
・低明度カラーもぼわっと広がりがちなので、暗色はどうしてもスモーキーなメイクになる
・濃淡のはっきりしたグラデーションを作るのは苦手(クリースを描く等)
・白っぽく強い輝き/メタリックなラメパールを強調するメイクが苦手そう
・裏色パールの影響を弱めてしまう
■総合
・安価で習熟いらず、使ってすぐわかる機能性
・ケレン味なく「普通に便利」な使い心地
・手持ちのシャドーの表現の幅が増える
・練り系アイテムにも粉系アイテムにも使える
・手入れが簡単
・メイクボックスの中で「どこいった!?」とならないロングハンドル
効果がわかりやすくて、特殊な使い方を要さず長く愛用できるメイクツールだと思います。ビギナーさんからメイク好きさんまで幅広くおすすめできる良品と感じました。
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[リップグロス]
容量・税込価格:6g・1,430円発売日:2016/7/9 (2016/11/22追加発売)
2016/7/24 14:39:42
<人気ジャンルのツボを抑えた本気の色出し、垂れやすいゆるめ液質に注意>
おそらくいちばん注目されているのはミルキーウェイブルー、他ブランドで売り切れになっている「青グロス」だと思います。
機能性からいってもそこそこ優秀な実用アイテムで、色はこちらのほうがよくできているかもしれません。「ちゃんとほどよく青いグロス液」と「光効果は発揮するが、悪目立ちしない微細ラメ」が秀逸です。
■機能性・使い勝手について
・水っぽいゆるさを持った液質(傾けると垂れる)
・べたつきは少ないが、つるんとした厚みを出す効果は弱〜中程度
・液質に対してややすくい取りの弱いストレートバーチップ
・ライトな潤い感を感じる
・持続性は弱いが、ほのかに色の特徴は残る
液質はグロスとリップ美容液(オイル系アイテム)の中間ぐらいのゆるさで、さらっとウォータリーな使い心地。唇をひっぱられたり、髪がつきそうな粘度はありません。ボトルを傾けると見ている間にどんどん液が流れていくぐらいのゆるさ。
べたつきが無い点では好きな方が多いと思いますが、垂れやすいのでたっぷり乗せるのには向きません。また、中に含まれているラメも放っておくとどんどん底にたまっていくので、保管するときは立てずに横置きするほうが使いやすいです。
わたしは粘度の高い(つまり厚みの出せる)グロスが割に好きなので、もうちょっと固練りでもいいかなと思いましたが、このあたりは好みだと思います。
値段なりだな、と感じたのはアイス棒を細くしたようなストレートバーチップ。ほとんどしなりもないので、狙った適量をつけるにはちょっと慣れが必要です。ここはもう少し価格帯が上のブランドだと、独自の材質や形状をあれこれ凝ってくる部分だと思います。
■色について
★サロン診断夏クリア・一部冬クリア色可能、カバマBN10程度、唇ややローズ強
●ミルキーウェイブルー
・高明度高彩度のペリウィンクルブルー(紫がかった青)
・非常に透明感の高い清潔なクリアカラー
・ベースの液にもきちんと青みが発色する
・視認できるかできないか程度の微細なピンク偏光青ラメ
・黒沈みしづらい、紫っぽく血色を失いにくい
実物を見ると、思わず見入ってしまうような繊細で美しい色です。そして、見た目以上に実用性の高い色。
単体で肌に載せてもベースの液にはきちんとブルーの特徴が残ります。ラメの存在感はほぼ無くなり、光を添える程度。写真で見る印象よりもラメはずっと小さく、半透明に近く、存在感は薄いと考えてOKです。
寒色グロスは一本だと血色を失わせたり、黒沈みするものがりますが、これは「裏色ピンク」の青ラメのおかげか、あまり黒く沈みません。もちろんブルーなので多少明度は下がりますが、うまく中〜高明度域を維持したまま、色傾向だけほんのり変えてくれるというイメージ。
このミルキーウェイブルーが「よくわかってる」と感じるのは
・淡いなりにきちんと青く色を転ばせる効果がある(青グロスを使う意味がある)
・極端にアーティスティックな真っ青にはならない
・ラメパールがほとんど視認できない(大粒ラメや多色パールが苦手な人でも使える)
というさじ加減。
ちょっとおもしろいのが、接触性の剥げ落ちや乾燥でグロスそのものが落ちてしまったあと。この「視認できないラメ」が残ることで、ほんのり青のニュアンスだけは唇に残るのです。もちろん、ラメの形が目に見えるわけではないので、「なにかついてますよ」という感じにはなりません。
■総合
・べたつかないが少々ゆるい液質は好みが分かれるかも
・色の特徴をはっきりと再現でき、同時に個性派になりすぎない発色のさじ加減が優秀
・さりげなく光効果だけを出す微細ラメの表現が繊細
・持続性とチップの使い勝手は価格なり
この価格でこの絶妙な発色を出してくるのは、やはり意欲的で面白いブランドだなと感じます。ブランドの性格付けからすれば、思い切り真っ青でギラギラした「おもちゃコスメ」にすることもできたでしょうが、ちゃんと繊細な実用発色。
今の若い方が何が好きか、何をしたいかをよく目配りして商品に反映させていると思います。このブランドでもうひとつ嬉しいのは、定番品が多く、「限定品」と銘打たれていても比較的長く購入できること。
予約時点から数人の購入で吹き飛んでしまう限定品や、いつ入荷するかわからない欠品続きのヒットアイテムを脅かすに足る、「プチプラの刺客」ではないかと思います。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
2016/7/24 14:37:46
<澄んだ発色と色設計はオンリーワン、独特のフォギーマット質感に好みが分かれそう>
ペーパーパレットの販売キャンペーンに合わせてペシェを追加購入。
■色について
★サロン診断夏クリア・一部冬クリア色可能、カバマBN10程度
顔ややピンク皮膚薄く血色透けやすい、首やや黄み
●ペシェ
・プレスされた見た目よりクリアな発色のピンクオレンジ(スモーキーではない)
・同系統の淡オレンジ〜コーラルと比べると、ややピンクの特徴が明瞭
・青み肌に乗せてもちゃんと「ピンクとは一線を画すコーラル〜オレンジ系」に出る
・羽二重餅的にフォギーに白抜けするマット質感
・チークにも目元にも合った(おそらく個人差大)
見た目は濁りオレンジ、つけると透明感ある淡コーラル、よく分析すると意外にピンクオレンジ……という摩訶不思議なカラーです。
プレスされている状態での色はちょっとくすんだ、赤みも強いようなピンクオレンジです。店頭で見たら確実に「苦手色かも」と腰が引けてしまう見た目。どう見ても濁り色の見た目なのです。
つけると白っぽくホワイトアウトし、やや赤みを失います。「これはやはりピンクオレンジやピーチというよりは、淡い白オレンジ系かコーラルだなあ」と感じる仕上がりに。
質感はマットで、エンジェリックにも共通するような「羽二重餅の表面のような白っぽくて繊細なフォギーさ」、擦りガラス的な仕上がりです。このホワイトアウトする発色と質感を気に入るかどうかで好みが分かれそう。
目下のところ、毎日でも使いたいと思えるコーラルです。色調整のパウダーなどを併用せず、そのまま薄くぼかすだけで納得のいく「映えかつ馴染む色」に出ています。
画像ではNARSのSex Appealやシュウのリニューアル前のP40と比較していますが、この二つよりもペシェのほうがぐっとピンクの特徴が出ています。そのわりに、頬に乗せた時あまり赤みを感じないのが不思議です。
コンセプト通り、目元に使っても違和感なく使えます。(マット質感なので、わたしの場合パールかラメものを重ねる必要はありますが。)
おすすめできそうな方
・いわゆる「ブルベ可能なオレンジ」に含まれるわずかなゴールドパールに撃沈しがち
・シャーベットオレンジでは彩度が高すぎる
・ピンクオレンジ〜ピーチ(桃花色)はいけるが、もっと明確にピンクとは違うオレンジやコーラルが欲しい
・ベースに関してはミルキーに白抜けする白オレンジが使える(旧キャンメイククリームチーク12オレンジマカロン等)
ピンとこないかもしれない方
・刺すような彩度を持ったシャーベットオレンジでないと厳しい
・少しでもホワイトアウトする色がNG、羽二重餅系の質感やミルキー発色が完全にNG
・ピンク含みのオレンジはもう合うものがあり、飽きている
・マットチークが苦手で、パール質感でないと合わない
NARSのSex Appealが「系統としては合うんだけど、時間経過すると微妙に、ほんの少しだけど黄色が煩く感じるんだよね」という方には、試す価値があるかもしれません。
※そのほかの所有色のカラーマッチ
サーフグリーン◎……さっとぼかすだけで顔色の映える、ほぼベストなライトグリーン
エンジェリック○……俗に言う「青み三姉妹」の中ではベストマッチ、濃い色のためやや調整が必要だが、ペシェ同様ホワイトアウトするので赤みがうるさくない
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