- ローズ・ポンパドゥールさん
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- 31歳
- 乾燥肌
- クチコミ投稿25件
2011/6/2 11:06:08
初めに言っておく事は、以下記述は、オードトワレではなくて、オピウム・パルファムについてのクチコミである、という事です。
その名も『パルファム』という雑誌〔編集長は、わたくしの尊敬する平田幸子サチコ氏〕の読者プレゼントで当選し、頂いたものです。
名高い印籠のデザインのボトルは、日本人ケンゾーが蹴ったのをフランス人サンローランが気に入ったそうです。
「オピウムか、それとも無名か、だ!」と、イヴさんが周囲の反対を押し切ってこだわり抜いたというネーミングセンスも最高☆
イヴ・サンローランのデザインした服は、女性は女性らしく、という分り易いものだったけど、香水は違う。
オピウムに最もそれがよく表れていると思います。この、倒錯的で複雑なジェンダー感覚が大好き。
信じがたいほど万人対応型の、魅惑のフェロモンを放つのは、バイセクシャル傾向の人が圧倒的に多い〔人物史上ホントの話〕〔かつ実感としてホントの話なんですッ〕。
オピウムは、男性が使えば妙に色っぽい香りになる。
大島紬にオピウム、というクチコミがあり、うわぁ素敵センスいい、と共感しつつ、逆説的に、女らしく露出度高めでオピウム、も又いいんじゃないかなと思います。
このオピウムは、肉体的なセクシーさというよりもっと内的で感覚的、センシュアルじゃなくセンシュアス。そういう意味で“官能の極み”を体現しているから。
とろけるような恍惚感。
現実逃避の為の媚薬。
深く、重く、淀み、沈み、静かに時が止まる。
苦悩、悲劇の予感、絶望的な快楽、人生の苦さ、虚無感。
退廃してなお高貴に誇り高く、
華麗でゴージャスな大輪の花の、凋落した風情。
深遠の淵を堕ちゆく者へ、捧げる久遠の眠り薬。
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2011/11/6 20:38:39
私が5歳まで住んでいた家の二軒先に、ポメラニアンと一緒に暮らしている50代後半の女性がいらして、幼い私は時々その家に遊びに行っていました。小さな部屋が二間だけのその借家の真ん中には不相応な位の大きな仏壇があり、そこを中心にその部屋には、何とも言えず独特で神秘的で魅力的なお線香の香りが漂っていました。彼女はいわゆる“二号さん”で、その仏壇に飾られた写真は大分前に亡くなったという彼女のその“ご主人”でした。
それから20年以上も経ったある日、この香りのコロンを入手して、私は生まれて初めてめくるめくような強烈なプルースト効果というものを体験しました。吹き付けた瞬間、急激に、私はあの女性の部屋にちょこんとお邪魔している4歳の自分の状態に引き戻されたのです。普段ほとんど思い出すこともないあの場所に私はいました。それは思いも寄らないことで、こんなことがあるのかと本当に驚かされました。この香水はまさにあの家の香りだったのです。
どうだったのでしょうか。世代的にも自然ですし、彼女がタブーを愛用していたことがまず当然の如く考えられます。でもどうも私は、あの家の香りが奇跡的にタブーに酷似したのではないかと思っているのです。仏壇の周辺から特に強く香っていたからです。あくまで推測ではありますが、彼女が常用していた線香とあの、花の名前を持った愛らしい室内犬の匂いが絶妙に混じりあい、あの香りが出来上がったのではないか、と。
タブーには猫の尿にも通じるシベットが含まれています。だからお香の神聖な雰囲気の中にもどこか不浄が潜んでいるような、どこかに罠があるような、あの独特の香りが出来上がるのですね。セクシャルで危険な感じを醸し出していて、どこか日陰的で、とても背徳的な香りです。
とにかくそれ以来私は、この香りに触れる度に絶対的に彼女を思い出さずにはいられなくなりました。思うに、“タブーを犯す”という言葉はまるで恋愛ゲームだとか、悪さをしたという勲章のような感覚を以って用いられることが多々ありますが、私はこの香り(と酷似した香り)を漂わせた彼女のあのどこか寂しげな暮らしぶりを思う度、何か声を上げて泣きたくなるような思いに囚われます。タブーを犯すということは、それなりの代償を伴うということ、覚悟を引き受けなければならないということ。
試香したその夜、私は古い電話帳を引っ張り出し、彼女に電話を掛けました。彼女は昔と同じ家に今もいらして、変わらない懐かしい大阪弁と、変わってしまった80を越えた老いた声で私にこう仰いました。「こんなに生きるとは思わんかったわ」
タブーを使っていたか、とは、なぜだかどうしても聞けませんでした。
思うに、このような話はこの場に相応しくないのかも知れないので、投稿には幾分悩みました。でも私がこのタブーの香りを表現するに際して、このことをどうしても書かずにはおれませんでした。私にとってはこの香水は、その名に申し分ないほど相応した、“禁忌”の香りです。
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2011/12/6 21:50:02
やっと出会えた!理想のピンクブラウンパレット 754 ロージータン(バラ色の日焼け?)
海外旅行に行った際にたいして試しもせずにノリで買ったという(しかも慣れない外国の紙幣でお勘定を間違え、気づいた時には払いすぎたお金は行方くらまし。しらを切る店員に不自由な英語で立ち向かうのも疲れてけっきょく日本の定価くらいのお代金で購入という)、じつにお粗末な出会いですが、使えば使うほどにメキメキと化粧ボックス内ヒエラルキーをのし上がっていき、今や大定番、サラっと装いたいときもきっちりエレガントに行きたいときも頼りになる、いつも手元に置きたい、わたしのお化粧生活における側近的アイテムと相成りました。
ひとことで言うなら、その気になれば直球ラブリーもお手の物だけどべたべた媚びない、能あって爪隠すアンニュイブラウン。
ってかんじっす。(どんな感じだよ)
ピンクブラウンのパレットはどれもだいたいそうなんだけど、パレットの印象を決めるごまかしのないストレートなピンク、というのが必ず一色入っていて、それが、=メインカラーになる場合が多いと思うんですが、こちらのパレットがただ者でないなぁ、と思うのは、蕩けそうに目覚ましく甘いベビーピンクを配しながら、それを差し置いてメイクをしてもきちんと深みのある美しい「ピンクブラウン」の目元になることです。
つまり、こちらのパレット、ストレートなピンク1色に、ピンクを仄めかせたアイボリー〜ブラウン4色という、セッティング。ピンクを中心にしつつもブラウンを脇役にしない、むしろ単色で売ったら絶賛されてもおかしくないこんなに可愛い主役カラーを排して使っても、うんとハイクオリティーな仕上がり。というのが、まぁ5色入りの妙ではありますが、じつに贅沢ではありませんか。
大々的にピンクを使わなくてもピンクを孕んだ目元が完成するので、これは大人にもいい。(もっとも、価格も大人向け)
ピンクとは言っても、全体に、モーヴがかったミルキーブラウンと言った仕様です。
個人的には、前述のようにピンクをメインに使わない、クールに甘い仕上がりがとっても気に入っていますが、もちろんピンクをメインにしたり目の下に入れて思いっきり「愛され」な目元にするもヨシ。バリエーションの広さ、懐の深さも5色入りの醍醐味です。
では、メインに使わないピンクをどこに使うか、と言うと、仕上げに目頭にちょんと、置いています。だから全っ然減らないんだけど、このバランスが好きで好きで。
粉質はしっとりしていて、ラメ感を感じない上品なもの(〆色のプラムブラウンだけ、わずかにラメ入り)。色によってパールの配合は異なりますが、全体に、イリデセントがパーリーなら、こちらはシルキー。相変わらず、まぶたの上で混ざってしまうのに変わりはありませんが、くすんだり落ちたりすること無く、夕日が色を変えるように美しく混ざってくれるので問題ないです。
それとディオールは、発色がキツくない点も好き。ふんわりと、肌に溶けるのが良いです。
作り込んだアピールメイクにももちろん使えますが、ナチュラルで牧歌的な装いにも意外と映える。わたしはバサッとした、リラックス感のある服装と合わせるのが好きです。
可愛いのは好きだけど、作為的なブリブリ感じゃなくて、さりげなく甘いのがいい。かつナチュラルで、抜け感のあるものを。という、すべての人に。
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2011/9/28 22:35:46
色別の感想の続きです。(2/2)
<中間カラー つづき>
【ヒューミッド】
熱帯の鳥の羽根の色ような、深みのある青緑。やや重めの色がしっかりと発色するので、グリーンかゴールド系のメイクの中間〜締め色として効かせるのが好きです。
【パラディスコ】
肌なじみの良いオレンジコーラル。意外に落ち着いた色で腫れぼったくもならないので、私にはピンク系より使いやすいです。ゴールドマインと縦割りしてムルシュで締めると、南国のフルーツみたいなトロピカルなグラデが完成。
【ピンクヴィーナス】
シルバーラメ入りサーモンレッド。見た目は赤味寄りのハッキリした色ですが、塗るとシルバーラメが目立ち色はあまり出ません。ダブリン、ムルシュと合わせてアポロチョコメイクが多いです。
【ダブリン】
ややボルドーがかった甘いチェリーピンク。発色が良いので広げすぎると腫れたようになってしまいますが、ピンクヴィーナスなど一段弱いピンクの中間か締めにすると可愛らしい仕上りに。
【ウィンタースカイ】
シルバーに輝くモーブピンク。ピンク味を感じさせながらも、甘さ控えめでかなりクールな印象になります。この色自体は好きなんですが、組み合わせる色が意外と難しくて試行錯誤中です。
【フリートゥビー】
チークみたいなマットなコーラルピンク。単独ではあまり色が出ません。コーラル、ピンク・オレンジ系シャドウのベースとして先に塗っておくと発色が良くなるので、この方法で活用中。
【クレームドゥバイオレット】
ゴールドラメ入りの赤紫。これも発色が良く、赤寄りの紫なのでグッと色っぽさが出て女度が上がりますね。ピンクやパープル系の締めに使ったり、フラッシュトラックやナイトトレインで締めたりしてます。
【ビューティフルアイリス】
ほぼマットなライラック色。何度か重ねると見た目通りの色が出ます。紫系の中では爽やかな仕上がり。クレームドゥバイオレットやフラッシュトラックと合わせることが多いです。
<中間or締めカラー>
【テンプティング】
艶めく華やかココアブラウン。赤味にも黄味にも転ばない絶妙な色。肌にピタッと密着して、伸びが良く、濃さの調節が効くのでグラデを作るのも簡単。中間にも締めにも使えます。一番人気なのも納得ですね。
【ムルシュ】
テンプティングより赤味のある深ブラウン。これも肌に綺麗に乗ります。テンプティングがややクール寄り、こちらは温かみがある印象になるので、ピンク・オレンジ系の締めに出番多いです。私はテンプティング以上によく使ってます。
【コルク】
これも赤味寄りの深ブラウン。ムルシュからパールを控えめにした感じ。発色重視の時や、他がラメパールたっぷりの場合、ヌーディーメイクの時はこちらのほうが相性いいです。アイブロウにも使えます。
【ナイトトレイン】
シルバーパールぎっしりの華やかなグレー。柔らかな粉質で色の乗りがとても良いです。これをメインにブラックタイドで締めてモノトーンメイクも良いし、ブラウン、ベージュ系の締めにこれを使っても新鮮。
<締めカラー>
【エスプレッソ】
マットな濃ブラウン。ブラウン系の締めに使用。マット系の色に共通してプレスが硬く、チップにやや取りづらいです。が、色自体は使いやすく、重ねたりぼかしたり好みに調節できます。
【ブラックタイド】
シルバーラメぎっしりのブラック。見た目は満天の星空のようです。黒色がくっきりと発色し、ラメ配合なのでエスプレッソより粉が柔らかく伸びも良いです。あらゆる系統のグラデの締めに使える万能カラー。
【クラブ】
グリーンの偏光パール入りブラウン。一見、深い焦げ茶色なんですが、角度によってグリーンニュアンスに変わるので重くなりません。MACならではの遊び心が感じられるお洒落な色。難しそうに見えて、実はどんなシャドウの締め色でもハマり洗練された印象になります。お気に入り。
【フラッシュトラック】
深みのある群青色。つやっとしたメタリック調の発色で、濃いプルシャンブルーがしっかり出ます。こういう色は時間と共にくすんでグレーになるものが多いですが、これはくすみを感じさせません。ブルー、グリーン、パープル系の締めに合います。
【グリーンスモーク】
ラメがたっぷり入った深みのある灰カーキ。ほぼ黒に近い濃い灰色にカーキのニュアンスがあり、ラメのおかげで野暮ったくならず、すっきりとシャープな印象に仕上がります。グリーン系かブラウン系と合わせるととてもクール。
文句なしに使えるお利口な色から、ひと癖もふた癖もある色まで。
このシャドウはメイクする楽しさを教えてくれますね。
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