2008/6/18 01:02:11
好きな香りなんですが、きついですね。外出の時にはほとんど必ず香水をつけるのですが、やはり場所をわきまえて香りを選んだりはします。大衆的、というか、人気のある、たとえば好きな香水ベスト10などに入るたぐいのものはつけていてもあまり問題はないのですが、ルタンスのように個性の強い、どちらかといえばart性を濃く主張するものは、「このニオイなに?」「なんかニオワない?」という言葉が周囲から聞こえてくる場合がありますし、ニオイの情緒にうとい娘っ子なぞは悪意の言葉で「臭(くさ)!」と投げつけてきたりもします。
これはカトリーヌ・ドヌーブが愛用していると何かで知って、意外に思ったりもしたのですが、美しくて、しかも卑猥を聖的に昇華させることの出来る「昼顔」の彼女ですからこの匂いから最も崇高な堕落さえ漂わせるのかもしれません。人によっては臭い香りと思わせるものも至上の美貌はその圧倒的な美の力によってその常識をくつがえすのでしょう。
そういう美とは無縁の私はせめてデカダンのポエムを味わおうと時々つけてみるだけですが・・・。
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2007/6/26 22:33:36
ネームに惑わされたわけでもないのですが、ボトルのデザインといい香りといい、不可思議な感じですね。私が想像していた香りを裏切り、というよりも多くの皆様のコメントでもなかなかその匂いがくっきりと浮かんでこないような、それもまた不可思議な思いを持ったのですが、ティッシュに吹きかけて空気になじませて嗅いでみて、アインシュタインが真紅の花一輪を持って多次元からふわりとあらわれたようなイメージが浮かびました。昔「マリリンとアインシュタイン」という奇妙な味わいの映画がありましたが、マリリン・モンローがアインシュタインに相対性理論を説明するチャーミングでややシュールにも感じられる場面の、あの二人だけのホテルの一室には、こういう匂いの粒子が実存していて、模型の列車が床を走るときには空気の揺らぎであからさまに「華氏」を顕現させたのではないかと思ったりもします。
いわゆる香水の系統からはちょっとずれたような物語を感じます。こういう香りを好まれる女性って二重にも三重にも仕組まれた複雑な物語を心の中に持っているのではないかとあやしく想像したりもします。
私は香水は衣服につけることが多いのですが、この香り衣服ではうまく香ってくれません。あやしい物語の始まりは素肌から、ということなのかもしれませんね。
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2006/9/2 15:57:19
最近の楽しみはルタンスの香水を集めること、特に釣鐘ボトルは魅力です。が、次にどれを買おうかと迷いますねえ。そのときにここの皆さんの意見はすごく参考になります。
で、これ、皆さんの意見から得られるイメージでは、「悪くないな」という感じです。パチョリが入っていると書かれてる方もあって、パチョリは好きなので、好感あがります。でも宣伝イメージにも書かれてるトルコの煙草って、本質的に良い匂いなのか、と疑問も。いちばん怖いのは匂いじゃなくて臭いだったという愕然の結末。アンボワセピアみたいに他に似た匂いの香水があったというのも落胆の結末だけれども、「臭い」というのは付けられないから問題外ですものね。
で、結論でございます。
すっかり気に入ってしまいました。成分を分析して報告できたらいいんですけど、そういう知識がないので、感情移入ありまくりになってしまいますけど、アンブル・スルタンのラストとボルネオ1834(だったっけ?)のラストを混ぜて、そこに漂うエキゾチックなあれやこれやで、浮かぶイメージは、トルコの美しい褐色の肌のたくましい男性。青年でも少年でもなくて、男性ですのよ。
女性がまとうのは難しいかもしれません。相手はトルコの美しい男性ですもの。ギリシャ彫刻のように怜悧な女性がこの香りを屈服させることが出来るかもしれません。
他のメーカーの香水は化粧品の延長のような気がしますが、ルタンスの香水はartなんですね。だからアンボワセピアみたいに他のメーカーの香水に似てたりしたらなんだかartの領域を自ら汚したみたいでショックが大きいわけです。
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2006/8/2 09:28:58
ルタンスの釣鐘3本目。
ボトルの蓋をあけるとき今度はルタンスはどんなマジック・イマジネーションを魅せてくれるのだろうかとワクワクします。
そしてこれ・・・
ガーン!!
やられてしまいました。
と言っても、悪いほうですの。
これって、まんま、サンローランのオピウムプールオムじゃござんせんか。サンローランの匂いのするルタンスなんて「暗殺の森」の匂いのする「地獄に堕ちた勇者ども」のようなものですわ。
いつかどんでん返し、あるいは四谷怪談の戸板がえしのように、驚きがあるかもと、時間を置いてみましたけど、特にこれといったルタンスらしい趣向もないまま、幕。ルタンス様、悲劇も喜劇もカタルシスが必要ですのよ。ルタンスだけに求めるカタルシスを忘れないで。
それにしてもセクシーな、ホスト系的なオピウムプールオムに似たこれの何処が「すでに色鮮やかになった秋が夏を懐かしむ追憶。秋雨の降る森に漂う、苔、落ち葉や土の暖かく落ち着いた香り。」であるのかしら。その惹句と匂いのギャップこそが悲鳴を伴う戸板がえしでありました
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Santal de Mysore(サンタル ドゥ ミゾール)
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2006/7/20 12:18:24
ルタンスの釣鐘ボトルの一本目。アトマイザーに移しかえるときにこぼしてしまいその強烈なややホルマリンチックな匂いが印象に残ってしまった為、しばらくオクラ。芳香に蹂躙されたという感じでした。
で、久しぶりにつけてみて外出。丸一日を過ごすと、そのかおりの変化に、羽ばたきに心地よさを感じる。最後の最後にやっと白檀の香りが、まるではにかむように現れる。そしてそのかおりは、たゆたうようにいつまでも続くのです。ルタンスの香水の醍醐味、というのはこういうところにあるのだなと実感。
ここの評価の星六つとか七つって自分が気に入ったのはもちろん、他人にもメッチャすすめたいよお、ということですよね。でも自分の好みというのが、いつも特殊に傾きがちだったりすると、あまり人にはすすめられないんだけども、ということになって、ここでは六つも七つも星がつけられなくなる。そんな他人に合おうが合わなかろうが関係ない、ということであれば、これ、☆六つです。「アパートメント・ゼロ」という映画がすごく気に入ってしまっても、誰にでもそれを見て見て、というものではありませんもの。
誰にでもすすめられるものじゃないかも、と思って☆五つにしてましたけど、あくまでも自分の好みにしたがって☆六つにしました。それほど最後にほのかに、それでいて、いつまでも残る白檀の香りが気に入ってしまいました。
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