2018/7/17 00:10:04
5月末に発売になった、ルイ・ヴィトンのメンズライン5種の3番目の香りです。
以前、レディースライン8番目の香りであるルジュール・スレーヴのクチコミにおいて、重ね付けを相当意識した作品に思えるというようなことを書いたのですが、今回のメンズラインにも同様の作品が二つあり、一つがヌーボー・モンド、もう一つがこのオラージュです。
香りの構成はかなりシンプルで、トップこそシトラスが強く香りますが、それは5分程度で収まり、その後はベチバーとパチョリをメインとしたややアーシーな香りにイリスが花を添えるといった趣となり、以降はほぼ変化しません。
持続性はかなり長く、香り自体の強度は高いと思うのですが、大人しい香調かつ拡散性もあまり高くないので、弱い香りに感じられます。
調べてみると、オラージュには嵐という意味があるようですが、その名からイメージされるような荒々しさは全くなく、むしろ通り雨が過ぎ去った後のぬかるんだ地面と雨露に濡れた草花を思わせるような雰囲気があります。
おそらく万人から嫌悪感を持たれない類の香りではありますが、単体だと物足りなさを感じてしまいそうな香りだと思います。
この香りで特筆すべきは冒頭にも記した重ね付け適性の高さで、香りそのものがほぼベースノートで構成されていることもあり、レ・パルファン・ルイ・ヴィトンシリーズだけでなく、他のブランドの香水と合わせても、大体合います。
ベースが強化されるので、香りの持続性も合わせた香りからさらに伸びる印象です。
面白いのが、オラージュ自体は左程メンズ感はないにもかかわらず、他の香水を合わせると途端にメンズ感が出てくることですね。
ベチバーとパチョリがメンズ香水において、如何に重要かがよくわかります。
買ったはいいけど思ったよりレディース過ぎて使いづらかった……みたいな香水をお持ちの男性は、これと合わせるといい感じに補正できるかもしれません。
また、最初から他の香水と合わせるのも良いですが、大人しくも持続性の高い香りですので、オンタイムはオラージュを単体で纏い、オフタイムになったらその上から別の香りを纏うという使い方も有りだと思います。
単体の香水としての評価は4〜5、重ね付け用としてなら7といったところで、トータルでの評価は6としました。
ただ、ここまで書いておいてなんですが、個人的には重ね付けというのは元の香水の個性を殺している行為なんじゃないかという疑問も、多少感じるところではあります。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
-
-
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)]
税込価格:19,800円発売日:2017/3/1
2018/5/8 00:22:17
先月、仕事帰りに新宿伊勢丹に寄ったところ、アールフレグランスのイベントが開催されており、調香師の村井さんが直接接客されていましたので、これも何かの縁と感じ購入したのがこの香水です。
砂糖がたっぷり入ったアールグレイとの説明の通りの香りで、万人受けする香りだと思います。
実際、4種あった香りの中からこれを選んだ理由も、肌の上での変化を確認するほどの時間的余裕がなく、絶対に外さないものを選んだというのが正直なところかもしれません。
このティーブレイクに限った話ではないのですが、村井さんのお話によると透明感というものを重視して調香されているとのことで、確かにムエット上ではクリアで美しい香りです。
ただ、私の肌の上ではベルガモットが立ち過ぎて、濁って感じられるのが残念なところですが……
とはいえ、村井さんの意図されたことかはわかりませんが、別の部分で透明感を感じたことがあります。
この香水は8時間くらいは持つとの説明でしたが、私の肌の上ですと、つけてから数時間もたたないうちに香りが感じられなくなります。
ところが、確かに香りは持続しているようで、時折、拡散された甘い紅茶の香りが鼻に届くのです。
つまり、肌の上で透明になって残り続けるという、なかなか珍しい香り方をするのです。
この香水の最大の難点は値段ですね。
万人受けするであろう使いやすく良い香りですので、広くお勧めしたいところですが、お茶系の香水は強力なライバルも多いんですよね。
手持ちのお茶系だとラルチザンのテ・プー・アン・エテやロジーヌのゼスト・ド・ローズ、ディオールのテ・カシミアあたりの方が、コスパ込みで考えるとお勧め度は正直上かなと思います。
余談ですが、この香水は京都の長楽館での紅茶をイメージしたものとなっています。
先日、京都へ行ってきたので、実際に長楽館へ足を運び、アールグレイを堪能してきましたが、歴史ある建物で素晴らしい一時を過ごすことができました。
京都は好きな街で毎年旅行していますが、この香水との出会いがなければ見過ごしてた場所かと思うと、この縁に感謝したいですね。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
-
-
キュイール ダンジュ(HERMESSENCE CUIR D`ANGE)
[香水・フレグランス(レディース・ウィメンズ)・香水・フレグランス(メンズ)・香水・フレグランス(その他)]
税込価格:-発売日:-
2018/4/7 23:27:53
私は革製品が好きなのですが、革製品ブランドの王様と言えば、やはりエルメスなんだろうなと思います。
そんなエルメスが放つ、レザーノートのフレグランスがこのキュイールダンジュです。
ほぼレザーのシングルノートと言ってもいい香りですが、そのレザー香が凄くいいんですね。
レザーを用いたレディース香水は色々ありますが、レザー自体の香りは力強い男性的なイメージがあります。
ですが、この『天使のレザー』という意味の名をを持つ香水は、まさにその名に相応しい優しいレザーの香りで、男性がつけても女性がつけても違和感のないユニセックスな香りだと思います。
難点を挙げるとするならば香りの構成が単純なことですが、この香水はこれでいいのです。
もしこれが他のブランドの香水なら、レザー以外の香りと合わせたり、香りの変化といったようなことを求めたかもしれません。
しかしこれは、革物ブランドの王者たるエルメスの香水なのです。
エルメスの用いる革は、世界最高峰のタンナー(皮革製造業者)が生産した革の中から選別された、極一握りの最上級品と言われています。
そんなエルメスの革を素肌に纏う……そう考えると、ゾクゾクして来るものを感じませんか?
まさにこれは、エルメスが出すからこそ意味のある香りと言えるでしょう。
もっとも私は、エルメスの革製品はエルメッセンスのカバーしか持っていないので、これがエルメスの革の香りか?と尋ねられたら、正直よくわからないのですけど……。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
2018/3/25 19:01:53
ルイ・ヴィトンが一昨年発売したレ・パルファン ルイ・ヴィトンは、シリーズを構成する7つの香水が、「旅」をテーマとした一つのストーリーとしてつながるというコンセプトとなっていました。
そのシリーズに新たに加わったこの香りの名前は、「夜明け」を意味するそうで、新たな旅の幕開けを感じさせるものとなっています(実際、今後も新しい香りが続々と発売になる予定らしいです)。
しかし、私には新たな旅の始まりというよりは、今までの7つの香りを補完する香りのように感じました。
その補完の意味は二つあります。
70年振りの新作香水ということもあってか、一度に7つもリリースしたこのシリーズですが、それだけの数があるのに意外にも欠けていると感じた香りがあります。
それは、「シトラス系」の香りであり、「夏向き」の香りです。
その欠けている香りを補完するのがこの香水であり、それが補完の意味の一つ目です。
では、どのような香りなのかといいますと、まず印象的なのがトップでして、マンダリンを主とした強く鮮烈なシトラス系の香りとなっています。
しかし、この強い香りは5分程度で急速に収まり、淡く大人しい、サンバックジャスミンを主としたホワイトフローラル系の香りへと徐々に移行してゆきます。
この、シトラス系からホワイトフローラル系への移行において、いい具合に橋渡しを務めているのがカシスです。
ミドルまでは甘さ控えめですっきりした印象なのですが、ベースに近づいてきますとムスクが顔を出し、ややレディース調の甘さが出てきます。
EDPであり、ムスクが効いているためか、持続時間はかなり長いものの、とにかくミドルの香りが控えめなため、外出時などはあっという間に香りが飛ぶ印象を受けるのが難点ですが、逆にそこが使いやすい部分であるようにも感じます。
そして、補完の意味の二つ目ですが、それは重ね付けです。
このシリーズは元々、重ね付け可能なものとされていますが、その中には強く独特な香りであるためか、重ね付けに不向きとされている香りもありました。
何かといいますと、私がこのシリーズで最も好きな香りであるタービュランスです。
そんな中、このルジュール・スレーヴは、タービュランスも含めた従来の7つの香りすべてと重ね付け可能なものとなっているそうです。
私がこの香水を購入した最大の動機はそこにあり、実際にタービュランスとの重ね付けを試してみましたが、やはりタービュランスが強すぎるためか劇的な変化はないものの、タービュランスの特徴的なチュベローズが、ルジュール・スレーヴの淡いホワイトフローラルを通して立ち昇ることで、より際立って感じられるように思いました。
ルイ・ヴィトンの方によると、一番のおすすめはアポジェとの重ね付けだそうで、私としてもそう思いますが、手持ちの香水で試した範囲では、ローズデヴァンとの相性が良かったです。
ただ、いずれにせよ劇的に印象が変わるというほどではなく、従来の香りに彩りを加える隠し味的なものに留まる印象です。
とはいえ、タービュランスは私にとって、最も使用頻度が高い香水ですので、それにさらなる楽しみを加えられるこの香水は、とてもありがたいものではあります。
最後に纏めますと、夏向きの爽やかで良い香りではあるのですが、従来作品との重ね付けを意識しすぎたために控えめすぎるようにも感じ、単体の香水としてはやや魅力に欠ける印象です。
例えば似たような香調かつ価格帯の香水でいうと、クルジャンのアクアユニヴェルサリスあたりの方が、単体の香水としての出来は良いように感じます。
逆に、このシリーズが好きで、既に何本も持っている方であれば、従来の香りにない香りであり、なおかつ従来の香りにさらなるバリエーションを持たせることのできる香りでもあり、かなりおすすめできます。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品
2018/2/21 22:16:57
エルメスのブティックにて、現在の専属調香師であるクリスティーヌ・ナジェルの作品をいくつか嗅がせてもらった中で、特に気に入ったのがこの香水です。
正直なところ、ルバーブの香りというのがどういうものかわからないのですが、まず感じるのがグレープフルーツ的な酸味とベリー的な甘さで、それが落ち着くと野菜っぽさとムスクの石鹸っぽさが香り始めます。
ネットで調べるとルバーブは酸っぱい香りと出てきましたので、最初の酸味とこの野菜っぽさがルバーブなのかなと思います。
ここまではユニセックスな香りなのですが、最終的にこれらの香りが調和してくるとレディースに寄る印象です。
では、男性には向かない香水なのかといえば、そうではないと考えます。
ナジェルは香水にジェンダーはないという思想だそうで、女性がメンズ、男性がレディース向けの香水を纏うとセクシーだと述べています。
その考えに従えば、むしろ男性が纏うべき香水のようにも感じますね。
オーデコロンということもあり基本的には香りが飛びやすく、早いときはそれこそ1時間も持たないことがありますが、逆に半日近く香りが持つこともあり(その場合でも数時間で香りの強さは大きく減退しますが)、持続時間にはかなりのバラつきがある印象です。
フレッシュで清潔感のある香りなので夏場に纏いたくなりますが、持続性を考えると寒い季節の方が楽しめる気もしますね。
総じてシンプルながらもよくできた香りで、ナジェルの才能を感じさせる逸品です。
海外ではエルメッセンスのシリーズにもナジェルの作品が5点ほど追加されたそうで、日本での発売はまだ未定とのことですが、今から楽しみにしています。
- 使用した商品
- 現品
- 購入品




